【完全版】小野不由美著『魔性の子』と『十二国記』シリーズについて詳細解説!ネタバレあり

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小野不由美氏が手掛ける壮大なファンタジー小説『十二国記』シリーズは、多くの読者を魅了し続けています。人間と神獣が織りなす奥深い世界観、そして登場人物たちの苦難と成長を描いた物語は、読む者の心を強く揺さぶります。特に、シリーズの序章とされる『魔性の子』は、そのホラーテイストと深い心理描写で読者に強烈な印象を与え、後に続く異世界ファンタジーへの扉を開きました。

この記事では、『魔性の子』、そしてシリーズの起点となる『月の影 影の海』に焦点を当て、その魅力や詳細を徹底的に解説します。シリーズ全体の構成やAudibleでの楽しみ方もご紹介しますので、これから『十二国記』の世界に触れる方も、すでに深いファンの方も、ぜひ最後までお読みください。

この記事でわかること
  • 小野不由美氏のプロフィールや『十二国記』シリーズ全体の概要
  • 『魔性の子』と『月の影 影の海』の登場人物、あらすじ、作品の特異性、そして物語の繋がり
  • Audibleでの『十二国記』シリーズの配信情報や利用方法

なお、『魔性の子』や『月の影 影の海』は、「聞く読書・Audible」で、今すぐ聞くことができます!

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目次

第1章 小野不由美氏と『十二国記』シリーズ紹介

最初に小説家・小野不由美氏と『十に国記』シリーズの紹介から…

小野不由美氏のプロフィール

  • 生年月日・出身地:
    • 1960年12月24日生まれ。
    • 大分県中津市出身で、現在は京都市に在住しています。
  • 学  歴:
    • 大谷大学文学部仏教学科を卒業。
    • 大学在学中には京都大学推理小説研究会に所属していました。
  • デビュー:
    • 1988年に『バースデイ・イブは眠れない』で講談社X文庫ティーンズハートからデビュー。
  • 代 表 作:
    • 『十二国記シリーズ』の他に、『悪霊シリーズ』(現在は『ゴーストハント』シリーズとして改題・刊行)、『屍鬼』、『残穢』、『営繕かるかや怪異譚』 など、多岐にわたるジャンルの作品を手掛けています。
  • 作  風:
    • ホラーやミステリーを得意とし、理性的、論理的なプロットが特徴的です。善悪を一義的に描かず、硬直した価値観に常に疑問を呈する姿勢が作品に表れています。
  • 受 賞 歴:
    • 2013年『残穢』で第26回山本周五郎賞を受賞。2020年には『十二国記』シリーズで第5回吉川英治文庫賞を受賞しています。
  • そ の 他:
    • 夫は推理作家の綾辻行人氏です。デビュー以来、基本的に人前には姿を見せず、顔写真も公開していません。

『十二国記』シリーズ1冊目、『魔性の子』の概要

『魔性の子』は、1991年9月25日に新潮社から刊行されたロー・ファンタジー・ホラー小説です。

  • ジャンル:
    • ホラー小説。特に、現実世界に異世界が干渉する恐怖を描いた作品として位置づけられています。
  • 舞  台:
    • 物語の主要な舞台は現代日本です。
  • テ ー マ:
    • 自らが所属する世界に違和感を抱き、異世界に強く惹かれる者と、本来現実世界と相容れない性質を持ちながらこの世界に囚われている者の心理的な交流と葛藤が描かれています。このテーマは小野不由美氏の他の作品(『東亰異聞』や『屍鬼』)にも通底しています。
  • 『十二国記』シリーズにおける位置づけ:
    • 当初は単独作品として発表されましたが、後に『十二国記』シリーズのEpisode-0巻として組み込まれました。作者が『十二国記』の世界を構築する際の背景設定(地図、年表、図表など)は、この作品の執筆時に作られたものです。

『十二国記』シリーズ一覧(新潮文庫版)

シリーズ「大人買い」のお薦めです!

