50代からの女性の心豊かな生き方・暮らし方を応援する雑誌「ハルメク」。
この雑誌が「約2年で読者数を3倍以上に伸ばし、女性誌No.1に輝くことができた」のは、敏腕編集長の山岡朝子さんがいればこそなんです。
彼女は、どのような経歴を持ち、どのような想いで雑誌作りに取り組んでいるのでしょうか?
また、雑誌だけでなく、オウンドメディアやオンラインイベントなど、新しいメディアやサービスにも挑戦し続けている山岡朝子さん。
彼女のビジョン、そしてメッセージは何なのでしょうか?
この記事では、山岡朝子さんの「これまで&これらの具体的な想いと行動」などについて、「ちょこっと調べ」してみました。
山岡朝子さんの経歴とお人柄
山岡朝子さんは、女性誌発行部数No.1の「ハルメク」敏腕編集長。
彼女はどのような経歴を歩んできたのでしょうか?
そして、どのような人物なのでしょうか?
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山岡朝子さんは、1974年に大阪府で生まれました。
大阪大学文学部英文学科を卒業後、総合出版社「主婦と生活社」に入社。
そこで、『すてきな奥さん』『CHANTO』など、創刊を含め計7つの雑誌の編集長を歴任。
中でも、『CHANTO』は、働く女性のライフスタイルを提案する雑誌として、業界内外で高い評価を得ていました。
2017年には、経営難に陥っていた株式会社ハルメクからヘッドハンティングされ、月刊誌『ハルメク』の編集長に就任。
『ハルメク』は、50代からの女性をターゲットにした雑誌で、株式会社ハルメクの核となる事業です。
月刊誌「ハルメク」は、書店売り無しで有料定期購読のみといった、他の雑誌とは少し毛色が違う雑誌でもありました。
そして、山岡朝子さん入社時の「ハルメク」発行部数は15万部と低迷。
この発行部数は、山岡さん入社時から遡ること約10年前のピークの3分の1まで激減していたのです。
繰り返しますが、月刊誌「ハルメク」は株式会社ハルメクの核となる事業です。
だから、株式会社ハルメクも経営の危機にあったと推測・・・。
山岡さんへの期待と課題は、この激減した女性雑「ハルメク」の読者(=発行部数)を増やすこと、そして、経営難にある株式会社ハルメクを再生すること。
山岡朝子さんは、そんな大きな期待や課題にも恐れることなく突き進みます。
そして、「ハルメク」の誌面を大幅に刷新し、読者のニーズを探るために徹底したリサーチ・分析を行いました。
結果、発行部数は今や50万部にまで上昇し、かつてのピークさえも超え、女性誌No.1の座に輝いたのです。
ところで、山岡さんは、プライベートについてはあまり公開していません。
ネット検索などで明らかになったことを少しだけ書くと・・・
彼女は結婚されており、男の子のお子さんがいらっしゃるそうです。
趣味は旅行や読書、映画鑑賞など。
山岡さんは、自分自身も女性誌「ハルメク」の読者層と同じ年代女性として、健康や料理、旅行、ファッション、美容など、さまざまなテーマに関心を持っています。
彼女のモットーは、「ハルメク」から広がる世界があるということなんです!
