荒れた初場所2026。混沌状況が少し晴れてきた感じでしょうか。
12日目にして新大関・安青錦が単独先頭の10勝2敗。
単なる可能性だけでいうと早いと14日目で安青錦の連続優勝も。
一方、13日目の勝敗によっては14日目・千秋楽は優勝争い同士の星の潰し合いが組まれるでしょう。
つまり、12日目が終わった段階で、優勝争いは安青錦が一歩リードであるものの、依然と混沌状況であることは変わりません。
それでは、とりあえず現状単独トップの新大関・安青錦にフォーカスして、残り3日間の展開をみてみましょう。
まずは、12日目までの幕内成績
12日目までの幕内成績です。


この表から、優勝争いの関取7人をリストしますね。昨日(11日目が終わった段階)の8人から横綱・豊昇龍が堕ちました…。
( )内は過去の幕内優勝回数です。
- 10勝2敗
- 大 関・安青錦(1回)
- 9勝3敗
- 関 脇:霧 島(2回)
- 前頭4・熱海富士
- 前頭12・阿 炎(1回)
- 前頭14・獅 司
- 前頭16・朝乃山(1回)
- 前頭16・欧勝海
初場所2026の新大関・安青錦の全取組を振り返る…
筆者 TOPIOの個人的な感覚的予想ですが、新大関・安青錦が連続優勝する確率は60%以上あると考えています。それは、今場所の安青錦の取組が、新大関で緊張しまくる場所でありながら、これまでの場所以上に安定していると思うからです。
それでは、今場所の12番と、残り3番で通常に予想される相手の先場所の取組を載せます。
それぞれ、コメント少し書きますね。
⭕ 初 日:前頭2・宇 良
寄り倒しで、安青錦の勝ち。新大関も稽古十分!
過去対戦は先場所6日目で初顔合わせ。先場所は立ち合いから突っ張り合い、そして、安青錦が差してからは一方的に寄り切り。
今場所、初日、安青錦としては新大関初戦で普通なら緊張しまくるところですが、取組はまるで先場所のデジャブ。立ち合いからの突っ張り合い、そして、安青錦がさしてから一方的でした。
当然なのかもしれませんが、相手の取組の研究と実際の戦いの経験が十分に活きているという取組でした。
新大関という不安要素は一つも見当たらない取組でした。
⭕ 2日目:前頭1・義ノ富士
首投げで、安青錦の勝ち。順調に連勝。劣勢を勝機に変え、苦手を粉砕。
安青錦は、先場所まで幕内対戦2連敗。幕下時代の一戦を含めると3連敗。
先場所の対戦は11日目。これぞ安青錦の攻略法だ!・・・というくらいの素晴らしい義ノ富士の攻勢でした。立ち合いから突っ張って、安青錦の得意な型(低い姿勢で相手の胸に頭をつけて組む型)を許さず、そのまま土俵外へという流れです。
これから横綱昇進を狙う安青錦にとって、連敗中の関取には勝って、苦手意識を払拭する必要があります。義ノ富士はそういう相手です。
さて、今場所。
立ち合いからは先場所と同じパターン、そして、先場所よりも早く土俵際に追い込まれる安青錦。しかし、足腰強い安青錦が土俵際首投げで逆転。軍配は安青錦、しかし、同体ではないかと物言い。結果は、義ノ富士の体(たい)がない(完全に裏返っていた)とみて、軍配通り。
際どい判定ということでもなく、首投げの時点で流れは安青錦になっていました。物言いはついたものの、これまで連敗していた相手からの白星はとても意味のある一勝です。
また、新大関の場所での初日・二日目の連勝も価値ある流れを生みます。
ところで、この取組の勝機も安青錦のクレバさが生み出したものだと見ています。立ち合いからの突っ張り合いで後退した安青錦ですが、義ノ富士が右おっつけしたのを感覚で鋭く察知して時計と逆回りに回ることで首投げにつなげました…筆者 TOPIOはそう見ています。
劣勢をどう勝ちに結びつけるか。振り返ると、安青錦にとって今場所一番の価値ある一勝となったのかもしれません。
⭕ 3日目:前頭1・一山本
寄り切りで、安青錦三連勝。劣勢からの得意の型へ。
過去対戦は昨年の名古屋場所(7月場所)13日目が初戦。まるでそのデジャブのような取組でした。
立ち合いは一山本のつっぱりに安青錦が対応しながらも、土俵際近くまで劣勢。一見劣勢ですが、腰高でつっぱりで動作の大きい一山本の右の腕の振りの一瞬で安青錦が左を指し、相手の胸に低く頭を付ける必勝の型完成。あとは、一山本に相撲をさせずに寄り切り。
安青錦は得意の型へ持って行くプロセス・手順が上手いし、その型になったあとは強い。さすがです。
❌️ 4日目:小 結・王 鵬
浴びせ倒しで、安青錦に土。得意の型に持ち込むも粉砕される。
4日目にして、優勝争いから堕ちた、と思いましたが…。
過去対戦は3勝1敗と優勢だったので、4連勝間違い無しと思っていました…。
安青錦を粉砕する典型的なパターンは、先場所の義ノ富士のように立ち合いからそのまま突っ張って粉砕するというもの。つまり、立ち合いから安青錦の得意の型(低い姿勢で相手の胸に頭を付けて組む)にさせないというものです。
これに対して、「なるほど、こういう安青錦粉砕方法もあるのね」と思わせる王鵬のすさまじい戦いぶりでした。
立ち合い1秒も経たずに得意の型に入った安青錦ですが、王鵬が怪力で安青錦を振り回し、浴びせ倒し。
それにしても、一回り体の大きな王鵬が上になった形で後ろ向きのまま土俵外に堕ちた安青錦。大相撲って、マジ怖いです。
⭕ 5日目・前頭4・大栄翔
寄り切りで、安青錦の勝ち、4勝1敗。爆裂な突っ張り以外なら負けない!
