以下、敬称略で進めます。
- 阿部一二三選手、柔道男子66kg級、7/28、連覇・金メダル!
- 阿部詩選手、柔道女子52kg級、7/28、2回戦敗退。
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柔道界に、というよりオリンピック史上に、新たな歴史を刻もうとする兄妹がいます。
東京五輪(2021年開催)で兄妹同日金メダルを獲得した阿部一二三選手と阿部詩選手が、今度はパリ五輪2024での連覇に挑みます。東京オリンピック以降、国際大会で無敗を誇る2人。兄・一二三選手(26歳)は男子66kg級で、妹・詩選手(24歳)は女子52kg級で、互いを高め合い、家族の絆を力に変えて頂点を目指します。7月28日の試合には日本中の期待が集まることでしょう。阿部兄妹は再び歴史に名を刻むことができるのでしょうか。
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パリ五輪2024については、こちらの記事もどうぞ。
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阿部兄妹、兄妹連覇の意義と可能性
阿部一二三・詩の兄妹、この2人の兄妹連覇の意義と可能性について。
兄妹連覇の歴史的意義と過去事例
兄弟姉妹でのオリンピック連覇ができれば、史上初!
パリ五輪2024で兄妹が連覇することは、柔道界だけでなくスポーツ界全体でも非常に珍しい快挙です。もし阿部兄妹がこれを成し遂げれば、日本のスポーツ史に新たな1ページが加わることでしょう。東京大会で史上初の兄妹同日金メダルを獲得した2人が、パリでも連覇を果たせば、その偉業はさらに大きな意味を持つことになります。
オリンピックの同一大会で兄弟姉妹が金メダルを獲得した例はありますが、柔道での兄妹連覇は前例がありません。2018年の平昌冬季オリンピックでは、スピードスケートの高木菜那選手と高木美帆選手が姉妹で金メダルを獲得しました。しかし、夏季オリンピックの柔道競技での兄妹連覇は、阿部兄妹が初めて挑戦することになります。
阿部兄妹の強さの秘密
阿部兄妹の強さの秘密は、互いを高め合う関係性と家族の強い絆にあります。
一二三選手は「妹の活躍を見ると負けられないと思うし、兄の姿を見せたいとも思ったり、すごくいい刺激になっている」と語っています。また、詩選手も「兄は追いかける存在だった。でも今はきょうだいでもあるし、戦う者どうしライバルでもあるし、すごくいい関係だと思う」と述べており、互いに切磋琢磨する関係が両者の強さを支えています。
さらに、「チーム阿部」と呼ばれる家族全体のサポートも、彼らの強さの源となっています。特に父親は幼い頃からトレーニングを共にし、ピンチにはすぐに駆けつけるなど、深い絆で支えています。
加えて、阿部兄妹のポジティブ思考や身体能力は先祖譲りであることも明らかになっています。祖父はラグビーや野球で活躍し、父も競泳で国体出場を果たしています。このような家族の運動能力の高さと、代々受け継がれてきたポジティブな姿勢が、阿部兄妹の強さを支える重要な要素となっています。
阿部兄妹の挑戦は、個人の栄誉だけでなく、日本柔道界全体の目標としても位置づけられています。パリオリンピックでの兄妹連覇という新たな挑戦に、日本中が注目しています。
阿部一二三の軌跡と現在の状況
まずは、阿部一二三の戦績と現在の状況について。その前に、プロフィールから。
- 名 前:阿部 一二三(あべ ひふみ)
- 生まれ:1997年8月9日(27歳)
- 出身地:兵庫県神戸市
- 身 長:167cm
- 体 重:66kg(試合時)
- 所 属:パーク24株式会社
- 階 級:男子66kg級
- 段 位:五段
- 得意技:背負投、体落、袖釣込腰
- 学 歴:日本体育大学卒
- 主な戦績:
- 2020東京オリンピック 金メダル(個人戦)、銀メダル(混合団体戦)
- 世界選手権 優勝
- 2017年・2018年・2022年・2023年
- 特 徴:右組み、瞬発力に優れる
- 家 族:妹の阿部詩も柔道選手(伴に、東京オリンピック金メダリスト)
- 趣 味:音楽鑑賞、ゲーム
- 座右の銘:「一期一会」
過去のオリンピック成績
阿部一二三選手は、東京2020オリンピックで輝かしくデビュー。
男子66kg級に出場し、見事に金メダルを獲得しました。この快挙により、妹の阿部詩選手とともに、オリンピック史上初の兄妹同日金メダル獲得を達成しました。さらに、混合団体戦では銀メダルを獲得しましたが、実際の試合には出場せず、選手登録のみでした。
東京五輪以降の戦績
東京五輪以降も、阿部選手は圧倒的な強さを見せ続けています。
