これは筆者 tao自身の般若心経に関する備忘録です。間違いも多々あるかもしれません。
自分で気づいたら、随時、修正していきます。
般若心経
般若心経は262文字!
般若心経は262文字のコンパクトなお経です。
ところで、この262文字というのは、下記に示したお経の青色文字も部分です。
つまり、最初のタイトルとも言うべき「佛説摩訶般若波羅蜜多心経」と最後の締めと言うべき「般若心経」を除く部分、いわば、お経の本文です。
写経時のお薦めは1行17文字!
基本、本文たる262文字は写経するときは、縦書きが基本で、1行17文字。
そして、最後2行だけが変則です。
ラス前の「多呪即説呪曰」が1行6文字、
そして、ラストの「羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提薩婆訶」が1行18文字。
「無」「不」「空」は何度も出てくる!
般若心経で「空」「無」「不」の概念は重要です。重要なだからこそ、何度も何度も繰り返し出てきます。
- 「無」は、21回
- 「不」は、9回
- 「空」は、7回
全文、パターン1・写経用
佛説摩訶般若波羅蜜多心経
観自在菩薩行深般若波羅蜜多時照見五
蘊皆空度一切苦厄舎利子色不異空空不
異色色即是空空即是色受想行識亦復如
是舎利子是諸法空相不生不滅不垢不浄
不増不減是故空中無色無受想行識無眼
耳鼻舌身意無色声香味触法無限界乃至
無意識界無無明亦無無明尽乃至無老死
亦無老死尽無苦集滅道無智亦無得以無
所得故菩提薩埵依般若波羅蜜多故心無
罣礙無罣礙故無有恐怖遠離一切顚倒夢
想究竟涅槃三世諸佛依般若波羅蜜多故
得阿耨多羅三藐三菩提故知般若波羅蜜
多是大神呪是大明呪是無上呪是無等等
呪能除一切苦真実不虚故説般若波羅蜜
多呪即説呪曰
羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提薩婆訶
般若心経
全文、パターン2・意味の塊毎に
佛説摩訶般若波羅蜜多心経
観自在菩薩
行深般若波羅蜜多時
照見五蘊皆空
度一切苦厄
舎利子 色不異空 空不異色
色即是空 空即是色
受想行識 亦復如是
舎利子 是諸法空相
不生不滅 不垢不浄 不増不減
是故空中無色 無受想行識
無眼耳鼻舌身意
無色声香味触法
無限界 乃至無意識界
無無明 亦無無明尽
乃至無老死 亦無老死尽
無苦集滅道 無智亦無得
以無所得故
菩提薩埵 依般若波羅蜜多故
心無罣礙 無罣礙故 無有恐怖
遠離一切顚倒夢想 究竟涅槃
三世諸佛 依般若波羅蜜多故
得阿耨多羅三藐三菩提
故知般若波羅蜜多
是大神呪 是大明呪
是無上呪 是無等等呪
能除一切苦 真実不虚
故説般若波羅蜜多呪 即説呪曰
羯諦 羯諦 波羅羯諦
波羅僧羯諦 菩提薩婆訶
般若心経
個別意味等を理解する前に…
般若心経とは?
- 般若心経は、「般若心」を解いたお経
- 「般若心」とは、「般若波羅蜜多」
- 「般若波羅蜜多」とは「プラジュニャー・パーラミター」の音写語
- サンスクリット語の音写
- 「般若」=「プラジュニャー」=「智慧」
- 「智慧」は世間的な知恵ではなく、それを超越した仏の知恵、根本的な知恵
- 区別するために「智慧」と伝統的に表記
- 「パーラミター」=「完成」
- ∴「般若波羅蜜多」=「プラジュニャー・パーラミター」=「智慧の完成」
- ∴「般若心」=「智慧の完成の心」
- 「心」=「マントラ」=「真言」(しんごん)
- ∴「般若心経」=「般若波羅蜜多のマントラ(真言)を説くお経」
- 「プラジュニャー・パーラミター」は女性名詞
玄奘三蔵
般若心経は、唐代の僧、三蔵法師玄奘がインドから原典を持ち帰って漢訳。
玄奘は、西暦627年、国禁を破りインドへ向かう。命がけでインドに行き、仏道を極める。18年後、膨大な仏典とともに帰国。
玄奘より250年ほど前、鳩摩羅什が「摩訶般若波羅蜜大明呪経」として漢訳。さらに200年前に志謙が訳している(題名だけが伝えられている)。
すなわち、「般若心経」の原型はインドでは3世紀頃には成立していたと推測できる。
玄奘以降も、漢訳は5本残っているが、一般的に「般若心経」といえば玄奘訳を指す。
_/_/_/
玄奘はインドから大般若経600巻を持ち帰り、大般若経のエッセンスを凝縮したお経「般若心経」を漢訳した。それは人々を魅了する漢訳となった。ただし、先人の漢訳、つまり鳩摩羅什の訳も尊重する訳し方もしている。
般若心経が日本に伝わった時期は、明確にはわかっていない。しかし、唐に渡って玄奘に師事し、660年に帰国した法相宗の僧、道昭(どうしょう)が持ち帰った可能性が高いとされている。
日本で広まった般若心経は、玄奘訳を基本としながらも一部が違う「流布本」。「流布本」には、玄奘訳にはない「一切」の文字が入っている。
そのため玄奘訳の260字に対し、流布本は262文字となっている。
般若心経に親しむ
262文字と短いお経。お経に慣れない人にとっても読経や写経が行いやすく、初心者に向いたお経。
般若心経は、一宗派に偏るものではなく、基本的には宗派を問わず用いられる。ただし、浄土宗・浄土真宗は自力行を配するという理由から、また日蓮宗は「法華経」を最重視するという理由から、般若心経の読経は行わない。これらの宗派の檀家の方は、般若心経の読経はお勧めしない。どうしても唱えたいときには、声を出さずに行う。
般若心経、個別意味解題
佛説摩訶般若波羅蜜多心経
これは経題=お経のタイトル。般若心経のサンスクリット原典には経題は無い。インドの古い書物では冒頭に題は書かず、最後に「以上で〜終わる」と述べるのが一般的で、これが題に当たる。
真言宗では、頭に「佛説摩訶」をつけるのが習わし。「佛説」=「お釈迦様の教え」、「摩訶」=「大きい」、つまり、「佛説摩訶」=「お釈迦様の偉大な教え」。
∴「佛説摩訶般若波羅蜜多心経」=「お釈迦様の智慧の完成という偉大な教え(心)」
∴「佛説摩訶般若波羅蜜多心経」=「般若波羅蜜多のマントラ(真言)を説いたお経」
コメント