2025年秋場所(9月場所)、幕内五日目レポートです。
う〜ん、場所前、全く予想しなかった嬉しい事態になりました。序盤戦、初日からの五連勝を達成したのは、なんと横綱・豊昇龍、ただ一人となりました。
筆者 TOPIOの期待は、強い横綱・大関の実現です。豊昇龍が五連勝で、大の里と琴櫻が一敗で追走。理想的な展開です。
さて、いつものレポ、五日目です。
_/_/_/
なお、次に示す秋場所(9月場所)に対する「7つの期待」を併せてお読みいただくと、今場所のポイントがよくわかると思います。
横綱・大関の振り返り
まずは、横綱・大関の振り返りから。この五日目の横綱・大関の対戦は「ある一つのこと」で共通していました。
大関・琴櫻、序盤戦4勝1敗!
過去対戦、琴櫻の5勝1敗で迎えた一番。実は、先場所の対戦で初の黒星を喫した相手、それが豪ノ山でした。
189cm・179kgの琴櫻に対し、179cm・161kgの豪ノ山。一回り小さな豪ノ山が立ち合い五分。う〜ん、「強い横綱・大関の実現」という観点では、琴櫻が勝ったのはいいですが、少し物足りないです。
大相撲、小さな者が大きな者を倒すというシーンは多いです。だから面白い。で、この取組、立ち合い五分で小さな豪ノ山に十分にチャンスがあったのです。琴櫻の側から見ると、逆にそんなチャンスを作ることは残念です。
・・・ということで、大関・琴櫻については、残り10番のなかで、「立ち合いから圧倒的な圧で相手を圧倒して勝つ取組」が1つでも多く実現することを期待しています!
まずは、序盤戦5日間を4勝1敗で乗り切ったこと、素晴らしいと思います。千秋楽まで優勝争いすることを強く期待しています!!!
横綱・豊昇龍、ただ一人五連勝!
この対戦も、一つ前の「琴櫻 vs 豪ノ山」戦に似ています。それは・・・
豊昇龍にとって、熱海富士は先場所で黒星を喫した相手だからです。しかも、過去対戦は豊昇龍が4勝5敗と負け越していたのです。序盤戦一番のピンチかもしれません!
ところで、188cm・149kgも豊昇龍に対し、 熱海富士は187cm・192kg。身長はタメですが、体重が大きく違う。これが、過去対戦で豊昇龍が負け越している理由でしょうか。つまり、熱海富士攻略としては、相手の圧に負けないようにどういう立ち合いをするかがポイントです。
さて、結論から書くと、序盤戦五日間のなかで一番の「横綱らしい」取り口でした。
立ち合いで鋭く突っ込むことで熱海富士の圧を凌いだ豊昇龍。四日目の阿炎戦同様に諸手突きからの喉輪攻め。そして、左下手をとって、右でかいなを返しながらの万全の体勢で寄り切りました。
見ていて、とても気持ちのいい豊昇龍の取り口でした。
序盤戦五日間、唯一の五連勝。さすが横綱です。立ち合いに変わって勝った一番は目をつぶることにします(笑)。千秋楽まで、横綱・大関の三人で優勝争いをしてください!
横綱・大の里、序盤戦4勝1敗で凌いだ!?
さて、ここまで来るとあなたはきっと気づいていることでしょう。そうです、この五日目の横綱・大関戦は、三戦すべて「先場所負けた相手」との取組でした。
大の里は過去対戦 4勝3敗で、王鵬とは五分。しかも、先場所、押し出しで負けています。
先場所の取組を振り返ると、立ち合いは五分。その後、大の里が優勢に押し込むも、大の里の悪い癖「毒まんじゅう(不用意な引き技)」が2回も出てしまいます。これで、思わず自ら土俵の外に足を出してしまって黒星。なんとも、横綱としては情けない負け方でした。
ですから、これを反省するならば、立ち合いで先場所以上の圧をかけた上で、絶対に引かないこと。これにつきます。
ところで、大の里は192cm・187kgに対し、王鵬は191cm・177kgと、ともに抜群の体躯。この両者が立ち合う様は見応えがあります。
両者ともにその身体を活かした立ち合いでした。立ち合いは五分です。その後、少しずつ大の里が圧勝ちし、それとともに、王鵬が右回りに半身となりながら両足が並んだ瞬間、チャンス到来で王の里が右手で王鵬の首あたりを押して突き落とし。この一連の動作、あまりに早すぎて、王鵬自滅・・・という感じでしたが、しっかり、大の里が突き落としています。
場所前は大の里が優勝争い驀進して、そのまま優勝という予想をしていました。三日目までは、その通りの展開だなと思っていましたが、四日目、伯桜鵬にまさかの黒星を喫してしまいます。大の里ファンとしては、連敗せずにやれやれですが、五日目の取り口の内容も良く、安心しました。
序盤戦五日間4勝1敗で、ライバル豊昇龍には星一つのリードを許してしまいました。それでも、横綱・大関が千秋楽まで優勝争いをするという理想的な形がまだ望めるので、残り十日間が楽しみです!
五日目、注目取組の結果など
次に、四日目レポで書いた「五日目、注目取組」の結果です。注目力士を「左(太文字&斜文字)」にして振り返ります。
五日目が終わって、五連勝は、…
- 前頭17・日翔志(勝ち) vs 前頭16・錦 木
- 日翔志、押し出しで、新入幕の初日でました!
