「最近、近所で不審者情報があったけれど、詳細はどこで確認すればいいの?」 「子供や高齢の親がスマホを持っているけれど、詐欺や犯罪に巻き込まれないか心配……」
日々の生活の中で、こうした防犯に関する不安を感じることはありませんか? 実は、あなたのスマートフォンに入れるだけで、最新の防犯情報を入手し、詐欺電話をブロックし、さらには痴漢被害からも身を守ってくれる強力なツールがあります。
それが、警視庁が提供する公式防犯アプリ「デジポリス(Digi Police)」です。
「警察のアプリなんて、使い方が難しそう」と思われるかもしれませんが、心配は無用です。このアプリは、子供からお年寄りまで直感的に使えるように設計されています。特に2025年12月に追加された「国際電話ブロック機能」など、最新の犯罪手口に対応した機能は必見です。
この記事では、デジポリスの導入から設定、家族を守るための活用法まで、初心者の方にも分かりやすく徹底解説します。
- デジポリスの基本機能と最新の防犯対策:
- 初心者でも迷わない具体的な設定・操作方法:
- 警視庁公式アプリとしての安全性と信頼性:
デジポリスは警視庁公式の安全な防犯アプリ
まず結論からお伝えすると、デジポリスは「防犯意識が高い人」はもちろん、「自分は大丈夫」と思っている人にこそ入れてほしい必須アプリです。
デジポリスはどんな人に向いているアプリか
デジポリスは、東京都内に住んでいる方や通勤・通学している方はもちろん、地方にお住まいの方にもおすすめできるアプリです。 主なターゲットは以下の通りです。
- 痴漢やつきまとい被害が心配な女性や学生:
- 声を出さずに助けを求められる「痴漢撃退機能」が強力な味方になります。
- 高齢の親を持つ世代:
- 増加する「オレオレ詐欺」や「国際電話詐欺」から親を守るためのツールとして最適です。
- 子供を持つ保護者:
- 簡易的な見守り機能「ココ通知」により、塾や学校の行き帰りの安全確認が無料でできます。
- 防犯意識の高い男性:
- 自身の安全だけでなく、パートナーや家族を守るための情報収集ツールとして役立ちます。
無料で使えて個人情報は安全なのか
デジポリスは警視庁が公式にリリースしているアプリであり、ダウンロードや利用はすべて無料です(通信料は別途かかります)。 アプリ内課金もなく、広告が表示されて操作を邪魔されることもありません。
また、プライバシーに関しても配慮されています。App Storeのプライバシー表示によると、デベロッパ(警視庁)はこのアプリからデータを収集しないと明記されています。
位置情報の利用許可を求められますが、これは周辺の犯罪情報を表示したり、現在地を通知したりするために使用されるもので、安心して利用できます。
ただし、「デジポリス」を装った偽アプリも確認されているため、必ずApp StoreやGoogle Playといった正規のストアからダウンロードすることが重要です。
デジポリスとは?警視庁公式アプリの基本情報
なぜ警視庁がこれほど力を入れてアプリを開発・運営しているのでしょうか。その背景と特徴を解説します。
デジポリスが生まれた背景と目的
デジポリスは、犯罪発生情報や防犯情報を都民や利用者に迅速に届けることを目的として開発されました。 もともとは「メールけいしちょう」というメール配信サービスがありましたが、スマートフォンの普及に伴い、より手軽に、視覚的に情報を得られるアプリ形式へと進化しました。
特に重視されているのが、「痴漢被害」への対策と「特殊詐欺」の撲滅です。痴漢被害に遭っても声を出せない被害者が多いという現状や、高齢者を狙った電話詐欺が後を絶たないことから、テクノロジーを活用してこれらの犯罪を未然に防ぐ、あるいは被害を最小限に抑えることを目指しています。
他の防犯アプリとの違い
一般的な防犯アプリや地図アプリとデジポリスとの決定的な違いは、「情報の信頼性」と「警察直結のデータ」です。
- 警察公式のデータ連携:
- 警視庁が把握している犯罪発生情報(ひったくり、侵入窃盗、不審者情報など)が地図上にマッピングされます。
