海外ドラマ『殺人を無罪にする方法』(How to Get Away with Murder)シーズン2は、前シーズン終盤に発覚したサム・キーティング殺害事件の隠蔽と、レベッカ・サッターの突然の死という、衝撃的な状況を引き継いで始まります。
シーズン1の終盤でライラ殺しの真犯人がフランクであることが明らかになったものの、レベッカ殺害の犯人は未だ謎のままです。
本シーズンでも、過去の出来事と、アナリーズが銃撃され瀕死となる未来のフラッシュフォワードが複雑に交錯し、視聴者を休む間もなく引き込みます。
主演のヴィオラ・デイヴィスが演じる敏腕弁護士アナリーズ・キーティングは、自身と「キーティング5」を守るため、新たな殺人事件と10年前の隠された秘密に立ち向かいます。
この記事では、衝撃的なクライマックスを迎えるシーズン2(全15話)の物語の重要な転換点、複雑な人間関係、そしてすべての真相をネタバレ込みで徹底解説します。
物語の「どの時点で何が起きたか」を短時間で把握したい方、主要キャラクターの裏切りや犯人関係を整理したい方、そしてシーズンを追いかけるための重要シーンのまとめを求めている方に最適です。
※本記事はシーズン2の重大なネタバレを含みます。閲覧には十分ご注意ください。
- シーズン2でアナリーズが関わる新たな事件の概要と、物語の全体像。
- アナリーズ被弾事件の真相、そして誰が彼女を撃ったのか。
- アナリーズとウェス、フランクにまつわる10年前の過去の真実。
動画解説&音声解説!
このドラマ面白いんだけど、なんか複雑。シーズン2に突入し、さらに複雑に!そんなあなたの混乱している頭を整理するための動画解説をつくりました。Notebook LMで作成。6分半ほどの動画です。
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あらすじと物語の全体像(ネタバレ注意)
シーズン2冒頭の状況と新事件の発端
シーズン2は、アナリーズとフランクがレベッカの遺体を地下室で発見し、その遺体をサムのスーツケースに隠蔽した直後から始まります。
レベッカの失踪について、ウェスは彼女が自分を捨てて逃げたものだと思い込んでいますが、ローレルは既に彼女が死んでいると確信していました。
物語の冒頭で、レベッカ殺害の犯人が、アナリーズを守るために行動したボニーだったことが明らかになります。
この状況下で、アナリーズは新たな大事件、富豪のハプストール夫妻殺人事件の弁護を引き受けます。
容疑者は、裕福な資産家である被害者夫婦の養子であるケイレブ・ハプストールとキャサリン・ハプストールの兄妹です。
ハプストール兄妹事件が物語に与える影響
ハプストール事件は、単なる一話完結の事件に留まりません。
この事件を担当する検事補エミリー・シンクレアは、アナリーズとキーティング5、そしてネイトをサム殺人の件で執拗に追及します。
事件の目撃者とされた義理の叔母ヘレナは法廷で証言した直後に殺害され、捜査が進む中で、オリバーの調査によりヘレナの隠し子であるフィリップ・ジェサップの存在が浮上します。
フィリップはハプストール夫妻、ヘレナ殺害に関わっていると疑われ、後にキーティング5を脅迫し始めます。
シーズン1からの変化とアナリーズの葛藤
サム殺しの隠蔽によりキーティング5は共犯者として結びついていますが、その関係はシーズン2で大きく揺らぎます。
特に、コナーの恋人オリバーがHIV陽性と診断されたことで、コナーは彼に献身的に向き合い、同棲を始めます。
アナリーズは、シーズン1からの罪の隠ぺいに加え、シンクレア検事補の追及、そして自身の10年前の過去(ウェスの母親ローズの自殺関与や自身の流産)が絡み合い、精神的に追い詰められ、酒に溺れ始めます。
前半エピソードの主要トピックまとめ
シーズン2の前半9話は、ハプストール事件の弁護と並行して、「アナリーズ被弾」のフラッシュフォワードが展開されます。
- ネイトは末期がんの妻ニアに安楽死を施します。
- アッシャーはシンクレアに父親の汚職の件で脅迫され、アナリーズをスパイするように仕向けられます。
- フランクは、レベッカの元恋人であるリーバイに薬物販売の容疑をかけて逮捕させます。
- オリバーがハプストール事件の捜査に協力する中で、フィリップ・ジェサップの存在を突き止め、フィリップにハッキングされていることに気づかずに情報を収集します。
主要事件の展開とクライマックス
誰が撃たれるのか?伏線と衝撃の瞬間