山岡朝子さんの現在の肩書
株式会社ハルメクに入社された山岡朝子さんの現在の肩書について、経歴の延長として、ちょっとだけ触れておきますね。
株式会社ハルメクをひとつの持株会社とする「株式会社ハルメクホールディングス」という会社があります。
この株式会社ハルメクホールディングスは、2023年3月に東京証券取引所に上場。
そして、株式会社ハルメクホールディングスの最大にして最優良の子会社が株式会社ハルメクとなります。
このあたりの詳細は、別記事「敏腕・山岡朝子編集長が春ハルメク∨字回復した秘密!?」を参照ください。
それでは、山岡朝子さんの肩書です。
- 株式会社ハルメクホールディングス 取締役
- 株式会社ハルメク 執行役員・コンテンツ事業本部長
- 株式会社ハルメク ハルメク編集部編集長
山岡朝子さんは、単に女性誌の編集長・・・というわけでは無いということですね。
ハルメクグループを統括する持株会社&上場企業の取締役でもあり、そして、その核企業である株式会社ハルメクの執行役員兼コンテンツ事業本部長という大任を担っています。
「ハルメク」編集長就任のきっかけと目標
山岡朝子さんが「ハルメク」の編集長に就任したのは、2017年8月のこと。
彼女が総合出版社「主婦と生活社」で7つの雑誌の編集長として活躍しており、そして、特に『CHANTO』が、業界でも高い評価を得ていたことは前項で書きました。
そんな山岡さんを、経営難にあった株式会社ハルメクがヘッドハンティングに動いたのです。
一方、山岡さんも、自分のキャリアに満足せず、新たな挑戦を求めていました。
山岡さんは、「主婦と生活社」の敏腕編集者として活躍していたとき、自分を高めるため、仕事をしながらグロービス大学院に学び、2015年に卒業。
そんな経緯もあり、「よりチャレンジングな状況に身を置きたい」と思っていたようです。
両者の想いが成就して、山岡朝子さんは株式会社ハルメクに入社します。
ところで、株式会社ハルメクは、50代からの女性をターゲットにした雑誌『ハルメク』を展開していました。
これも前項で書きましたが、当時の発行部数はかつてのピーク時の3分の1と超低迷状態。
山岡さんは、当然この状況を承知の上の入社です。
つまり、この雑誌「ハルメク」を立て直すことができると信じて、編集長のオファーを受け入れたのです。
山岡さんが「ハルメク」編集長に就任したときの目標は、『ハルメク』の読者数を増やすことでした。
そのために、彼女は、雑誌のターゲットを50代からの女性に絞り、シニア誌ではなく女性誌として再定義しました。
そして、具体的に、与えられた困難な状況を確実に打破していくのです!
山岡朝子さんの具体的な施策と成果
山岡朝子さんが「ハルメク」の編集長に就任したとき、彼女が最初に行ったことは、読者のニーズを探るための調査と分析でした。
彼女は、雑誌のターゲットである50代からの女性が本当に求めていることを理解するため、さまざまな方法でリサーチを行いました。
まず、ネットアンケートを実施。
これは、幅広い層の女性の意見を集めるためのものでした。
アンケートでは、雑誌の購読状況や読み方、興味のあるテーマやコンテンツ、満足度や不満点などを詳しく尋ねました。
アンケートの結果は、誌面刷新の参考になるだけでなく、読者の属性や嗜好を分析するためのデータとしても活用。
次に、グループインタビューを実施。
これは、少人数の読者を対象にした定性的な調査。
グループインタビューでは、アンケートでは聞けなかったより深い話を聞くことができました。
例えば、読者のライフスタイルや価値観、悩みや夢、雑誌に対する期待や要望などなど。
グループインタビューの結果は、読者の感情や考え方を理解するためのヒントとしても活用しました。
さらに、読者会も実施。
これは、読者と編集部が直接交流するイベントです。
読者会では、雑誌の特集や企画の紹介や試し読み、読者の感想やアドバイスの募集、プレゼントや抽選会などを行いました。
読者会の結果は、読者との信頼関係を築くための手段としても活用。
これらのアプローチにより、山岡朝子編集長は、50代からの女性のニーズを、具体的に深掘りし、それに応えるための雑誌作りを展開しました。
このあたりの具体策については、次項でより詳しく書きますね。
さて、これらの成果ですが、発行部数の増加(かつてのピークを超えた!)や定期購読者数の増加、読者満足度の向上となって現れたのです。
ハルメク刷新のポイントとその反響
山岡朝子さんが「ハルメク」の編集長に就任した後、彼女が行った最大の改革は、誌面の刷新でした。
彼女は、雑誌のターゲットである50代からの女性にとって、本当に必要で興味深い内容を提供するために、雑誌のコンセプトやデザイン、特集や連載などを大幅に変えました。
誌面の刷新のポイントは、以下の3点です。
- 雑誌コンセプトを「シニア誌」から「女性誌」に変更
- 雑誌デザインを明るく華やかに変更
- 特集や連載を多様なものに変更
雑誌コンセプトを「シニア誌」から「女性誌」に!
