「韓国から外資系企業の撤退が続く」という報道が後を絶たない。一部の金融機関や製造業の事業縮小が報じられるたび、韓国の投資環境への懸念が再燃する。しかし、その一方で韓国政府が発表する外国直接投資(FDI)の統計は、過去最高額を更新し続けている。
この一見矛盾した二つの「物語」は、何を意味するのか。本レポートは、最新のFDIデータ、個別企業の動向、そして韓国特有のビジネス環境を規定する構造的要因を多角的に分析し、「外資撤退」という単純化された言説の真偽を徹底的に検証する。
我々が解き明かすのは、単なる撤退や進出の事実ではなく、グローバル資本が韓国を「選別」し、投資ポートフォリオを「再編」しているという、より複雑でダイナミックな実態である。
_/_/_/
本記事は韓国を批判したり、おとしめたりする目的は一切なく、隣国の状況を憂い、実態を受け止めよう、知ろうというのが趣旨である。
第1章:成長の物語-過去最高を更新する対韓投資の実態
「外資撤退」という言説が広まる一方で、韓国への外国直接投資(FDI)に関するマクロデータは、全く異なる物語を提示している。公式統計を詳細に分析すると、韓国は依然として多くの海外投資家にとって魅力的な投資先であり、特に特定の戦略的分野においては、その重要性がむしろ高まっていることが明らかになる。
この章では、まず「韓国から外資は撤退していない、むしろ活発に流入している」という側面を、客観的なデータに基づいて検証し、その背景にある要因を解き明かす。
1-1. FDI申告額の推移と記録更新の背景
韓国産業通商資源部(MOTIE)が発表する対韓FDIの統計は、近年、驚異的な成長を示している。投資家が投資意欲を表明した金額を示す「申告額」ベースで見ると、2021年に295.1億ドルを記録して以来、2022年には304.5億ドル、2023年には327億ドル、そして2024年には345.7億ドルと、4年連続で過去最高額を更新し続けている 1。この力強い成長トレンドは、世界経済の不確実性や地政学的リスクの高まりにもかかわらず、海外投資家が韓国の経済的ポテンシャルを高く評価していることの証左である。
この背景には、韓国経済が持つ強固なファンダメンタルズが存在する。2022年時点でGDPは世界第10位、貿易額と輸出額は世界第6位という経済規模を誇り、グローバルサプライチェーンにおいて重要な役割を担っている 7。こうした経済基盤が、投資家にとっての基本的な信頼を支えている。
さらに、韓国政府による積極的な投資誘致策が、この流れを強力に後押ししている。特に尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は、外国企業にとってより魅力的な投資環境を構築するため、規制改革とインセンティブの拡大を公約してきた 8。2024年2月には大統領自らが外資系企業の経営者らと会合し、韓国を世界トップレベルの投資ハブに変革することを約束した 8。その具体策として、2024年には先端産業分野への投資を促進するための現金支援予算を、前年の3850万ドルから1億5380万ドルへと大幅に増額し、さらに2000億ウォン(約220億円)規模の支援策を打ち出すなど、具体的な金銭的インセンティブを強化している 8。こうした政府の明確な支援姿勢が、海外からの投資意欲を刺激する重要な要因となっている。
1-2. 投資の質的変化-グリーンフィールド投資の隆盛
対韓投資の増加は、単なる量的な拡大にとどまらない。その内容、すなわち「質」においても注目すべき変化が見られる。FDIは大きく分けて、既存の企業を買収・合併する「M&A型投資」と、工場や事業所を新たに建設・拡張する「グリーンフィールド投資」の二種類がある。後者は、新たな雇用創出や技術移転、地域経済への波及効果がより大きいことから、一般的に「質の高い投資」と見なされる。
近年の韓国では、このグリーンフィールド投資が著しく増加している。2024年のFDI申告額の内訳を見ると、グリーンフィールド投資は前年比13.5%増の267億ドルに達し、過去最高額を記録した 1。これは、2023年の235.4億ドルを上回る水準であり、対韓投資の質的な向上を明確に示している 1。一方で、M&A型投資は同14.5%減の78.6億ドル(資料により79億ドル)にとどまった 1。
このトレンドは、海外企業が韓国を単なる販売市場としてだけでなく、生産、研究開発(R&D)、そしてグローバルな事業活動における戦略的拠点として位置づけていることを示唆している。工場やR&Dセンターの新設は、長期的なコミットメントを前提とする大規模な意思決定であり、韓国のインフラ、人材、そして産業エコシステムに対する高い評価がなければ実現しない。このグリーンフィールド投資の隆盛は、「外資撤退」という言説とは正反対の、韓国への深い関与を示す強力な証拠と言えるだろう 2。
表1:韓国への外国直接投資(FDI)トレンド(2021年~2024年)
指標 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 |
FDI申告額 (億ドル) | 295.1 | 304.5 | 327.0 | 345.7 |
FDI実行額 (億ドル) | 220.6 | 180.0 | 191.0 | 147.7 |
グリーンフィールド投資 (申告額, 億ドル) | 49.7 | 134.1 | 235.4 | 267.0 |
M&A型投資 (申告額, 億ドル) | N/A | N/A | N/A | 78.6 |
主要投資元(申告額, 億ドル) | ||||
