- 本記事は一般的な情報提供や筆者の体験に基づくものであり、税務相談を目的とするものではありません。個別の税務に関する判断は、必ず管轄の税務署や税理士にご相談ください。
筆者 taoは年金ぐらしです。今朝、確定申告を終えました。かかった時間は20分。
年々、ネットでの確定申告は簡単になっています。
必要書類を事前に揃えておけば、そこから数字を転記するだけです。
結果、ほんのちょっぴりですが、収めた税金の一部が戻ってくることになりました(^^)/
ということで…
「年金暮らしでも確定申告はお得だよ」というお薦め記事を書きました。
_/_/_/
「収入は年金だけだから、確定申告なんて自分には関係ない」と思い込んでいませんか?
実は、年金生活者の方こそ、確定申告をすることで払いすぎた税金が戻ってくる(還付される)ケースがあるのです。
一定の年金収入以下であれば原則として確定申告は不要とされていますが、それはあくまで「義務がない」というだけ。
「しなくてもいい」という言葉を鵜呑みにして放置していると、本来なら手元に戻るはずのお金をドブに捨てているのと同じかもしれません。
この記事では、年金暮らしの方が確定申告をやったほうがいい具体的な理由や、税金が戻ってくる仕組み、そしてパソコンやスマホを使った簡単な手続き方法までをわかりやすくまとめました。
- 年金収入のみでも確定申告(還付申告)が必要・お得になるケース
- 確定申告で税金が戻ってくる具体的な控除の種類と仕組み
- スマホやパソコンを使った簡単な確定申告のやり方と必要書類
第1章 収入が年金のみでも確定申告は必要?
実は「しなくてもいい」は損の始まり!
年金受給者には「確定申告不要制度」がありますが、これを誤解していると損をします。
ここでは申告義務の基準と、還付申告で税金が戻る基本的なカラクリを説明します。
年金収入400万円以下なら原則不要(確定申告不要制度)
公的年金等の収入金額が400万円以下で、かつそれ以外の所得が20万円以下の場合、原則として確定申告は不要です。
多くの方がこの要件に当てはまるため、「自分は手続きしなくていい」と安心しがち。
しかし、これはあくまで国が定めた最低限のルールに過ぎません。
ところで…
あなたが知らないうちに払った税金(いわゆる源泉徴収税額)ってありますか?
より具体的には、あなたの手元にある「日本年金機構から送付された令和7年度分 公的年金等の源泉徴収票」や、「企業年金連合会などから送付された企業年金連合会老齢年金振込通知書」などを見てみましょう。
そこに「源泉徴収税額」というのが記載されていませんか?
あれば、あなたが「原則、確定申告不要者」であっても、その「源泉徴収税額」の全部もしくは一部が戻ってくる(還付されるということです)可能性があります。
年金から天引き(源泉徴収)されている税金の実態
実は、ここでは詳細には書きませんが、一定額以上の年金を受け取っている場合、あらかじめ所得税が天引き(源泉徴収)されています。
また、日本年金機構は基本的な控除しか把握していないため、個人的な医療費の増加や災害による損害などは考慮されていません。
ということは…
「私の年金は申告不要だから、何もしない」という場合、国があなたに変わって税額を計算して、「令和7年度分の徴収税額○○円をお返しします(還付します)」と計算することは「絶対にない!」のです。
あなたは、確定申告すれば戻って来る(還付される)であろう○○円を丸損しているというわけです。
このズレを修正し、正確な税額を申告し直す作業が確定申告の最大の目的です。
申告義務がなくても「還付申告」で税金が戻るカラクリ
繰り返します。
申告の「義務」がないことと、申告すると「得をする」ことは全くの別問題です。
各種控除を適用して計算し直した結果、すでに納めている税金(年金等から源泉徴収された税額)が多すぎた場合、「還付申告」を行うことでその差額を取り戻すことができます。
つまり、自らアクションを起こした人だけが得をする仕組みだからこそ、あなたに確定申告をお薦めしているのです。
第2章 確定申告で税金が戻る!