前項に書いた調査などから、50代からの女性は「シニア」という言葉に抵抗を感じることが多く、そして、自分自身を女性として見られたいというニーズがあることが浮き彫りにされました。
そこで山岡編集長は、雑誌「ハルメク」のキャッチコピーを次のようにしました。
- 50代からの心豊かな生き方・暮らし方
山岡編集長以下、「ハルメク」制作員一同は、このコンセプトを伝えるために、女性の魅力や幸せを伝える雑誌を作ることに集中したのです。
新コンセプトの基、編集部員全員が同じ方向を目指すということが大切なのかもしれません。
雑誌デザインを明るく華やかに!
これも同じく、前項に書いた調査結果から分かったこと。
それは、50代からの女性は、暗く地味な色や文字ではなく、明るく華やかな色や文字に惹かれることが多いということです。
そこで山岡編集長たちは、雑誌の表紙や見出し、あるいは写真などをカラフルで鮮やかなものにして、読者の目を引く雑誌に変身させていきました。
特集や連載をより多様なものに!
さらにもうひとつ、前出の調査などから分かったこと。
れそれは、50代からの女性たちが、年金や健康といったシニア雑誌特有の項目だけでなく、ファッション・美容・料理といった各世代の女性誌同様の内容にも、とても関心があるということです。
そこで「ハルメク」編集部一同は、シニア雑誌特有の特集や連載だけでなく、ファッション・美容・料理といった50代女性の好みやニーズに応えるものを意識的に増やしていったのです。
誌面刷新の反響は・・・
具体的な調査・分析に基づき、読者層の潜在ニーズを浮き彫りにした山岡朝子編集長。
その結果に基づき、「ハルメク」のコンセプトを明らかにし、編集部員一同で共有。
そして、調査結果に基づいた読者層の潜在ニーズに応えるべく、誌面を刷新。
果たして、その反響はどうだったのでしょうか・・・。
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読者からは次のような感想が寄せられました。
以下、ネットから拾った感想・反響を末尾を多少改変して掲載します。
- こんなの全然読みたくないと思っていたハルメクが、こんなにも読みたくなる雑誌になったはの驚き!
- ハルメクを読むと元気になります!
- ハルメクを読むことで、自分のことを大切にしたいと思うようになりました!
- ハルメクの内容がとても役立ちます、毎月楽しみにしています!
これらの誌面刷新に伴う読者層の受け止め方の変化から、大きな成果がありました。
すでに何回か書いてきましたが、発行部数や定期購読者数が右肩上がりで、発行部数においては、女性誌No.1に輝いたのです。
そして、女性誌「ハルメク」は株式会社ハルメクの核事業でもありますので、当然、危機に陥っていた株式会社ハルメクの業績も急上昇・・・という展開になりました♪
誌面刷新以外の新しい取り組みと効果
山岡朝子さんは「ハルメク」の編集長に就任してから、紙媒体にとどまらず、デジタルメディアやオンラインイベントなど、新しい取り組みを次々と展開しました。
前述の肩書(経歴)でも示したように、山岡さんは株式会社ハルメクの執行役員兼コンテンツ事業本部長です。
つまり、単に女性誌「ハルメク」を売れる雑誌にしようね・・・という目標を超えて、彼女にはもっと大きな課題があったのです。
その課題実現のため、コンテンツ事業本部長視点で、紙媒体を超えたつながりの実現を志向していきました。
この志向のなか、読者とのつながりを強化し、シニア女性の悩みやニーズに応えるために、山岡さんは、これらの取り組みをどのように行ったのでしょうか?
そして、どのような効果があったのでしょうか?