米国 | N/A | N/A | N/A | 52.4 |
EU | N/A | N/A | N/A | 51.0 |
日本 | N/A | N/A | N/A | 61.2 |
中国・香港・台湾 | N/A | N/A | N/A | 70.0 |
注: データは主に韓国産業通商資源部(MOTIE)の発表に基づく 1。M&A型投資額や一部の過去データは、発表資料によって集計方法が異なる場合がある。中国の数値は香港・台湾を含む場合がある 12。
1-3. ターゲットは先端産業-グローバルサプライチェーンの要衝として
FDIの力強い伸びを牽引しているのは、特定の戦略的分野である。2024年の業種別FDI申告額を見ると、製造業への投資が前年比21.6%増の144.9億ドル(資料により145億ドル)と、全体を大きく押し上げた 1。
その中でも特に投資が集中しているのが、韓国政府が「国家先端戦略産業」と位置づけ、国策として育成に注力している分野だ。具体的には、半導体への投資が前年比46.5%増の13.3億ドル、バイオ分野は254.2%増(3.5倍)の12.3億ドルと、爆発的な伸びを見せている 1。その他、電気・電子(29.4%増)、機械装備・精密医療(2.7倍)といった分野も好調である 1。
この現象は、単なる個別企業の投資判断を超えた、世界的な構造変化を反映している。米中間の技術覇権競争の激化や、新型コロナウイルスのパンデミックを経て、世界各国は経済安全保障の観点から重要物資のサプライチェーンを再構築する必要に迫られた。その中で、半導体やバッテリー、バイオ医薬品といった分野で世界トップクラスの技術力と生産能力を持つ韓国は、信頼できるパートナーとして、またサプライチェーンの多様化・強靭化における中核拠点として、その戦略的価値を飛躍的に高めている。
例えば、米国の半導体装置大手であるLam Researchは、韓国に研究開発・生産拠点を持ち、2,000人以上を雇用するなど、韓国の半導体エコシステムに深く根を下ろしている 14。同社のようなグローバル企業が韓国での事業を継続・拡大している事実は、韓国が先端技術分野において不可欠なパートナーであることを物語っている。FDIの増加は、韓国経済全体への漠然とした評価というよりも、こうした「特定の戦略分野」が持つグローバルな競争優位性に対する、集中的かつ戦略的な賭けであると解釈できる。この「選択と集中」こそが、現代の対韓投資の最も重要な特徴の一つである。
1-4. 投資元の地殻変動-日中の躍進と米欧の逡巡
投資元の国・地域別の動向を見ると、近年の地政学的な変化が色濃く反映された、興味深い地殻変動が起きている。2024年のFDI申告額では、これまで主要な投資元であった米国とEUからの投資が減少する一方で、日本と中国からの投資が劇的に増加した 1。
具体的には、日本からの投資は前年比で375.6%増(4.8倍)の61.2億ドル、中国(香港・台湾を含む場合あり)からは266.1%増(3.7倍)の57.9億ドルと、いずれも記録的な急増を見せた 1。これに対し、米国からの投資は14.6%減の52.4億ドル、EUからは18.1%減の51億ドルと、それぞれ減少に転じた 1。
韓国産業通商資源部(MOTIE)は、米欧からの投資減少について、前年に大型投資があったことによる反動(ベース効果)や、米国の政権交代期などを背景とした投資家の「様子見姿勢」が影響したと分析している 3。しかし、この現象の背後には、より深い地政学的な力学が働いていると見るべきだろう。
日本企業にとって、米中対立が深刻化する中で、サプライチェーンの「脱中国依存(デリスキング)」は喫緊の経営課題である。その際、地理的に近く、高い技術力を持ち、インフラも整備されている韓国は、中国に代わる生産・開発拠点として極めて魅力的な選択肢となる。近年の日韓関係の改善も、こうしたビジネス上の判断を後押ししている。
一方、中国企業にとっては、米国による厳しい対中輸出規制や関税を回避し、グローバル市場へのアクセスを維持するための「迂回拠点」として、韓国の価値が高まっている可能性がある。韓国の技術やブランド力を活用し、韓国製として製品を輸出することで、米国の規制網をすり抜ける戦略である。
このように、FDIの国別動向は、各国の企業が自国の戦略的利益と地政学的環境というレンズを通して、韓国をどのように評価し、利用しようとしているかを映し出す鏡となっている。韓国は、米中対立の狭間で、双方から異なる目的でその価値を見出されるという、複雑な立場に置かれているのである。
第2章:撤退の物語-報道の背景にあるリスクと資本流出
第1章で示したように、マクロレベルでの対韓投資は活況を呈している。しかし、それにもかかわらず「外資撤退」の報道が絶えないのはなぜか。その答えは、データの裏側、個別企業の具体的な動向、そしてより短期的な資本の動きに隠されている。
この章では、第1章のポジティブな物語とは対照的に、韓国の投資環境が抱える負の側面を浮き彫りにし、「撤退」の言説が決して根拠のないものではないことを明らかにする。
2-1. 「申告」と「実行」の巨大なギャップが示すもの
対韓FDIを語る上で、最も注意深く見なければならないのが、「申告額」と「実行額」の間に存在する巨大なギャップである。申告額は投資家が「投資します」と表明した意欲の大きさを示すが、実行額は実際に資金が送金され、投資が実行された金額を示す。この二つの数字の乖離は、投資家の期待と、韓国でビジネスを行う上での現実との間に横たわる溝の深さを物語っている。