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『十二国記』シリーズは、小野不由美氏による中国風異世界を舞台にしたファンタジー小説のシリーズです。

新潮文庫版は、表紙・挿絵を山田章博氏が手掛け、一部表現の訂正はありますが、内容に大きな変更はありません。

  • 魔性の子 (1991年)
    • 概要: シリーズの序章とされるホラー小説。現代日本を舞台に、異世界が現実世界に干渉する恐怖を描きます。
  • 月の影 影の海(上・下) (1992年)
    • 概要: シリーズ本編の第一作。日本の女子高生・中嶋陽子が異世界「十二国」へ連れ去られ、数々の苦難を乗り越え、慶国の王となるまでの壮絶な冒険と成長を描きます。
  • 風の海 迷宮の岸 (1993年)
    • 概要: 『魔性の子』に登場する泰麒(高里要)の物語。幼い麒麟が自身の運命と、王を選定する役割に葛藤する姿を描いた作品です。
  • 東の海神 西の滄海 (1994年)
    • 読み方: ひがしのわだつみ にしのそうかい
    • 概 要: 雁国の王・尚隆と麒麟・六太の即位から20年後の物語。雁国を舞台に、政治的な謀反とその解決が描かれます。
  • 風の万里 黎明の空(上・下) (1994年)
    • 概 要: 慶国の景王となった陽子の苦悩と、芳国の元公主・祥瓊、海客の鈴という三人の少女たちの苦難と成長が交錯しながら描かれる物語です。
  • 図南の翼 (1996年)
    • 読み方: となんのつばさ
    • 概 要: 恭国に王が不在で国が荒れる中、12歳の少女・珠晶が自ら王となるために麒麟のいる蓬山を目指す物語。
  • 黄昏の岸 暁の天 (2001年)
    • 読み方: たそがれのきし あかつきのそら
    • 概 要: 行方不明となった戴国の麒麟・泰麒を捜すため、戴国の女将軍・李斎が慶国の景王・陽子たちに助力を求め、王と麒麟が動く物語。
  • 華胥の幽夢 (2001年)
    • 読み方: かしょのゆめ
    • 概 要: 王たちの理想と葛藤、そして民の願いを描いた全5編の短篇集。
  • 丕緒の鳥 (2013年)
    • 読み方: ひしょのとり
    • 概 要: 名もなき男たちの清廉な生き様を描いた短篇集。慶国で新王即位の儀式に使われる陶製の鳥「陶鵲」を作る陶工・丕緒の苦悩と決意を中心に描かれます。
  • 白銀の墟 玄の月(一・二・三・四) (2019年)
    • 読み方: しろがねのおか くろのつき
    • 概 要: 長編シリーズ最新作。王が消息を絶ち、麒麟も姿を消した戴国で、泰麒が故国に戻り、行方不明の王・驍宗を捜す壮大な物語。
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第2章 『魔性の子』の詳細解説

それでは、『十二国記』シリーズの序章ともいえる『魔性の子』についての詳細な解説スタート!

『魔性の子』とは

小説『魔性の子』は、小野不由美氏のロー・ファンタジー・ホラー小説。

ロー・ファンタジー・ホラー小説とは「現実世界を舞台に、魔法や怪奇現象、超自然的な存在などのファンタジー要素が組み合わさったホラー小説」のこと。日常に潜む恐怖や、現実と非現実の境界が曖昧になるような感覚を描いています。

そして、『魔性の子』は小野氏が描くロー・ファンタジー・ホラー『十二国記』シリーズの序章的な作品です。

舞台は、教育実習生・広瀬の母校である名門私立男子校。広瀬は財光寺の担任であった後藤の指導のもとで、2年生のクラスを担当します。そこには、異質な生徒・高里要がいました。