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まず、2019年には「ハルメク365」というオウンドメディアを立ち上げました。
オウンドメディア(Owned Media)とは、他社に依存するものではなく、企業が自社で保有するメディアのことです。
一般的には、ウェブサイトや自社ブログなどを指しますが、広義ではパンフレットや広報誌などもオウンドメディアに分類されます。
かつて、これらの媒体は、企業独自が作って展開するというよりも、外注する場合がほとんどでした。
オウンドメディアの価値は、自ら作り運営することで、自らが志向するコンセプトで展開できるという点にあります。
さて、取り組みの解説を続けますね。
「ハルメク365」は、女性誌「ハルメク」の内容を補完する、毎日更新(だから「365」ね!)されるウェブサイト。
この「ハルメク365」の目的は、雑誌読者だけでなく、ハルメクに興味のあるシニア女性を広く集める、注目してもらうこと。
「ハルメク365」を始めとしたオウンドメディアでは、雑誌の特集や連載に関連した記事や動画、読者の体験談、コラム、あるいはプレゼントやアンケートなどを扱っています。
これらオウンドメディアでマルチに注目を集めるようにしてきた結果、雑誌の読者数や定期購読者数の増加、読者満足度の向上・・・と雑誌との相乗効果が出てきたのです。
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次に、2020年には、新型コロナウイルスの影響で、直接対面しての読者との交流が難しくなりました。
そこで、オンラインイベントをスタート。
これは、読者と編集部がリアルタイムでオンラインコミュニケートできるイベントで、なんと1000人単位の規模で開催を重ねました。
オンライイベントでは、雑誌の特集や企画の紹介、試し読み、読者の感想やアドバイスの募集、プレゼントや抽選会、ゲストスピーカーのトークなど多彩に展開。
オンラインイベントの開催継続は、確実に、読者との信頼関係の構築と強化、読者の参加意識の高まり、読者の口コミ効果に現れたのです。
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山岡朝子さんは、コンテンツ事業本部長兼ハルメク編集長として、以上のような施策を行うことで、「ハルメク」読者とのつながりをより深め、彼女たちの心豊かな生き方・暮らし方を応援するメディアを育ててきたのです!
山岡朝子さんの「今後の展望とメッセージ」
山岡朝子さんが「ハルメク」の編集長に就任してから、約6年が経ちました。
その間に、雑誌の部数や売上は大きく伸び、女性誌No.1の地位を確立。
また、オウンドメディアやオンラインイベントなど、新しいメディアやサービスも次々と展開。
山岡さんは、これからも「ハルメク」をさらに成長させるために、どのような展望やメッセージを持っているのでしょうか?
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山岡さんは、今後も「ハルメク」読者である50代からの女性ニーズに応えるために、常に新しいことに挑戦したいと語っています。
その一つが、雑誌のデジタル化。
山岡さんは、紙媒体にこだわることなく、デジタル媒体にも積極的に取り組みます。
例えば、雑誌内容をスマホで読めるようにした「ハルメクデジタル」。
雑誌の特集は連載に関連した動画を配信する「ハルメクTV」など。
これらのデジタル媒体は、紙媒体では表現できない魅力や付加価値を提供することができ、雑誌読者以外にも「ハルメク」の魅力を伝えることができます。
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そして、もう一つが雑誌コンテンツを生かした商品開発や販売。
山岡さんは、雑誌の特集や連載に関連した商品を開発し、通販やオンラインショップで販売することで、読者満足度を高め、新たなる収益源を創出しています。
例えば、雑誌で紹介したレシピを使った「ハルメクお節」、「ハルメクコスメ」など。
これらの商品は、読者の方々から高い評価を得ており、毎年完売という実績を誇る人気商品となっています。
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山岡朝子さんは「ハルメク」を単なる雑誌ではなく、50代女性の生活を豊かにするメディアにするというビジョンを掲げ、「雑誌のデジタル化」や「雑誌コンテンツと連動した商品開発」といった取り組みを果敢にチャレンジしています。
彼女は「ハルメク」から広がる世界があるということを、読者の方々に、そして、潜在読者の方々に、感じていただきたとのこと。
そして、それら読者の方々と一緒に、これからの人生を楽しみながら、自分らしく輝くことができるように、応援し続けます・・・というメッセージを伝えています。
まとめ
女性誌No.1「ハルメク」の敏腕編集長・山岡朝子さんについて、彼女の経歴や人物像、雑誌作りの秘訣やコンテンツのつくり方、オウンドメディアやオンラインイベントなどの新しい取り組み、ビジョンやメッセージなどを紹介しました。
山岡さんは、読者である50代からの女性のニーズに応えるために、常に新しいことに挑戦し続けています。
彼女は、「ハルメク」を単なる雑誌ではなく、シニア女性の生活を豊かにするメディアにするというビジョンを掲げています。
そして、「ハルメク」から広がる世界があるということを、読者の方々に感じていただきたいと伝えています。
読者の方々と一緒に、シニアライフを楽しみながら、自分らしく輝くことができるように、応援し続けるというメッセージを伝えているのです。
山岡朝子さんの魅力に触れたこの記事が、皆さんの参考になれば嬉しいです♪
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