2026年1月19日、高市首相の解散表明会見の質疑応答。
東京新聞記者が、立憲・公明の一部による新会派「中道改革連合」が「日本の右傾化」を危惧している点について質問した際、高市首相が返した言葉が波紋を呼んでいます。
「決して右傾化などではなく、ま、普通の国になるだけ」
ネット上や一部メディアでは、この「普通の国」発言を「軍事大国化の宣言だ」「戦争をする国にする気か」と批判的に捉える声が上がっています。
直前に発表された「食料品消費税ゼロ」という甘い公約に目を奪われがちですが、実はこの「普通の国」発言こそが、高市首相の政治的本懐(本当にやりたいこと)であることは間違いありません。
この記事では、物議を醸す「普通の国」の定義と、なぜ日本において「当たり前のこと」がこれほどまでに忌避されるのか、その構造的な矛盾を徹底検証します。
- 「普通の国」って具体的にどういう意味?(会見での文脈から読み解く)
- 「平和主義」を唱えれば戦争は起きないのか?(リアリズムからの検証)
- 日本の常識がいかに世界の非常識か(驚愕のデータ比較)
「右傾化」か「普通の国」か? 言葉の定義とギャップ
まず、メディアや野党が主張する「右傾化」という批判と、それに対する現実的な視点(リアリズム)のギャップを見ていきます。
【メディア・批判派の主張】
高市首相は「国民を守る」と言うが、その実態は防衛力の増強や憲法改正を目論む「右傾化」そのものである。
戦後、日本は憲法9条の下、専守防衛と平和主義を貫いてきた。ここで「普通の国」を目指して軍備を強めれば、周辺国を刺激し、地域の緊張を高めるだけだ。中道改革連合が懸念するように、対話による外交こそが平和への道である。
【リアリズムの視点】それは「戸締まり」をしないのと同じ
上記の主張は一見もっともらしく聞こえますが、国際社会の現実(リアリズム)の前では致命的な欠陥があります。
「こちらが武器を捨てれば、相手も攻めてこない」というのは、ファンタジーに過ぎません。
これを個人の家に例えるなら、「泥棒を刺激するから鍵はかけない」「警備会社とは契約しない」と言っているのと同じです。無防備な家は、泥棒(侵略国)にとって「どうぞ入ってください」と言っているようなもの。無防備こそが、最大の挑発(誘因)になるのです。
世界中どこの国を見ても、自国の軍隊を持ち、自力で守る法整備をしているのが「標準(スタンダード)」です。それを「右傾化」と呼ぶこと自体が、日本がいかに左側に偏った「異常なバランス」にあるかの証明と言えるでしょう。
「食料品消費税ゼロ」とのバーター取引(政治的狙い)
次に、今回の選挙公約の裏にある政治的な意図について検証します。
【メディア・批判派の主張】
高市首相は、悲願である「憲法改正」を実現するために、国民の関心が高い「減税」を餌(えさ)にした。
本来セットではない「経済」と「安保」を抱き合わせにし、生活に苦しむ国民の足元を見て票を集めようとするのは、政治的な詐欺テクニックだ。改憲の発議に必要な「3分の2」の議席を奪うための汚いやり方だ。
【リアリズムの視点】国家存亡の前では「手段」を選んでいる場合ではない
批判はその通り、これは間違いなく「バーター取引(交換条件)」です。しかし、それが「悪」だとは言い切れません。
もし明日、有事が起きたとして、今の法整備(憲法)のままで国民を守れるでしょうか?
守れません。 自衛隊の手足は縛られたままです。
政治家の最大の責務は「国民の生命と財産を守ること」。そのための法整備(改憲)が必要不可欠ならば、なりふり構わず議席を取りに行くのは、政治指導者として当然の「執念」です。
「やり方が汚い」と批判している間に国が滅んでしまえば、元も子もありません。ある意味、ごく当たり前な生存本能に基づいた戦略的判断と見るべきです。
私たちの生活と「戦争リスク」
「普通の国」になることで、私たちの生活にどのようなリスクが生じるのでしょうか。
【メディア・批判派の主張】
防衛費を増額すれば、将来的な大増税は避けられない。生活はますます苦しくなる。
また、「普通の国」になれば、徴兵制が復活したり、アメリカの戦争に巻き込まれて若者が血を流すことになるかもしれない。平和主義を捨ててまで、そんなリスクを負う必要はない。
【リアリズムの視点】「タダで平和」が手に入る時代は終わった
「負担が嫌だ」「リスクが怖い」という気持ちは分かります。
しかし、ウクライナを見てください。「侵略された国」の国民が失うものは、増税どころの話ではありません。 命、財産、自由、尊厳、そのすべてを奪われます。
「平和」には維持費(コスト)がかかります。
自分たちの国の安全保障コストを「負担したくない」と拒否するのは、親に守られている子供の「甘え」と同じです。独立国家の国民として、相応の対価(税金やリスク負担)を支払ってでも自由を守り抜く覚悟。 それを持つことが「普通の国」になるということです。
再定義「普通の国」=「国民政党の原点回帰」
では、高市首相が会見で記者に返した「普通の国になるだけ」という言葉の真意とは何なのか。
それは単なる防衛力の話を超えた、自民党という政党の「魂」の話です。
1955年、自民党が結党した時の最大の目的(党是)を知っていますか?