広瀬は、高里が1年間行方不明であったこと、そして、それが神隠しであり、高里の周りでは「祟り」があることを知るのですが…。

『魔性の子』の登場人物

  • 広瀬(ひろせ):
    • 教育実習生で、地元母校の高校で実習をスタート。彼は幼少期に臨死体験で異世界を見た経験を持ち、「ここではないどこか」への郷愁を抱いている。高里要に強く惹かれ、彼を理解しようとします。
  • 高里要(たかさと かなめ):
    • 物語の中心人物である高校2年生。10歳の時に1年間神隠しに遭い、その間の記憶がない。彼をいじめた者に災いが起こるため「祟る」と恐れられ、周囲から孤立。その正体は、異世界「十二国」の神獣麒麟の一種である戴国の泰麒(たいき)。
  • 後藤(ごとう):
    • 高里のクラス担任で化学教師。広瀬の元担任であり、教育実習の担当教官。要の周囲で起きる異変に気づきながらも、彼を案じ、広瀬を支えます。
  • 高里家:
    • 要の父(康貴)、母(早苗)、弟(卓)、祖母(美喜)。要を巡る不可解な出来事により、次第に要を恐れ、精神的に追い詰められていきます。
  • ムルゲン:
    • 要の周囲に潜む謎の存在で、水の妖の気配を持つ女性のような姿。要に危害を加えるものを敵とみなし容赦なく攻撃します。正体は泰麒の女怪・白汕子(はくさんし)
  • グリフィン:
    • 要の周囲に潜む謎の存在で、犬のような気配を持つ。ムルゲンと同様に要を守ろうとします。正体は泰麒の唯一の使令(しれい)・傲濫(ごうらん)。強大な妖魔である饕餮(とうてつ)で、普段は赤い犬の姿をしています。
  • レンリン:
    • 「タイキ」「ハクサンシ」を探して広瀬の前に現れる金髪の謎の女性。見る人によって姿が違うと噂されます。正体は漣極国の麒麟・廉麟(れんりん)

『魔性の子』のあらすじ

教育実習生として母校の名門男子高校に赴任した広瀬は、生徒の間で奇妙な噂が立つ高里要に興味を抱きます。高里は10歳の時に1年間行方不明になり、それ以来彼をいじめた者や関わった者が次々と不慮の事故に見舞われるため、「祟る」と恐れられていました。広瀬自身も幼少期に臨死体験で異世界を見た経験があり、高里の「神隠し」と「祟り」の謎に強く惹かれていきます。

高里の周囲では実際に不審な死傷事件が頻発し、広瀬は高里の傍らに白い腕(ムルゲン)犬のような気配(グリフィン)といった人ならざる存在を感じ取ります。事件がエスカレートする中、高里は周囲から完全に孤立し、彼の両親も惨殺されてしまいます。広瀬は高里を自宅に匿い、彼を守ろうとしますが、高里の意思とは無関係に起こる惨劇と、広瀬自身の精神的な消耗により、「高里が意図的に仕返しをしているのではないか」という疑念を抱き、問い詰めます。

物語の終盤、謎の女性レンリンが現れ、「タイキ」という名を口にします。これにより、高里要が異世界「十二国」の神獣麒麟であり、戴国の泰麒(たいき)胎果(たいか)であり、角を折られたために麒麟としての記憶と能力を失っていたのでした。高里は「あちらの世界」に帰らなければならないと悟り、広瀬の制止を振り切って姿を消します。彼の失踪後、大規模な嵐が発生し、多くの死傷者を出したものの、泰麒の行方は誰も知ることはありませんでした。

『魔性の子』の特異性

『魔性の子』『十二国記』シリーズの「序章」として位置づけられていますが、その内容は一般的なファンタジー小説とは大きく異なり、本格的なホラー小説としての側面が非常に強い作品です。

