以下、人物名などは敬称なしで進めます。
新海誠監督の短編アニメ『ほしのこえ』。これは監督初の劇場公開作品です。25分間に秘めた監督の想いなどについてご紹介します♪
なお、本記事は、筆者 taoが過去のブログ(閉鎖済)で書き下した記事をリメイクしたものです。
また、新海誠作品紹介としては、こちらもどうぞ。
『ほしのこえ』のメディアミックス展開!
新海誠監督アニメ『ほしのこえ』は、早々にメディアミックス展開されました。
- 小 説
- 『ほしのこえ』
- 大場惑著、角川つばさ文庫刊行
- 『ほしのこえ あいことば/ほしをこえる』
- 加納新太著、エンターブレイン刊行
- 『ほしのこえ』
- 漫 画
- 『ほしのこえ』
- 佐原ミズ著、KCデラックス刊行
- 『ほしのこえ』
- 舞 台
- CBGKシブゲキ!!『ほしのこえ』
- 2015年4月23日-27日
- 脚本・演出、拝田ちさと
- CBGKシブゲキ!!『ほしのこえ』
このメディアミックス展開から推測すると、新海誠作品は『君の名は。』で2016年にブレイクする前から注目されていたということなんですね。
注目度ゼロなコンテンツが、これほどにメディアミックスされるわけがないですから…。
というより…
これらのメディアミックスの背景として、『君の名は。』公開が進んでいて、その広告戦略の一貫なのかもしれません。
『君の名は。』公開前に、一気に、新海誠とその作品を広めておこうという作戦です。
『ほしのこえ』について
この作品は、Amazon、Hulu、Netflixなどで視聴が可能です。
『ほしのこえ』、ミニ情報♪
- 英語Title:The voices of a distant star
- 監 督 等:新海誠(脚本・原案・編集兼ねる)
- 出 演:新海誠、篠原美佳(オリジナル版)
- 公 開:2002年2月2日
- 時 間:25分
う〜ん、新海誠、兼務の嵐で、相変わらずのものすごい大活躍です(笑)。
この作品で使用したマシンはPower Mac G4 400MHz。『彼女と彼女の猫』のときよりパワーアップしています。
それでも、非力だと思うのですが…。
『ほしのこえ』あらすじ
物語スタートは2039年の地球。当時の地球は異星人の脅威にさらされていました。
それから7年、舞台は日本。中学3年生の美加子と昇に恋が芽生え、同じ高校へいっしょに進学しようと決めていました。しかし…
美加子が国連宇宙軍の調査隊に抜擢され、2047年には遠い宇宙へと旅立ちます。想像を絶する超遠距離恋愛。そんな2人を繋ぐのは、超遠距離に対応したメールサービスです。
ただし、大きな問題が。このメールシステム送受信にとても時間がかかります。美加子が遠ざかるほどに、メールのやりとりに、とてつもない時間がかかるようになってしまいます。
まもなく帰還の途につくかというまさにそんなとき、敵襲です。その敵襲から逃れるために、美加子たち艦隊はワープでさらに遠方に。
すでに美加子と昇の距離は8光年。15歳になった美加子は、受取時には24歳になっているであろう昇あてにメールを書きます。
そして、美加子はさらなる戦闘に巻き込まれ…。
『ほしのこえ』、サイト管理人の勝手な感想♪
劇中、美加子が「携帯(スマホじゃない!)でメールを書く」というのが、なんとも時代を感じさせます。それも無理はないのです。
この作品が公開された2002年には、いまのスマホなど影も形もありませんでしたから。iPhoneが衝撃的にデビュー、一般で広く使われるようになったのは2009年頃(iPhone 3GS)。
そんな環境下、当時の携帯(のようなもの)に光速通信機能が内蔵されちゃっている…というのはなかなかな発想です。そうそう、ここに出てくる携帯、ドコモから出たての頃の機種にクリソツです(笑)。
それから2人に恋心が芽生える2039年の世界が、妙に今よりも古い時代、とたえば1980年代くらいな漢字に描かれていて、妙にノスタルジックです。
ところで、物語は、これ以上ないくらいにプラトニックな恋の切なさを描いています。こういう展開、新海誠監督大好きなんですね。
この『ほしのこえ』を見た人は、胸がキュンとするような自身の切ない初恋を思い出したりするのではないでしょうか…。
_/_/
それから、感想というより、こぼれ話をひとつ。
劇中に「さいたま交通、階段下」というバス停が何回も登場します。あれ、現存します。埼玉県さいたま市にあります。
主人公2人は埼玉県出身なんですね♪
それにしても、このバス停、やっぱり2039年には見えないよね〜。しかも、床が板張りって、1970年くらいじゃん!?(現存する「さいたま交通、階段下」バス停の現物は確認していませんが)
バス停などを見る限り、生活周りは1980年くらいからそれほど発展していないのでしょうか。一報、遠い宇宙まで戦いに迎えるほどの科学力もある。このアンバランスがなんとも言えない作品です。
まとめ
今回は、新海誠監督の初劇場公開アニメ『ほしのこえ』を紹介させていただきました。
前作『彼女と彼女の猫』同様に、男女の切ない恋の展開を描いています。もっとも、前作の僕は猫でしたが(笑)。
このころから、というより初期のころから、新海誠作品のメインモチーフは、少年少女の淡い恋物語であり、それが『君の名は。』まで続いているのですね。
劇中の「想いが時間と距離を超える」って…切ないけど深い言葉です。
- (わたしは)ここにいるよ。
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