2025年秋場所(9月場所)は、両横綱の優勝争いという展開が続き、それはそれで見応えがある場所でした。結果、大の里が勝ち、横綱での優勝一番乗りとなりました。
振り返ると、大の里は初土俵から所要13場所で横綱になり、そして、横綱二場所目の今場所、豊昇龍に先んじて横綱としての優勝を果たしました。
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さて、恒例です。この記事では、九州場所(11月場所)の幕内番付予想をするとともに、九州場所に対しての5つの期待、そして、九州場所の幕内優勝予想について書かせていただきます。
九州場所(11月場所)の幕内番付予想
九州場所(11月場所)の幕内番付予想です。

九州場所の5つの期待
九州場所(11月場所)については、次の5つを期待しています。
期待1、大の里の全勝優勝
初土俵から所要13場所で横綱昇進を果たした大の里。横綱昇進直後の先場所は11勝4敗と優勝争いに絡むことが出来ず。その理由は明白でした。「不用意な引き技」(相撲解説者の琴風氏がいう「毒まんじゅう」)が多かったこと、そして、「土俵際での攻め急ぎ」です。
今場所はその2点を修正し、特に、十四日目までは引き技ゼロでした。千秋楽、本割での横綱対戦で「プチ毒まんじゅう」が出てしまいましたが…。
何が言いたいかというと、大の里が史上最速で横綱昇進を果たしたのは、その恵まれた体躯だけでなく、「抜群の修正力にある」ということです。
さて、九州場所に臨む二番目は次に書きますが、今場所同様に千秋楽まで両横綱が優勝争いをするという再現がされることです。ただし、それは二番目です。
それ以上に期待することは、大の里がまだ成し遂げていないこと、そして、名横綱が果たしている勲章ともいうべき「15戦全勝」を果たすこと。
すでに、大の里は14勝1敗の優勝を夏場所(五月場所)で果たしています。そのとき、千秋楽で豊昇龍に負けて1敗となりました。つまり、大の里が15戦全勝を果たすために大の里が乗り越えなければならない壁は「本割で豊昇龍に勝つ」ということです。
優勝回数が多い横綱の「全勝優勝回数」
優勝回数が多い横綱の「全勝優勝回数」をリストします。
優勝回数 | 全勝回数 | |||
---|---|---|---|---|
白 鵬 | ||||
大 鵬 | ||||
千代の富士 | ||||
朝青龍 | ||||
北の湖 | ||||
貴乃花 | ||||
輪 島 | ||||
武蔵丸 | ||||
曙 | ||||
若乃花(初代) | ||||
北の富士 | ||||
照ノ富士 | ||||
★「順位」は「通算優勝回数」の順位。 ★優勝がすべて1年6場所制以降である力士を対象とします。 |
期待2、二場所連続の両横綱の優勝争い
やはり、両横綱が強いと場所全体が締まるし、見ていて楽しい。
より具体的には、今場所同様に千秋楽での両横綱の優勝争いを期待します。
ただし、勝てばいいという横綱らしからぬ豊昇龍の勝ち方だけは封印していただきたい。
立ち合いの変化などなくても、豊昇龍は十分に勝ち続ける地力があります!
期待3、安青錦の場所後、大関昇進の実現
初土俵から所要13場所で横綱となり、そして、横綱2場所目で早くも優勝を果たした大の里。大の里がいるので、少し影が薄い存在となっていますが、今、若手伸び盛りで大注目なのが、小結・安青錦(21歳)です。
付け出し力士を除くと最速のスピード出世の安青錦。十両を二桁二場所で通過し、今場所が入幕四場所目。その四場所すべて11勝4敗の好成績で、かつ、四場所連続での三賞受賞です。
来場所の関脇昇進は間違いなく、それどころか、来場所の成績によっては、場所後の大関昇進もあり得ます。昇進が考慮されるケースとしては、次のようなことが予測されます。
- 初優勝。
- それが11勝でも昇進は間違いないでしょう。
- 優勝同点。
- 本割で同星となり優勝決定戦で負けた場合。
- 優勝次点で12勝以上。
- 11勝でも両横綱のいずれかを倒している場合も含む。
- 優勝同点でも次点でもないが、11勝以上で、かつ、両横綱のいずれかを倒している場合。
直近の幕内四場所を見る限り、この4つの条件、どれもありえそうです。
琴櫻の一人大関だと心配がありますので、是非、安青錦の大関が実現することを期待します。
仮に、安青錦が来場所14勝以上で優勝し、来年初場所に大関で優勝を果たした場合は、初場所後の横綱昇進もあり得るかもしれません(微妙かな?)。
期待4、三役入り関取の活躍
来場所は、「王鵬が再関脇」と「伯桜鵬が新小結」として三役入りすると予想しました。
九州場所、この二人がともに二桁の白星をあげ、来年初場所は「王鵬には大関昇進挑戦」を、「伯桜鵬には関脇での活躍」を果たしてほしいと期待しています。
この二人に期待する一番の理由は、次期大関候補が現状いないからです。この二人ならば、来年前半くらいまでの間には大関昇進も望めるのではないでしょうか。
そんなこんなで、来年中に「三横綱、三大関体制」が実現することを望みます。ちなみに、三横綱とは、大の里、豊昇龍、安青錦です。そして、三大関とは、琴櫻、王鵬、伯桜鵬です。
期待5、「怪物・オチルサイハン」のデビュー
いつも場所後に記事を書く「来場所○○の期待」については、毎回幕内についての期待を書きます。
今回は、まだデビュー(前相撲)も果たしていないモンゴル出身の研修生に着目しました。
伊勢ヶ濱部屋の研修生・オチルサイハン(23歳)です。21歳の時から伊勢ヶ濱部屋には研修生としていました。当時、照ノ富士が現役で、「一部屋に外国人力士は一人だけ」の規定があって、研修生のまま稽古を続けていたとのこと。強者揃いの伊勢ヶ濱部屋ですから、とんでもなく強い「研修生」に育ったようです。
オチルサイハンは「九州場所での前相撲」が決まっているとのこと。安青錦を超える爆速昇進を期待しています!