『魔性の子』の特異性
  • 異色の導入:
    • 壮大な異世界ファンタジーシリーズの導入が、現代日本を舞台にした陰惨なホラーとして描かれている点が非常に特異です。異世界の片鱗は終盤でようやく提示され、読者は主人公と共に少しずつ異界の存在を認識していきます。
  • 人間の醜いエゴの描写:
    • 物語の怖さは、血生臭い惨劇だけでなく、主人公・広瀬の内面に深く潜む人間のエゴが容赦なく描かれている点にあります。広瀬が高里を「救いたい」と願う気持ちが、自身の「ここではないどこか」への逃避願望や、高里に帰る場所があったことへの強烈な嫉妬へと変化する描写は、読者に深い心理的な動揺を与えます。
  • 現実と理想の乖離:
    • 「自分は特別だ」「ここにはそぐわない別の居場所があるはずだ」という広瀬の空想が、残酷な現実によって打ち砕かれる過程は、読者自身の心に隠された弱さや現実逃避の心理を突きつけます。この作品は、人間がいかに弱く醜い存在であり、それでも「ここではないどこか」などないこの世界で生きていかなければならない、という現実の厳しさを提示しています。

シリーズ2つ目、『月の影 影の海』へのつながり

『魔性の子』『十二国記』シリーズの「プロローグ」として、異世界「十二国」の存在、そこに登場する神獣「麒麟」の概念、そして「胎果」という特殊な出自を持つ人間の存在を読者に示しました。

物語の終盤で高里要が戴国の麒麟である泰麒として「あちらの世界」へ帰るという結末は、読者を本格的な異世界ファンタジーへと誘う伏線となります。

この作品で提示された高里の境遇や、彼を取り巻く謎、そして異世界の片鱗が、次作である『月の影 影の海』以降の物語で本格的に描かれ、シリーズの世界観が大きく広がりを見せることになります。

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第3章 『月の影 影の海』の詳細解説

次に、『十二国記』シリーズ2つ目となる『月の影 影の海』の紹介です。

『月の影 影の海』の登場人物

  • 中嶋陽子(なかじま ようこ):
    • 日本の平凡な女子高校生。突然異世界「十二国」へ連れ去られ、数々の苦難と裏切りを経験しながらも、やがて慶国の王となる運命を背負います。
  • 景麒(けいき):
    • 慶国の麒麟。陽子を「主(あるじ)」と呼んで十二国へ連れてきますが、途中で妖魔の襲撃により陽子とはぐれてしまいます。王を選ぶ神獣として、王にのみ忠誠を誓います。
  • 楽俊(らくしゅん):
    • 巧国出身の半獣(半人間半獣)の青年。十二国に迷い込んだ陽子を献身的に助け、彼女の人間不信を打ち破るきっかけとなる重要な仲間です。学問を好みますが、半獣であるために差別を受けていました。
  • 延王尚隆(えんおう しょうりゅう):
    • 雁国の王。陽子と同じく胎果(日本で生まれた十二国の人間)の出身。飄々としていますが、優れた統治能力を持ち、陽子に王としての道を教え導きます。
  • 延麒六太(えんき ろくた):
    • 雁国の麒麟。尚隆の補佐を務め、陽子にも助言を与えます。
  • 塙王(こうおう):
    • 巧国の王。自国の繁栄に行き詰まりを感じ、隣国の慶国に立つ新しい王(陽子)の出現を恐れ、王としての天命を失うことを覚悟で陽子を狙います。
  • 青猿(あおざる):
    • 陽子が景麒から授かった宝剣「水禺刀(すいぐうとう)」の鞘に封じられていた妖魔。陽子の心に入り込み、幻影を見せては人間不信を煽りますが、陽子が真実と向き合うことで切り捨てられます。

『月の影 影の海』のあらすじ

日本の平凡な女子高校生・中嶋陽子は、ある日突然、景麒と名乗る異世界の男に「主」と呼ばれ、地図にない異世界へと連れ去られます。しかし、十二国への移動中に追手の妖魔の襲撃に遭い、陽子は景麒とはぐれてしまい、見知らぬ巧国で一人取り残されてしまいます。陽子は、景麒から渡された宝剣「水禺刀」の助けを借りて生き延びますが、異世界の人々に裏切られたり、妖魔に襲われたりする過酷な旅の中で、人間不信に陥っていきます。剣が見せる幻影や、彼女の心を惑わす青猿の囁きにより、陽子は自身の元の世界での生き方や人間関係に絶望を感じ、命を諦めかける寸前まで追い込まれます。