具体的な大会結果は提供されていませんが、国際大会で無敗の快進撃を続けていると報告されています。2022年4月には全日本選抜体重別選手権大会の66kg級で優勝しています。これらの結果から、阿部選手が世界ランキング1位の座を維持し続けていることがうかがえます。
現在のトレーニング状況と課題
阿部選手の具体的なトレーニング内容は公開されていませんが、彼の強さの秘密は独特の身体的特徴とトレーニング方法にあると言われています。
- 身体的特徴
- 阿部選手は、肩甲骨や肋骨などの骨格が堅固で瞬発力に優れており、「柔道をするために生まれてきた」と言われるほどの天性の才能を持っています。
- トレーニング方法
- 詳細は分かりませんが、インナーマッスルを鍛え、強固な体幹を作るトレーニングをしていると推測できます。
- 技術的特徴
- 右組みからの背負投や体落、袖釣込腰などが得意で、瞬時に相手を投げ切る「居合抜きのような技」が持ち味です。
現在の課題としては、世界中の選手が阿部選手の柔道を研究しているため、さらなる進化が求められています。また、むやみに筋肉を増やすのではなく、階級の体重制限内で最適なコンディションを維持することも重要です。
阿部選手は、尊敬する野村忠宏選手を超える五輪4連覇を目標としており、パリ五輪2024での連覇に向けて、技術と体力の両面でさらなる進化を目指しています。
阿部詩の軌跡と現在の状況
次は、阿部詩の戦績と現在の状況について。その前にプロフィールから。
- 名 前:阿部 詩(あべ うた)
- 生まれ:2000年7月14日(24歳)
- 出身地:兵庫県神戸市
- 身 長:158cm
- 体 重:52kg(試合時)
- 所 属:パーク24株式会社
- 階 級:女子52kg級
- 段 位:五段
- 得意技:内股、袖釣込腰、腕挫十字固、崩袈裟固め
- 組み手:右組み
- 学 歴:日本体育大学卒
- 主な戦績:
- 2020東京オリンピック 金メダル
- 世界選手権 優勝
- 2018年・2019年・2022年・2023年
- 2019世界選手権 優勝
- 家 族:兄の阿部一二三も柔道選手(伴に東京オリンピック金メダリスト)
- 特 徴:豪快な投げ技と寝技の両方に強み
- 座右の銘:「人生死ぬまで通過点」
過去のオリンピック成績
阿部詩選手も、兄・一二三と同じく東京2020オリンピックで輝かしいデビュー。
女子52kg級に出場し、見事に金メダルを獲得しました。決勝戦では強豪のアマンディーヌ・ブシャール(フランス)を相手に、延長戦で腹包みからの崩袈裟固めで一本勝ちを収めました。この快挙により、兄の阿部一二三選手とともに、オリンピック史上初の兄妹同日金メダル獲得を達成しました。
東京オリンピック以降の戦績と怪我からの復帰
東京五輪後、阿部詩選手は両肩の手術を受けました。
2021年9月に左肩、10月に右肩の関節唇修復手術を行い、約半年間柔道から離れることを余儀なくされました。2022年4月の全日本選抜体重別選手権では、手術後初の実戦復帰となりました。1回戦では勝利しましたが、準決勝前に棄権しました。当時の状態について阿部選手は「東京五輪が100%だとしたら20~30%くらいです」と語っています。
その後、徐々に復調の兆しを見せ、国際大会での活躍を続けています。
現在のトレーニング状況と心境
現在、阿部選手はパリ五輪2024での2連覇を目指して懸命にトレーニングを続けています。
2024年6月26日の強化合宿では、「だいぶ技、体がそろってきた」と手応えを感じています。
トレーニング内容については、「日々の稽古って本当に同じことの繰り返しなんです」と述べ、基本的な練習を地道に積み重ねていることがわかります。また、「走ったりなどのトレーニングも含めて、ひたすら同じことの繰り返しです」と、体力面の強化にも力を入れている様子です。
心境については、「強くなりたいという気持ちと、自分自身の目標があるからだと思います。あとはもう本当に純粋に柔道が好きなので、それをなくしてしまうと自分ではないなと思う」と語り、柔道への純粋な愛情と強い向上心が、厳しいトレーニングを支えています。
パリ五輪2024に向けて、阿部選手は「しっかり稽古して、パリ五輪で2連覇できる体にしていきたい」と決意を新たにしています。怪我からの完全復活と、さらなる進化を遂げた阿部詩選手の活躍が、パリオリンピックで期待されています。
パリ五輪2024、柔道競技の展望
それでは、パリ五輪2024の柔道競技について。
競技日程と阿部兄妹の出場予定
パリ五輪2024の柔道競技は2024年7月27日から8月3日まで、シャン・ド・マルス・アリーナで開催されます。
阿部兄妹の出場が予想される男子66kg級と女子52kg級は、7月28日に実施される予定です。具体的なスケジュールは以下の通り。
- 10:00 男子66kg級1回戦、女子52kg級1回戦
- 10:28 男子66kg級2回戦、女子52kg級準々決勝