2024年、韓国へのFDI申告額は346億ドルと過去最高を記録した。しかし、同年に実際に到着した実行額は148億ドルにとどまり、前年比で24.2%もの大幅な減少となった 1。申告額と実行額の間には、実に約200億ドルもの差が存在する。このギャップは、単なる投資実行までのタイムラグとして片付けるにはあまりにも大きい。
この現象が示唆するのは、多くの海外企業が、当初は韓国市場の魅力(マクロの魅力)に惹かれて投資を表明(申告)するものの、その後の詳細なデューデリジェンスや事業準備の段階で、韓国特有の様々な課題(ミクロの課題)に直面し、計画の遅延、規模の縮小、あるいは完全な撤回を余儀なくされているという実態である 15。後述する硬直的な労働慣行、複雑で不透明な規制、予測不可能な政治リスクなどが、投資実行の最終段階で大きな障壁となっている可能性が高い。
つまり、「申告額」は韓国の持つポテンシャルや政府のPR活動の成功を反映しているが、「実行額」とのギャップは、そのポテンシャルを現実のビジネスに転換する過程の困難さ、すなわち投資環境の構造的な問題点を浮き彫りにしている。このギャップこそが、投資家の「期待と現実の差」を数値化したものであり、韓国の投資環境が抱える課題の深刻さを物語る最も重要な指標の一つと言えるだろう。
2-2. 個別企業の撤退・事業縮小事例とその教訓
「外資撤退」の報道は、具体的な企業名とともに語られることで、人々に強い印象を与える。個別の撤退はそれぞれ固有の経営判断に基づくものだが、複数の事例を俯瞰すると、韓国のビジネス環境に共通する課題が見えてくる。
金融セクターの動向:
特に注目を集めたのが、グローバル金融機関の相次ぐ事業縮小である。2021年、米Citigroupが韓国を含む13市場でのリテール(個人向け)銀行業務からの撤退を発表したことは、象徴的な出来事であった 17。これに先立ち、HSBCは2013年にリテール事業を売却、Royal Bank of Scotlandは2015年、Barclaysは2017年に韓国から撤退している。また、Goldman SachsやUBSといった投資銀行も韓国でのプレゼンスを縮小する動きを見せている 17。
専門家は、これらの動きの背景として、世界的な低金利環境下での収益性の低下という共通の課題に加え、韓国市場特有の要因を指摘する。具体的には、金融当局による配当への介入など、グローバルスタンダードから見て過剰とも言える厳しい金融規制、そしてシンガポールや香港といったアジアのライバル拠点と比較して高い法人税率が、韓国市場の魅力を削いでいるとの分析がある 17。儲からない上に規制が厳しい市場から資本を引き揚げるのは、グローバル企業にとって合理的な判断と言える。
製造・エネルギーセクターの事例:
製造業やインフラ分野でも、懸念される事例が報告されている。例えば、三菱商事や三菱重工が韓国での一部事業から撤退した件は、単なる一企業の判断に留まらず、韓国のエネルギーインフラの脆弱性や、政府の政策の一貫性に対する根本的な不信感が背景にあると報じられている 19。大規模なインフラ投資は、長期的な安定性と予測可能性を大前提とする。政策の揺らぎや制度上の不安は、こうした投資にとって致命的なリスクとなり得る。
これらの個別企業の撤退事例は、それぞれが「点」の事象に過ぎないかもしれない。しかし、金融機関の撤退理由として「過剰な規制」が、製造業の撤退理由として「制度の不安定さ」が共通して挙げられるように、これらの「点」をつなぎ合わせると、韓国の投資環境が抱える「構造的問題」という「線」が浮かび上がってくる。これらのニュースは、単発の出来事としてではなく、韓国の根深い課題を露呈させるシグナルとして読み解く必要がある。
2-3. ポートフォリオ投資の動向-短期的な資本流出と市場心理
企業の経営支配を目的とする長期的なFDIとは別に、より短期的な市場心理やリスク認識を敏感に反映するのが、株式や債券への投資、すなわちポートフォリオ投資である。このポートフォリオ投資の動向を見ると、韓国市場の脆弱性がより鮮明に浮かび上がる。
特に2024年後半、韓国の国内政治情勢が緊迫化した際に、外国人投資家による大規模な資金流出(キャピタルフライト)が発生した。2024年12月3日に当時の尹大統領が非常戒厳令を宣布するという衝撃的な出来事の後、外国人投資家は韓国の株式・債券市場から急速に資金を引き揚げた 22。韓国銀行の発表によると、2024年12月の1か月だけで、外国人証券投資資金は約42億ドル(約5.68兆ウォン)の純流出を記録し、これは新型コロナウイルス感染症のパンデミック初期である2020年3月以来の最大規模の流出となった 23。
この資金流出は、特に政治リスクに対して脆弱とされる金融セクターに集中した。戒厳令宣布後の3日間で、外国人投資家は金融株を7000億ウォン以上売り越し、主要な金融持ち株会社の株価は軒並み急落した 22。この出来事は、たとえマクロ経済のファンダメンタルズが比較的安定していたとしても、突発的な政治・社会不安が投資家の信頼を瞬時に、かつ深刻に損ない、大規模な資本逃避を引き起こすという「カントリーリスク」が、韓国には依然として色濃く存在することを示している。
2024年後半の数ヶ月間、外国人投資家は韓国株を売り越す「セル・コリア」の傾向を強めており、これは半導体セクターへの期待が剥落したことや、政治不安が重なった結果である 23。FDIの申告額が過去最高を記録する裏側で、より機動的なポートフォリオ資本が韓国から逃避しているという事実は、韓国の投資環境が持つ二面性と脆弱性を如実に物語っている。
閑話休題〜わかりやすい音声解説♪

長い文書を読むのはちょっと・・・という方に朗報!