シーズンを通じて散りばめられたフラッシュフォワードのクライマックスは、アナリーズがハプストール邸で血まみれで倒れるシーンです。
アッシャーの父親(連邦判事)が自殺し、父親を侮辱したシンクレア検事補に対し、アッシャーが車で轢き殺すという事件が発生します。
アナリーズは、アッシャーを庇うために、シンクレアの死体をハプストール邸に運び、キャサリンに罪を着せようと画策します。
アナリーズ被弾シーンの真相
アナリーズは、学生たちにキャサリンに撃たれたように偽装工作を強要するため、自分の脚を撃つように命じます。
誰も引き金を引かないのを見たアナリーズは、ウェスを操る最終手段に出ます。
アナリーズはウェスに対し、レベッカを殺したのはボニーであるという真実を告白します。
この衝撃的な事実に激怒したウェスは、アナリーズの脚ではなく、腹部を撃ちます。さらにウェスがアナリーズの顔を撃とうとした際、アナリーズは彼の出生時の名前である「クリストフ」をささやき、ウェスは思いとどまります。
アナリーズは銃撃され、病院へ搬送されます。
クライマックス直前の駆け引きと裏切り
アナリーズ被弾後、ウェスは良心の呵責に苦しみ精神病院に入院しますが、ローレルとフランクの関係も悪化します。
ローレルはフランクに対し、彼がサムの指示でライラを殺害した真犯人であることを知っていると問い詰めます。
さらに、アナリーズも酔ったローレルから、フランクがライラを殺したことを告げられ、呆然とします。
アナリーズは精神的に極限状態となり、母親であるオフィーリアのもとへ逃げ込みます。
オフィーリアはアナリーズに、死んだ子(サムとの子で、流産した男の子)への手紙を書き、埋めるように促し、二人は悲しみを共有します。
最終話で明かされる真実とその余韻
最終話(15話「Anna Mae」)では、アナリーズ、ウェス、フランクの過去がすべて繋がります。
- フランクの裏切り:
- ボニーは、アナリーズに10年前の真実を告白します。それは、アナリーズが妊娠中に交通事故に遭い死産した原因が、フランクがウォレス・マホーニーに買収されてアナリーズの車に細工を仕掛けたことだった、という事実です。
- ウェスの出生の秘密:
- アナリーズはウェスに対し、彼の母親ローズをレイプし、ウェス(本名クリストフ)を身ごもらせた実父が、10年前の依頼人ウォレス・マホーニーであったことを告白します。
- ハプストール事件の結末:
- アナリーズはフィリップから得た証拠をデンバー検事補に提出し、ケイレブが実は連続殺人犯だったことを明らかにします。ケイレブは後に自殺します。
- 衝撃のラスト:
- フランクはアナリーズの裏切りを知った後、大金とともに姿を消します。一方、ウェスはニューヨークで初めて実父ウォレス・マホーニーに面会し「私はあなたの息子だと思う」と告げますが、その直後、ウォレスは何者かに狙撃され、ウェスの顔に血が飛び散ります。
登場人物と関係の変化
学生チームの内部崩壊と再結束
シーズン2のキーティング5は、サム殺人の隠蔽に加え、レベッカの死、そしてアナリーズ被弾という新たな犯罪に巻き込まれ、内部崩壊の危機に瀕します。
アッシャーがシンクレア殺害に関与し、コナー、ミカエラ、ローレルがその隠蔽に加わることで、学生たちはさらに深くアナリーズの闇に引き込まれます。
ウェスがアナリーズを撃った後、彼が精神病院に入院すると、残りの学生たちはアナリーズを拒絶し、彼女から離れようとします。
しかし、フィリップによる脅迫(シンクレア自殺偽装の動画)が届くと、自分たちの罪が露呈するのを恐れ、再びアナリーズの指示に従って「口裏合わせ」を完遂します。
主要人物ごとの運命と選択
| 人物 | シーズン2での重要な選択/運命 |
|---|---|
| アナリーズ・キーティング (Viola Davis) | 過去の罪と向き合い、息子を失った悲しみで錯乱する。ウェスに撃たれることで、隠されていたウェスとの因縁が明らかになる。ヴィオラ・デイヴィスはこの役で2015年にプライムタイム・エミー賞主演女優賞を受賞しています。 |
| ウェス・ギビンズ (Alfred Enoch) | 母親ローズの自殺の真相(アナリーズの関与)と、実父ウォレス・マホーニーの存在を知る。最終話で実父の死を目の当たりにする。 |
| フランク・デルフィノ (Charlie Weber) | ライラ殺害に加え、10年前にアナリーズの流産を招いた事故を画策した大罪が発覚する。アナリーズとの関係が破綻し、大金を持って失踪する。 |
