松山ケンイチ主演ドラマ『テミスの不確かな法廷』が暴く、法律よりも尊いもの。誰もが「普通」の仮面を被って生きている?

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「正義」という言葉を口にするとき、私たちの心はどこか強くなったような錯覚に陥ります。

しかし、その正義を裁く「法廷」という場所が、もしも砂上の楼閣のように不確かなものだったとしたら?

現在、アマゾンプライムビデオで見放題配信中のドラマ『テミスの不確かな法廷』。

原作は、司法の現場を知り尽くした直島翔氏の同名小説です。

主演に松山ケンイチを迎え、全8話構成で描かれるこの物語は、単なるリーガルサスペンスの枠を軽々と飛び越え、私たちの「生き方」そのものを問い直してきます。

現在、物語は第5話まで配信。冬季オリンピックがあるため2週連続でドラマはお休み。

次回の放送は2月24日(火・夜10時〜、NHK)。

2週間お休みを補完するために、23日(月・祝日)には、第1話〜第5話を再放送が決定!

そんなこんなで全8話の折り返し地点を過ぎ、物語が加速する「今」こそ、この至高の人間ドラマに没入すべき理由を、紐解いていきましょう。

この記事でわかること
  • ドラマ『テミスの不確かな法廷』の基本情報と全8話の放送・配信スケジュール
  • 主人公・安堂清春(松山ケンイチ)が抱えるASD・ADHDの特性と、それがもたらす物語の深み
  • 第1話から第5話までのあらすじと、後半戦に向けた見どころ
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目次

『テミスの不確かな法廷』- 作品概要

それでは、まずドラマ『テミスの不確かな法廷』の作品概要から。

『テミスの不確かな法廷』- 基本情報

  • タイトルテミスの不確かな法廷
  • 配  信:
    • Amazon Prime Videoほかで配信中
  • 全  話:8話予定
    • 本記事公開日現在、5話まで放送・配信済み
  • 出  演:
    • 松山ケンイチ、鳴海唯、市川実日子、和久井映見、遠藤憲一 ほか
  • 演  出:
    • 吉川久岳、山下和徳、相良健一、富澤昭文
  • 脚  本:
    • 浜田秀哉
  • 原  作
    • 直島翔『テミスの不確かな法廷』

『テミスの不確かな法廷』- 主な登場人物

【前橋地裁第一支部】

  • 安堂 清春(あんどう きよはる / 松山ケンイチ):
    • 特別判事補。
    • 幼少期にASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)と診断される。
    • 同僚たちには病気のことはカミングアウトしていない。
  • 門倉 茂(かどくら しげる / 遠藤憲一):
    • 数年で定年を迎える部長判事。安堂の上司。
  • 落合 知佳(おちあい ちか / 恒松祐里):
    • エリート判事補。安堂の同僚で安堂に批判的な急先鋒。
  • 八雲 恭子(やくも きょうこ / 山田真歩):
    • 主任書記官。
  • 荻原 朝陽(おぎわら あさひ / 葉山奨之):
    • 書記官。
  • 津村 綾乃(つむら あやの / 市川実日子):
    • 執行官。

【検察・弁護士・その他】

  • 古川 真司(ふるかわ しんじ / 山崎樹範):
    • 検察官。安堂に振り回される。
  • 小野崎 乃亜(おのざき のあ / 鳴海唯):
    • 弁護士。
  • 穂積 英子(ほづみ えいこ / 山本未來):
    • 人権派の弁護士。小野崎の先輩。
  • 山路 薫子(やまじ かおるこ / 和久井映見):
    • 精神科医。安堂の主治医。
  • 毛利 弘志(もうり ひろし / 濱津隆之):
    • 喫茶店「パロマ」店長。
  • 結城 英俊(ゆうき ひでとし / 小木茂光):
    • 最高検察庁の次長検事。
    • 公表されていないが安堂清春の実父。

『テミスの不確かな法廷』- あらすじ(ネタバレなし)

NHK『テミスの不確かな法廷』は、自閉スペクトラム症とADHDを抱え「普通」を装う裁判官・安堂 清春(あんどう きよはる / 松山ケンイチ)が、前橋地裁で繰り広げる法廷ドラマ。

安堂は市長襲撃事件や高校生の傷害事件など、被告の突然の否認や証言の矛盾に直面し、自身のこだわりを活かして細部に迫ります。

若手弁護士・小野崎乃亜(おのざき のあ / 鳴海唯)との出会いも生まれ、周囲との摩擦の中で「真実義務」や「裁判官の資質」を問い始めます。

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放送・配信済みのあらすじ(第1話〜第5話)

