映画『夏目アラタの結婚』のプチネタバレ解説と口コミ、怖さの正体とは?

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国内外から高く評価されている乃木坂太郎氏のベストセラーコミックスを、堤幸彦監督が実写映画化した『夏目アラタの結婚』は、「初めてプロポーズした相手は連続殺人事件の死刑囚だった」という衝撃的な設定で幕を開ける未体験の獄中サスペンスです。

児童相談所職員の夏目アラタ(柳楽優弥)と、日本で最も有名な死刑囚“品川ピエロ”こと、品川真珠(黒島結菜)の緊迫した、そして、常人には理解しがたい心理戦が描かれています。

本作は、単なる事件の謎解きに留まらず、人間の心の奥深くに触れるような重厚なテーマ性を持っており、鑑賞を迷っている方にとっては、その「怖さ」のレベルや、原作との違いが気になるところかもしれません。

本記事では、この異色のサスペンス映画について、観る前に知っておきたい情報をプチネタバレありで徹底解説します。

この記事でわかること
  • 映画『夏目アラタの結婚』がどんな作品か知りたい
  • 怖さ・グロ描写の有無とレベルを事前に把握したい
  • プチネタバレで大枠だけを掴み、見るかどうかの判断材料にしたい
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目次

映画『夏目アラタの結婚』とは?作品概要と世界観を紹介

まずは、作品概要から。

作品概要

作品について

  • 監  督:堤 幸彦
  • 脚  本:徳永 友一
  • 原  作:乃木坂 太郎の同名漫画
  • 出  演
    • 柳楽優弥、黒島結菜、中川大志
    • 立川志らく、佐藤二朗、市村正親 ほか
  • 主 題 歌
    • オリヴィア・ロドリゴ「ヴァンパイア」
  • 公  開:2024年9月6日
  • 上映時間:120分
  • 配  信:Prime Video

主な登場人物

  • 夏目アラタ / 柳楽優弥
    • 30代公務員、児童相談所勤務。
    • 死刑囚「品川ピエロ」と結婚。
  • 品川真珠(しながわ しんじゅ)/ 黒島結菜
    • 死刑囚「品川ピエロ」。
  • 宮前光一(みやまえ こういち)/ 中川大志
    • 真珠の弁護士。
  • 藤田(ふじた)/ 佐藤二朗
    • 傍聴マニア。
  • 神波(かんなみ)/ 市村正親
    • 控訴審の裁判長。

原作マンガとの関係性と映画化のポイント

本作は、漫画家・乃木坂太郎氏による同名コミックを原作としています。原作は『ビッグコミックスペリオール』にて2019年から2024年にかけて連載され、全12巻で完結。「次にくるマンガ大賞 2020」U-NEXT特別賞コミックス部門を受賞するなど高い評価を得ています。

実写映画(2024年9月6日公開)の監督は、『SPEC』シリーズや『十二人の死にたい子どもたち』で知られる堤幸彦氏が務め、主人公・夏目アラタ役を柳楽優弥さん、死刑囚・品川真珠役を黒島結菜さんが演じました。

映画化における重要なポイントの一つは、原作漫画が連載中に制作が開始されたことです。そのため、原作者である乃木坂太郎氏の提案により、映画版は原作とは異なる独自の結末を迎えています。

また、原作で真珠の「存在証明の象徴」とされていた「ガタガタの歯」の再現が、原作者からの「絶対に譲れない点」として制作陣によって忠実に再現されました。

物語のテーマとジャンルの位置付け【ヒューマンかサスペンスか】

本作のジャンルは、息をのむ展開が続く「心理サスペンス」および「ミステリー」に分類されます。物語の中心にあるのは、「死刑囚との結婚」という極めて異質な状況を通じて、「真実と嘘」「愛とは何か」「人間同士の繋がり」といった普遍的でありながら深遠なテーマを突きつけること。

当初はスリリングな心理戦が描かれますが、物語が進むにつれて、単なる犯罪の追及に留まらず、法や常識だけでは測れない、歪でありながらも純粋な「愛」の形や、「救済」の物語へと焦点が移っていきます。

堤監督は、俳優の演技を「顔面歌舞伎」と称し、「顔の持つメッセージ性」が重要だと語っており、俳優の表情による心理描写が作品の魅力を高めています。

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あらすじ(プチネタバレあり):最小限で理解する物語の流れ