年金生活者が絶対に見直すべき3つの控除
源泉徴収ではカバーしきれない個人的な出費こそが、税金を取り戻す鍵になります。
ここでは、年金生活者が特におさえておくべき3つの重要な所得控除について解説します。
医療費控除:病院代や薬代が年間10万円(または所得の5%)を超えたら
1年間に支払った医療費が10万円(総所得金額等が200万円未満の場合はその5%)を超えた場合、医療費控除が受けられます。
通院費や市販の風邪薬、介護保険の自己負担分なども対象になることが多く、高齢になるほど適用できる可能性が高まる最も代表的な控除です。
社会保険料・生命保険料控除:自分で払っている保険料の見落としを防ぐ
年金から天引きされている国民健康保険料や介護保険料は自動的に控除されますが、口座振替や納付書で「自分で直接支払った」保険料は、申告しないと控除の対象になりません。
また、生命保険や地震保険に加入している場合も、忘れずに控除証明書を添付して申告しましょう。
配偶者控除・扶養控除:家族構成の変化や「申告書の出し忘れ」による適用漏れ
「扶養親族等申告書」を提出し忘れたり、年度の途中で配偶者の収入が減って新たに控除対象になったりした場合は、源泉徴収に反映されていません。
配偶者控除や扶養控除は節税効果が大きいため、ご自身の家族状況に変更がなかったか、今一度確認してみることを強くおすすめします。
第3章 実際いくら戻る?
年金収入ごとの還付金シミュレーションとよくある罠
「どうせ少ししか戻らない」と諦めるのは早計です。
具体的な還付例と、所得税が戻る以外にも波及する大きな節約メリット、そして見落としがちなポイントを紹介します。
【モデルケース】年金収入200万円で医療費がかかった場合の還付額
例えば、年金収入が200万円で、1年間の医療費が15万円かかったとします。
この場合、医療費控除として約5万円が所得から差し引かれます。
税率を適用すると、およそ数千円〜の所得税が戻ってくる計算です。
少額に感じるかもしれませんが、一度の手続きで確実にお金が戻るため、やらない手はありません。
住民税への影響も大!申告することで翌年の介護保険料が下がる可能性
還付申告の真の威力は、所得税の還付だけではありません。
確定申告のデータはお住まいの自治体へ送られ、翌年の住民税の計算基礎となります。
課税所得が下がることで、住民税が非課税になったり、連動して国民健康保険料や介護保険料が大幅に安くなったりするケースがあり、家計へのプラス効果は絶大です。
ここで課税所得が下がるとは、前章で書いた3つの控除をしっかり申告することで課税所得額を下げることです。
あなたに住民税や国民健康保険料などを課税徴収してくる市町村が、あなたに変わってそれらの控除をしてくれることはないのです、できないのです。
繰り返します、確定申告をして課税所得が下がれば、連動して、住民税は国民健康保険料などが下がる可能性があります。
雑損控除やふるさと納税など、その他の見落としがちなポイント
台風や地震などの災害、あるいは盗難や横領によって損害を受けた場合は「雑損控除」が適用できる可能性があります。
また、年金生活者でも「ふるさと納税」による寄附金控除は有効ですが、ワンストップ特例制度が使えない条件に当てはまる場合は、必ず確定申告で寄附額を申告しなければなりません。
第4章 スマホやパソコンで簡単!
年金受給者のための確定申告・準備と手順
確定申告と聞くと難しい書類作成をイメージしがちですが、今はデジタル化が非常に進んでいます。
自宅にいながらスムーズに申告を完了させるための準備と手順をまとめました。
必要な書類リスト:公的年金等の源泉徴収票と各種控除証明書を集める
まずは手元に「公的年金等の源泉徴収票」を用意しましょう。
毎年1月下旬頃に日本年金機構からハガキ等で送られてきます。
それに加えて、医療費の領収書や明細書、国民健康保険料などの支払証明書、生命保険の控除証明書など、適用を受けたい控除の証明となる書類を漏れなく集めることが第一歩です。
e-Taxを活用しよう!マイナンバーカードとスマホで自宅から完結
税務署に行かなくても、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を使えば、MacやiPhone、iPadなどからオンラインで簡単に申告(e-Tax)が可能です。
マイナンバーカードと読み取り対応のスマホさえあれば、画面の案内に従って金額を入力するだけで自動計算され、そのままデータ送信で提出が完了します。
不安な場合は税務署の相談窓口や確定申告作成コーナーをフル活用
個人的に年金受給生活者に一推しは、この方法です。
どうしてもパソコンやスマホでの操作が不安な方や、複雑な控除があって個別に質問したい場合は、無理せず税務署の窓口を頼りましょう。
必要書類とマイナンバーカードと還付の場合の振込先データを持参して出向くだけです。
申告期間中は各地で「確定申告相談会場」が開設されており、職員のサポートを受けながらパソコンで申告書を作成できます。
混雑回避のため、事前の入場整理券の取得をお忘れなく。
第5章 年金ぐらしの確定申告に関するFAQ
年金暮らしの方が確定申告する場合のQ&Aをまとめました。
- Q1. 確定申告の期間(3月15日)を過ぎても還付申告はできる?