「韓国から外資系企業が撤退」ということに関しての音声解説を生成。
ここで、閑話休題として、その音声解説をぜひ聞いていただきたい。
【「韓国から外資系企業が撤退」に関する音声解説 by Notebook LM自動生成】
第3章:投資判断を左右する要因-韓国ビジネス環境の光と影
なぜ韓国では、記録的な投資流入という「成長の物語」と、相次ぐ企業撤退という「撤退の物語」が同時に存在するのか。その答えは、韓国のビジネス環境が持つ、強力な魅力(プル要因)と根深い構造的課題(プッシュ要因)という二面性にある。
投資家は、この光と影を天秤にかけ、自社の戦略に照らし合わせて投資判断を下している。本章では、この二面性を規定する具体的な要因を体系的に分析する。
3-1. プル要因(韓国の魅力):なぜ投資家は惹きつけられるのか
多くのリスクを抱えながらも、韓国が依然として多額の投資を惹きつけているのには、他国にはない明確な理由がある。
- 世界トップレベルの技術・産業集積:
- 韓国の最大の魅力は、半導体、二次電池、自動車、ICT、バイオといった分野で世界をリードする技術力と、それらを支える高度な産業クラスターの存在である 12。サムスンやSKハイニックス、LGエナジーソリューションといったグローバル企業を中心に、サプライチェーンが国内に緊密に形成されている。最先端の技術や高品質な部品を求める企業、あるいはこれらの巨大企業と協業・取引を目指す企業にとって、韓国は他に代えがたい戦略的拠点となる 25。
- 優秀な人材と優れたインフラ:
- 高い教育水準に支えられた、勤勉で熟練した労働力の存在は、大きな魅力である 12。特に、工学系や科学分野での優秀な人材プールは、研究開発(R&D)や高付加価値な製造業にとって不可欠な要素だ。加えて、世界最高水準のインターネット速度を誇るITインフラは、デジタル経済やデータ駆動型のビジネスを展開する上で最適な環境を提供する 26。
- 政府による強力なインセンティブ:
- 韓国政府、特にその投資誘致機関であるKOTRA(大韓貿易投資振興公社)のInvest KOREAは、外国企業誘致に極めて積極的である 8。2025年の経済政策では、先端技術分野への投資に対し、投資額の最大50%(一時的措置として最大75%)を現金で支援する破格の制度を設けている 28。さらに、最長7年間の法人税・所得税減免、国有地や地方自治体所有地の長期格安賃貸、輸入する資本財に対する関税免除など、税制、立地、資金のあらゆる面で手厚い優遇策が用意されている 10。
- アジア市場へのゲートウェイ:
- 韓国は地理的に日本、中国、東南アジアの中心に位置し、世界有数の港湾や空港を備えている。この発達した物流網は、巨大なアジア市場全体へのアクセスを狙う企業にとって、効率的なハブとしての価値を提供する 31。
これらのプル要因が複合的に作用することで、韓国は多くの構造的課題を抱えながらも、依然としてグローバル資本にとって無視できない重要な投資先であり続けているのである。
3-2. プッシュ要因(構造的課題):なぜ投資家は躊躇・撤退するのか
韓国が持つ強力な魅力の裏側には、投資家が事業運営において直面する深刻な構造的課題が存在する。これらのプッシュ要因が、第2章で見た「申告と実行のギャップ」や個別企業の撤退の根本的な原因となっている。
- 労働環境のリスク:
- 強力な労働組合と闘争的な労使関係:
- 韓国の労働組合は、組織率は必ずしも高くないものの、社会・政治的に強い影響力を持ち、しばしば闘争的な姿勢を示すことで知られる。特に製造業や運輸業では、大規模なストライキが頻繁に発生し、工場の操業停止や物流の混乱を引き起こす。これは生産計画の予測可能性を著しく損ない、外資系企業にとって最も管理が難しいリスクの一つである 4。韓国経営者総協会の調査では、在韓外資系企業の5社に1社が、労働問題を理由に韓国からの撤退を検討した経験があると回答している 34。
- 硬直的な解雇規制:
- 韓国の労働基準法は、労働者の保護に重点を置いており、解雇に対する規制が非常に厳しい。業績不振などを理由とする整理解雇(レイオフ)には、「経営上の緊急の必要性」や「解雇回避努力」など、極めて厳格な要件が課される 35。事実上、一度正規雇用した従業員を解雇することは極めて困難であり、これが事業の再編や撤退を迅速に行う上での大きな足かせとなっている 36。
- 急激な人件費上昇:
- 近年、政治主導で最低賃金が急激に引き上げられた結果、人件費コストが大幅に上昇している 18。これは、労働集約的な産業のコスト競争力を削ぐ要因となっている。
- 強力な労働組合と闘争的な労使関係:
- 規制環境のリスク:
- 複雑・不透明な規制:
- 在韓米国商工会議所(AMCHAM)をはじめとする多くの外国企業団体が、韓国の規制体系が複雑で不透明であり、グローバルスタンダードから乖離している点を長年にわたり指摘している 8。規制の解釈が担当官によって異なったり、予期せず変更されたりすることがあり、企業のコンプライアンスコストと不確実性を増大させている。
- 経営者に過度な負担を強いる法制度:
- 例えば、「週52時間労働制」は、研究開発など柔軟な働き方が求められる業種において、生産性向上の足かせになるとの批判がある 33。さらに、「重大災害処罰法」は、事業場で死亡事故などが発生した場合、安全管理体制の不備を理由にCEOなどの経営責任者個人に直接的な刑事責任(1年以上の懲役など)を問うものであり、経営者に極度のプレッシャーを与えている 33。
- 技術保護主義と審査の不確実性:
- 政府は先端技術分野への投資を誘致する一方で、「国家核心技術(NCT)」の海外流出を防ぐという名目で、関連技術を保有する企業への外国投資に対する審査を強化している 15。この「アクセルとブレーキの同時踏み」とも言える政策は、技術を核とするM&Aなどを検討する投資家にとって、手続きの遅延や不承認といった不確実性を高める要因となっている。
