私たちは日々ニュースを目にしますが、そこには時に「報じる側の意図」が強く反映され、事実が歪められていることがあります。
これがいわゆる「偏向報道」です。
本記事では、主要な生成AI(Gemini、Claude、Perplexity)が導き出したものをベースに、分析・統合し、偏向報道の正体と手口を解き明かします。
AIの客観的な視点から、過去の具体的な実例や、その背後にある目的を浮き彫りにします。
なお、本記事が「偏向報道」の決定版ということではありません。
この記事を「偏向報道」を考えるきっかけにしていただければと願っています。
- 偏向報道の正確な定義と、フェイクニュースとの違い
- 「切り取り」「印象操作」など、具体的な5つの偏向パターンと過去の実例
- 報道の意図を見抜くための視点と、なぜ偏向が起きるのかという背景
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偏向報道の定義とパターン
偏向報道とは、事実に基づきながらも、報じる側の特定の主義主張や意図に沿って、情報を恣意的に取捨選択・編集・表現することで、受け手の認識を特定の方向へ誘導する報道を指します。
完全に嘘をつく「フェイクニュース」とは異なり、事実の一部を使用しているため、受け手がその偏りに気づきにくいという特徴があります。
この記事をまとめるにあたっては、3つのAIに、以下に示す同じ問いを提示して、その3つの回答をベースに、分析・統合して本記事を書きました。
偏向報道とは何か?その定義を示し、それをいくつかのパターン化で説明しなさい。
そして、そのパターン毎に、過去の偏向報道実例を示しなさい。
その報道の推定される目的は何で、どの部分が変更と断じることができるか。
3つのAIに提示した質問
以上の結果を分析・統合すると、いわゆる「偏向報道」のパターンは、以下の5つに大別されます。
この5つの大別は、あくまでも筆者 taoの視点です。
- 切り取り・文脈排除(トリミング・チェリーピッキング):
- 都合の良い部分だけを切り出し、本来の意味を変える。
- アジェンダ設定・政治的偏向:
- 特定の政治的勢力を有利・不利にするために報道量やトーンを操作する。
- 捏造・やらせ・未検証情報の拡散:
- ストーリーに合わせて事実を作り上げる、または裏付けのない情報を拡散する。
- 印象操作・データ加工(フレーミング):
- 見出し、映像、音楽、統計の見せ方で感情を誘導する。
- 恣意的な選択・報道しない自由:
- 特定の意見のみを紹介したり、不都合なニュースを無視したりする。
以下に続く章の説明のなかで、「TBS」や「テレビ朝日」、「朝日新聞」などの個別名称が出てきますが、これら特定の組織を批判・揶揄することが目的ではありません。
客観的な実例として書いています。
パターン1 – 切り取り・文脈排除(トリミング)
発言や出来事の一部分だけを切り取り、前後の文脈(コンテキスト)を意図的に排除することで、本来の意味とは全く異なる印象を与える手法です。
- TBS「石原慎太郎発言」テロップ事件(2003年)
- 当時の石原都知事が「(日本人の側も)武力を使って侵犯したわけじゃない」と発言した際、TBS『サンデーモーニング』は「武力を使って」の部分で音声を切り、テロップで「日本人の側も武力を使って侵犯した」と正反対の意味で報道しました。否定語をカットすることで事実を180度改変した事例です。
- 政治家の発言報道と見出しの乖離
- 本文では「条件次第では検討の余地もある」としているにもかかわらず、見出しで「○○大臣、増税を示唆」と断定的に書くなど、クリック数獲得や攻撃を目的に文脈を削除する手法もこれに当たります。
【参考】
パターン2 – アジェンダ設定・政治的偏向
特定の政治的勢力や思想を有利にする、あるいは政権を倒すといった「目的」のために、報道組織全体で量やトーンを操作する手法です。
- テレビ朝日「椿事件」(1993年)
- 当時のテレビ朝日報道局長が「自民党政権を存続させないように報道した」という趣旨の発言を行い、証人喚問に発展した事件です。報道機関が不偏不党の原則を捨て、特定の政治的結果(非自民政権の樹立)を目的としてニュースを構成した典型例とされます。
- 消費税増税や法案の報道(フレーミング)
- 同じ事実でも、「負担増」を強調するか、「社会保障財源の確保」を強調するかで印象は異なります。政権支持・不支持を誘導するために、一方の側面のみを前面に出す手法です。
【参考】
パターン3 – 捏造・やらせ・未検証情報の拡散
主張したいテーマ(ナラティブ)に合う事実が存在しないため、自分たちで事実を作り上げたり、裏付けのない証言を事実として広めたりする最も悪質な手法です。
- 朝日新聞「珊瑚記事(KY)事件」(1989年)
- 沖縄のサンゴ礁に落書きがある写真と共に「日本人のモラル低下」を嘆く記事を掲載しましたが、実際にはカメラマン自身がサンゴを傷つけて文字を刻み込んでいました。「自然破壊への警鐘」というテーマを訴求するために事実を捏造した事例です。
- 朝日新聞「吉田証言(慰安婦報道)」(2014年撤回)
- 「済州島で女性を強制連行した」という虚偽の証言を、長年にわたり事実として報道し続けました。自社の「日本の加害責任追及」というストーリーに合致するため、証言の矛盾や裏付け不足を無視して拡散した確証バイアスの事例です。