安青錦、大栄翔とは過去対戦2戦2敗だったので、筆者 TOPIOは少し心配して見ていました。
安青錦の得意の型(低い姿勢で相手の胸に頭を付けて組む)を嫌って、立ち合いからつっぱりで抗戦する相手は多いですね。ましてや、大栄翔は突っ張りが得意ですから、当然の立ち合いになります。
過去の2戦は昨年の3月場所と5月場所。いずれも大栄翔の立ち合いからの突っ張りの一発一発の勢いが明らかに強かった。一発で安青錦の体が浮いてしまうという強さがあったのです。
しかし、今場所の大栄翔の突っ張りにはその力がなかった。そうなれば安青錦が得意の型へ持ち込むチャンス到来。そして、一端、得意の型になれば圧倒的な勝率。あとは、3日目の対・一山本戦と同じような展開でした。
普通の突っ張りでは安青錦には勝てない。突っ張りの一発で安青錦を吹っ飛ばすくらいのパワーがないかぎり…ということでしょうか。
⭕ 6日目:関 脇・高 安
寄り切りで、安青錦の勝ち、5勝1敗。強い突っ張りも粉砕!
5日目の大栄翔と違って、今の高安の突っ張りには破壊力があります。しかし、これ一山本戦でも書きましたが、突っ張ると脇が甘くなる。それは安青錦が左を差し入れるチャンス。
この取組はそういう展開。そして、組まれても強い高安なんですが、いかんせん、上手が取れない。安青錦が低く頭を胸につけるので届かない…。安青錦の型は強い、強すぎるということですね。
⭕ 7日目:小 結・若元春
寄り倒しで、安青錦の勝ち、6勝1敗。頭から低く当たれれば安青錦必勝!?
この日、全勝の阿炎が負けて、全勝が消え、1敗で6人が並びます。
【6勝1敗】
- 横 綱・豊昇龍
- 横 綱・大の里
- 大 関・安青錦
- 関 脇・霧 島
- 前頭12・阿 炎
- 前頭16・欧勝海
立ち合いから低く頭で当たった安青錦、約2秒で左を下手を取って型完成。土俵際、若元春に粘られるも寄り倒し。
そして、組み合いながら頭から土俵下に落ちる安青錦。負けた王鵬戦でも書きましたけど、土俵下に堕ちる大相撲って、マジ怖い。
❌️ 8日目:関 脇・霧 島
寄り倒しで、安青錦2敗目、通算 6勝2敗。安青錦の封じ手その2、左下手を阻止する!?
安青錦は2敗となり、1敗グループから堕ちます。それどころか、両横綱にも土。
なんと2敗は霧島と阿炎の2人だけとなってしまいます。
【7勝1敗】
- 関 脇・霧 島
- 前頭12・阿 炎
6勝1敗同士の対戦。
霧島のこの取組での闘い方は、「安青錦封じ手その2」でした。
先場所の義ノ富士のように立ち合いから突っ張るなどして安青錦の型を封じるのが、その1。
その2は、安青錦が組んだ態勢になっても、安青錦の左下手を封じること、それがその2。
その3もあるのですが、それが4日目の王鵬戦、力でねじ伏せる(^_^;)
さて、今回の敗因は、安青錦がとっさに選択した首投げです。
2日目の義ノ富士戦では、義ノ富士が右押っつけをしてきた勢いで時計周りとは逆回転の流れができました。その流れを利用しての首投げで制した安青錦。
しかし、今回は、安青錦は危うい態勢になったものの二人の回転の流れもないままに左で霧島の頭を巻いて首投げをしてしまった。右下手を深く刺した霧島は全く動ぜず。かえって、その首投げが墓穴となり安青錦黒星。
う〜ん、相撲って難しいですね。
⭕ 9日目:前頭2・若隆景
切り返しで、安青錦の勝ち、通算7勝2敗。安青錦、のど輪とおっつけも凄い!?