以下、ネタバレを抑えめの放送&配信済み(第1話〜第5話)のあらすじです。

第1話「裁判官忌避」

前橋地裁への赴任と市長襲撃事件。

前橋地裁第一支部に赴任した裁判官・安堂 清春(あんどう きよはる / 松山ケンイチ)

彼は、幼少時に「自閉スペクトラム症(ASD)と注意欠如多動症(ADHD)」診断を受けました。

その診断を下した主治医である精神科医・山路(和久井映見)からの適切な治療とサポートを受けながら、司法試験に合格。

現在は特別判事補として活躍しています。ただし、周囲にはASD&ADHDであることは隠しながら、普通を装って働いています。

さて、そんな中、市長が襲われる傷害事件が発生。被告人は当初罪を認めていたものの、公判で一転して否認に転じました。安堂はその急変に強い違和感を覚えます。

安堂は、自分のこだわりや衝動と折り合いをつけながら、なぜ被告人が態度を変えたのか、証言や証拠の細部に目を凝らして真相を探ろうとし始めます。

なお、第1話から、安堂の得意のフレーズ(?)が炸裂します。

  • わからないことをわかっていないと、わからないことはわからない

第2話「真実義務と誠実義務」

高校バスケ部の傷害事件。

若手弁護士の小野崎乃亜(おのざき のあ / 鳴海唯)は、高校バスケットボール部員・栗田が起こした傷害事件の弁護人となり、栗田の「正当防衛」という主張を前提に弁護を始めます。

しかし、事件の目撃者たちの証言にささいな違和感を覚え、現場を訪れて検証したことで、その違和感が大きな疑問へと変わっていきます。

事件となった現場で小野崎は安堂と出くわし、二人は同じ矛盾点に行き着くも、それは依頼人である栗田にとっては不利になりかねない「別の可能性」を示していました。

小野崎は弁護士としての役割と「真実」をどう扱うかで揺れ動きます。​

第3話「裁判官の資質」

安堂の迷いと職務への向き合い方。

八御見運送のドライバー・佐久間は業務中に事故を起こし、自らは死亡、通行人も巻き込み死亡させてしまいました。娘の四宮絵里(伊東蒼)は、過重労働が原因だとして会社を相手に民事訴訟を起こします。

しかし、会社側は佐久間の過失を主張。四宮の弁護人・穂積(山本未來)は、「伝説の反逆児」と呼ばれた裁判長・門倉(遠藤憲一)の訴訟指揮に期待しましたが…。

安堂(松山ケンイチ)の大きなミスで弁護人側の重要証言者を失ってしまうことに。安堂はそのことで「裁判官を続けるべきか、自分は裁判官として適任なのか」と悩みはじめます。

さらに、安堂のミスを起因として、原告・四宮が八御見運送から訴えられる展開になり…。

第4話「伝説の反逆児」

周囲の人間関係と影響の広がり。

第3話に続き、娘の四宮絵里(伊東蒼)は、父が起こした事故は過重労働が原因だとして運動会社を相手に民事訴訟です。

安堂はいよいよ辞表提出という行動に出ようとしますが…。

法廷では、訴えられていた運動会社側の弁護士が、原告に対してスラップ訴訟を口にしたとたん、裁判長・門倉茂(かどくら しげる / 遠藤憲一)の態度が急変。それで展開が大きく変わり…。

第5話「書証主義と人証主義

エリート判事補・落合 知佳(おちあい ちか / 恒松祐里)の変心。

執行官・津村 綾乃(つむら あやの / 市川実日子)が強制立ち退き催告の際、ベトナム人・グエンに刺されるという事案発生。立ち退き催告の判断を下したエリート判事補・落合 知佳(おちあい ちか / 恒松祐里)は自らの責任回避の言動ばかり。

彼女「書証(文書、メール、契約書など)を、証拠の中心・柱とする考え方」である書証主義の立場を取ります。

一方、「人証(法廷で話す人の供述、証言)を、証拠の中心・柱とする考え方」である認証主義の立場を取る安堂は、裁判所主導でグエンが刺した動機解明を提案するも、落合はその主張に強く反発し…。

裁判を左右するのは、グエン逮捕時にそこから逃げた少女でしたが。

第6話〜第8話(最終話):随時追記します。

第6話から第8話(最終話)にかけて、放送&配信の後に、追記します。

なお、物語の先は少し見えました。

前橋地裁第一支部では、かつての死刑囚(死刑執行済み)に対する再審が行われます。

そのかつての判決に関わったのが安堂の実父。

おそらく、今後の展開は、再審で判決をひっくり返すのでは?