それでは、プチネタバレありのあらすじです。

冒頭〜中盤の展開で描かれる「婚姻」の異常性

主人公は、元ヤンキーで正義感がやたら強い夏目アラタ(柳楽優弥)、33歳独身の児童相談所職員。彼は、自身が担当する少年・山下卓斗(父親を真珠に殺されたとされる)の依頼を受け、未だ発見されていない少年の父である被害者の遺体(頭部)の隠し場所を聞き出す目的で、連続殺人事件の死刑囚品川真珠(黒島結菜)と面会します。

拘置所でアラタの前に現れた真珠は、逮捕時の「太ったピエロ」という異名からは想像もつかないほど若く華奢な姿でした。情報を引き出すための接点を保とうと焦ったアラタは、衝動的に「俺と、結婚しよーぜ!!」とプロポーズ。真珠がこれに興味を示したことで、二人は法的に獄中結婚し、毎日20分の面会で緊張感あふれる心理戦を繰り広げることになります。

アラタが真珠に翻弄される中、真珠は突然「ボク、誰も殺してないんだ。」と衝撃的な告白をし、物語は真相ゲームの序章へと突入します。

核となるキャラクター:アラタと品川真珠の関係性

品川真珠(黒島結菜)は「品川ピエロ」の異名を持つ死刑囚。彼女の行動は計算高く謎が多く、時に無邪気さ、時に冷酷さを見せる「怖可愛い」多面的な魅力で、アラタや弁護士の宮前光一(中川大志)、アラタの同僚の桃山香(丸山礼)といった周囲の人間を巧みに翻弄します。

彼女のガタガタの歯は、母親によるネグレクト(育児放棄)の過去を可視化した象徴であり、特殊メイク(マウスピース)によって5カ月かけてリアルに再現されました。

夏目アラタ(柳楽優弥)は、強い正義感を持ちながら、真珠の真意を探るうちに、「遺体の頭部を見つける」という当初の目的を超えて、彼女の過去の傷や孤独に触れ、真珠自身を救いたいという感情を抱くようになります。

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怖さ・グロさはどの程度?【映画の描写レベルを解説】

作品の怖さとグロさについて。

グロ描写あり?血や暴力表現の有無

本作はサスペンスであり、グロテスクな描写暴力的表現が含まれます。

  • 遺体と血:
    • 連続殺人事件の性質上、バラバラに切断された遺体が何度か画面に映し出されます。また、血や血飛沫の描写もあります。ただし、これらの描写は「フェイクって分かる作りの感じ」で、リアルさは感じにくいという見方もあります。一方、子供の遺体については「なんかリアル」との感想も見受けられます。
  • 身体的・視覚的な不快感:
    • 特に強調されるのが、真珠のガタガタで汚い歯(口元)のアップです。この描写が「生理的に無理な人もこの映画絶対見れない」というレビューがあるほど、視覚的なインパクトが強く、不快感を覚える可能性があります。
  • 鑑賞への注意:
    • グロ描写や、汚い歯、ピエロ、バラバラ遺体、血のいずれかに強い拒否反応がある方は、鑑賞を控えることが推奨されています。

精神的に怖い?心理描写のリアルさと余韻

本作の「怖さ」は、物理的なグロテスクさよりも、心理的な緊張感人間の心の闇に深く根ざしています。

  • 息詰まる心理戦:
    • アラタと真珠の間の虚実が入り混じる会話の駆け引きは、終始高い緊張感を保ちます。真珠のコロコロ変わる表情や言動は、彼女が「計り知れない闇を抱えた人間」であるという恐怖を煽ります。
  • 重いテーマ:
    • 虐待やネグレクトに苦しんだ真珠の過去、そして彼女の殺人の動機が「死を望む人々を救済した」という歪んだ慈悲であったという告白は、観客の倫理観や価値観を深く揺さぶります。
  • 不気味さ:
    • 死刑囚の裁判傍聴を趣味とし、アイテムを収集する藤田(佐藤二朗)のような、異様な執着を持つ人物が登場し、凶悪事件に興味本位で惹かれる人間の持つ不気味さも描かれています。
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映画の感想・口コミまとめ:観た人のリアルな声

映画の感想、口コミです。

怖い?面白い?SNSやレビューサイトの反応

好評な点は、キャスト陣の演技力の高さに集中しています。特に黒島結菜さんの品川真珠役は「怪演に絶賛の声」が相次ぎ、「演技に惹き込まれる」「情緒のコントロールがすごい」と高く評価されました。

柳楽優弥さんについても「相変わらずいい演技」、「溢れる色気」が魅力として挙げられています。サスペンスとして「先の読めない展開」や「どんでん返し」、人間の本質に迫る「重厚なテーマ性」も支持されています。

一方、否定的な意見や留意点としては、全12巻の原作を「2時間の映画に完璧に落とし込むのは、やはり無理」と感じる観客が多く、「詰め込み過ぎている感」が強いという指摘があります。

また、終盤の展開が「サスペンスじゃなくて恋愛だったのか」と、ジャンルが変化したことに戸惑う声も見られます。

キャスティングに関しては、弁護士の宮前光一役の中川大志さんが設定年齢に対して「若過ぎ」るという意見もありました。

原作ファンの評価と、初見の感想の違いとは?

