スウェーデン出身のタレント、LiLiCoさんが来日38年目にしてついに日本の「永住権」を取得したニュースが、大きな話題を呼んでいます。
「え、38年もかかったの?」と驚いた方も多いのではないでしょうか。
ネット上では祝福の声とともに、現在の入管制度への率直な疑問や不満も飛び交い、コメント欄はかなりの盛り上がりを見せました。
そもそも「永住権」と「国籍取得(帰化)」って、何がどう違うのでしょうか。
なんとなく似たようなものだと思っている方も、実はけっこういます。
でも、この2つは法律上の意味がまったく異なるものです。
この記事では、LiLiCoさんのニュースをきっかけに改めて話題になったこの2つの制度について、できるだけ分かりやすくまとめました(^_^)/
- LiLiCoさんの永住権取得に対する世間のリアルな声
- 永住権(永住者)と国籍取得(帰化)の決定的な違い
- 永住と帰化、それぞれのメリットとデメリット
世間の声:LiLiCoさん永住権取得に対する驚きと入管制度への疑問


LiLiCoさんの永住権取得のニュースには、祝福と共に日本の入管制度への疑問の声が多数寄せられました。
ネット上に集まったコメントから、世間のリアルな反応と制度の現状を少し読み解いてみます。
来日38年での取得に驚きと祝福の声
LiLiCoさんはご自身で手続きを進め、あちこち走り回りながら苦労を重ねて永住権を取得されたとのこと。
その長年の努力と、無事に取得できた喜びに対して、「ご苦労様でした。おめでとうございます」と祝福するコメントが多く寄せられていました。
完璧な日本語を称えつつ「スウェーデン語を話しているところをいつか見てみたい」といった親しみのある声もあり、LiLiCoさんの人柄に対する愛着がにじみ出るような反応が目立ちます。
それだけ長く、多くの人に愛されてきた証拠でもあるでしょう。
LiLiCoさんの紹介を兼ね、来歴を
いまさら感がありますが、LiLiCoさんの紹介を兼ね、Wikipediaの来歴を、少し長いですが引用しますね。
父親はスウェーデン人で、母親が日本人(2012年に病死)。9歳の時に弟が誕生した。スウェーデンでは、ハーフということで壮絶ないじめを受けた。また、父と母は喧嘩が絶えず、母は否定する言葉を投げつけるなど、家の中でも逃げ場はない状態であった。両親は弟が生まれてから間もなく別居(両親が離婚をしたのは、約20年後のLiLiCoが最初の結婚をした翌日。代行して離婚届を提出した)。
18歳の時、日本でアイドル歌手になることを夢見て単身で来日する。母親の故郷である東京都葛飾区立石で、祖母と叔父が経営していたライブ喫茶店の店舗兼住居に身を寄せた(その縁で、2016年に「かつしか観光大使」に就任)。19歳のとき(1989年)、当時歌のレッスンを受けていた講師に勧められ静岡県浜松市に転居。現地の芸能事務所に在籍する演歌歌手のもとで下積みを重ねる。同年5月2日、浜松のデパート屋上にあるビアガーデンで歌手活動をスタートさせた。この浜松に住んでいたことが縁で、2013年には浜松市やらまいか大使を委嘱されている。21歳でマネージャーともう一人の歌手と独立。しかし後にその歌手は失踪、事務所は差し押さえに遭い、26歳までの5年間はマネージャーと二人で車でのホームレス生活をしながら、スナックや健康ランドなどでドサ回り歌手として活動をしていた。
1992年2月21日、映画の主題歌として日本クラウンからCDデビュー。また、ヌードシーンも含むVシネマや『ロバの耳そうじ』などにセクシー路線で出演。28歳でマネージャーのもとを離れ独立。中川翔子の母親が経営するショーパブで働きつつ、トヨタ自動車の販売系列である『ネッツトヨタ』などのCMナレーターをしていた。30歳のときに最初の結婚をしたが、6年後に離婚(子供はいない)。
引用元:WikiPedia / LiLiCo
(中略)
2018年4月2日、レギュラー出演している『ノンストップ!』(フジテレビ)の生放送中に、当日ゲスト出演中の歌謡グループ純烈のメンバーで俳優の小田井涼平と2017年に婚姻届を提出していたことを発表した。当時小田井とはお互いに47歳同士で、この熟年結婚(先述の通りLiLiCoは再婚)は話題となった。2019年7月27日、LiLiCoの故郷のスウェーデン・ストックホルムで挙式。
日本の審査基準に対する不満と厳しい意見
一方、38年という長い歳月がかかったことに対して、現行の審査基準への疑問も噴出しました。
「大した能力もなく税金を食い物にしている外国人もいるのに、真面目に働いている人が難儀するのはおかしい」という指摘には1.7万件以上の共感が集まり、「今の政府の基準はザルすぎる」と制度全体の引き締めを求める声も少なくありませんでした。
批判の向き先がバラバラなのも今回の反応の特徴で、「制度が厳しすぎる」という声と「制度が甘すぎる」という声が同時に上がっているあたり、入管制度そのものへの不満と不信感が根深いことがうかがえます。
