2025年9月16日、秋場所(9月場所)三日目。横綱・大関、揃っての三連勝は消えました…。
ラスト三番。最初に登場した大関・琴櫻が「いつもの琴櫻」で黒星。これは対戦相手の小結・安青錦を褒めるべき展開でしたが…。
さて、三日目を終えて、初日からの三連勝は5関取だけとなりました。
序盤戦残り二日間で、さらなる驚きの展開が起こる匂いがします。
_/_/_/
なお、秋場所(9月場所)に対する「7つの期待」を併せて、本記事をお読みいただくと、今場所のポイントがよくわかるでしょう!
横綱・大関、三日目の総括
まずは、横綱・大関から振り返りましょう。
大関・琴櫻、「なるほどの黒星」!?
連日の快勝で「強い琴櫻」の復活を印象付けていましたが 、三日目にして早くも暗転。いつもの「弱い琴櫻」が出てしまいました。
敗因は歴然としています。立ち合いです。
この日の立ち合いは、初日の阿炎戦、二日目の伯桜鵬戦と明らかに違いました。恵まれた身体を活かし相手に圧をかける立ち合いは影を潜め、いつもの(?)「ふわっとした」立ち合いでした。そのために、琴櫻からみると小兵である安青錦に全く圧がかからなかったのです。
NHK解説では、「先場所の琴勝峰優勝パレードの際、師匠から車への同乗を指示された琴櫻。これで奮起したのでしょう。」などと繰り返していました。しかし、「付け焼き刃じゃだめ」ということなのかもしれません。
あの恵まれた身体を活かした立ち合い・・・これが無いと「強い琴櫻」は望めません。
いずれにしても、横綱・大関が強くないと下も育ちません。四日目から、また「強い琴櫻」が復活することを心から期待しています。
横綱・大の里、「らしさ爆発」相撲で三連勝
新横綱の強さは本物です。三日目の相手、前頭筆頭・阿炎を全く寄せ付けず、盤石の横綱相撲で危なげなく三連勝を飾りました 。
土俵際で阿炎を吹き飛ばしたシーンが印象的なので、そこが記憶に残ります。しかし、この一番、勝因は立ち合いです。
立ち合いで変わって引き落としを狙ったりもする曲者・阿炎。阿炎は、立ち合い直前にどうするか決めるそうです。
この日の大の里は、しっかり阿炎の出方を見て立ち合いました。これって、一見、「弱い琴櫻」のように「ふわっ」とした立ち合いのように見えますが、全く違います。
「弱い琴櫻」の場合は、「圧をかけられる体勢」になっていません。一方、大の里の場合は「圧をかけている体勢」になっています。外形的には、この違いは「立ち合い後、1・2秒の足の動き」となって現れます。
結果、かなり強力な阿炎のもろ手突きも難なく受け止めました。すかさずに反撃開始です。反撃ポイントは、左おっつけ。あれがハマって、阿炎が場外に吹っ飛びました。
この一番は、曲者(相撲が上手いという意味です!)・阿炎に対しての落ち着き払った取り口が光りました。同時に、今場所の優勝候補筆頭であることを改めて強く印象付けました。
横綱・豊昇龍、「かなぐり捨てて」の三連勝
横綱・豊昇龍の一番の課題は、「横綱としての強さを見せつけること」です。
「いろいろ背景事情があっての甘めの横綱昇進?」「横綱3場所で2場所の途中休場!」…。いろいろ言われています。その「いろいろ」を相撲の結果で塗り替えること。それが一番の課題です。
さて、初日・二日目と辛勝で連勝した豊昇龍。三日目、伸び盛りの若手・伯桜鵬にどういう立ち合いをするか楽しみでしたが、まさかの…。
豊昇龍が勝ち名乗りを受けたときの、会場の寒々とした感じ、なんともいえません。横綱としては、えげつない白星でした。
辛勝やえげつなさのままに15日間、白星街道を続けられるほど、大相撲は甘くない。つまり、「今場所の豊昇龍の優勝は無い」ことを強く印象づける取組でした。
横綱・豊昇龍、三連勝ではあるものの、優勝戦線脱落です(★豊昇龍推しでもあるのであえて書きました。あくまでも、筆者 TOPIOの勝手で個人的な意見です)。
二日目レポで書いた三日目注目取組の結果など
次に、二日目レポで書いた「三日目注目取組」の結果です。
注目力士を「左(太文字&斜文字)」にして振り返ります。
- 前頭17・日翔志(負け) vs 前頭18・獅 司
- 日翔志、寄り切りで三連敗。
- 過去、たくさんの怪我をしてきた日翔志。深刻な怪我があるのかも?
- 前頭10・大栄翔(負け) vs 前頭8・金峰山
- 大栄翔、上手投げで二敗目。
- 怪我の治りがまだ不十分?