- 複雑・不透明な規制:
- 財閥中心の経済構造:サムスン、現代自動車、SK、LGといった巨大な財閥(チェボル)グループが、韓国経済の多くの分野で支配的な地位を占めている 43。この構造は、強力な国内企業との競争を強いられる外資系企業にとって、公正な競争環境を確保する上での障壁となることがある。また、財閥系企業はガバナンスの透明性や株主還元意識が低いと指摘されることもあり、これが海外の機関投資家から見た韓国市場全体の評価(いわゆる「コリア・ディスカウント」)の一因となっている 45。
これらのプッシュ要因が複合的に絡み合うことで、韓国での事業運営は予測が難しく、コストも高いものとなり、一部の企業にとっては事業の継続が困難になっている。
3-3. 地政学・政治リスク
韓国のビジネス環境を語る上で、避けて通れないのが地政学的および国内政治に起因するリスクである。これらのリスクは、企業の日常的なオペレーションから長期的な投資戦略に至るまで、広範囲に影響を及ぼす。
- 北朝鮮問題:
- 朝鮮半島の休戦状態は、依然として韓国が抱える最大かつ恒常的な地政学リスクである。北朝鮮によるミサイル発射や核開発といった挑発行為は、定期的に地域の緊張を高め、韓国の金融市場を不安定化させる要因となる 44。これは、投資家が常に意識せざるを得ない「カントリーリスク」の根源となっている。
- 米中対立の板挟み:
- 韓国は、安全保障を米国に依存する同盟国であると同時に、中国が最大の貿易相手国であるという、地政学的に極めて難しい立場に置かれている 47。この構造は、米中間の対立が激化する局面で、韓国企業や在韓外資系企業に深刻なジレンマをもたらす。その典型例が、2017年のTHAAD(高高度防衛ミサイル)配備問題である。韓国が米軍のTHAAD配備を受け入れたことに対し、中国は経済的な報復措置を発動。これにより、中国で大規模な事業を展開していたロッテグループをはじめとする多くの韓国企業が甚大な被害を受け、事業撤退を余儀なくされた 47。この経験は、地政学リスクが実体経済に直接的な打撃を与えうることを示す痛烈な教訓となった。
- 国内政治の不安定性:
- 韓国の国内政治は、保守と進歩の対立が激しく、政権交代によって経済政策が大きく揺れ動く傾向がある。この政策の一貫性の欠如は、長期的な視点で投資を行う企業にとって大きな不確実性要因となる。さらに、韓国では大統領の任期末期に権力基盤が弱体化する「レームダック」化や、スキャンダルによる政治的混乱が頻繁に発生する。特に、2024年末に発生した大統領による非常戒厳令の宣布と、それに続く弾劾訴追という事態は、政治リスクが極端な形で顕在化した例である 22。このような政治の麻痺や混乱は、投資家の信頼を著しく損ない、第2章で見たような短期的な資本流出の直接的な引き金となる 23。
かつて韓国は、高い経済成長率という「ハイリターン」が期待できたため、投資家は前述したような様々な「ハイリスク」を許容することができた 18。しかし、経済が成熟し低成長時代に入った現在、期待できる「リターン」は相対的に低下した。
一方で、労働、規制、政治といった「リスク」は依然として高いままである。このリスクとリターンのバランスの変化が、投資家の行動をより慎重かつ選別的にさせている。もはや、あらゆる分野で高いリターンが見込めるわけではないため、投資家はリスクに見合うだけの特別なリターンが期待できる分野(例えば先端技術)に投資を集中させるか、あるいはリスクが許容範囲を超える分野からは撤退するという、より厳しい判断を下すようになっている。
これが、現在の韓国で「投資流入」と「事業撤退」が同時に進行する根本的なメカニズムである。
表2:韓国の投資環境における主要な機会(プル要因)とリスク(プッシュ要因)
カテゴリー | 機会(プル要因) | リスク(プッシュ要因) | ||||
経済・産業 | ・世界トップレベルの先端産業クラスター(半導体、バイオ等) 12 | ・強固な経済ファンダメンタルズと高い技術力 7 | ・アジア市場へのゲートウェイとしての地理的優位性 31 | ・財閥(チェボル)中心の経済構造と競争環境 43 | ・中国などとのコスト競争の激化 8 | ・高い家計債務と内需の脆弱性 44 |
労働 | ・高い教育水準に支えられた優秀で熟練した労働力 12 | ・闘争的な労使関係と頻繁なストライキ 18 | ・硬直的な解雇規制と高い人件費 18 | ・週52時間労働制などの柔軟性を欠く労働法規 33 | ||
規制・法制度 | ・政府による積極的な投資誘致策と手厚いインセンティブ 8 | ・投資家保護に関する比較的高い評価 12 | ・複雑、不透明でグローバルスタンダードと乖離した規制 8 | ・重大災害処罰法など経営者に過度な責任を課す法制度 33 | ・国家核心技術保護を名目とした投資審査の強化 15 | |
政治・地政学 | ・米国との強固な同盟関係 8 | ・安定した治安と公共インフラ 8 | ・北朝鮮との軍事的緊張関係(カントリーリスク) 44 | ・米中対立の最前線という地政学的ポジション 47 | ・激しい国内政治対立と政策の非一貫性 23 |
第4章:総括と展望-「撤退」ではなく「選別と再編」の時代へ
これまで本レポートでは、韓国への外国直接投資(FDI)を巡る二つの相異なる物語、すなわち「記録的な投資流入」と「相次ぐ企業撤退」を、データと具体的な事例に基づいて多角的に分析してきた。
この章では、これらの分析を統合し、「韓国から外資系企業の撤退が続くは真実か否か」という当初の問いに対する結論を導き出すとともに、今後の展望と企業が取るべき戦略への示唆を提示する。
4-1. 結論:「全面的な撤退」は真実ではない
まず、当初の問いに対する直接的な答えを明確にしたい。「外資系企業が韓国から一斉に、かつ全面的に撤退している」という言説は、真実ではない。