- 16:00-18:09 決勝を含む後半戦
阿部兄妹は再び、同日に金メダルを目指すことになります。
注目の対戦と強豪選手
さて、気になる阿部兄妹のライバル選手は…。
阿部一二三選手の最大のライバルは、ジョージアのヴァジャ・マルグヴェラシュヴィリが強豪として注目されています。一方、阿部詩選手の最大のライバルは、東京オリンピック決勝で対戦したフランスのアマンディーヌ・ブシャールです。
次に、阿部兄妹以外でも注目の日本人選手について、筆者 taoは個人的には次の4選手です。
- 男子100kg超級:斉藤立
- オリンピック2連覇を達成した斉藤仁の次男
- 男子100kg級:ウルフ・アロン
- 東京オリンピック金メダル
- 男子81kg級:永瀬貴規
- リオデジャネイロオリンピック銅メダル
- 東京オリンピック金メダル
- 女子78kg超級:素根輝
- 東京オリンピック金メダル
日本柔道界全体の目標
日本柔道界全体の目標は次のようにまとめることができます。
- メダル獲得数の最大化:東京オリンピックでは過去最多の9個の金メダルを含む計12個のメダルを獲得しました。パリオリンピックでもこの成績を維持、または上回ることを目指しています。
- 兄妹連覇の達成:阿部兄妹の金メダル獲得は、日本柔道界にとって象徴的な目標となっています。
- 連覇達成:阿部兄妹以外にも、東京オリンピックの金メダリストが3人出場します。彼ら全員の連覇。
- 若手選手の台頭:新たな世代の選手たちの活躍も期待されています。例えば、男子100kg級では19歳の新井道大選手が台頭しています。
- 混合団体戦での金メダル獲得:東京大会で銀メダルに終わった混合団体戦での金メダル獲得が、大きな目標の一つです。
- 長期的な強化:パリオリンピックだけでなく、その先の大会も見据えた選手育成と強化が進められています。
日本柔道連盟は、これらの目標達成に向けて、早期からの選手選考や十分な準備期間の確保など、戦略的なアプローチを取っています。パリ五輪2024での日本柔道陣の活躍が大いに期待されています。
阿部兄妹のよくあるQ&A
阿部兄妹に関する「よくあるQ&A」をネットから拾ってまとめてみました。
Q1: 阿部兄妹はいつから柔道を始めたのですか?
A1: 一二三選手は6歳の頃から柔道を始めました。詩選手も幼少期から柔道に親しんでいましたが、正確な開始年齢は公表されていません。
Q2: 阿部兄妹の得意技は何ですか?
A2: 一二三選手は右組みからの背負投や体落、袖釣込腰などを得意としています。詩選手は腕挫十字固や崩袈裟固めなどの寝技に強みがあります。
Q3: 東京五輪後、阿部詩選手は怪我に苦しんだそうですが?
A3: はい、東京五輪後、詩選手は両肩の手術を受けました。2021年9月に左肩、10月に右肩の関節唇修復手術を行い、約半年間柔道から離れることを余儀なくされました。
Q4: パリ五輪2024での目標は何ですか?
A4: 阿部兄妹は、パリ五輪2024での兄妹連覇を目指しています。これは柔道史上初の快挙となります。
Q5: 阿部兄妹の家族のサポートはどのようなものですか?
A5: 阿部兄妹は「チーム阿部」として家族全体でサポートを受けています。特に父親は幼い頃からトレーニングを共にし、ピンチにはすぐに駆けつけるなど、深い絆で支えています。
まとめ
パリ五輪2024に向けて、阿部一二三選手と阿部詩選手の挑戦が注目されています。
東京五輪2020で史上初の兄妹同日金メダルを達成した2人が、今度は柔道史上初の兄妹連覇に挑みます。
阿部兄妹の強さの秘密は、互いを高め合う関係性と家族の強い絆です。さらに、先祖譲りの運動能力とポジティブ思考も彼らの成功の重要な要素となっています。
東京五輪以降、一二三選手は国際大会で無敗を続けています。一方、詩選手は両肩の手術を乗り越え、着実に復調しています。
パリ五輪2024の柔道競技は2024年7月27日から8月3日まで開催され、阿部兄妹が出場する男子66kg級と女子52kg級は7月28日に実施される予定。
日本柔道界全体の目標として、東京五輪を上回るメダル獲得数、阿部兄妹の金メダル、若手選手の台頭、混合団体戦での金メダル獲得が挙げられます。
阿部兄妹の挑戦は、個人の栄誉だけでなく、日本柔道界全体の目標でもあります。パリ五輪2024での彼らの活躍が、日本のメダル獲得数に大きな影響を与えると予想されています。
日本中が注目する阿部兄妹の挑戦。果たして彼らは柔道史に新たな金字塔を打ち立てることができるのか。パリ五輪2024での彼らの活躍に大きな期待が寄せられています。
★ Original featured image generated by DALL-E 3, edited with Canva.
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