| ボニー・ウィンターボトム (Liza Weil) | シーズン1終盤でレベッカを殺害した真犯人。アッシャーと一時的に肉体関係を持つ。 |
| コナー・ウォルシュ (Jack Falahee) | 恋人オリバーのHIV陽性を受け入れ、彼との関係を深め、犯罪の隠蔽に協力し続けます。 |
| アッシャー・ミルストーン (Matt McGorry) | 父親の自殺後、シンクレア検事補を殺害し、キーティング5の隠蔽に加わる。ボニーと関係を持つ。 |
新キャラクターと旧キャラの対立構造
- ハプストール兄妹 (ケイレブ、キャサリン):
- 新たな殺人事件の容疑者として登場しますが、最終的に兄ケイレブが連続殺人犯であることが判明します。
- フィリップ・ジェサップ:
- ハプストール兄妹の隠し子であり、キーティング5を脅迫する存在となります。
- イヴ・ロスロ (Famke Janssen):
- アナリーズのロースクール時代の友人で元恋人の冤罪専門弁護士。ネイトの弁護を担当するために登場し、アナリーズを助けます。
- エミリー・シンクレア検事補 (Sarah Burns):
- サム殺しを追及し、アナリーズと対立しますが、アッシャーによって殺害されます。
感情の連鎖が生んだ悲劇
シーズン2の核心は、過去の行為が現在の悲劇に繋がる「感情の連鎖」です。
アナリーズの過去(ウォレス・マホーニー事件への関与)がウェスの母親ローズの自殺を招き、これがフランクの裏切りとアナリーズの流産に繋がりました。
そして、アナリーズがウェスを庇う行動、さらにはレベッカの死を隠したことが、ウェスの激しい怒りを引き起こし、アナリーズ被弾という結果を生みました。
この罪の連鎖は、最終的にウェスの実父ウォレス・マホーニーの射殺という結末(シーズン3への布石)にまで及んでいます。
伏線と回収シーンを徹底整理
ハプストール事件の意味とシーズンを貫くテーマ
シーズン2の主要な表向きの事件であるハプストール事件は、アナリーズの「罪と贖い」のテーマを深掘りするために使用されました。
ハプストール兄妹は養子であり、複雑な血縁関係(フィリップの存在)と隠された犯罪が絡み合っていましたが、この事件の弁護を通じて、アナリーズは自身の「養子」にしようとしていたウェス(クリストフ)との過去、そして死産した息子への罪悪感に向き合います。
シーズン2で描かれた“罪と贖い”の構造
S2では、登場人物それぞれの罪と向き合う姿が描かれています。
- ボニー:
- レベッカ殺害の動機はアナリーズを守るためであり、彼女の贖罪の行為でした。
- コナー:
- オリバーのHIV陽性という事実に直面し、彼の傍にいることで、自己中心的な傾向を乗り越えようとします。
- アナリーズ:
- 母親のオフィーリアに支えられ、亡くなった息子(サムという名前だった)への手紙を埋めるという行為で、過去の悲劇に区切りをつけようとします。
各話に隠された回収済み・未回収の伏線
シーズン2で回収された重要な伏線は以下の通りです。
| 回収された伏線 | 真相 |
|---|---|
| レベッカ殺害の真犯人 | ボニー・ウィンターボトム。 |
| アナリーズを撃った犯人 | ウェス・ギビンズ(アナリーズの過去の秘密の告白に激怒)。 |
| ウェスの実父 | 10年前の依頼人、富豪のウォレス・マホーニー。 |
| アナリーズ流産の原因 | ウォレス・マホーニーに買収されたフランクが仕組んだ交通事故。 |
シーズン3への布石:見逃せないラスト5分
シーズン3への最も大きな布石は、以下の2つの未解決事件と主要人物の動向です。
- ウォレス・マホーニーの射殺事件:
- ウェスが実父ウォレス・マホーニーに面会した直後、ウォレスは車からの狙撃により死亡します。この狙撃犯が誰なのかは不明のままシーズン2は終了します。フランクがマホーニー家との因縁を精算するために行った可能性も示唆されます。
- フランクの逃亡:
- 自身の裏切りがアナリーズに露見し、関係が破綻したフランクは、大金(買収された際の資金源か)の入ったスーツケースを持って姿を消します。フランクの動向とマホーニー殺害への関与がシーズン3の焦点となります。
ドラマ『殺人を無罪にする方法』シーズン2に関するFAQ
- Q1. シーズン2は何話構成で、いつ放送されましたか?
- A1. シーズン2は全15話構成で、本国アメリカでは2015年9月24日から2016年3月17日にかけて放送されました。
- Q2. 主演のヴィオラ・デイヴィスがシーズン2時点で受賞していた主な賞は何ですか?