死の淵にいた陽子は、半獣の青年・楽俊に助けられます。楽俊の無条件の優しさに触れ、陽子は次第に人間不信を乗り越え、彼を信頼するようになります。楽俊から十二国の地理や国政について学び、共に雁国を目指す中で、陽子は自身が十二国生まれの胎果であること、そして慶国の新たな王である景王に選ばれたことを知らされます。

慶国の先王・舒覚(じょかく)が天命を失い、偽王・舒栄(じょえい)が国を乱している現状を知った陽子は、雁国の延王尚隆延麒六太の助力を得て、景麒を救出することを決意します。自身の過去の人生を後悔しながらも、荒れた慶国と民を救うという重い責任と向き合い、王としての「決断」を下す陽子。彼女は雁国の軍を率いて慶国へ向かい、景麒を助け出し、たくましく成長した姿で忠誠を誓う景麒と再会を果たします。ここから、景王としての陽子の物語が本格的に始まります。

『月の影 影の海』の特異性

『月の影 影の海』『十二国記』シリーズの「本編」第一作であり、ファンタジーとしての世界の本格的な幕開けを告げる作品です。その特異性は、以下の点に集約されます。

月の影 影の海』の特異性
  • 「異世界転生」の過酷な現実:
    • 平凡な女子高生が突然異世界に放り込まれるという「異世界転生」の形式をとりながらも、その描写は非常に現実的で過酷です。陽子は、チート能力など持たず、裏切りや飢餓、妖魔との戦いを孤独に経験し、精神的にも肉体的にも極限まで追い詰められます。
  • 「自己の確立」という普遍的テーマ:
    • 陽子の物語は、単なる冒険譚に留まりません。度重なる苦難の中で、彼女は自身の弱さや傲慢さ、人間不信と徹底的に向き合い、自己を問い直します。そして、「自分に味方がいなくても、他者を信じず害することの理由にはならない」という自己認識に到達し、真の「王」として、また一人の人間として自らを確立していく過程が丁寧に描かれます。
  • 楽俊との出会い:
    • 物語の転換点となるのが、半獣の楽俊との出会いです。彼の無条件の優しさと知性によって、陽子の閉ざされた心が少しずつ開かれ、人への信頼を取り戻していく姿は、シリーズの中でも特に感動的な場面として語り継がれています。ファンからは「ネズミが出るまでは」という言葉が、この作品の厳しさとその後の救いを象徴する表現として使われるほどです。
  • 骨太な世界観の提示:
    • 王を選定する神獣「麒麟」、王が天命に背くと麒麟が病むという「失道」、王の寿命と国の繁栄の関係など、十二国の政治システムや摂理が詳細に提示されます。単なるファンタジーにとどまらない、政治思想や人間社会のあり方を深く考察させる骨太な物語の土台が築かれています。

シリーズ3つ目、『風の海 迷宮の岸』へのつながり

『月の影 影の海』麒麟へと焦点を移します。

シリーズ3作目である『風の海 迷宮の岸』は、『魔性の子』の主人公であった高里要が、異世界「十二国」での正体である戴国の泰麒として登場し、彼が幼い頃に王を選び出す過程での葛藤と成長が描かれます。この作品は、『魔性の子』で提示された泰麒の出自や境遇の謎をさらに深掘りし、『十二国記』の壮大な世界観が多角的に広がりを見せる重要な一歩となります。

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第4章 『十二国記』シリーズをAudibleで聴こう!

