以下、敬称等は略で進めていきます。
新海誠監督の劇場公開アニメ『雲のむこう、約束の場所』は、初の長編。
これまで新海誠監督は、一人作業で作品制作を進めてきましたが、長編となるとそれは無理です。つまり、『雲のむこう、約束の場所』は、新海誠監督・初の協業作品なのです。
協業パワー爆発です。
軸となるモチーフは前作たち同様に男女の切ない恋物語で、メディアミックスも全開です!
なお、本記事は、筆者 taoが過去のブログ(閉鎖済)で書き下した記事をリメイクしたものです。
また、新海誠作品紹介としては、こちらもどうぞ。




『雲のむこう、約束の場所』メディアミックス
前作『ほしのこえ』同様に、『雲の向こう、約束の場所』もメディアミックス展開がされています。
- 小 説
- 『雲のむこう、約束の場所』
- 加納新太著、エンターブレイン刊行
- 『雲のむこう、約束の場所』
- 漫 画
- 『雲のむこう、約束の場所』
- 佐原ミズ著、月間アフタヌーン刊行
- 『雲のむこう、約束の場所』
- 舞 台
- 『雲のむこう、約束の場所』
- 2018年4月20日〜
- 東京国際フォーラム、NHK大阪ホール
- 『雲のむこう、約束の場所』
相変わらずのメディアミックス展開。アニメ劇場公開2004年から14年経って舞台化されるというのもすごいことです。
これは2016年『君の名は。』公開効果であることは間違いありません。
新海誠人気がしっかり根付いているという査証です。
『雲のむこう、約束の場所』について

この作品は、「dアニメストア」、「Hulu」、「U-NEXT」などで視聴できます。
『雲のむこう、約束の場所』ミニ情報♪
- 英語Title:The place promised in our early days
- 監 督 等:新海誠(脚本・原案・製作総指揮兼ねる)
- 出 演:吉岡秀隆、萩原聖人、南里侑香ほか
- 配 給:コミックス・ウェーブ
- 公 開:2004年11月20日
- 時 間:91分
冒頭にも書きましたが、91分もの長編になるとさすがに全ての作業を新海誠一人でこなすことはできません。
監督・脚本・原案はこれまで通り兼務ですが、この作品から「製作総指揮」を兼ねていることがポイントです。
新海誠監督は、きっと、この作品くらいから協業・共同のあり方をどんどん経験して、その肝を体得。
それが、2016年公開の『君の名は。』で結実したということなのでしょう。
『雲のむこう、約束の場所』あらすじ
なんとも不可思議な並行宇宙のお話です。
日本は1996年に南北に分断されてしまいました。そして、かつて北海道と呼ばれていたところは「エゾ」となり、共産国家群「ユニオン」に賜杯されています。
そして、その「エゾ」には先が見えないほどの高い塔がそびえ立っており、晴れた日には東京からも見えるほどの高さなのです。その塔をつくった「ユニオン」の科学技術力は、日本をはるかに凌駕しています。どうやら、その塔は、平行宇宙をコントロールしているようなのです。
さて、中学生の藤原浩紀と白川拓也、そして、沢渡佐由理は、飛行機をつくってあの「ユニオン」の塔まで行く約束をしていました。しかし、突然、佐由理は姿を消し、藤沢と白川もバラバラになります。
3年後…
佐由理は東京の病院で眠り続けていることがわかりました。しかも、彼女は「ユニオン」の塔と深い関わりがあったのです。そして、彼女の眠りが塔の動きを抑えていたこともわかります。つまりは、彼女が目編めないことが、あちら側かこちら側のどちらかにとって重要なことになるのです。
なぜなら、彼女が目覚めてしまうと、塔が本来の力を発揮して、かなりの範囲が平行宇宙に飲み込まれてしまうかもしれないからです。それは「エゾ」なのか、それとも「分断された日本」なのか…。
そんな状況下にありながらも、再開を果たした藤原浩紀と白川拓也は、いつの日か佐由理と交わした約束をp果たそうと決意するのです。それは、佐由理を「ユニオン」のあの塔まで連れて行くという約束です。
そのために2人は…。
『雲のむこう、約束の場所』サイト管理人の勝手な感想♪
『雲のむこう、約束の場所』を見た方は、冒頭から驚いたかもしれません。その後、度々、その驚きを繰り返したことでしょう。
それは、この『雲のむこう、約束の場所』に、新海誠監督の別作品のモチーフがたくさん見て取れるからです。その別作品とは、あの『君の名は。』です。
ああ、このシーンも、あのシーンも、この『雲のむこう、約束の場所』に原型があったことが分かるのです。
そういえば、新海誠監督が描く物語の世界は、現実離れした不可思議な世界。パラレルや夢が深く関わる世界です。つまり、新海誠ワールドは、処女作『彼女と彼女の猫』のときから、ずっと一貫して流れているんですね。
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ところで、日本の南北分断という設定で新海誠監督が何を描きたかったのか。いろいろ想像はできますが、実際のところは監督の口から聞いてみたいものです。
まとめ
今回は、新海誠監督の劇場公開初の長編アニメ『雲のむこう、約束の場所』を紹介させていただきました。
ここまでに紹介してきた『彼女と彼女の猫』、『ほしのむこう』と同じく、エンディングのあとの展開は見る者に任せる形ですね。
『彼女と彼女の猫』、『ほしのむこう』と比較すると、『雲のむこう、約束の場所』のエンディングは、3作品のなかでは、もっとも中途半端感の高いものとなっています。逆に言うと、だからこそ、自由に夢を見ることが可能なのです。
あなたは、『雲のむこう、約束の場所』のその後をどのように描きますか?
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