第1章で示したように、FDIの申告額は4年連続で過去最高を更新しており、特に新たな雇用や生産設備を生み出すグリーンフィールド投資は力強く伸びている 1。これは、韓国が投資先としての魅力を失ったわけではなく、むしろ特定の戦略的分野においては、その重要性を増していることを客観的に示している。したがって、「外資総撤退」のような単純化されたシナリオは、データによって明確に否定される。
4-2. 新たな潮流-投資の「選別」と「再編」
では、報道される数々の撤退事例は何を意味するのか。本レポートが導き出す核心的な結論は、現在韓国で起きている現象は「撤退」という一方向の動きではなく、より複雑な「選別(Selection)」と「再編(Restructuring)」という双方向のダイナミズムであるということだ。
- 投資の「選別」:
- グローバル資本は、もはや韓国の投資機会を無差別に受け入れるのではなく、自社の戦略とリスク許容度に基づき、投資対象を厳しく「選別」している。韓国がグローバルな競争優位を持ち、政府が国策として強力に後押しする半導体、バイオ、二次電池といった「先端技術分野」には、第3章で見たような様々なリスクを乗り越えてでも、戦略的な資金が集中して流入している。これは、その分野でしか得られない高いリターンや戦略的価値が、リスクを上回ると判断されているからに他ならない。
- 事業ポートフォリオの「再編」:
- その一方で、高い人件費、硬直的な労働市場、厳しい国内競争、そしてグローバルスタンダードから乖離した規制の影響を強く受ける「労働集約的・内需依存的・規制影響型」の分野では、収益性の観点から事業の縮小、売却、あるいは完全な撤退といった「再編」が進んでいる。リテール金融や一部の消費者向けサービス、コスト競争力が求められる製造業などがこれに該当する 17。
つまり、「外資撤退が続く」という報道は、この「再編」の側面を切り取ったものであり、個々の事象としては事実であるが、韓国の投資環境の全体像を代表するものではない。真の姿は、グローバル資本が韓国という市場を舞台に、自らのポートフォリオをより高付加価値で戦略的な分野へと最適化している、というダイナミックなプロセスなのである。
4-3. 今後の展望と企業への示唆
この「選別と再編」の潮流は、今後も継続すると考えられる。韓国への投資動向は、韓国政府が第3章で指摘した構造的課題、特に「労働市場の柔軟性確保」と「規制のグローバルスタンダード化」という、政治的に極めて困難な改革にどこまで本気で取り組めるかに大きく左右されるだろう。
巨額のインセンティブという「アメ」を提供する一方で、厳しい規制という「ムチ」を振るう「アクセルとブレーキの同時踏み」の状態を解消し、一貫性のある政策シグナルを投資家に送ることができるか。政治的なリーダーシップが厳しく問われる局面である。
韓国への投資を検討、あるいは既に事業を展開している企業にとっては、以下の点が重要となる。
- 事業分野ごとの精密なリスク分析:
- 韓国を「単一の市場」として捉えることはもはや有効ではない。自社の事業が、韓国の強み(先端技術、優秀な人材)を活かせる分野なのか、それとも弱み(高コスト、硬直的労働・規制環境)の影響を強く受ける分野なのかを冷静に分析し、事業戦略を構築する必要がある。
- 先端技術分野の企業への示唆:
- 政府の強力なインセンティブは大きな追い風となる。これを最大限に活用しつつも、技術保護に関連する規制の動向や、地政学リスクがサプライチェーンに与える影響を常に注視し、機動的に対応できる体制を整えることが不可欠である。
- その他の分野の企業への示唆:
- 労働コストや規制遵守コストを事業モデルに正確に織り込み、それでもなお持続可能な収益性を確保できるかどうかが、事業継続を判断する上での生命線となる。コスト吸収が困難な場合は、事業規模の縮小や撤退も合理的な選択肢となり得る。
結論として、韓国は投資先として「安易な選択肢」ではなくなった。しかし、その技術力とグローバル経済における戦略的重要性を深く理解し、複雑なリスクを適切に管理できる企業にとっては、依然として他に代えがたい大きな機会を提供する「挑戦的で価値ある市場」であり続けるだろう。
韓国からの外資系企業撤退に関するよくあるQ&A
韓国からの外資系企業撤退に関する、よくあるQ&Aをあつめました。
Q1. なぜFDIの「申告額」と「実行額」には大きな差があるのですか?
A1. この差は、投資家が直面する「期待と現実のギャップ」を反映しています。投資家は、韓国のハイテク産業の集積、優秀な人材、そして政府が提示する手厚いインセンティブといった「マクロの魅力」に惹きつけられ、投資意欲を表明(申告)します。しかし、その後の詳細な事業計画やデューデリジェンスの段階で、硬直的な労働市場、複雑で不透明な規制、予測不可能な政治リスクといった「ミクロの課題」に直面することが少なくありません。これらのリスク要因により、当初の計画が遅延したり、規模が縮小されたり、最悪の場合は計画自体が中止されたりするため、実際に資金が送金・到着する「実行額」との間に大きな乖離が生まれるのです 1。
Q2. 日本企業による韓国への投資が急増しているのはなぜですか?
A2. 複数の要因が複合的に作用していると考えられます。第一に、近年の日韓関係の改善が、ビジネス環境に対する安心感を醸成し、投資を後押ししています。第二に、米中対立の激化を背景に、多くの日本企業がサプライチェーンの「脱中国依存(デリスキング)」を進めており、その中で地理的に近く、技術水準も高く、インフラも整っている韓国が、有力な代替生産・開発拠点として再評価されています。第三に、韓国が世界的な競争力を持つ半導体や二次電池といった先端産業のエコシステムに、部品・素材メーカーなどが参画する形での投資も活発化しています 1。
Q3. 外資系企業が韓国でビジネスを行う上での最大のリスクは何ですか?