- 詐欺電話データベース:
- 警察が把握している「詐欺に使われた電話番号」のリストを活用し、着信をブロックする機能があります(Android版など)。
- エンタメ要素:
- 防犯知識を学ぶとアプリ内のキャラクター(テワタサナイーヌなど)が成長したり、ポイントが貯まったりするゲーミフィケーション要素があり、継続して使いやすい工夫がされています。
デジポリスでできること・できないこと
多機能なデジポリスですが、何ができて何ができないのかを整理しておきましょう。
犯罪・防犯情報をリアルタイムで確認できる
デジポリスのトップ画面には「マップ」機能があり、自分の現在地や登録したエリア周辺の犯罪情報が表示されます。
- 犯罪発生マップ:
- 声かけ事案、公然わいせつ、ひったくりなどの発生場所がアイコンで表示されます。
- アポ電情報:
- 特殊詐欺の予兆電話(アポ電)がかかってきている地域がわかります。「今、この地域で詐欺電話が多発している」ということが可視化されるため、家族への注意喚起に役立ちます。
- 不審者情報:
- 過去1ヶ月の不審者情報などを地域別に色分け表示し、詳細を確認できます。
これらの情報は東京都内のものが中心ですが、防犯ブザーや痴漢撃退機能などは全国どこでも利用可能です。
不審者・犯罪発生情報の通知機能
アプリを開いていなくても、危険を知らせてくれるプッシュ通知機能が充実しています。
- マイエリア通知:
- 自宅や職場、学校などを「マイエリア」として設定しておくと、その地域で犯罪が発生した際に通知が届きます。
- エリア通知:
- スマートフォンの位置情報を利用し、犯罪が連続して発生している危険なエリアに足を踏み入れた際に、自動的にお知らせを受信します。
- 公開捜査情報:
- 重要事件の公開捜査情報なども配信され、市民からの情報提供を呼びかける機能もあります。
デジポリスではできないこと・注意点
万能に見えるデジポリスですが、利用前に知っておくべき注意点があります。
- 110番通報の代わりにはならない:
- 防犯ブザーや痴漢撃退機能を起動しても、警察に自動で通報されるわけではありません。緊急時は、別途110番通報を行う必要があります。
- 地図情報は東京都内がメイン:
- 犯罪発生情報のマップ表示など、位置情報と連携した詳細なデータは警視庁管轄(東京都内)に限られます。他県にお住まいの場合は、各道府県警のアプリ(例:大阪府警「安まちアプリ」、埼玉県警「ポケットポリス」など)の併用をおすすめします。
- iPhoneでの国際電話ブロック制限:
- 2025年12月に追加された国際電話ブロック機能ですが、iPhone(iOS)ではOSの仕様上、機能が一部制限されています(後述の「設定方法」で詳述します)。
初心者でも迷わないデジポリスの使い方
それでは、実際にデジポリスを使い始めてみましょう。操作は非常にシンプルです。
アプリのインストールから初期画面まで
- ダウンロード:
- iPhoneならApp Store、AndroidならGoogle Playストアを開き、「デジポリス」と検索してインストールします。開発元が「metropolitan police department」や「株式会社ドーン(公式委託先)」であることを確認してください。
- 初期設定:
- アプリを起動すると、利用規約への同意画面が表示されます。
- エリア設定:
- 「マイエリア」の設定画面になります。東京都内にお住まいの方は、自宅や職場のある区市町村を選択しましょう。都外の方は設定しなくても利用可能です。
- 通知許可:
- 犯罪情報のプッシュ通知を受け取るために、通知を「許可」することをおすすめします。
防犯情報の見方と活用方法
トップ画面には地図が表示され、下部にメニューアイコンが並んでいます。
- マップを見る:
- 地図上のアイコンをタップすると、その場所で起きた事案(「子供への声かけ」「ひったくり」など)の詳細日時や内容が表示されます。
- 詳細を確認する:
- 「最新のメールけいしちょう」などの欄には、テキストでの詳細情報が流れてきます。身近な場所で事件が起きていないか、定期的にチェックする習慣をつけると良いでしょう。
日常生活でのおすすめ利用シーン
- 満員電車で:
- 画面下部の「痴漢撃退」タブをすぐに押せるように準備しておきましょう。もし被害に遭ったら、画面をタップして「やめてください」という音声を流すか、「痴漢です 助けてください」の画面を周囲の人に見せます。
- 夜道の一人歩きで:
- 「防犯ブザー」タブを開いておきます。不審者に遭遇したら画面をタップし、大音量のブザーとライトの点滅で威嚇します。
- 子供の帰宅時:
- お子さんのスマホにデジポリスを入れておけば、「ココ通知」機能を使って、「今から帰るよ」といったメッセージと現在地を親にワンタップで送信できます。
必ず確認したいデジポリスの設定方法
デジポリスの効果を最大限に発揮するためには、適切な設定が不可欠です。特に最新の「詐欺対策機能」は必ず設定しておきましょう。
設定のポイント(iPhone、Android共通の考え方)
通知設定の最適化で情報を逃さない
メニュー画面(左上の三本線アイコンなど)から「設定」を開き、「プッシュ通知」の設定を確認しましょう。「声かけ事案」「侵入窃盗」など、自分が知りたい情報に絞って通知を受け取ることも可能です。情報の洪水にならないよう、必要なものだけをONにするのがコツです。
地域設定・家族利用時のポイント
家族で利用する場合、それぞれの活動範囲に合わせて「マイエリア」を登録しましょう。例えば、父親は会社の近く、子供は学校の近く、母親は自宅周辺といった具合です。最大3箇所まで登録できる場合が多いので、実家のエリアを登録して、親御さんの周辺の安全を確認するのも有効です。
子供・高齢者に使わせる場合の注意点
子供や高齢者に使ってもらう場合は、複雑な操作を覚えさせるよりも、「困ったらここを押す」という一点を伝えましょう。 また、iPhoneの場合は「マナーモードでも音が鳴る」仕様になっているため、誤操作で電車内などでブザーを鳴らしてしまわないよう、事前に家で練習しておくことをおすすめします。
iPhoneの設定
iPhoneユーザーが特に注意すべきは、新機能「国際電話ブロック」の扱いです。
- 犯行利用電話番号ブロック:
- アプリ内の設定でONにすると、警察が把握している詐欺に使われた番号からの着信をブロックできます。
- 不明な発信者を消音(iOS標準機能):
- デジポリスには国際電話を一括ブロックする機能がありませんが、iPhone本体の「設定」→「電話」→「不明な発信者を消音」をONにすることで、連絡先に登録していない番号からの着信をサイレントにできます。ただし、これを行うと宅配便や役所からの電話も消音されるため、必要な連絡先はすべてアドレス帳に登録しておく必要があります。
Androidの設定
Android版は、より強力なブロック機能が利用できます。
- 国際電話ブロック:
- アプリ内の設定から「国際電話番号ブロック」をONにします。これにより、「+」から始まる国際電話からの着信を自動的に遮断できます。
- 発信ブロック:
- 詐欺番号への折り返し電話もブロックする設定が可能です。
- 着信履歴の削除:
- ブロックした番号の履歴を自動で削除し、目に入らないようにすることもできます。
※設定を行う際は、アプリを最新バージョン(3.5.0以降など)にアップデートしてください。
安心して使うためのQ&Aと活用のコツ
よくある不安と公式情報による回答
Q:マナーモード中でも音は鳴りますか? A:はい、鳴ります。 痴漢撃退機能や防犯ブザー機能は、緊急性を考慮して、マナーモードに設定していても最大音量で音が鳴る仕様になっています(イヤホン接続時はイヤホンから鳴る場合とスピーカーから鳴る場合がありますので、事前にテストしてください)。
Q:自分の現在地が警察に監視されることはありますか? A:いいえ、監視はされません。 位置情報は、ユーザーの周辺の犯罪情報を表示したり、エリア通知を行ったりするために使われますが、警察が個人の行動履歴を常時監視・収集するものではありません。