それは「自主憲法の制定」と「日本の真の独立」です。
しかし戦後80年、自民党はマスコミや野党、そして連立を組んでいた公明党(護憲派)への配慮から、この「約束」から逃げ続けてきました。実質的に他国(GHQ)から与えられた憲法を一文字も変えず、精神的に依存したままの「半人前の国家」でよしとしてきたのです。
高市首相の宣言は、そうした「戦後レジーム(敗戦国体制)」からの完全な決別です。
「誰かの顔色をうかがう政治はやめる。自民党は、結党の精神(原点)に立ち返り、日本の国益と日本人のためだけの政治を行う」
これこそが、「普通の国」という言葉に込められた真のメッセージなのです。
日本はどれだけ「普通」じゃないの? 世界標準との比較FAQ
「日本は平和だ」「今のままでいい」と思っている方へ。
世界標準と比較した時、日本がいかに「異常」な状態にあるか、客観的なデータ(FAQ)で見てみましょう。
- Q1. 憲法改正の回数は?
- 日本:0回(戦後80年以上、一言一句変えていない)
- 世界: ドイツ60回以上、フランス20回以上、アメリカ6回。時代に合わせてルールを更新するのが「普通」です。
- Q2. 軍隊の保有は?
- 日本: 実力組織(自衛隊)はあるが、法的には「軍隊」ではないという矛盾した状態。
- 世界: 独立国家が軍を持つのは当然の権利であり義務。
- Q3. スパイを取り締まる法律は?
- 日本: スパイ防止法が存在しない(世界でも稀なスパイ天国)。
- 世界: 国家反逆罪やスパイ防止法があり、最高刑は極めて重いのが常識。
- Q4. 有事の際の国民保護(シェルター)は?
- 日本: 核シェルター普及率は0.02%(ほぼ皆無)。
- 世界: スイス100%、イスラエル100%、アメリカ82%。国民の命を守る設備への投資は当たり前。
- Q5. サイバー攻撃への反撃は?
- 日本: 憲法の壁で、攻撃されるまで手を出せない(専守防衛のジレンマ)。
- 世界: 「能動的サイバー防御」で、攻撃元を特定し無力化するのが標準。
- Q6. 大学での軍事研究は?
- 日本: 学術会議などが「軍事研究禁止」を強要。
- 世界: インターネットもGPSも軍事技術から。軍民両用(デュアルユース)の研究はイノベーションの常識。
- Q7. 領空・領海侵犯への対応は?
- 日本: 遺憾の意を表明し、警察権での対応にとどまることが多い。
- 世界: 警告に従わなければ、撃墜や拿捕を含む断固たる措置を取る。
- Q8. 緊急事態条項(憲法)は?
- 日本: 憲法に規定なし。大災害や有事でも超法規的措置頼み。
- 世界: 国家存亡の危機における政府権限を憲法で定めている。
- Q9. 核兵器に関する議論は?
- 日本: 「持たず、作らず、持ち込ませず」に加え、「議論せず」という思考停止。
- 世界: NATOの核共有など、抑止力としての議論は現実的に行われている。
- Q10. 武器(防衛装備)の輸出は?
- 日本: 長年、自縄自縛で友好国への支援すらできなかった。
- 世界: 同盟国との融通や、外交カードとしての装備移転は戦略的に行われる。
- Q11. 自国の防衛産業の扱いは?
- 日本: 「死の商人」と批判され、撤退する企業が相次ぐ。
- 世界: 国家の安全を支える重要インフラとして、国が全面的にバックアップする。
こんな状態で、よく戦後80年、戦争を仕掛けられることもなく、侵略されることもなく日本が生き残ってきたと驚きます。それは、平和憲法を堅持した結果でなく、信じられないくらいに奇跡的なことなのです。
あなたは、その奇跡が、まだ永遠に続くと思いますか?
そして、この「平和幻想ありき」の脆弱な思考パターンを持ち続けることは「誰得ですか」ということを考えましょう。
高市首相の「普通の国」発言を支持する私たちは、「平和幻想ありき」の人たちよりの何倍も「真の平和の実現」を希求しています。
ところで、高市首相の「普通の国」発言人たちは、高市首相の会見全部を聞いたのでしょうか。「普通の国」という文言が何回登場したか知っていますか?その前後の文脈を理解していますか?
普段からファクトチェックなんだらかんだらと高市下げをしている人たちこそ、自分の認識のファクトチェックをしていないようだな…と感じているのは筆者 taoだけでしょうか。
ちなみに、私は「普通の国」の文言が登場する高市首相の会見を複数回聞き、さらに、全文文字起こしをして、「普通の国」が登場した文脈と意味合いも再確認しています。それを細かくここには書きませんが…。
まとめ:感情論を捨て、「覚悟」を決める時
ネットニュースのコメント欄で「戦争反対」「右傾化反対」と叫ぶのは簡単です。しかし、その声が飛んでくるミサイルを撃ち落としてくれるわけではありません。
- 「平和主義」を唱えるだけの無防備は、逆に侵略を招くリスク要因である。
- 「普通の国」とは、自国を自力で守るための法整備(改憲)とコスト負担を行う国のこと。
- 戦後80年、憲法を一度も変えていない日本は、世界標準から見て完全に「異常」である。
- 高市首相の狙いは、減税を梃子(てこ)にして、この「戦後レジーム」を終わらせることにある。
私たちは今、「偽りの安寧」の中で茹でガエルになる道を選ぶのか、それとも痛みや負担を受け入れてでも「自立した国家」として生きる道を選ぶのか。
今回の選挙で問われているのは、私たち国民自身の「覚悟」なのです。


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