- A1. はい、還付申告は申告期間に関わらず、対象となる年の翌年1月1日から5年間いつでも提出可能です。
- Q2. 障害年金や遺族年金は確定申告の対象になる?
- A2. いいえ、これらは非課税所得となるため、確定申告の収入に含める必要はありません。
- Q3. パートやアルバイト収入が少しある場合も年金と一緒に申告するの?
- A3. はい、年金以外の所得が20万円以下の場合は原則不要ですが、還付を受ける場合はすべての収入をまとめて申告する必要があります。
- Q4. 医療費控除は、通院のための交通費も対象になるって本当?
- A4. はい、電車やバスなどの公共交通機関の運賃は対象になりますが、自家用車のガソリン代や駐車料金は対象外です。
- Q5. ふるさと納税をした場合、確定申告は必須?
- A5. ワンストップ特例制度を利用していれば不要ですが、医療費控除などで確定申告をする場合は、ふるさと納税分も併せて申告が必要です。
- Q6. 年金の源泉徴収票を紛失してしまったらどうすればいい?
- A6. 年金事務所や「ねんきんダイヤル」に連絡するか、「ねんきんネット」から再発行の手続きが可能です。
- Q7. e-Taxを利用するための事前準備は何が必要?
- A7. マイナンバーカードと、それを読み取れるスマートフォン、またはICカードリーダライタが必要です。
- Q8. 夫婦の医療費は合算して申告した方がお得になる?
- A6. 生計を一にしている家族であれば合算可能です。一般的に、所得が多い(税率が高い)方がまとめて申告した方が還付額が大きくなります。
- Q9. 過去の年分の申告を忘れていた場合、何年前までさかのぼれる?
- A9. 還付申告であれば、対象となる年の翌年1月1日から起算して5年前までさかのぼって申告できます。
- Q10. 確定申告をすると、家族の扶養から外れてしまうことはある?
- A10. 申告によって合計所得金額が変わらなければ外れませんが、株の譲渡益などを申告した場合は所得が増え、扶養から外れるケースがあります。
- Q11. 代理人(家族)が代わりにパソコン等で確定申告書を作成することは可能?
- A11. パソコンの操作自体を家族が代行することは問題ありませんが、申告はあくまで本人の名義と責任で行う必要があります。
まとめ
「年金暮らしだから税金は関係ない」という誤解が解けたでしょうか。
確定申告不要制度は確かに便利ですが、医療費がたくさんかかった年や、各種保険料を自分で納めている場合などは、自ら申告に踏み切ることで確実にメリットを享受できます。
一時的な所得税の還付だけでなく、翌年の住民税や介護保険料の負担軽減に繋がる点は、年金生活において非常に大きな安心材料となるはずです。
手続きも年々簡素化されており、マイナンバーカードがあれば自宅のパソコンやスマホからあっという間に終わります。
まずはご自身の源泉徴収票と、昨年一年間の領収書を引っ張り出して、いくら戻ってくる可能性があるか確認するところから始めてみませんか?
少しの手間で、豊かな生活の足しになる大切な資金を取り戻しましょう。
- 年金収入400万円以下でも、確定申告(還付申告)をすれば税金が戻るケースが多い
- 医療費控除や社会保険料控除など、源泉徴収に反映されていない控除を見直すのが鍵
- 所得税が還付されるだけでなく、翌年の住民税や介護保険料が安くなる副次効果も期待できる
- 過去5年分までさかのぼって還付申告が可能なので、心当たりがあるなら過去分も要チェック
- マイナンバーカードがあれば、スマホやパソコン(e-Tax)から簡単に申告手続きができる


コメント