「最近、Googleアカウントのログインに“パスキー”が推奨されています」などと、ちょいちょい言われる。Googleにね(笑)。
でも、そう言われても、「それって何?パスワードと何が違うの?」と思った方も多いはず。
ITに詳しくない人にとって、新しい技術はハードルが高く感じられるものです。でもご安心を。
この記事では「パスキー」の基本から、なぜGoogleがこの仕組みを勧めているのか、そして誰にでも簡単に設定できる方法まで、やさしく丁寧に解説していきます!
- パスキーとは何か?パスワードとの違い
- Googleアカウントでのパスキーの設定手順
- セキュリティ面での利点と注意点
パスキーとは?パスワードと、どう違う?
まずは、はじめの一歩、「パスキーとは?」を解説しますね。
パスキーの基本概念を知ろう!
パスキーとは、「従来の文字列によるパスワード」の代わりに、「端末や生体認証(指紋・顔認証など)を使ってログインする新しい認証方式」です。つまり…
もう「パスワードを覚える必要がなくなる仕組み」です。しかも…
指でタッチしたり、顔を見せるだけで、「安全にログインできる」ようになります。
パスワードとの主な違いは?
パスワードはユーザーが覚える必要がありますが、パスキーはデバイスに保存されるため、覚える必要がありません。そのため、フィッシング対策にも強いです。
フィッシング対策について、追加情報が必要な場合は、次の「アコーディオン」を開いてね。
★フィッシング対策とは?
「フィッシング対策」とは、悪意のある第三者からの詐欺的なメールやWebサイトによって、あなたのパスワードやクレジットカード情報などを盗まれないようにするための予防措置・対策のことです。
★なぜフィッシング詐欺は怖いのか?
- 本物そっくりの銀行や通販サイト、GoogleやAppleなどを装った偽サイトに誘導され、ログイン情報を入力させる手口。
- 一度でも入力してしまうと、乗っ取り・不正利用・個人情報流出などの深刻な被害につながります。
★主なフィッシング対策は?
- メールやSMS内のリンクを安易に開かない
→ 本物に見えても偽リンクである可能性があります。 - URLを必ず確認する
→ 正規のドメイン(例:google.com
)以外の文字列が含まれていないか要チェック。 - パスキーや2段階認証を使う
→ パスワードを入力しなくてもログインできる「パスキー」や、「スマホに通知が来る」2段階認証が非常に有効です。 - セキュリティソフトを導入する
→ 悪質なサイトを自動でブロックする機能があるため、安心感が高まります。 - Googleやブラウザのセキュリティ機能を有効化
→ Chromeなどの最新ブラウザには、フィッシング検出機能が搭載されています。
★まとめ
フィッシング対策とは、だまされて「自分で情報を渡してしまう」のを防ぐこと。
技術だけでなく、日々のちょっとした注意と知識が最大の防御になります。
なぜ今、パスキーが注目されているのか?
2023年以降、Google、Apple、Microsoftといった世界的な大手IT企業が一斉に採用・推進し始めたことで、パスキーは一気に注目を集めるようになりました。
実はパスキーは、Google独自の技術ではなく、「FIDOアライアンス」という国際的な業界団体が提唱する新しい標準規格に基づいています。
この共通規格のおかげで、iPhone・iPad・Mac(Apple)やWindows(Microsoft)でも互換的に使える仕組みが整いつつあります。
パスキーが注目される最大の理由は、「セキュリティ」と「使いやすさ」を同時に実現できる点。
面倒なパスワード管理が不要になり、しかもフィッシングにも強いため、今後ますます普及が進むと見られています。
- FIDOアライアンス(Fast IDentity Online)は、Google・Apple・Microsoftも加盟する非営利団体。
- パスキー(passkey)は、そのFIDO標準を「ユーザーにとってわかりやすくした呼び名」。
- 技術的には「公開鍵暗号+生体認証」の組み合わせ。
利用できるデバイスと条件
スマホ(iPhone、Android)やパソコン(Windows、Mac)で、指紋認証や顔認証が使える端末であれば、基本的に利用できます。
同じことですが、逆に言うと、指紋認証や顔認証などが使えない端末では利用不可となります。
たとえば、AppleユーザーがGoogleのパスキーを設定する意味は?