安堂と実父の関係はどうなるのか?

安堂は自らの病気をカミングアウトするのか?

こんな感じでしょうか。

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この作品が「刺さる」のは、こんな想いを抱えるあなたです

本作は、派手なアクションや大逆転劇を売りにしたエンターテインメントではありません。むしろ、心の奥底にある「誰にも言えない澱(よどみ)」をそっと掬い上げるような作品です。

  • 「自分は周りと少し違う」という違和感を抱えながら、必死に社会に適応しようとしている人
  • 白黒つけられないグレーゾーンの感情に、じっくりと向き合いたい人
  • 俳優・松山ケンイチの「静寂の演技」に魂を揺さぶられたい人
  • 効率や数字ばかりが重視される世の中で、ふと立ち止まって「優しさ」を探している人

もしあなたが、日々の生活の中で「普通でいなければならない」という見えない重圧に息苦しさを感じているのなら、このドラマはあなたにとっての「救い」になるはずです。

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「神の秤(はかり)」を持つのは、あまりにも不完全な人間だった

ギリシャ神話に登場する法の女神、テミス。彼女は右手に正義を量る天秤を持ち、左手に邪を断つ剣を持つ。そして多くの場合、その目は「目隠し」で覆われています。それは、貧富の差や権力に左右されず、公平に裁くための証。

しかし、このドラマが突きつける現実は、もっと泥臭く、もっと脆いものです。

群馬県前橋市の地方裁判所に赴任してきた判事・安堂清春(松山ケンイチ)。彼は、ある「特性」を隠しながら法壇に立っています。

「私は、空気が読めない。人の感情の機微を察することができない。だからこそ、証拠という事実だけを、異常なまでに積み上げるしかないんです」

彼が抱えているのは、ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)という特性。空気を読み、忖度し、適度なところで妥協する……そんな「大人の振る舞い」が彼にはできません。

彼が見つめるのは、裁判官としてのメンツでも、検察の顔色でもありません。ただ一つ、目の前の被告人が語る言葉の裏に潜む「事実の断片」だけです。

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ネタバレなしの見どころ – この「違和感」が、真実への鍵になる

松山ケンイチという役者の「凄み」を解剖する

本作の最大の見どころは、何と言っても松山ケンイチさんの演技です。

彼は安堂を演じるにあたり、過剰なデフォルメを一切排除しました。視線をどこに置いていいか分からないような泳ぐ瞳、指先が服の裾をせわしなく弄る仕草、そして、言葉を発する前の絶妙な「間」。

安堂は、自分が「普通」に見えるよう、常に自分をモニタリングして生きています。その無理をしている歪みが、画面越しに痛いほど伝わってくるのです。しかし、ひとたび法廷で証拠の矛盾を見つけた瞬間、彼の瞳に宿る光がガラリと変わります。その静かな、けれど圧倒的な変貌に、観る者は息を呑むでしょう。

「寸止め」の美学:第5話までのプレミス

物語は、前橋地裁での日常的な裁判から始まります。万引き、傷害、そして第5話で焦点が当たる「介護殺人」。

一見、どこにでもある不幸な事件。誰もが「情状酌量」で済ませようとする中で、安堂だけが「なぜ被告人はあの時、あの一言を発したのか?」という、他人から見ればどうでもいいような細部にこだわります。

第5話では、安堂の特性が周囲の判事や書記官たちにも知られ始め、法廷内での孤立が深まります。しかし、彼が導き出した「不確かな真実」は、既存の法律では裁ききれない人間の尊厳を照らし出すことになるのです。

「法律を守るために人を裁くのか、人を守るために法律を使うのか」

その究極の問いが、現在配信中の第5話で最高潮に達します。

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視聴後の感情 – デトックスのような、静かな肯定感

全編を通して流れるのは、ピアノを基調とした静謐な音楽と、前橋の街並みを映し出す淡い光。

見終わった後、あなたの心に去来するのは「興奮」ではなく、「深い安堵」です。

私たちは、社会という法廷の中で、毎日自分を裁いています。「もっとうまくやれたはずだ」「なぜあんなことを言ってしまったのか」と。

しかし、不器用で、欠落を抱え、それでも真摯に生きようとする安堂の姿を見ていると、不思議と自分自身の欠点さえも「愛すべき特性」の一部のように思えてくるのです。

これは、正義を追求するドラマであると同時に、「自分を許すための物語」でもあります。

おすすめの視聴環境:あなただけの「聖域」で

このドラマを観るなら、ぜひ以下の環境を整えてみてください。

  • 時間帯:週末の夜、あるいは雨の日の午後。
  • 場所:部屋の明かりを少し暗くして、スマートフォンは遠くへ。
  • お供:温かいほうじ茶、あるいは少し上質なチョコレート。

