6月29日、大相撲名古屋場所(7月12日初日、IGアリーナ)の番付が発表になりました。
東の横綱に豊昇龍、西の横綱に大の里、そして大関には霧島と琴櫻という顔ぶれ。
夏場所を制した若隆景が5場所ぶりに関脇へ返り咲いた一方、安青錦は大関から陥落し、綱取りの霧島には注目が集まります。
怪我からの復帰組が目立つ今場所は、誰が出場できて誰が万全なのか、そこからして読みにくい状況です。
加えて、伊勢ヶ濱部屋は幕内だけで5人、十両を含めると9人という角界最多の大所帯となっており、これが「本割での同部屋対戦なし」という構造的な恩恵にもつながっています。
この記事では、確定番付の読み解き方から主な関取のけがの状況、優勝予想、そして伊勢ヶ濱部屋が抱える”力士多すぎ問題”の背景まで、まとめて整理しました。
- 名古屋場所の確定番付と、同部屋関取の勢力図
- 豊昇龍・大の里・霧島・琴櫻・若隆景・安青錦・朝乃山の直近の状態
- 幕内優勝予想(本命・対抗・大穴)
- 伊勢ヶ濱部屋が大所帯になった経緯と今後
名古屋場所、幕内番付(確定版)


幕内番付のポイント
番付のポイントをアトランダムで列挙しますね。
- 横綱 ➡ 東西とも実戦から離れていた:
- 豊昇龍は夏場所2日目から途中休場、大の里は2場所連続の全休。両横綱がそろって万全と言い切れない状態から、どこまで本調子に戻せたか。
- ただし、豊昇龍は6月に行われたパリ公演千秋楽(二日目)トーナメント戦で優勝しています。
- 大関 ➡ 霧島は東大関、琴櫻は2度目のカド番:
- 霧島は前場所の優勝決定戦で若隆景に敗れたものの12勝3敗と好成績を残し、審判部からは「名古屋場所が綱取りの場所」との見方が示されています。
- 琴櫻は夏場所3勝9敗3休と苦しみ、2度目のカド番で迎えます。ただし、6月のパリ公演初日(一日目)トーナメント戦で優勝し、千秋楽の決戦で豊昇龍に勝ち、総合優勝を収めています。
- 関脇 ➡ 若隆景が関脇に復帰、安青錦は大関から転落:
- 夏場所で2度目の優勝を果たした若隆景が5場所ぶりに関脇へ。
- 逆に安青錦は左足首のけがで全休し、大関から関脇へ後退しました。
- ただし安青錦の場合、名古屋場所で10勝以上を挙げれば特例により1場所での大関復帰が可能です。
- 小結 ➡ 高安が小結から前頭7枚目まで急降下:
- 夏場所を2勝2敗11休で終えたことが響き、番付を大きく落としています。
- 一方、義ノ富士が初の三役入りです。
- 入幕 ➡ 新入幕・再入幕組の顔ぶれ:
- 一意(かずま・木瀬部屋)と大青山(だいせいざん・荒汐部屋)が新入幕、尊富士(たけるふじ・伊勢ヶ濱部屋)と阿武剋(おうのかつ・阿武松部屋)が再入幕を果たしました。
- 先場所負け越し ➡ 先場所7勝8敗と負け越すも番付(東西も!)変わらずが6人:
- 7勝で番付が変わらなかった関取を番付上位から書くと…
- 東前頭1 藤ノ川
- 西前頭1 隆の勝
- 東前頭3 平戸海
- 東前頭4 大栄翔
- 西前頭6 藤青雲
- 東前頭10 朝乃山(朝乃山だけは7勝3敗5休みです!)
- 個人的には、上位陣と総当たりの前頭1〜4で7勝8敗で番付動かず・・・ってどうなのかなと疑問はあります…
- 7勝で番付が変わらなかった関取を番付上位から書くと…
名古屋場所幕内、5つの注目ポイント
前項と多少被りますが、これもアトランダムで…というか筆者 TOPIOの注目(降順)視点で書きますね。
- 関脇に陥落した安青錦が10勝以上での「大関特例復帰」を、本人が宣言している優勝(三度目)を実現できるか。
- 角番大関・琴櫻、何日目で8勝に届くか。
- 横綱昇進挑戦場所となる大関・霧島が12勝以上の優勝で、場所後の横綱昇進を実現できるか。
- 次の大関昇進(安青錦除く)は誰?それは名古屋場所次第。
- 候補は、熱海富士、琴勝峰、若隆景。
- 2025年9月場所の大の里優勝以降、横綱の優勝なし。今場所は?