Appleユーザーならば、「Face IDやTouch ID使えてるのに、なんでGoogleのパスキーまで設定しなきゃいけないの?」と疑問に持ちませんか? それでも、Googleのパスキーを別途に設定するのには意味があるのです。それは…
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Apple製品(iPhone、iPad、Mac)では、すでにFace IDやTouch IDを使った生体認証ログインが可能です。実際、Appleも独自にパスキー機能を導入しています。
しかし、AppleのパスキーはApple製サービス(iCloudやSafariの自動ログインなど)に特化したものです。
一方、Googleのパスキーは、Googleアカウント(Gmail、Google Drive、YouTubeなど)へのログイン認証をより安全に・スムーズに行うためのものです。
つまり、Appleユーザーであっても、Googleサービスを使っているなら「Googleのパスキー」は別途設定する必要があります。「従来のパスワード無しで、安全なログインを実現する」ために…です。
もちろん、設定に使うのはiPhoneやMacのFace IDやTouch IDなので、体感としてはこれまで通り──でも、セキュリティは一段と強化されます。
例えて言うならば、「Appleの顔認証でiPhoneのロックを解除すること」と、
「その顔認証を使ってGoogleアカウントに安全にログインすること」は、似ていても目的が違う──ということですね。
Googleアカウントにパスキーを設定する方法
パスキーの概略を理解した上で、次は、パスキーの設定方法です!
事前準備:対応端末を確認しよう
パスキーを使うには、生体認証やPINの設定された端末が必要です。
スマホやPCで事前にFace IDや指紋認証を有効にしておきましょう。
Googleのパスキー設定ページにアクセス
以下のURLにアクセスします:こちらから
ここで「パスキーを作成」ボタンをクリックします。
画面の指示に従って認証
デバイスの生体認証やPINコードによる本人確認が求められます。問題なければ数秒で登録が完了します。
複数端末の設定も可能
スマホ・タブレット・PCなど複数の端末にパスキーを登録できます。新しい端末でもスムーズにログインできます。
リカバリーPINコードについて!
パスコード作成の最初の段階で「リカバリーPINコード」の入力が求められます。
この「リカバリーPINコード」について簡単に説明しますね。
リカバリーPINとは何か?
リカバリーPINコードは、Googleのパスキーを使う際に、生体認証が使えないときの代替手段として利用するものです。
例えば、指紋が読み取れない、Face IDが動作しないといった場面で、このPINコードが活躍します。
ただし、普段の利用では生体認証でスムーズに認証されるため、PINを使う機会、可能性はごくわずかかもしれません。
数字のみ or 英数字?どちらを選ぶべき?
PINコードには、以下の2つの設定方式があります。それは「オプション」のボタンから選べます。
- 数字のみ(6桁)
- 英数字(4桁以上最大64桁)
セキュリティの観点からは、「英数字(特に大文字・小文字を混在)」での設定がおすすめです。
暗記が難しい場合は、パスワード管理アプリ(例:Keeper、1Passwordなど)に保存しておくのが現実的です。
PINコードの安全な管理方法
PINコード単体では、誰かがそれを知っても、そのデバイスがなければ何もできません。つまり、PINだけが盗まれても心配はいりません。
しかし、万が一、スマートフォンやPCなどの端末本体が盗まれ、かつPINコードも一緒に知られてしまった場合は、Googleアカウントへの不正アクセスが可能になる恐れがあります。
そのため、PINは次のように管理しましょう:
- 端末とは別の場所に保管する
- スマホにメモ画像として保存しない
- 紙に書くなら「PINコード」などと書かず、暗号的に保管する
- パスワード管理ソフトを活用する(推奨)
複数デバイスでのPINコード管理は?