防犯効果を高める使い方まとめ
デジポリスは「お守り」として持っているだけでなく、「知識のアップデート」に使うことで真価を発揮します。
- 「詐欺まるわかり」で手口を学ぶ:
- アプリ内には、最新の詐欺手口を動画やクイズで学べるコンテンツがあります。これを親子で一緒に見ることで、親御さんの防犯意識を自然に高めることができます。
- 「見守りパトロール」でポイントゲット:
- 散歩やジョギングのついでに「防犯パトロール」機能をONにすると、活動実績に応じてポイントが貯まり、キャラクターのインコが昇任していきます。楽しみながら地域の安全に貢献できます。
警視庁公式アプリ「デジポリス」に関するFAQ
以下に、よくある質問をまとめました。
- アプリの利用にお金はかかりますか? ダウンロードもすべての機能の利用も無料です(通信費は自己負担です)。
- 東京都以外に住んでいても使えますか? はい、使えます。防犯ブザー、痴漢撃退機能、ココ通知、防犯学習コンテンツなどは全国どこでも利用可能です。マップ上の詳細な犯罪情報は東京都内が中心です。
- 個人情報は収集されますか? デベロッパのプライバシーポリシーによると、個人を特定するようなデータの収集は行われていません。
- 偽アプリがあると聞きましたが? はい、確認されています。必ずApp StoreまたはGoogle Playの公式ストアからダウンロードしてください。「警視庁」や「Metropolitan Police Department」の表記を確認しましょう。
- マナーモードでもブザー音は鳴りますか? はい。緊急時に周囲に危険を知らせるため、マナーモードでも音が鳴る仕様になっています。
- iPhoneで国際電話を一括ブロックできますか? デジポリスアプリ単体ではできません。iOSの標準機能「不明な発信者を消音」を併用する必要があります。
- アプリから110番通報はできますか? アプリ内に「110番」や「#9110(警察相談ダイヤル)」へのリンクはありますが、ボタン一つで自動通報されるわけではなく、通話画面へ遷移して発信する必要があります。また、聴覚障害者向けの「110番アプリ」へのリンクもあります。
- 「ココ通知」とは何ですか? 事前に登録したメールアドレスやLINEなどに、現在地と定型メッセージ(「いまここ」「かえるよ」など)をワンタップで送信できる機能です。
- バッテリーの消費は激しいですか? 位置情報(GPS)やプッシュ通知機能を使用するため、使用状況によってはバッテリー消費が増える可能性があります。
- 「インコの部屋」とは何ですか? アプリを利用したり、防犯パトロールを行ったりすることでポイントが貯まり、キャラクター(インコ)が成長・昇任していくお楽しみコンテンツです。
- 防犯ブザーの音はどうやって止めますか? 画面をもう一度タップするか、停止ボタンを押すことで止まります。
まとめ
この記事では、警視庁公式アプリ「デジポリス」の使い方と活用法について解説しました。
- 警視庁公式の信頼できる無料防犯アプリである:
- 痴漢撃退や防犯ブザーは全国どこでも利用可能:
- 最新機能で国際電話詐欺のブロックが可能:
- 家族の見守り機能も充実している:
デジポリスは、単なる情報収集ツールにとどまらず、「犯罪に遭わないための知識」と「万が一の時の行動力」を与えてくれるアプリです。 特に、被害が増加している国際電話詐欺や、声を上げにくい痴漢被害に対して、テクノロジーの力で対抗できる手段を持っておくことは、現代社会を安全に生きる上で非常に重要です。
自分自身のため、そして大切な家族を守るために、まずはスマートフォンにインストールし、初期設定を済ませておくことを強くおすすめします。備えあれば憂いなし。今日から「スマホで防犯」を始めましょう。


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