大の里の幕内最高優勝(2場所ぶり2回目)で終わった2024年秋場所。
その15日間の取組結果に基づき、千秋楽直後に恒例の「来場所、つまり九州場所の幕内番付予想」を公開しました。
この記事では、幕内番付予想に加えて、九州場所に期待する3つのことも記載しています。
ただし、ここに書いた期待は、まさに「期待=希望」であって、現状戦力を踏まえた分析ではありません。
この「番付予想と3つの期待」は、毎場所続けていますが、この「3つの期待」は当たった試しがありません(笑)。
とことん希望・願望に基づくものだからです。
そんな反省を踏まえて、この15日間の取組をたくさん見てきた目を信じて、九州場所幕内の展開を予想しなおしてみました。
ただし、予想の基になったエビデンスには確固たるものが無い(泣)ので、戯言と思ってスルーしていただいて結構です。
_/_/
以下、番付は、筆者 TOPIOの番付予想に基づく記述であることをご了承ください。
予想その1〜横綱
横綱・照ノ富士は、秋場所全休しました。理由は怪我と糖尿病です。
照ノ富士は2場所連続で途中休場したあと、7月の名古屋場所では、優勝決定戦を制して目標としてきた10回目の優勝を果たしました。
その後、夏巡業には参加していましたが、先月23日の東京 大田区での巡業では北の若に胸を出した際に左足を痛めた様子を見せていて、先月29日の横綱審議委員会の稽古総見にも参加せず、番付発表後も相撲を取る稽古は再開できていませんでした。
師匠で元横綱・旭富士の伊勢ヶ濱親方は「巡業でひざを痛めたのが原因として1番大きい。血糖値も下がらなくて体重も10キロ以上落ちている」と話し、ひざのけがと持病の糖尿病が休場の理由だと説明しました。
引用元:NHK NEWS WEB
筆者 TOPIOは、診断されてから10年経つ糖尿病患者です。糖尿病に関しては100冊以上の「主に医者が書いた書籍」を読み漁りました。摂取糖質量のコントロールや適度な運動が功を奏して、4年前からは薬服用無しで、いわゆる寛解状態です。
そんな糖尿病患者の目から見て、横綱・照ノ富士の症状は深刻だと思うのです。
体重10kg減、これは公表体重 176kgで換算すると、この1〜2ヶ月で体重が5%以上減ってしまったということになります。
糖尿病患者が治療をしているにも関わらず、極度の体重減少があると、これは身体からの深刻なアラームだと捉えるべきでしょう。
医学的にはとくに生活習慣を変えていないのに、体重が6ヶ月間で5%以上減ると危険だといわれています。
引用元:医療法人による糖尿病患者のためのコラム
糖尿病は、根性や精神力で直せる病気ではありません。というより、今の医学では糖尿病は治らない(=完治しない)病気とされています。
細かい横綱の症状はわからないのですが、横綱の糖尿病の状態は、入院すべきくらいなのかもしれません。
一方、怪我の方の状況は分かりません。
以上のことから、横綱・照ノ富士の身体の状況は、すでに引退すべき状態にあるのではと推測します。
つまり…
九州場所、横綱・照ノ富士は休場、もしくは、場所の前後での引退と予想します。
□ □ □
糖尿病の重篤な状態が続くと、合併症が発症します。
それは死と直結することが多いのです。
失明、壊疽などによる足の切断、人工透析、脳梗塞・心筋梗塞 etc.
ただし、合併症が発症していなければ、引退して体質改善に取り組めば、寛解の可能性も大です。
個人的な、いちファンとしては、序二段から横綱までの復活劇を成し遂げた照ノ富士に、弱者視点が理解できる良き指導者として活躍していもらいたいと望んでいます。
身体を大切にしていただきたい。
よって、「横綱不在」など勘案せず、横綱・照ノ富士には早期に引退、そして、親方業を始めてもらいたいと願っています。
予想その2〜三役の活躍・大関
25日に横綱審議会が開かれ、大の里の新大関昇進が正式に決まります。
先輩大関の琴櫻と豊昇龍ですが、秋場所は、やはりどこかに故障を抱えていたのかもしれません。
九州場所休場してでも、しっかり直して、万全の体制で本割に望んでいただきたい。
一方、大の里は、前述で予想したとおりに横綱不在となれば、九州場所の連続優勝の可能性が高いです。
大関・大の里としては、土俵際での逆転劇を喰わないためにどう対処するかなど、まだ伸びしろがあります。
おそらく、九州場所は、秋場所で体感した欠点の多くを修正してくるでしょう。
よって、優勝可能性は秋場所以上に高くなると予想します。
仮に、横綱・照ノ富士の引退が現実のものとなってしまうと、初場所の連続優勝も見えてきます。
つまり…
大の里の次に横綱を狙える大関がいない、少なくとも現状では琴櫻でも豊昇龍でもないという状況を誰が打開してくれるのか。
結論から書くと、それは霧島、尊富士、あるいは熱海富士だと考えています。
予想その3〜三役の活躍・関脇
関脇・霧島は、名古屋場所(7月場所)で8勝7敗、秋場所(9月場所)で12勝3敗です。
九州場所において、13勝以上で幕内優勝を果たせば、場所後の大関昇進の可能性が出てきます。
秋場所で見る限り、大の里と対抗でき、かつ優勝を狙える最右翼は霧島です。