- 前頭10・大栄翔(負け) vs 前頭10・美ノ海
- 大栄翔、送り出しで四敗目。
- 怪我の状況は、かなり深刻かもしれません。
- 前頭9・藤ノ川(勝ち) vs 前頭9・翠富士
- 藤ノ川、もろ差しからの速攻で二勝目。
- 前頭7・隆の勝(勝ち) vs 前頭7・欧勝馬
- 隆の勝、寄り切りで四勝目。
- 前頭6・草 野(負け) vs 前頭8・宇 良
- 草野、引き落としで三敗目。
- 前頭5・琴勝峰(負け) vs 前頭5・一山本
- 琴勝峰、寄り切りで三敗目。
- 前頭2・伯桜鵬(負け) vs 前頭4・平戸海
- 伯桜鵬、突き出しで三敗目。
- 小 結・高 安(負け) vs 前頭1・玉 鷲
- 高安、押し出しで敗れ五連敗。
- 小 結・安青錦(勝ち) vs 関 脇・霧 島
- 安青錦、四連勝の霧島を送り出しで破り三勝目。
- 関 脇・若隆景(勝ち) vs 前頭1・阿 炎
- 若隆景、押し出しで阿炎を破り三勝目。
- 一方、五連敗の阿炎が心配です。
- 大 関・琴 櫻(勝ち) vs 前頭3・豪ノ山
- 琴櫻、先場所負けた相手を押し出し、四勝目。
- 横 綱・豊昇龍(勝ち) vs 前頭3・熱海富士
- 豊昇龍、先場所負けた相手を寄り切り、負け無しの五勝目。
- 横 綱・大の里(勝ち) vs 前頭2・王 鵬
- 大の里、先場所負けた相手を突き落とし、四勝目。
六日目、注目取組と見どころ
次に、六日目、注目の取組です。全勝の横綱二人を、他の力士が止められるかに注目です。
注目力士を「左(太文字&斜文字)」にしています。
- 前頭17・日翔志 vs 前頭14・佐田の海
- 初顔合わせ。
- 日翔志、連勝(二勝目)に期待。
- 前頭10・大栄翔 vs 前頭12・御嶽海
- 過去対戦、大栄翔の15勝16敗。
- 大栄翔、二勝目に期待。
- 前頭9・藤ノ川 vs 前頭11・正 代
- 過去対戦、藤ノ川の0勝1敗。
- 藤ノ川、三勝目に期待。
- 前頭7・隆の勝 vs 前頭5・琴勝峰
- 過去対戦、隆の勝の5勝7敗。
- 隆の勝、五勝目に期待!
- 前頭6・草 野 vs 前頭4・若元春
- 初顔合わせ。
- 草野、三勝目に期待!
- 前頭2・伯桜鵬 vs 前頭1・阿 炎
- 過去対戦、伯桜鵬の2勝0敗。
- 伯桜鵬、三勝目に期待!
- 小 結・安青錦 vs 小 結・高 安
- 過去対戦、安青錦の0勝1敗。
- 小結対戦、安青錦の四勝目を期待。
- 関 脇・若隆景 vs 前頭2・豪ノ山
- 過去対戦、若隆景の3勝0敗。
- 若隆景、四勝目を期待。
- 関 脇・霧 島 vs 前頭1・玉 鷲
- 過去対戦、霧島の12勝3敗。
- 霧島、連敗を回避し五勝目を期待。
- 大 関・琴 櫻 vs 前頭4・平戸海
- 過去対戦、琴櫻の7勝1敗。
- 琴櫻、一敗の堅持!
- 横 綱・大の里 vs 前頭3・熱海富士
- 過去対戦、大の里の5勝0敗。
- 大の里、一敗の堅持!
- 横 綱・豊昇龍 vs 前頭2・王 鵬 4-5
- 過去対戦、豊昇龍の4勝5敗。
- 中盤戦最大の難敵か?
- 豊昇龍、連勝の堅持!
十両のこと
十両は四日目が終わった段階で、初日からの四連勝が三関取でした。
- 十両4・三田
- 十両8・荒篤山(こうとくざん)
- 十両11・朝白龍
五日目で、三田と荒篤山は五連勝とする一方、朝白龍は黒星を喫し、一歩後退。
序盤五日間が終わって、次のような状況になっています。
<五連勝>
- 十両4・三田
- 十両8・荒篤山(こうとくざん)
<四勝一敗>
- 十両1・欧勝海
- 十両11・朝白龍
- 十両13・朝乃山
個人的には、二度目の幕内復活を狙っている朝乃山の好調が嬉しい限りです。目指せ、初場所での再幕内!
まとめ
序盤五日間が終わり、豊昇龍が唯一の五連勝、大の里と琴櫻も一敗で追従するという、「強い横綱大関実現を望む」者としては、理想的な展開で、嬉しい。
それから、安青錦、若隆景が勝ち星先行の三勝二敗で序盤を終えたことに一安心。
さらに、霧島が五日目に負けたといえ、四勝一敗の好成績。若隆景との大関同時昇進もあり得ます!
中盤戦五日間がより楽しみになってきました!
コメント