【参考】
パターン4 – 印象操作・データ加工・誤訳
統計データや映像、翻訳に手を加え、受け手の感情や評価を特定方向へ誘導する手法です。+1
- 外国人犯罪などの統計操作
- 「外国人による犯罪が○件発生」と絶対数のみを報道し、人口比や犯罪率の比較を示さないことで、排外的感情や特定の実情を歪めて伝えます。
- デモ・集会の映像選択
- 支持する運動は「笑顔や整然とした様子」を映し、反対する運動は「混乱した場面や極端な参加者」のみを映すことで、視聴者の好悪感情を操作します。
- 翻訳の恣意的な変更
- 海外メディアの記事や発言を翻訳する際、批判混じりの論評を「絶賛」と訳したり、ニュアンスを反転させるような訳語を選択したりするケースです。
パターン5 – 恣意的な選択・報道しない自由
「街の声」やニュースの取り扱いにおいて、自分たちの主張に沿ったものだけを選び、都合の悪い情報は無視(沈黙)する手法です。
- 街頭インタビューの偏り
- 世論調査では賛否が拮抗している法案について、ニュース番組内の街頭インタビューでは「反対の声」を9割放送するなどして、「国民は怒っている」という同調圧力を作り出します。
- スポンサーや特定勢力への配慮(報道しない自由)
- 自社のスポンサー企業の不祥事や、親しい政治勢力の問題については、他社が大きく報じていても小さく扱う、あるいは全く報じないことで、事象を矮小化します。
偏向報道に関するFAQ
偏向報道に関するFAQをまとめました。
- Q1. 偏向報道は違法ではないのですか?
- A1. 放送法第4条には「政治的に公平であること」などが定められていますが、倫理規定的な側面が強く、直接的な罰則規定はありません。新聞や雑誌には表現の自由が強く認められています。
- Q2. フェイクニュースと偏向報道の違いは何ですか?
- A2. フェイクニュースは「事実無根の嘘」ですが、偏向報道は「事実の一部(ファクト)」を使用しつつ、編集や文脈操作で「印象(ナラティブ)」を変える点に違いがあります。
- Q3. なぜ報道機関は偏向報道をするのですか?
- A3. 政治的目標の達成(政権交代など)、センセーショナリズムによる視聴率・部数獲得、スポンサーへの配慮などが主な理由です。
- Q4. 偏向報道を見抜くにはどうすればいいですか?
- A4. 一次情報(全編動画や元データ)を確認する、複数のメディアを比較する、「報じられなかったこと」を想像する姿勢が重要です。
- Q5. 「報道しない自由」とは何ですか?
- A5. メディアが特定の情報を「報じない」という編集権を行使することで、その情報の社会的な重要性を低く見せたり、存在を隠したりすることです。
- Q6. 街頭インタビューは信用できますか?
- A6. 統計的な無作為抽出ではないため、制作者が意図したコメントだけを集めて編集することが容易であり、世論の縮図とは言えません。
- Q7. ネットニュースやSNSにも偏向はありますか?
- A7. はい。クリック数を稼ぐための「釣り見出し」や、アルゴリズムによる「エコーチェンバー現象」など、既存メディア以上に偏りが生じやすい環境があります。
- Q8. グラフや統計が出されたら信じて良いですか?
- A8. 比較対象がない、軸の目盛りがおかしい、特定の期間だけ切り取っている(チェリーピッキング)可能性があるため、注意が必要です。
- Q9. BPO(放送倫理・番組向上機構)は機能していますか?
- A9. 視聴者からの申し立てを受けて審理を行いますが、強制力はなく、メディア側の自主規制に委ねられているのが現状です。
- Q10. 「解説」と「報道」の違いは何ですか?
- A10. 事実は客観的な「報道」であるべきですが、そこにコメンテーターやキャスターの主観的な「解説」が混ざることで、意見が事実のように伝わることがあります。
- Q11. AIは偏向報道を判定できますか?
- A11. AIはテキストのトーンや事実との乖離を分析することは可能ですが、AIの学習データ自体にバイアスが含まれる可能性もあるため、完全な判定者ではありません。
まとめ
偏向報道の根本的な原因は、報道機関が「事実(ファクト)」よりも「物語(ナラティブ)」を優先させたときに発生します。
「この政権は倒すべきだ」「日本は反省すべきだ」といった結論(アジェンダ)が先にありきになり、その結論を補強するために事実が従属させられ、加工され、時には捏造されます。
事実は本来多面的でグレーなものですが、偏向報道はそれを白か黒かに単純化し、私たちの感情を煽ります。
情報を受け取る私たちは、一つの情報源を鵜呑みにせず、「切り取られた外側」に何があるのかを常に想像するリテラシーが求められます。
- 偏向報道は「嘘」ではなく、事実の「切り取り」や「編集」によって行われるため見抜きにくい。
- 過去には「椿事件」や「石原発言テロップ事件」など、明確な政治的意図を持った実例が存在する。
- 「街の声」や「統計」も、サンプル選定や比較対象の操作によって容易に誘導に使われる。
- 対策は、複数の情報源比較と、「報じられていない側面」への想像力を持つことである。


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