A3. 一つのリスクに絞ることは困難ですが、多くの企業が共通して指摘するのは、事業環境の「予測不可能性」です。これには、主に3つの側面が含まれます。①強力な労働組合による突発的なストライキや、硬直的な解雇規制に代表される「労務リスク」 18。②グローバルスタンダードと異なり、解釈や運用が変わりうる複雑で不透明な「規制リスク」 8。③大統領選挙のたびに政策が大きく変わる可能性や、北朝鮮との緊張関係に起因する「政治・地政学リスク」 4。これらのリスクが複合的に絡み合い、安定的かつ長期的な事業計画の策定を困難にしている点が、最大の課題と言えるでしょう。
Q4. 韓国政府は投資誘致のためにどのようなインセンティブを提供していますか?
A4. 韓国政府は、世界的に見ても非常に手厚いインセンティブ制度を用意しています。特に、政府が指定する半導体、バイオ、二次電池といった「国家先端戦略技術」分野や、企業のR&Dセンターへの投資に対しては、投資額の最大50%を現金で支援する制度があります。さらに、2025年の一時的な措置として、この上限は最大75%にまで引き上げられます 28。その他にも、法人税や所得税を最長7年間減免する税制優遇、国有地や地方自治体所有地を最長50年間格安で賃貸する立地支援、そして事業に必要な設備や原材料(資本財)を輸入する際の関税免除など、税制、立地、資金の各方面で包括的かつ強力な優遇策を提供しています 8。
まとめ
「韓国からの外資撤退」という言説は、韓国の投資環境が持つ複雑な現実の一側面に過ぎない。公式データが雄弁に物語るのは、先端技術分野への記録的な投資流入であり、韓国がグローバルサプライチェーンにおいて不可欠な拠点であり続けているという事実である。しかし同時に、そのデータの裏側には、厳しい労働・規制環境を理由とした事業再編や、政治不安を嫌気した資本流出というもう一つの現実も存在する。
結論として、今起きているのは「全面的な撤退」ではなく、より高度な「投資の選別と再編」である。グローバル資本は、韓国の強みである先端技術には積極的に投資する一方で、構造的な課題を抱える分野からは距離を置き始めている。この二極化こそが、現代の韓国投資環境の真の姿だ。今後の韓国は、国内の構造改革という難題に立ち向かい、地政学的な荒波の中でいかに投資家の信頼を維持していくか、その真価が問われる正念場を迎えている。
参照情報
- 2024年の対内直接投資、申告ベースで過去最高を記録(韓国) | ビジネス短信 – ジェトロ
https://www.jetro.go.jp/biznews/2025/01/15efab785c59c88e.html - FDI Trends in Korea | InvestKOREA(ENG)
https://www.investkorea.org/ik-en/cntnts/i-3016/web.do - FDI pledges to Korea reach historic high in 2024
https://www.korea.net/Government/Briefing-Room/Press-Releases/view?articleId=7780&type=O&insttCode= - Korea’s FDI hits all-time high in 2023 on improved environmentView Details | Investment News
https://ombudsman.kotra.or.kr/ik-en/bbs/i-5073/detail.do?ntt_sn=492556 - FDI in 2024 sets record for 4th straight year with USD 34.57B – Korea.net
https://www.korea.net/NewsFocus/Business/view?articleId=264647 - FDI pledges to S. Korea hit record high in 2024 on rise in manufacturing sectorView Details | Investment News
https://ombudsman.kotra.or.kr/ik-en/bbs/i-465/detail.do?ntt_sn=492794 - 持続的に成長する安定的な経済 | InvestKOREA(JPN)
https://www.investkorea.org/ik-jp/pgm/i-672/statistics/front/list.do?clickArea=jpmain00022 - 2024 Investment Climate Statements: South Korea – State Department
https://www.state.gov/reports/2024-investment-climate-statements/south-korea/ - 尹大統領、外資系企業と規制緩和及びインセンティブについて協議 詳細を見る | 韓国進出の成功事例
https://www.investkorea.org/ik-jp/bbs/i-835/detail.do?ntt_sn=490906 - 外国人直接投資の誘致強化へ 現金支援は昨年の4倍に=韓国政府 – 朝鮮日報
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2024/03/05/2024030580093.html - FDI pledged to Korea in Q1–Q3 reach historic $25.2 bln
https://www.korea.net/Government/Briefing-Room/Press-Releases/view?articleId=7595&type=O&insttCode= - Foreign direct investment (FDI) in South Korea – Stanbic Bank TradeClub
https://www.tradeclub.stanbicbank.com/portal/en/market-potential/south-korea/investment - South Korea Foreign Direct Investment | Historical Chart & Data – Macrotrends
https://www.macrotrends.net/global-metrics/countries/kor/south-korea/foreign-direct-investment - KOTRA woos foreign investors at Lam Research Korea – The Korea Times
https://www.koreatimes.co.kr/business/companies/20250207/kotra-woos-foreign-investors-at-lam-research-korea - Foreign direct investment reviews 2024: Republic of Korea | White & Case LLP
https://www.whitecase.com/insight-our-thinking/foreign-direct-investment-reviews-2024-republic-korea - Foreign direct investment reviews 2025: Republic of Korea | White & Case LLP
https://www.whitecase.com/insight-our-thinking/foreign-direct-investment-reviews-2025-republic-of-korea - [News Focus] Why are foreign financial firms pulling out of South …
https://www.koreaherald.com/article/2603911 - 韓国46%の製造業が撤退 外資が続々と「脱韓国」その理由は何か? – 北朝鮮ニュース
https://www.koreaworldtimes.com/topics/news/10748/ - BMWが仁川から撤退 – 3万2千人の労働者が失業、韓国のサプライチェーンが麻痺!大阪がアジアの新たな中心となる。。。 – YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=iNVrXXnF86k - 韓国経済が「揺れている」!数兆円規模の取引が即時キャンセル!三菱 – YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=s1uKCGM7cJE - 徴用工判決で日本企業から「韓国撤退」思わせる動きも発生https://www.news-postseven.com/archives/20181114_801532.html/2
- Foreign Investors Pull Back Sharply from South Korean Financial Sector After Emergency Declaration | Be Korea-savvy
http://koreabizwire.com/foreign-investors-pull-back-sharply-from-south-korean-financial-sector-after-emergency-declaration/300045 - Foreign investors pull $4.2 bn from S. Korea in largest outflow since 2020