- 前頭9・藤ノ川(負け) vs 前頭8・宇 良
- 藤ノ川、押し出しで三連敗。
- 177cm、120kg。もうちょっと体重が…。
- 前頭6・草 野(勝ち) vs 前頭6・阿武剋
- 草野、寄り切りで、ようやく白星でました。
- 前頭7・隆の勝(勝ち) vs 前頭5・一山本
- 隆の勝、寄り切りで二勝目。
- 前頭5・琴勝峰(勝ち) vs 前頭3・豪ノ山
- 琴勝峰、押し出しで二勝目。らしさが出てきた!
- 小 結・高 安(負け) vs 前頭2・王 鵬
- 高安、突き落としで三連敗。
- 関 脇・若隆景(負け) vs 前頭1・玉 鷲
- 若隆景、押し出しで二敗目。
- 小 結・安青錦(勝ち) vs 大 関・琴 櫻
- 安青錦、押し出しで二勝目。
- 横 綱・豊昇龍(勝ち) vs 前頭2・伯桜鵬
- 豊昇龍、横綱らしからぬ取り口で三連勝。
- 横 綱・大の里(勝ち) vs 前頭1・阿 炎
- 大の里、横綱らしい万全の取り口で三連勝。
三日目で三連勝の5関取は…
三日目が終わって、初日からの三連勝は5人の関取となりました。
- 横 綱 大の里
- 横 綱 豊昇龍
- 関 取 霧 島
- 前頭8 宇 良
- 前頭17 竜 電
注目は、関取・霧島の三連勝です。
5月場所11勝、7月場所8勝の霧島。今場所13勝以上で優勝に絡めば(優勝 or 優勝同点 or 優勝次点)、通算32勝でも、場所後の大関再昇進が実現するかもしれません。
ということは、若隆景との同時大関昇進もあり得るかも。
楽しみです。
四日目注目取組と見どころ
次に、四日目注目の取組です。全勝の横綱二人を、他の力士が止められるかに注目です。
注目力士を「左(太文字&斜文字)」にしています。
- 前頭17・日翔志 vs 前頭16・友 風
- 日翔志の初日(白星)に期待!
- 前頭10・大栄翔 vs 前頭9・翠富士
- 大栄翔の初日(白星)に期待!
- 前頭9・藤ノ川 vs 前頭8・金峰山
- 藤ノ川の初日(白星)に期待!
- 前頭7・隆の勝 vs 前頭8・宇 良
- 過去対戦、隆の勝の6勝5敗と五分
- どちらも応援しているのですが…
- 前頭6・草 野 vs 前頭7・欧勝馬
- 初顔合わせ。
- 小 結・安青錦 vs 前頭2・王 鵬
- 安青錦、過去2戦2勝。
- 小 結・高 安 vs 関 脇・若隆景
- 高安の初日(白星)に期待。
- 関 脇・霧 島 vs 前頭3・豪ノ山
- 過去対戦は、霧島の3勝4敗と負け越し。
- 霧島にとって、序盤戦の鬼門かも。
- 霧島の四連勝に期待。
- 大 関・琴 櫻 vs 前頭1・玉 鷲
- 過去対戦は、琴櫻の10勝3敗だが…。
- 玉鷲の圧は、侮れない。
- 「弱い琴櫻」では勝てない。
- 横 綱・大の里 vs 前頭2・伯桜鵬
- 大の里が先場所負けている相手。
- 横 綱・豊昇龍 vs 前頭1・阿炎
- 豊昇龍、横綱らしい取り口で勝ってください。
大相撲秋場所に関するFAQ(三日目版)
- Q1. 三日目の観客数は?
- A1. 初日から三日連続の「満員御礼」です。約1万人の観客が詰めかけたと思われます。
- Q2. 全勝の横綱・大関は?
- A2. 横綱・大の里と横綱・豊昇龍が3連勝をキープしています。大関・琴櫻は三日目に初黒星を喫しました。
- Q3. 琴櫻の敗因は?
- A3. 立ち合いがすべて。結果、相手の安青錦に得意の形を許してしまい、力を出し切れませんでした。二日目までの快勝から一転、課題が残る一番となりました。
- Q4. 新入幕・日翔志の初白星は?
- A4. 以前、連敗中。怪我の多い力士だとの話があるので、深刻な怪我があるのかもしれないという点が心配です。
- Q5. 全勝力士で2横綱以外に注目は?
- A5. 前頭17・竜電、前頭8・宇良、関脇・霧島が初日からの三連勝。とくに、大関昇進の可能性がある霧島に注目です。
まとめ
三日目は、好調だった大関・琴櫻が敗れるという波乱(?)の展開となりました。これにより、序盤の優勝争いは全勝の横綱二人と関脇・霧島たちが一歩リードする形になりました。
そして、四日目についての注目ポイントは、三日目で黒星を喫した琴櫻がどう立て直すのか、復調したように見える豊昇龍は、本当に横綱らしい取組ができるのか。
そして、盤石の大の里を止める力士は現れるのか。
四日目以降も、見どころの多い戦いが続きます。
コメント