原作ファンからは、映画化にあたり物語の凝縮度が高く、一部のサブプロットや登場人物が省略されたことへの指摘が多く聞かれます。

特に、夏目アラタが死刑囚である真珠に惹かれていく複雑な心情の変化や、脇を固める人物たちの動機(宮前弁護士など)が、映画では「ざっくりしていて」、「簡略化」されていると感じるファンもいます。

また、映画版は原作が未完の状態で制作されたため、結末が原作とは異なる独自の解釈となっています。

この結末の違いによって、原作ファンと映画で初めて触れた観客とで、作品の解釈や感想が分かれるポイントとなっています。

ただし、原作ファンでも、映画版を「原作とは異なる別世界」として楽しめるという意見もあります。

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『夏目アラタの結婚』はどんな人におすすめ?

お薦めする人は…

一人で見るか迷う人へ

本作は、堤幸彦監督が「顔面歌舞伎」と称した通り、柳楽優弥さんと黒島結菜さんの卓越した演技と緻密な表情の機微が大きな魅力です。柳楽さんの「溢れる色気」やキーとなるシーンも、ファンにとっては劇場で見る価値があるでしょう。

物語のテーマが重く、グロ描写も含むため、精神的な負荷を心配される方は、鑑賞後に誰かと感想を共有することでその重さを和らげることができるため、複数人での鑑賞を検討しても良いかもしれません。

鑑賞判断チェックリスト:あなたはこの映画向き?

チェック項目YES/NOで判断
柳楽優弥・黒島結菜の卓越した演技を堪能したいYES/NO
予測不能でスリリングな心理サスペンスが好きだYES/NO
児童虐待や人間のトラウマなど、重く深遠なテーマを扱った作品に関心があるYES/NO
グロ描写(血、バラバラ遺体の一部、汚い歯のアップなど)にある程度の耐性があるYES/NO
原作漫画(全12巻)を読んで、より深く物語を理解してから映画版との違いを楽しみたいYES/NO
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映画『夏目アラタの結婚』に関するFAQ

  1. Q1. 死刑囚・品川真珠の異名「品川ピエロ」の由来は何ですか?
    • A1. 逮捕時にピエロのようなメイクをしており、また、笑った時に見せるガタガタの前歯が特徴的だったことからメディアによって名付けられたという設定になっています。
  2. Q2. 真珠の特徴的なガタガタの歯は、どのように再現されましたか?
    • A2. 5カ月をかけて、歯茎の位置や歯の隙間までこだわった特注のマウスピースで作り上げられました。
  3. Q3. 映画公開時の興行成績は好調でしたか?
    • A3. 公開後のSNSでは「予想を超える展開」と絶賛され、初登場作品で動員第2位のスタートを切り、公開39日時点での興行収入は4億6千万円を超えています。

まとめ

この記事のポイント
  • 死刑囚への獄中プロポーズから始まる異色の心理サスペンスである。
  • 黒島結菜演じる品川真珠の特殊メイク怪演に高い評価が集まっている。
  • バラバラ遺体の描写があり、精神的な重さを伴うため、苦手な人は注意が必要。
  • 物語は予測不能な展開を見せ、単なるミステリーを超えた歪んだ純愛の要素も持つ。
  • 原作漫画とは異なる映画独自の結末が描かれている。

映画『夏目アラタの結婚』は、児童相談所職員・夏目アラタが、連続殺人事件の死刑囚・品川真珠にプロポーズするという型破りな設定から始まる、堤幸彦監督による未体験の獄中サスペンスです。

柳楽優弥さんと黒島結菜さんの緊迫した心理戦怪演が見どころであり、特に真珠(黒島結菜)のキャラクター造形(ガタガタの歯など)が、彼女の壮絶な過去と物語の謎解きに深く関わっています。

本作は、グロ描写精神的に重いテーマを含むため、鑑賞前には描写レベルの確認が必要ですが、その根底には、法や常識を超えた人間の繋がり救済、そしての形を探求する深遠なドラマが描かれています。

原作の未完時に制作されたため、映画独自の結末となっている点も注目すべきポイントです。スリリングな展開を好み、人間の心の闇に踏み込む覚悟がある方には、強くおすすめできる一作です。

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