https://www.chosun.com/english/market-money-en/2025/01/16/6FNJ5BNO3BDADP7JFWXI5KJZ5E/ - Foreign investors withdraw funds from South Korean stock market for seventh month
https://biz.chosun.com/en/en-policy/2025/03/12/C7ZDH6H2CJAY3EWBWZQGY4SY3Q/ - South Korea’s Foreign Direct Investment hit a record high (24.1Q) – YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=UOMIsVIbkbY - Korea – Digital Economy – International Trade Administration
https://www.trade.gov/country-commercial-guides/korea-digital-economy - Foreign Investment Promotion – KOTRA 무역자료실
https://dl.kotra.or.kr/pyxis-api/1/digital-files/3f242693-b5d0-4e8f-aa05-310c8d15a0d7 - Korea’s Cash Subsidies and Tax Incentives: What Foreign Investors Need to Know in 2025
https://chambers.com/articles/korea-s-cash-subsidies-and-tax-incentives-what-foreign-investors-need-to-know-in-2025 - Up to 75% in Cash Grants for Foreign Investment from 2025 – Kim & Chang
https://www.kimchang.com/en/insights/detail.kc?sch_section=4&idx=31197 - Incentives | InvestKOREA(ENG)
https://www.investkorea.org/ik-en/cntnts/i-5006/web.do - CBRE Korea: Foreign Investment in Korean Commercial Real Estate …
https://www.cbre.co.uk/press-releases/korea-in-and-out-2024 - 加速する「脱韓国」 韓国から撤退した外資系企業は3倍に【世界イッキ見】 – FNNプライムオンライン
https://www.fnn.jp/articles/-/86249?display=full - Analysis: Can South Korea become alternative to China for global firms? – UPI.com
https://www.upi.com/Top_News/World-News/2025/03/10/South-Korea-South-Korea-alternative-China-global-firms/8441741620077/ - 韓国駐在の外国企業、「労働問題で撤退考えた」=約18 – NNA ASIA
https://www.nna.jp/news/546114 - Employment and Labour Laws and Regulations 2025 | Korea – Global Legal Insights
https://www.globallegalinsights.com/practice-areas/employment-and-labour-laws-and-regulations/korea/ - Editorial: Outbound investments and brain drain threaten S. Korea’s growth potential
https://www.chosun.com/english/opinion-en/2024/11/22/TVENTYIN7BEGTAHCYPSQT7XE7M/ - 10 Things Employers Should Know About Korean Labor Law | Littler
https://www.littler.com/news-analysis/asap/10-things-employers-should-know-about-korean-labor-law - Foreign investment in South Korea – Santandertrade.com
https://santandertrade.com/en/portal/establish-overseas/south-korea/foreign-investment - 2023 Investment Climate Statements: South Korea – State Department
https://www.state.gov/reports/2023-investment-climate-statements/south-korea/ - South Korea – Market Challenges – International Trade Administration
https://www.trade.gov/country-commercial-guides/south-korea-market-challenges - South Korea | Paul Hastings LLP
https://www.paulhastings.com/insights/practice-area-articles/south-korea - When is foreign too foreign? Korea’s takeover tensions – The Korea Herald
https://www.koreaherald.com/article/10488314 - Economic Crisis and Chaebol Reform in Korea – Phil-Sang Lee Discussion Paper No. 14 – Columbia Business School
https://business.columbia.edu/sites/default/files-efs/imce-uploads/PFS/APEC_New/PSLee.PDF - South Korea: Country File, Economic Risk Analysis | Coface
https://www.coface.com/news-economy-and-insights/business-risk-dashboard/country-risk-files/south-korea - 勢いに欠ける韓国の株価 ― 海外投資家の少なさや財閥による支配などが重石 ―|日本総研
https://www.jri.co.jp/page.jsp?id=107695 - Economy of South Korea – Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Economy_of_South_Korea - Korea’s economy faces looming challenges amid political turmoil | PIIE
https://www.piie.com/blogs/realtime-economics/2025/koreas-economy-faces-looming-challenges-amid-political-turmoil - South Korea: New challenges
https://economic-research.bnpparibas.com/html/en-US/South-Korea-challenges-2/11/2025,51312 - 韓国企業の中国事業の明暗(2)相次ぐ在中韓国系企業の撤退 | 韓国企業の海外展開の今と新たな挑戦 – 特集 – 地域・分析レポート – 海外ビジネス情報 – ジェトロ
https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/special/2025/0101/091f587efd2a776b.html - Yoon’s Martial Law Declaration Was Bad. What He Did Next May Have Been Worse.
https://thediplomat.com/2025/03/yoons-martial-law-declaration-was-bad-what-he-did-next-may-have-been-worse/ - Nearly 1 mil. businesses closed in 2023 due to weak domestic demand – The Korea Times
https://www.koreatimes.co.kr/economy/20240715/nearly-1-mil-businesses-closed-in-2023-due-to-weak-domestic-demand
コメント