- 豊昇龍は横綱昇進(2025年3月場所)後、優勝無し。
- 大の里は横綱昇進(2025年9月場所)後、優勝は同9月場所の1回のみ。
横綱の優勝が5番目・・・というのは情けない状態ですね(>_<)
幕内・同部屋関取事情
今場所の幕内42人のうち、同じ部屋から複数の関取が入っている顔ぶれは以下の通りです。
- 伊勢ヶ濱部屋(5人):
- 熱海富士(東関脇)、義ノ富士(東小結)、伯乃富士(西前頭3)、錦富士(東前頭13)、尊富士(西前頭13)
- 十両にも寿之富士、翠富士、炎鵬、嵐富士の4人が在籍しており、関取だけで計9人という角界最多の大所帯です。
- 木瀬部屋(4人):
- 美ノ海(西前頭2)、宇良(東前頭5)、金峰山(東前頭14)、一意(西前頭15)
- 佐渡ヶ嶽部屋(3人):
- 琴櫻(西大関)、琴勝峰(西関脇)、琴栄峰(東前頭7)
- 荒汐部屋(3人):
- 若隆景(東関脇)、若元春(東前頭8)、大青山(東前頭16)
- 高砂部屋(3人):
- 朝乃山(東前頭10)、朝白龍(東前頭12)、朝紅龍(西前頭16)
- 湊川部屋(2人):
- 隆の勝(西前頭1)、若ノ勝(東前頭11)
- 追手風部屋(2人):
- 大栄翔(東前頭4)、翔猿(西前頭9)
- 藤島部屋(2人):
- 藤青雲(西前頭6)、藤凌駕(東前頭9)
同部屋の力士同士は原則として本割では対戦しない決まりがあるため、これらの部屋に所属する関取は、その分だけ対戦相手の総当たりから外れることになります。
結果として、幕内42人のうち24人が「同部屋対戦なし」という恩恵を受ける形になっており、特に十両を含め9人の関取を抱える伊勢ヶ濱部屋の力士には有利に働く場面が出てきそうです。
名古屋場所、主な関取のけがの状況
出場の確度を3段階(A:出場濃厚/B:様子見だが出場寄り/C:不安材料が大きい)で整理します。
- 豊昇龍(横綱・B):
- 夏場所初日に高安戦で右ハムストリングスを痛め、2日目から途中休場。6月30日に稽古を再開し「大丈夫。治療もやっている」と初日出場に前向きな姿勢を見せていますが、ハムストリングスは再発リスクのある部位でもあり、初日までの状態は注視が必要です。
- 大の里(横綱・A):
- 左肩痛による2場所連続休場から、6月21日に相撲を取る稽古を再開。師匠の二所ノ関親方も「先場所とは別人になっている」と回復を評価しており、本人も優勝を目指す姿勢を明言しています。
- 霧島(大関・A):
- 前場所は大きなけがの報道はなく、12勝3敗で優勝争いのトップを走り続けました。名古屋場所は自身にとって綱取りの場所という位置づけで、状態自体は良好とみられます。
- 琴櫻(大関・A):
- 7月1日の申し合いで11番取って9勝2敗と、稽古量・内容ともに十分。6月のパリ公演では幕内トーナメントで総合優勝しており、勢いをつけて場所入りします。
- 若隆景(関脇・A):
- 6月1日から稽古を再開し、優勝直後から手を緩めていません。現時点で目立った休場情報は見当たりません。
- 安青錦(関脇・A):
- 夏場所は左足首のけがで全休しましたが、7月1日の稽古公開では「体の動きはいい」と説明。本人は10勝での大関復帰よりも「優勝」を目標に掲げています。
- 朝乃山(前頭10・B):
- 6月のパリ公演を欠席した朝乃山。6月18日時点で相撲を取る稽古がまだできておらず、実戦感覚には不安が残ります。本人は「なんとかなるでしょう」と出場に意欲的ですが、6人の中で最も慎重に見る必要がある一人です。
総じて、大の里・霧島・琴櫻・若隆景・安青錦は出場濃厚とみてよさそうです。
一方、豊昇龍は再発リスク、朝乃山は実戦稽古の不足という、それぞれ異なる種類の不安を抱えたまま初日を迎える形になるのかもしれません。
幕内優勝予想(一番手、二番手、三番手)
- 一番手:琴櫻
- 稽古量・内容ともに仕上がりが良く、パリ公演での勢いも十分です。カド番という立場が逆に集中力を高める材料にもなり得ます。
- 二番手:霧島
- 前場所の優勝決定戦の悔しさを晴らす場所と位置づけられており、綱取りへのモチベーションも高い状態です。場所後の横綱昇進には、最低でも12勝以上(同星なし)の優勝が必要ではないかと推測しています。
- ただし優勝には安定した15日間が求められ、そこが焦点になります。
- 三番手:安青錦
- 全休明けというブランクはあるものの、本人が「優勝」を明言するほど状態への自信を見せています。休み明けらしい大胆な相撲で上位を食う可能性を秘めています。