LiLiCoさん永住権取得ニュースに付いたいくつかのコメント
以下、LiLiCoさん永住権取得ニュースに付いたコメントのうち、「共感数が多い」ものをいくつかピックアップして載せますね。
長い間、高い能力を持って日本の仕事に従事して、日本人と結婚しても永住権を獲得するのは難儀するんですね。一方で大した能力も持たず、少しの間働いては辞めてを繰り返しながら長期間ダラダラと日本の税金を食い物にしている外国人もいる。厳しくするなら後者の方を取り締まる法律にしてよ。
引用元:Yahoo!ニュース / スポーツ報知・コメント
(共感数 1.7万)
すべての外国系の人をにらんでいるわけではないが、今の政府の基準はザルすぎるので、明確にしてかつ厳しくもしたほうが良い。
それ以外にも観光客や留学生などの短期間の入国者に対しても、厳しさを世界一にしたほうが良い。
引用元:Yahoo!ニュース / スポーツ報知・コメント
(共感数 3,133)
言い方悪いですが、日本語もまともに理解して無い人が長く働き続けていたり、いくら永住権が無いと言っても生活しているそういった外国人には首を傾げます。
一方でリリコさんの様に長く真面目に生活して日本の多くの人に知られた方が40年近くかかっての永住権なんて日本の仕組みはよくわかりません。
引用元:Yahoo!ニュース / スポーツ報知・コメント
(共感数 3,099)
LiLiCoさんの日本語に違和感を感じたことがありません。昔笑っていいともで日本語を覚えたと言っていたような…
逆にスウェーデン語話してるところを見てみたい
引用元:Yahoo!ニュース / スポーツ報知・コメント
(共感数 2,634)
自分で手続きして取得できた瞬間の喜びは確かに苦労し待った時間分大きい喜びだったと思います。あちこち走り回り苦労と勉強の積み重ねで大変だったでしょう。ご苦労様でした。そしておめでとうございます。
引用元:Yahoo!ニュース / スポーツ報知・コメント
(共感数 1,739)
真面目な外国人が報われる制度設計への期待
これらのコメントから見えてくるのは、長く真面目に日本で生活し、多くの人に親しまれてきた人が、40年近くかかってようやく取得できるという現状への違和感です。
制度を単純に厳格化するだけでも、単純に緩和するだけでも解決しない問題がそこにはあります。日本の社会に貢献し、生活基盤をしっかり築いている外国人が正当に報われる、透明性の高い明確な基準が求められているということでしょう。
LiLiCoさんのニュースは、そのことを改めて考えさせるきっかけになりました。
永住権(永住者)とは?
国籍を変えずに日本に住み続ける権利
話題の中心となっている「永住権」ですが、具体的にはどんな権利なのでしょうか。
在留資格としての位置づけや、取得することで日常生活がどう変わるのかを詳しく見ていきます。
母国の国籍を維持したまま、無期限で日本に滞在できる
永住権(在留資格「永住者」)とは、元の国籍——LiLiCoさんの場合はスウェーデン国籍——を維持したまま、日本に無期限で滞在できる権利のことです。
これまで「1年」「3年」といったスパンで繰り返していたビザの更新手続きが、一生不要になります(ただし在留カード自体の更新は定期的に必要です)。
ビザの更新というのは、手続きの手間だけでなく、精神的な負担もかなりのものです。
「次もちゃんと更新できるだろうか」という不安から解放されるだけで、生活の安定感がまったく変わってきます。
38年間その手続きを繰り返してきたLiLiCoさんが「やっと」と感じた気持ちは、容易に想像できます。
就労制限がなくなり、職業を自由に選べるようになる
一般的な就労ビザでは、許可された範囲の仕事しかできません。
転職や副業、起業にもさまざまな制限がかかります。
一方、永住権を取得すると、そういった就労制限が一切なくなります。
どんな職種に就いても、転職しても、事業を立ち上げてもOK。
それだけではなく、社会的な信用が高まるため、住宅ローンなどの審査が通りやすくなるのも見逃せないメリットです。
「外国人だから」というだけで審査が不利になる場面が減り、日常のさまざまな場面でストレスが減ると言われています。
取得後も母国のパスポートを使用し、再入国許可も必要
永住権を取得したからといって、日本国籍を取得したわけではありません。
海外へ渡航する際は引き続き母国のパスポートを使います。
そして、日本から一時的に出国する際には「再入国許可(またはみなし再入国許可)」を事前に取得しておく必要があります。
これを忘れたまま長期間出国してしまうと、永住権を失うリスクがある点には十分注意が必要です。
「永住権があれば何も心配いらない」というわけではなく、出入国に関するルールはきちんと守り続ける必要があります。
国籍取得(帰化)とは?