九州場所の幕内優勝予想
毎回やっています、来場所の幕内優勝予想です。前回は「優勝予想一番手、大の里」が当たりました(^o^)
まあ、一番手を大の里とすれば、確率高そうですから、自慢にはなりませんが…。
優勝予想一番手、大の里
一番手は横綱・大の里です。今場所15番+優勝決定戦をじっくり見直しての結論です。
本割で豊昇龍に負けたとはいえ、大の里の力は、他を圧倒しています。「毒まんじゅう(不用意な引き技)」と「土俵際でのバタバタ」を今場所同様に封印すれば、そして、豊昇龍に本割で勝てれば、初の「全勝優勝」も夢ではありません。
大の里は今後、優勝回数を早々に10回まで伸ばし、20回も望める大横綱になるでしょう。そして、前掲した通り、優勝回数の多い大横綱は、ほぼほぼ全員(曙のみ全勝優勝無し!)が「全勝優勝」を成し遂げています。
ということで、来場所の優勝予想一番手は横綱・大の里で、かつ、全勝優勝です!
優勝予想二番手、豊昇龍
今場所、豊昇龍は二番、立ち合いで変化しました。あのような横綱らしからぬ取り口をせずとも、毎場所優勝を狙えるだけの地力があるのが横綱・豊昇龍です。
今場所、11個の白星を続けられたのは、けっしてフロックではなく、実力です。
来場所も今場所同様に千秋楽での横綱決戦が見たいという期待があります。現状では、大の里と優勝争いをできる地力があるのは、間違いなく豊昇龍だけです。そこで、来場所も両横綱の優勝争いを期待も込めてですが、予想してます。
そして、大の里が豊昇龍に分が悪い現状を考慮すると、ほぼほぼ、両横綱は僅差、つまり、どちらが優勝してもおかしくないという状態だと判断します。
優勝予想三番手、安青錦
もともと「強い横綱・大関」を強く望んでいるので、本当ならば「琴櫻」と書きたいのですが、15日間、ずっと「強い大関」をキープできる身体の状態では無いようなので、優勝候補から除外させていただきます。
一方、安青錦は、入幕四場所連続十一勝は素晴らしすぎる成績です。あり得ないほどの成績です。だけど、だからこそ、もっと高望みをします。それは十一勝の壁を破ること。しかも大きく破ること。つまり、十三勝、十四勝です。
この鍵となるのは、得意の型(立ち合い低く当たって、相手の胸に頭を付ける形)に持っていけない場合の対処をどうするかです。
今場所十五日間をじっくり見ましたが、両横綱を除くと、次に優勝が望める安定力&地力を持っているのは安青錦しかいません。そして、「期待3」でも書きましたが、来場所に優勝を実現すれば、場所後の大関昇進もあり得ます。それを含めて、優勝三番手を安青錦としました。
まとめ
場所前&場所中、「強い横綱・大関」を期待すると、いろいろ記事を書いてきました。
もっと具体的には「千秋楽まで両横綱が白星を重ね、千秋楽で両横綱が決戦する」様を期待してきました。
無敗同士の千秋楽決戦にはならなかったものの、久しぶりの「千秋楽の横綱決戦」が見られたことを嬉しく思います。
また、安青錦の活躍も場所前の期待通りで、わくわくしています。
一方、二人同時昇進の可能性もあった「場所後の大関昇進」ですが、若隆景も霧島も果たせず。
ところで、強者(つわもの)力士がたくさんいる伊勢ヶ濱部屋。怪我で全休となった尊富士が心配です。
また、場所途中で勝ったものの右手上腕に大きな怪我を負った伯桜鵬が、なんとか千秋楽まで取組を続け、勝ち越しを果たしたことには、思わず拍手してしまいました。
さらに、来場所は錦富士が戻ってきます。
伊勢ヶ濱部屋、同部屋力士が多くて圧倒的有利なのですが、優勝争いに絡みそうな力士がいないのが残念です。そういうこともあって、「怪物・オチルサイハン」に期待してしまいます(^o^)
全力士と関係者のみなさま、15日間、わくわくと楽しませていただき、ありがとうございました。
更新メモ:2025年10月02日 571 354
更新メモ:2025年09月30日 394 264
更新メモ:2025年09月29日 76 48
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