iPhone、iPad、Macなど複数のデバイスでGoogleパスキーを使う場合、それぞれの端末ごとにPINコードを設定できます。
- 同じPINを使い回すことも可能ですが、それは自己責任となります
- セキュリティを強化するなら、デバイスごとに異なるPINコードを設定するのが理想です
いずれにせよ、「安全な保管」と「忘れない工夫」が重要です。
リカバリーPINコードの要点まとめ
- リカバリーPINは、パスキーの生体認証が使えないときの代替手段
- PINだけでは悪用されないが、端末とセットで盗まれたら危険
- 英数字のPINがおすすめ(大文字・小文字混在で強化)
- パスワード管理アプリでの保存や、別途安全な保管を推奨
パスキーの安全性は?安心して使えるの?
次に、パスキーの安全性について理解しましょう!
フィッシング攻撃に強い理由
パスキーは、登録された端末からしか使えず、入力することもないため、偽サイトにだまされるリスクが激減します。
情報漏洩のリスクも軽減
サーバー側にパスキーの秘密情報は保存されません。万が一情報が流出しても、他の人が悪用することができません。
デバイスをなくしたらどうなる?
紛失しても、他の登録端末やバックアップコードでアカウントを回復可能です。
つまり、事前に複数端末にパスキーを設定するのが安心です。
パスキーのデメリットは?
共用端末では使いにくい点や、まだ一部のサービスでは非対応など、完全移行には少し時間が必要です。
困ったときの対処法&よくある質問
次は、困ったときのF&Q、「よくある質問」です!
Q1. Googleパスキー(以下、パスキーと記す)の利用範囲は?
Googleのサービスを利用する際に、ログインが容易かつ安全になります。Googleパスキーで、ネットの買い物などや預金の入出金などが安全になるということではありません。
Q2. パスキーって必ず設定しないといけませんか?
いいえ、現時点では任意です。従来のパスワードも引き続き使用可能です。
Q3. スマホをなくしたらパスキーはどうなる?
他の端末にパスキーを登録していれば、そちらからログインできます。事前に複数端末に登録しておくと安心です。
Q4. パスキーはどのブラウザで使えますか?
Google Chrome、Safari、Microsoft Edge など主要ブラウザに対応しています。
Q5. 共用パソコンでもパスキーは使えますか?
基本的に非推奨です。パスキーは個人認証に特化しているため、共用端末ではパスワードのほうが安全です。
Q6. パスキーの削除はできますか?
はい、Googleの「パスキー管理ページ」からいつでも削除可能です。
Q7. 家族のスマホでも使えるようにできますか?
いいえ。パスキーは生体情報など「本人認証」が前提なので、他人との共有はできません。
Q8. パスキーが使えないときは?
デバイス側の設定(生体認証など)を確認し、ChromeやSafariが最新版かチェックしましょう。
Q9. 従来のパスワードには戻せるの?
はい。共有デバイスでパスキー設定してしまったときには、必要に応じて従来のパスワード認証に切り替えることも可能です。
Q10. 職場アカウントでも使える?
Google Workspaceなど一部のビジネスアカウントでも利用可能ですが、管理者の設定が必要な場合があります。
Q11. 某メーカーの腕時計でSuica設定をしている。そのSuicaではチャージをGoogle Payから出来るようにしてある。この場合、この腕時計にもパスキー設定が必要?
Googleアカウントへのログインや認証は、iPhoneやPCなどの“親デバイス”側で行うため、その時計端末にパスキーを直接設定する必要はありません。
まとめ
Googleのパスキーは、これまでの「覚える・打ち込む」パスワードとはまったく異なる、新しい時代の認証方式です。
Googleが推奨する背景には、セキュリティ強化と利便性の両立という明確な理由があります。
最初は少し戸惑うかもしれませんが、設定はとても簡単で、一度導入すればその便利さと安心感を実感できるはず。
ぜひこの記事を参考に、あなたのGoogleアカウントでもパスキーを活用してみてください。
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