- A2. ヴィオラ・デイヴィスは、本作でのアナリーズ・キーティング役で、2015年にプライムタイム・エミー賞主演女優賞(ドラマシリーズ部門)を黒人女性として初めて受賞しています。
- Q3. レベッカ殺害の真犯人であるボニーの動機は何ですか?
- A3. ボニーは、アナリーズとキーティング5がサム殺人で追及されることを防ぎ、アナリーズを守るために、レベッカを殺害しました。
- Q4. アナリーズが撃たれた場所はどこですか?
- A4. アナリーズは、ハプストール夫妻の養子であるキャサリンとケイレブが住んでいたハプストール邸で撃たれました。
- Q5. ハプストール兄妹(ケイレブとキャサリン)の結末はどうなりましたか?
- A5. 兄のケイレブが実は連続殺人犯であったことが判明し、彼は警察の捜索中に自殺します。妹のキャサリンはフィリップに薬を盛られ、アナリーズを撃ったと警察に証言させられました。
- Q6. コナーの恋人オリバーのHIV陽性という事実は、シーズン2のどの時点で判明しましたか?
- A6. シーズン2の冒頭、第1話の時点でオリバーはHIV陽性と診断されていたことが明かされます。
- Q7. アナリーズがウェスの生まれた時の名前「クリストフ」をささやいたのはなぜですか?
- A7. ウェスが激怒してアナリーズを撃ち、さらに顔を狙おうとした際、アナリーズは彼が自身の過去(母親の自殺)と深く結びついた存在であること、すなわち彼がローズの息子クリストフであることを示唆し、ウェスを思いとどまらせました。
- Q8. フランクがアナリーズの流産に繋がる交通事故を仕組んだ動機は何ですか?
- A8. フランクはウェスの父親である富豪ウォレス・マホーニーから買収金(大金の入ったスーツケース)を受け取り、アナリーズを裏切って事故を仕掛けました。
- Q9. ウェスがアナリーズを撃ったことの直接的なきっかけは何ですか?
- A9. アナリーズが「キーティング5」のメンバーに自分を撃たせるための偽装工作として、ウェスに対し、レベッカを殺したのはボニーだという真実を暴露したことです。
- Q10. シンクレア検事補はどのようにして死亡しましたか?
- A10. アッシャー・ミルストーンが、父親を侮辱された怒りから、シンクレアを車で轢き殺しました。
- Q11. アナリーズがシーズン終盤に故郷の母親(オフィーリア)の元へ逃避した理由は?
- A11. フランクの裏切りや、自身の過去の罪が次々と明らかになり、心身ともに疲弊し、精神的に追い詰められたためです。
まとめ
- レベッカ殺害の犯人はボニー、アナリーズを撃ったのはウェスだった。
- アナリーズの流産はフランクの裏切り(買収)によるものだった。
- ウェスの実父はウォレス・マホーニーであり、ウォレスは目の前で射殺された。
- アッシャーが検事補シンクレアを轢き殺すという新たな殺人が発生した。
- フランクは自身の罪がアナリーズに知られた後、大金を持って失踪した。
『殺人を無罪にする方法』シーズン2は、単なる法廷ドラマの枠を超え、登場人物全員が背負う「罪の隠蔽」が、アナリーズの過去に深く根差していることを明らかにしたシーズンでした。
物語はシーズン1の結末でレベッカを殺害したのがボニーであったという衝撃的な事実から始まり、アナリーズは新たな富豪殺人事件(ハプストール事件)の弁護を通じて、検事補シンクレアの追及を受けます。
その最中、アッシャーによるシンクレア殺害が発生し、この隠蔽のためにアナリーズは自ら被弾する決断をします。
アナリーズがウェスに「レベッカを殺したのはボニー」だと告げたことで、激怒したウェスがアナリーズの腹部を撃ち、物語はクライマックスを迎えます。
シーズン後半では、10年前の事件の真相が次々と回収されます。
アナリーズの流産はフランクの裏切りによるものであり、ウェスの実父がウォレス・マホーニーであったという、アナリーズとウェスの間に存在する深い因縁が判明しました。
しかし、罪の連鎖は止まりません。
ウォレス・マホーニーはウェスの目の前で狙撃され、この事件はシーズン3への最大の伏線として残されました。
また、アナリーズへの大罪が露見したフランクは、大金を持って姿を消し、物語にさらなる不穏な影を落とします。
シーズン2は、誰も無罪ではいられないという、このドラマの根幹的なテーマを決定づける、予測不能で壮絶なシーズンとなりました。


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