日本人になるための手続きと得られる権利
永住権と混同されがちですが、「国籍取得(帰化)」はまったく別の話です。
法律上の意味も、得られる権利も、大きく異なります。
帰化という手続きの中身と、永住権との根本的な違いを整理していきます。
これまでの国籍を離脱し、新たに日本国籍を取得する
帰化とは、法務大臣の許可を得て、これまでの国籍を完全に離脱し、新たに「日本国籍」を取得する手続きのことです。
つまり、法律上において「日本人になる」ということです。
帰化が認められると、日本の戸籍が新しく作られます。
氏名も漢字・ひらがな・カタカナを用いた日本の名前を定めることになります。
「外国人として日本に住む」のではなく、「日本人として生きる」という根本的な転換です。
参政権の獲得と、世界で通用する日本のパスポート
帰化の最も大きなポイントは、日本人と同じ権利をすべて得られることです。
永住権では認められていない「選挙権」や「被選挙権(政治家として立候補する権利)」といった参政権を持てるようになります。
それに加えて、世界的に高い信頼度を誇り、ビザなしで渡航できる国が多い「日本のパスポート」を取得できるのも帰化ならではの大きな特徴です。
外交官や旅行者の間でも「強いパスポート」として知られており、海外を頻繁に行き来する人にとっては大きなメリットになります。
日本人になるため、強制退去のリスクが完全になくなる
永住権はあくまで「外国人のための在留資格」です。
万が一、重大な犯罪を犯して有罪判決を受けた場合などには、日本から強制退去させられる可能性が残ります。
これが永住権の限界とも言えます。
一方、帰化して日本人になっていれば、どれほど重い罪を犯したとしても、自国である日本から強制退去させられることはありません。
身分上の安定という観点では、帰化のほうが圧倒的に強固です。
「永住権」と「帰化」の本質的な差は、ここに集約されると言っていいでしょう。
永住権と国籍取得の選択!
それぞれのメリットとデメリット
永住権と帰化、どちらを選ぶべきなのでしょうか。
一概に「こちらが正解」とは言えません。
それぞれのメリットとデメリットを整理しながら、どんな人にどちらが向いているかを考えてみます。
永住権のメリット・デメリット:
アイデンティティを保ちながら自由に生きる
永住権の最大のメリットは、「母国の国籍やアイデンティティを保ったまま、日本で自由に生活できる」点です。
将来的に母国へ帰る可能性がある方、母国での相続や不動産の問題が絡む方、文化的なルーツを大切にしたい方に特に向いています。
デメリットは、参政権(選挙権)がないこと、再入国手続きにまつわるミスや重大な犯罪によって権利を失うリスクが完全にはゼロにならないことです。
「日本に住み続ける権利」を持ちながらも、法的な立場としてはあくまで「外国人」であり続ける——この点を理解した上で選ぶ必要があります。
LiLiCoさんが永住権を選んだのは、スウェーデン人としてのアイデンティティを大切にしながら、日本でも安定して活躍し続けるための、彼女なりの答えだったのだと思います。
国籍取得のメリット・デメリット:
完全な安定と、覚悟の決断
帰化のメリットは、「完全な日本人としての安定した法的地位」を得られることです。
家族全員で日本に腰を据えて生きていく覚悟がある方、日本の政治に参加したい方、海外渡航を頻繁にする方などに向いています。
デメリットは、母国の国籍を手放すことへの心理的なハードルの高さです。
「故郷とのつながりが薄れるような気がする」と感じる方も少なくありません。また、国によっては帰化後に母国での不動産所有やビジネス展開に制限がかかるケースもあるため、事前に確認が必要です。
自分のライフスタイルと将来設計で選ぶ
永住権も帰化も、どちらが優れているというわけではありません。
「最強のビザを持つ外国人として日本で生きるか」「法律上の日本人として生きるか」——それはその人の価値観や将来のライフプランに委ねられる、とても個人的な決断です。
制度の仕組みを正しく理解した上で、自分の人生に合った選択ができるよう、日ごろから情報を整理しておくことが大切です。
永住権取得と国籍取得に関するFAQ
- Q1. 永住権を取れば、ビザの更新に関する手続きは一切不要ですか?