- 肝は、怪我前までにやっていた安青錦得意の形(相手の胸に頭を付ける形)をどれだけ発揮できるかではないでしょうか。
大の里・豊昇龍の両横綱は、実戦のブランクという共通の不安要素を抱えており、初日から白星を重ねられるかが優勝争いに絡めるかどうかの分かれ目になりそうです。
伊勢ヶ濱部屋「力士多すぎ」問題
伊勢ヶ濱部屋が角界最多の大所帯になった背景には、旧宮城野部屋の消滅という出来事があります。
- 2024年2月、旧宮城野部屋(師匠は元横綱・白鵬)で幕内北青鵬による暴力問題が発覚。師匠の白鵬氏は監督責任違反などで懲戒処分を受け、部屋の指導権を事実上失いました。
- 同年4月、旧宮城野部屋の力士全員が伊勢ヶ濱部屋に「預かり」という形で移籍。約40人規模の大所帯となり、朝稽古が序ノ口から幕内まで4時間を要し、風呂の順番待ちが1時間半に及ぶなど、施設の受け入れ能力を超える事態が起きていました。
- 2025年6月、白鵬氏が協会を退職。
- 2026年5月28日、協会理事会が「預かり」措置の解除を決定し、旧宮城野部屋所属者は全員が正式に伊勢ヶ濱部屋の所属となりました。これにより旧宮城野部屋は名実ともに消滅しています。
今後、旧・宮城野部屋を新たに独立させるには「横綱・大関経験者」「三役通算25場所」「幕内通算60場所」のいずれかを満たす必要があり、条件は以前より厳格化されました。
旧宮城野部屋OBの間では、この決定への戸惑いや不満の声も出ています。
伊勢ヶ濱部屋の在籍者は番付発表の6月29日時点で、角界最多の32人、関取(十両以上)9人。
一つの部屋にこれだけの力士が集中する状態は、稽古環境や個々の力士の出世スピードにも影響しかねません。
旧宮城野部屋の分離・再興という選択肢が事実上閉ざされた以上、部屋の規模をどう適正化していくかは、今後の角界にとって避けて通れない論点になりそうです。
一時期、「年寄株を取得し、日本相撲協会に残れる条件 – 関取通算30場所」をクリアした十両・炎鵬が旧宮城野部屋再興を図るか…という話もありましたが、炎鵬が今後「横綱・大関経験者」「三役通算25場所」「幕内通算60場所」を満たすのは…無理です(>_<)
ということは、義ノ富士(旧・草野)、伯乃富士(旧・伯桜鵬)が大関以上に昇進するまで待たなければならないのかもしれません。
彼らはまだ若いですから、彼らが引退後と考えると、旧・宮城野部屋再興は10年以上先になるかもしれません。
でも、それでいいんでしょうかね?
日本相撲協会の無策は、このまま放置状態?
その他:伊勢ヶ濱部屋・東幕下11枚目、旭富士の連続優勝の可能性
伊勢ヶ濱部屋には、もう一つ注目のポイントがあります。
現在の「旭富士」(先代伊勢ヶ濱親方=元横綱旭富士の四股名を2025年11月場所で継承した若手)が、驚異的な連続優勝記録を作っているのです。
- 2026年1月場所:序ノ口優勝
- 2026年3月場所:序二段優勝(全勝)
- 2026年5月場所:三段目優勝(全勝)
3場所連続での優勝という珍しい記録を継続中で、名古屋場所は東幕下11枚目という位置で臨みます。
名古屋場所でも、幕下優勝を飾れば、勝ち続ければ4場所連続優勝。秋場所(9月場所)は十両となり、伊勢ヶ濱部屋関取は10人となります!
筆者 TOPIOは個人的には、近い将来の三役入りは確実とみています。
伊勢ヶ濱部屋にとっては、関取陣のニュースの陰に隠れがちですが、この若手・旭富士の動向も見逃せません。
まとめ
名古屋場所は、横綱2人の実戦ブランク、綱取りの霧島、カド番の琴櫻、大関復帰を狙う安青錦と、番付上位の顔ぶれが軒並み何かしらの不安要素や上昇材料を抱えたまま初日を迎える場所となります。
- 東横綱・豊昇龍、西横綱・大の里、大関は霧島(東)と琴櫻(西)という顔ぶれで番付が確定。若隆景は関脇へ復帰、安青錦は大関から転落。
- 幕内42人中24人が「同部屋対戦なし」の恩恵を受け、特に伊勢ヶ濱部屋(関取9人 – 幕内5人、十両4人)が最大の影響力を持つ。
- 大の里・霧島・琴櫻・若隆景・安青錦は出場濃厚。豊昇龍は再発リスク、朝乃山は実戦不足という不安を抱える。
- 優勝予想は一番手・琴櫻、二番手・霧島、三番手・安青錦。
- 伊勢ヶ濱部屋の大所帯化は旧宮城野部屋の吸収が背景にあり、部屋独立の道は事実上閉ざされている。
- 伊勢ヶ濱部屋の若手「旭富士」が3場所連続優勝中で、名古屋場所は4連続優勝&十両昇進がかかっている。
初日(7月12日)を迎えるまで、豊昇龍と朝乃山の稽古状況は要チェックです。


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