2024年12月12日の「十二国記の日」に、小野不由美氏著『十二国記』全作品のオーディオブック化が発表されました。

これは、これまで電子書籍化すらされていなかったシリーズにとって、多くのファンが待ち望んでいた画期的な出来事です。

紙の書籍を読み込む時間がない方も、Audibleであれば『十二国記』の世界を深く楽しむことができます。

『十二国記』シリーズ再掲(Audible配信日追記)

Audible版『十二国記』シリーズは全て聴き放題対象作品として提供されています。

ナレーターについては、『魔性の子』および『月の影 影の海(上・下)』は羽飼まりさんが担当されています。

羽飼まりさんのナレーションは、聴きやすく、登場人物の演じ分けも素晴らしいと多くの読者から好評を得ています。

その他の作品のナレーターは現在未発表ですが、今後の情報に注目です。

シリーズタイトルEpisodeAudible配信日
(配信予定日)
ナレーター再生時間
魔性の子02025年4月25日羽飼まり13時間20分
月の影 影の海(上)12025年7月11日羽飼まり7時間32分
月の影 影の海(下)12025年7月11日羽飼まり6時間59分
風の海 迷宮の岸22025年9月5日未発表11時間3分
東の海神 西の滄海32025年10月3日未発表9時間52分
風の万里 黎明の空(上)42025年12月31日未発表10時間26分
風の万里 黎明の空(下)42025年12月31日未発表11時間20分
丕緒の鳥52026年12月31日未発表10時間8分
図南の翼62026年12月31日未発表11時間52分
華胥の幽夢72026年12月31日未発表9時間57分
黄昏の岸 暁の天82026年12月31日未発表13時間32分
白銀の墟 玄の月(一)92026年12月31日未発表10時間53分
白銀の墟 玄の月(二)92026年12月31日未発表12時間14分
白銀の墟 玄の月(三)92026年12月31日未発表10時間53分
白銀の墟 玄の月(四)92026年12月31日未発表12時間41分

※上記の配信日や再生時間は、2025年8月3日時点の情報であり、今後変更される可能性があります。

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  • いつでもどこでも楽しめる:
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    • スマートフォンやタブレットのAudibleアプリから、ストリーミング再生やダウンロードしてオフラインで聴くことができます。通勤・通学中や家事、運動中など、手が離せない状況でも読書を楽しめます。
  • プロのナレーションによる没入感:
    • 著名人やプロの声優、俳優による感情豊かな朗読は、物語の世界に深く没入させてくれます。特に『十二国記』のような壮大なファンタジー作品では、耳から入る情報が想像力を掻き立て、新たな感動をもたらします。
  • 単品購入の割引特典:
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筆者 taoは、Audibleをもう何年も使い続けています。そんな筆者のAudible体験を少しだけ書きますね。

まずは、前述の「[B] ながら読書でスキマ活用!」です。

日常生活のなかでちょっとしたスキマ時間ってありますよね。朝起きてから自宅を出るまでのちょっとした空き時間、あるいは通勤・通学。また、筆者はウォーキングのときにもAudibleを楽しんでいます。外の音が入るワイヤレスイヤホンで聴いていれば、道路を歩きながらでも危なくありません(それなりに注意はしてくださいね!)。

そんなこんなで、筆者 taoは平均して、月に30〜40冊、「聴く読書」をしています。

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『十二国記』シリーズとAudible

小野不由美氏が紡ぎ出す『十二国記』シリーズは、その壮大な世界観と奥深い物語から、一度読み始めると止まらなくなり、何度も繰り返し読み返したくなる作品です。

このシリーズは1991年スタートですから、30年に渡るシリーズ。累計発行部数、1,280万部(2021年9月現在)ですが、残念ながら、電子書籍化(Kindle化)はされていません。それでも人気があるということで、Audible化が計画され、その第一弾として『魔性の子』が2025年4月25日に配信スタート。

本記事公開日現在、Audible化されているのは15冊中3冊ですが、未配信のものも配信がすべて計画されています。つまり…

特に、長編作品が多い『十二国記』シリーズは、オーディオブックと非常に相性が良いと言えるでしょう。

Audibleを利用すれば、書籍を読むのが苦手な方や、読書にまとまった時間をとれない方でも、手軽に『十二国記』の世界に没入できます。プロのナレーターによる臨場感あふれる朗読は、物語の情景をより鮮明に描き出し、紙媒体で読むのとはまた違った新たな発見や感動を与えてくれます。