- A1. 在留資格(ビザ)の更新手続きは不要になりますが、在留カード自体の有効期限は7年ごとに更新が必要です。「何もしなくていい」というわけではないので注意しましょう。
- Q2. 永住権があれば、どんな犯罪を犯しても日本に居られますか?
- A2. いいえ。重大な犯罪を犯した場合などは、永住者であっても強制退去(強制送還)の対象になる可能性があります。永住権は「永遠に保障された権利」ではなく、維持するための条件があります。
- Q3. 帰化(国籍取得)の審査にはどのくらい時間がかかりますか?
- A3. 個人差はありますが、法務局での申請から結果が出るまで1年〜1年半程度かかるのが一般的です。決して短い道のりではありません。
- Q4. 日本は二重国籍を認めていますか?
- A4. 原則として認めていません。帰化して日本国籍を取得する場合、元の国籍を喪失することになります。この点が帰化を迷う大きな理由のひとつになっています。
- Q5. 永住権の申請条件にはどんなものがありますか?
- A5. 原則として10年以上日本に在留していること、素行が善良であること、独立して生計を営めることなど、複数の厳しい基準があります。LiLiCoさんのように長年日本に住んでいても、タイミングや書類の準備で時間がかかることがあります。
- Q6. 帰化すれば名前を日本名に変えなければいけませんか?
- A6. 帰化の際に日本の戸籍が作られるため、漢字・ひらがな・カタカナを使った日本での氏名を定める必要があります。ただし、外国語の名前に漢字を当てることも一定の範囲で認められています。
- Q7. 永住権を持っていれば選挙で投票できますか?
- A7. できません。選挙権・被選挙権などの参政権を持つのは日本国籍を持つ人のみです。政治に関与したい場合は帰化が必要になります。
- Q8. 永住権と帰化、手続きの難易度はどちらが高いですか?
- A8. どちらも厳格ですが、永住権のほうが居住年数や継続的な収入・納税実績などの要件がより細かく設定される傾向にあります。ただし、帰化は国籍を失うという覚悟が必要な分、精神的なハードルは帰化のほうが高いという方もいます。
- Q9. 帰化申請中に海外旅行へ行くことはできますか?
- A9. 渡航自体は可能ですが、担当官に事前連絡しておくのが望ましいです。長期間の出国が続くと、日本での生活実態が問われて審査に影響する場合があります。
- Q10. 永住権取得後、長期間海外に住んでも永住権は消えませんか?
- A10. 「再入国許可(またはみなし再入国許可)」を取得せずに出国したり、その期限を過ぎて帰国した場合は永住権が失われます。うっかりミスが命取りになりかねないため、出国前の確認が欠かせません。
- Q11. 日本人と結婚していれば、すぐに永住権をもらえますか?
- A11. すぐには取れませんが、婚姻生活が3年以上継続し、かつ日本に1年以上在留していれば、居住歴の要件が大幅に緩和されます。「結婚すれば即OK」ではないという点は、よく誤解されているポイントです。
まとめ
LiLiCoさんの来日38年での永住権取得というおめでたいニュースをきっかけに、ネットに集まった世間のリアルな声から、日本の入管制度への課題、そして「永住権」と「国籍取得(帰化)」の違いまでをまとめました。
「どちらを選ぶか」は、その人のアイデンティティや将来のライフプランに関わる、非常に重要な決断です。法的な仕組みを正しく理解した上で選ぶことが、結果的に後悔のない選択につながります。
LiLiCoさんの今回の選択が、日本で暮らす多くの外国人の方々にとって、制度と向き合うひとつのきっかけになればいいなと思います。
そして、真面目に生活している人がきちんと報われる、透明性の高い制度運用が続いていくことを願っています。
- 永住権は母国の国籍を保ったまま、無期限で日本に住める権利
- 帰化(国籍取得)は母国の国籍を離脱し、法律上の日本人になる手続き
- 永住権は就労制限がなくなるが、参政権はなく強制退去のリスクも残る
- 帰化すれば参政権と日本のパスポートが得られ、強制退去のリスクはなくなる
- 世間では、真面目な外国人が正当に報われる明確な制度設計を求める声が多い


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