安堂清春が法廷で聞き取る「小さな声」を逃さないよう、できるだけ静かな空間で没入してください。

全8話のうち、ちょうど物語の核心に触れ始めた第5話。

今から追いかければ、最終回の感動をリアルタイムで味わうことができます。

ドラマ『テミスの不確かな法廷』に関するFAQ

本文と一部重複しますが、ドラマ『テミスの不確かな法廷』に関するFAQをまとめました。

  1. Q1. 放送・配信のスケジュールはどうなっていますか?
    • A1. 現在は第5話まで放送・配信済みで、冬季オリンピックによる休止を挟み、次回(第6話)は2月24日(火)夜10時からNHKで放送予定です 。
  2. Q2. 原作はありますか?
    • A2. 司法の現場を知り尽くした直島翔氏による同名小説『テミスの不確かな法廷』が原作です 。
  3. Q3. これまでの見逃し配信や再放送の予定は?
    • A3. 2月23日(月・祝)に、これまでの第1話から第5話までの一挙再放送が決定しています 。また、Amazon Prime Videoでも配信中です 。
  4. Q4. タイトルの「テミス」とは何ですか?
    • A4. ギリシャ神話に登場する「法の女神」のことです 。通常は目隠しをして天秤を持っていますが、本作ではその「法の不確かさ」に焦点が当てられています 。
  5. Q5. 主人公の安堂清春はどんな人物ですか?
    • A5. ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)の特性を持つ裁判官です 。周囲にはそれを隠し、「普通」を装って職務にあたっています 。
  6. Q6. 一話完結型のドラマですか?
    • A6. 基本的には市長襲撃や高校生の傷害事件など、各話で異なる事件を扱います 。ただし、物語全体を通じた人間ドラマや伏線も描かれています 。
  7. Q7. 全何話の予定ですか?
    • A7. 全8話構成の予定です 。現在は折り返し地点である第5話までが公開されています 。
  8. Q8. 主演以外の主なキャストは?
    • A8. 安堂の上司役に遠藤憲一、同僚の判事補に恒松祐里、執行官に市川実日子、精神科医役に和久井映見などが出演しています 。
  9. Q9. 舞台となっている場所はどこですか?
    • A9. 群馬県の前橋地裁(第一支部)を舞台に物語が展開します 。
  10. Q10. ミステリー要素は強いですか?
    • A10. 証言の矛盾や「なぜその一言を発したのか」という細部から真実に迫るため、リーガルサスペンスとしての側面もあります 。
  11. Q11. どの動画配信サービスで見られますか?
    • A11. Amazon Prime Videoなどで見放題配信が行われています 。

まとめ – 不確かな世界で「正解」を探し続けるあなたへ

「テミス」という言葉は本来「不動の掟」を意味しますが、人間が運用する限り、法もまた不完全で揺らぎやすいものです 。

しかし、本作が描こうとしているのは、その不確かさを嘆くことではなく、不確かだからこそ悩み、考え抜き、一歩を踏み出そうとする人間の「強さ」なのかもしれません 。

松山ケンイチ演じる安堂清春は、ASDとADHDという特性ゆえに「普通」を演じることに苦労しながらも、その特性があるからこそ、他の誰も気づかない「真実の欠片」を見つけ出します 。

彼の姿は、効率や同調圧力に息苦しさを感じている私たちに、「そのままでいい」「違和感を大切にしていい」と静かに語りかけてくるようです 。

現在、物語は折り返し地点を過ぎ、後半戦へと突入します 。安堂が向き合う過去、そして彼が見つける「法よりも尊いもの」とは一体何なのか 。

ぜひ、あなたもこの法廷の傍聴席に座り、その結末を見届けてください。

この記事のポイント
  • 主演・松山ケンイチの圧倒的演技:
    • 「普通」を装う苦悩と、真実を見抜く瞬間の瞳の輝きは必見 。
  • リーガルサスペンスを超えた人間ドラマ:
    • 法律の是非だけでなく、「生き方」や「優しさ」を問う物語 。
  • 今からでも追いつける:
    • Amazon Prime Videoで第1話〜第5話まで配信中。NHKでは2月23日に一挙再放送も決定 。
  • 後半の展開予想:
    • かつての死刑囚の再審や、安堂と父・結城英俊との対峙など、物語は核心へ 。
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