ぜひこの機会に、Audibleの30日間の無料体験を活用して、小野不由美氏の描く壮大な物語を「聴く読書」で体験してみてください。きっと、あなたの心にも深く響く感動と考察をもたらすことでしょう。

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第5章 『十二国記』シリーズについてのよくあるQ&A

ラスト、『十二国記』シリーズについてのよくあるQ&Aをまとめました。

Q1: 『十二国記』シリーズを読む順番はありますか?

A1: 公式サイトでは「どの巻からでもお楽しみいただけます」とされていますが、物語の時系列は執筆順と前後します。新潮文庫版では『魔性の子』がEpisode 0と位置づけられているため、導入としては良いでしょう。本編の第一作は『月の影 影の海』なので、ここから読み始めるのもおすすめです。

Q2: 『十二国記』シリーズは完結していますか?

A2: いいえ、完結していません。2019年には長編最新作『白銀の墟 玄の月』が刊行されましたが、作者の小野不由美氏は「本編としては、あと長編1冊で完結する」と述べています。シリーズは現在も継続中です。

Q3: なぜ『魔性の子』はホラー小説なのですか?

A3: 『魔性の子』は、『十二国記』の世界観が現実世界に干渉する恐怖を描いた作品であり、作者の小野不由美氏がもともとホラーやミステリーを得意としているためです。この作品は、後に続く壮大なファンタジーシリーズの「序章」として、その世界観の暗部や根源的な恐怖を提示しています。

Q4: 『十二国記』に登場する「麒麟」とはどんな存在ですか?

A4: 麒麟は、十二国において天の意思を受けて王を選定し、王を補佐する神獣です。慈悲深く、血や死の穢れを嫌い、穢れによって病む性質があります。王が道を誤ると麒麟が病み、麒麟が死ぬと王も死ぬという運命共同体の関係にあります。

Q5: 『十二国記』は中国の歴史や神話がベースになっていますか?

A5: はい。このシリーズは、神仙や妖魔の存在する中国風の異世界を舞台にしたファンタジー小説です。王を選ぶ「天啓」や政治システムは、予言によって政治社会を予測した古代中国の讖緯思想をベースにしており、人外の存在は中国の地理書『山海経』が参考にされています。

Q6: Audibleで聴き放題対象の作品を退会後も聴けますか?

A6: プレミアム会員の場合、聴き放題対象のタイトルは退会すると利用できなくなります。ただし、ライブラリーに追加した聴き放題対象タイトルには鍵アイコンがつき、再入会すれば再度利用可能です。一方で、単品購入したオーディオブックは、退会後も引き続き楽しむことができます。

Q7: 『十二国記』シリーズはアニメ化、コミック化されていますか?

A7: 『十二国記』シリーズは、アニメ化もコミック化もされていません。また、電子書籍化もされていません。

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まとめ

小野不由美氏が紡ぎ出す『十二国記』シリーズは、単なる異世界ファンタジーに留まらない、人間の本質や社会のあり方を深く問いかける重厚な物語です。特に序章の『魔性の子』から、本格的な異世界への旅立ちを描く『月の影 影の海』へと続く流れは、読者をその独特の世界観へと深く引き込みます。

Audibleでのオーディオブック化により、これらの作品をより手軽に、そして臨場感あふれるプロの朗読で楽しめるようになりました。通勤中や移動中、家事の合間など、様々なシチュエーションで『十二国記』の世界に浸ることができるのは、オーディオブックならではの魅力です。30日間の無料体験を活用して、ぜひこの機会に小野不由美氏の描く壮大な物語を「聴く読書」で体験してみてください。きっと、あなたの心にも深く響く感動と考察をもたらすことでしょう。

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