この日、阿炎が負けて、関脇・霧島が8勝1敗で単独トップに。
安青錦、先場所、立ち合いでの引き落としを食らった相手・若隆景に、少しの躊躇も無く、立ち合いで鋭く低く踏み込みました。
ラストは、得意の型に持ち込んで、切り返しで安青錦が勝利。
改めてこの動画を何回も見て気づきました。差し手争いのとき、安青錦が見せる右のどわ、左おっつけ、これがこの取組ではとても効果的でした。
得意の型に持っていくまでの過程で、こういう技が繰り出せる安青錦、凄いです。
⭕ 10日目:前頭3・隆の勝
押し出しで、安青錦の勝ち、通算8勝2敗。これで前相撲含め15場所連続の勝ち越しです!
霧島が2敗目を喫し、安青錦も先頭グループに復帰。
【8勝2敗】
- 大 関・安青錦
- 関 脇・霧 島
- 前頭4・熱海富士
- 前頭12・阿 炎
- 前頭14・獅 司
今場所、負けが込んでいる隆の勝ですが、隆の勝の押しの強さは定評があり、今場所も良い戦いをしていました。
その隆の勝に対して、押し合いで負けず、低い態勢を保ち続けた安青錦。得意の型にならずとも、低い姿勢を保ち続けることに勝機があるということを見せてくれました。
⭕ 11日目・前頭3・伯乃富士
下手投げで、安青錦の勝ち、通算 9勝2敗。優勝争いトップ堅持。
安青錦、白星を重ね、トップ堅持。一方、霧島と獅司は3敗目。
【9勝2敗】
- 大 関・安青錦
- 前頭4・熱海富士
- 前頭12・阿 炎
安青錦は、過去対戦3連勝と圧倒していますが、伸び盛りで、伯乃富士はあなどれません。
でも、杞憂でした。ところで、伯乃富士の立ち合い時の仕切りは、いただけません。あのままでは三役定着は難しいのではないでしょうか。自分から合わせるつもりはゼロ。
そんな伯乃富士に対しても、憤慨するでもなく淡々と戦い勝ち抜いた安青錦、21歳ですよ、21歳、素晴らしいです。
⭕ 12日目:前頭4・熱海富士
寄り切りで、安青錦の勝ち、通算10勝2敗。単独トップに。
【10勝2敗】
- 大 関・安青錦
【9勝3敗】
- 関 脇・霧 島
- 前頭4・熱海富士
- 前頭12・阿 炎
- 前頭14・獅 司
- 前頭16・朝乃山
- 前頭16・欧勝海
13日目:横 綱・豊昇龍
取り組み後に追記します。
14日目:?????
取り組み後に追記します。
千秋楽:?????
対戦相手が明らかになった時点で追記します。
伊勢ヶ濱勢の優勝独占状態の可能性は!?
今場所、優勝争いするかどうかを予想する場合、全くノーマークだったのが前頭4・熱海富士(伊勢ヶ濱部屋)です。
12日目が終わって、優勝争い2位グループに留まっています。今場所の熱海富士ならば快進撃で初優勝もあるかもしれません。
一方、幕下では11日目が終わって6戦全勝が2人。幕下11・炎鵬(伊勢ヶ濱部屋)と幕下54・延原(二子山部屋)です。心配は炎鵬が怪我をしたかもという情報があるからです。そして、13日目はこの2人が対戦します。これが実質優勝を決める一番となります。炎鵬の来場所の十両復帰は、ほぼほぼ確実なので、あまり頑張って欲しくない…です。
次に、三段目ですが、11日目が終わって6戦全勝が2人。 三段目23・花の富士(伊勢ヶ濱部屋)と三段目72・龍葉山(時津風部屋)。13日目、花の富士は取り組みがあり7勝目をあげるか注目です。一方、龍葉山は13日目に取り組みがありません。三段目は千秋楽での優勝決定戦の可能性があります。
序二段は、パス。
ラスト、序ノ口は全勝が2人。序ノ口17・蒼富士(伊勢ヶ濱部屋)と序ノ口19・旭富士(伊勢ヶ濱部屋)です。2人とも13日目に取り組みがあります。2人は同部屋。千秋楽での優勝決定戦の可能性は高いです。
つまり、今のところ、最大で4人が、幕内・幕下・三段目・序ノ口の優勝を飾ることが可能です。これ凄いことです。
そういう意味も含め、残り3日間は、伊勢ヶ濱部屋の力士に注目です!
まとめ
初場所2026の幕内優勝は、混沌としています。ここ数日を見る限り、新大関の安青錦が一番安定しているとはいえ、安青錦が13日目で黒星を喫すれば、4敗関取にもチャンスが出てくるかもしれません。
それでも、12日目が終わって単独リードは有利です。対抗は関脇・霧島と前頭16・朝乃山だとみています。
なお、この3人のいずれかで優勝決定戦、もしくは3人で巴戦も大いに可能性があります。
いずれにしても、幕内優勝ラインは12勝になる可能性が一番高く、あるいは安青錦がこのまま安定してとり続けて13勝もあるかもしれません。
残り3日間、両横綱は心配ですが、楽しませていただきます!


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