仮に九州場所優勝できなくても、2桁白星の足跡を残せば、2025年初場所で直近3場所33勝以上あげることで、初場所後の大関昇進も見えてきます。
現状の大関陣を見た時、琴櫻と豊昇龍は役不足かもしれません。
なので、霧島の大関復帰が強く望まれるし、それが実現される可能性は高い。
繰り返しますが、現状、大関を通過して、その先を狙う人材の一人は大の里ですが、霧島もその一人になるでしょう。
あと怖いのは、怪我の再発ですね。
_/_/
さて、九州場所に関脇に返り咲くであろう大栄翔。
怪我のためなのか、一時のような爆発的な力強さがなくなってきました。
大関昇進を狙うには厳しい年齢と体調になってきたのかもしれません。
それでも、終盤まで優勝争いをする一人であってほしいと考えが、関脇・小結・前頭上位を行き来することになるのではないでしょうか。
これはこれで強い関取ということでもあります。
予想その4〜三役の活躍・小結
東小結・若元春。秋場所は11勝4敗と地力をいかんなく発揮しました。
東前頭2・若隆景ともども、九州場所で上位陣をかき回してくれることは間違いありません。
この2人は同部屋で対戦もないことは大きなアドバンテージであり、若隆景といっしょに若元春が終盤まで優勝争いをする可能性は高いです。
また、怪我の再発がなければ、若元春は関脇復帰をしても十分に活躍できる関取です。
九州場所、2桁以上の白星をあげて、関脇が1つでもあけば、初場所は関脇復帰です。
勢いがあれば、2025年春場所には最短での大関昇進も考えられるかもしれません。
ただし、大関の上を狙える関取かというと、年齢的や体調などの面で、難しいかもしれません。
_/_/
秋場所9勝6敗に終わったものの、貴景勝、琴櫻、豊昇龍の3大関を破った王鵬。
従来目立った引き技多様もなく、力強さが目立ちました。
秋場所で白星をあげた取組だけを見れば、大関の力もあるのではと考えます。
現状では、霧島に次ぐ、有力な大関候補の一人であることは間違いありません。
そういう観点に経った時、初の三役で二桁勝利を残せるかどうかが鍵。
具体的には、序盤の上位戦で白星を重ねることがポイントです。
秋場所で、3大関に勝った経験は大きな力となるでしょう。
九州場所の序盤戦を乗り切れば、つまり、対3大関戦、対2関脇戦を勝ち越しで通過できれば、優勝戦線に残る可能性大となります。
場所後、関脇昇進の可能性大です。
予想その5〜前頭上位
前頭上位(筆頭から3枚目まで)で注目すべき関取は、東前頭2・若隆景と、同前頭3の熱海富士。
若隆景については、詳細は書きませんが、取組的にも有利(同部屋対決が無い)が重なり、中日までの上位戦を勝ち越せば、初場所での三役昇進は間違いありません。その後も、関脇までは十分に可能です。
怪我の具合もあり、大関として活躍できるかどうかについては、兄・若元春同様に可能性は少ないのではと見ています。
_/_/
コロコロと負けてしまう印象の強い熱海富士。しかし、負け越ししても大負けはせず、なんだかんだと前頭上位に定着しています。
何か一皮むけることで、大きく化ける関取です。化ければ十分大関も狙える。
その上も狙えるかもしれない。
また、稽古するには最高の環境(伊勢ヶ濱部屋)にあるわけで、九州場所が化けを実現する場所となると予想をしておきます。
前述した関取同様、中日までの上位戦で勝ち越すこと、これが最低限必要です。
予想その6〜前頭下位
前頭下位で注目すべき関取は、ただ一人。
西前頭16・尊富士。
秋場所の十両優勝。
大の里同様、めちゃくちゃ強いのに、まだポカで負ける。
これも大の里同様、強いけど、まだまだ伸びしろありです。
で、怪我の具合にもよりますが、秋場所の勢いが続くのなら、前頭下位〜中位では敵無しでしょう。
つまり、「優勝戦線に絡んでしまった」と認識されるまでには、大きく白星を重ねることが可能です。
10連勝は可能かもしれません。
そして、これも怪我さえなければですが、大の里同様に将来の横綱としての活躍も期待できる関取です。
九州場所は大勝ちをして、初場所には、三役入りを狙える前頭上位になると予想します。
以上6つの予想を踏まえての、九州場所の優勝予想
優勝を狙えるであろう関取を列挙します。
- 大 関・大の里
- 関 脇・霧 島
- 前頭2・若隆景
- 前頭16・尊富士
本命・大の里、対抗・霧島、大穴で若隆景と尊富士。
これ秋場所15日間を見てきての力量差です。なので感覚的順位。
そして、この4関取は全員、優勝経験があります。
優勝争いのなかでも、しっかり白星を重ねることができると判断します。
琴櫻と豊昇龍については、潜在的な怪我(?)を含め、体調を格段に整えることが出来ない限り、終盤までの優勝争いはできないでしょう。
_/_/
そして、気が早すぎますが、2025年初場所の「宇宙一早い(笑)番付予想」です。
もう、勝手すぎる予想ですので、いろいろご意見はあろうかと思いますが、ご容赦ください。
まとめ
九州場所の幕内番付予想と伴に「3つの期待」を書いて公開しました。
あれは、多分に希望・願望が入っています。
そこで、今度は割と冷静に九州場所の展望を考えてみました。
幕内優勝は、大関・大の里、関脇・霧島、前頭2・若隆景、前頭16・尊富士が終盤まで争うと予想します。