墓じまいっていくらかかる？「墓じまいとは」から「お寺との交渉ポイント」までを解説！

まず、結論です。

諸条件はいろいろありますが…

• 「墓じまい」に掛かる費用は、「20〜200万円」が相場です。

「こんなに幅があると相場としても意味が無いね！」と思っているあなた…

「墓じまい」の費用を理解するポイントは納骨です。

すなわち、今のお墓にある遺骨をどうするかにあります。

詳細は本文に譲りますが、今のお墓を閉じる（墓石を撤去・処分・整地して返す）だけなら費用相場は…

• 20〜40万円

つまり、「今のお墓にある遺骨をどうするか」という「納骨の選択肢」によって、「墓じまい」に掛かる費用相場の幅は大きくなってしまうのです。

「墓じまい」をするにあたっては、「今のお墓にある遺骨をどうするか」という「納骨の選択肢」を決めて、その費用も見積もりを取るなどして、総額をしっかり把握しましょう。

この記事では、墓じまいの費用の考え方や費用の内訳と相場、お寺との交渉のポイントなどについて紹介しますね！

墓じまいの費用はいくら？内訳と相場

墓じまいには、さまざまな費用が発生します。

その内訳を理解し、それぞれの相場を把握しましょう。

費用は地域やお墓の規模、宗派などによって異なりますが、一般的な相場を知ることで予算の見通しが立ちやすくなります。

• 墓じまいにかかる費用（相場）
• 費用の内訳（撤去費用・離檀料など）
• 墓じまいの費用が変動する要因

上記のポイントを押さえることで、無駄な出費を防ぎ、計画的に墓じまいを進めることができます。

それでは、具体的な費用について詳しく見ていきましょう。

なお、参考文献としては、こちらもお薦めです。

墓じまいにかかる費用（相場）

墓じまいにかかる費用の相場は、どのくらいでしょうか？

冒頭に書いた相場を再掲します。

• 「墓じまい」に掛かる費用は、「20〜200万円」が相場です。

この費用ですが、大きく２つに区分できます。それは…

それぞれの相場は次の通りです。

• [1] の相場は、20〜40万円」

[1] 今のお墓の撤去費用
費用内訳	相　　場
墓石撤去費（撤去・処分・整地）	10〜15万円/㎡
開眼供養料（読経のお布施）	3〜5万円
離檀料（檀家を離れる謝礼）	5〜20万円
行政手続料（納骨証明書など）	0〜0.1万円

• [2] の相場は、3〜160万円」

[2] 墓じまい後の選択肢別費用
費用内訳		相　　場
選択肢別初期費用	一般的な墓へ納骨	100〜160万円
	納　骨　堂	10〜150万円
	樹　木　葬	5〜150万円
	永代供養墓	20〜100万円
	散　　　骨	3〜40万円
開眼供養（お布施）	一般的な墓への納骨	3〜5万円
行政費用	改葬許可申請書等	0〜0.3万円

[2]の「納骨の選択肢」によって費用総額が大きく変わります。

事前に見積もりを取り、予算をしっかり把握することが大切ですね。

参考情報：墓じまいに至る経緯を考える

墓じまいの費用総額を把握する上では、「納骨の選択肢」がポイントであることはご理解いただけたでしょうか。

なぜ、墓じまいしようと思い至ったのか…。

このことから発想すると、「納骨の選択肢」は限られてくるのかもしれません。

「墓じまい」の事例を２つ挙げます。

これは、「納骨の選択肢」を狭めようとするものではなく、これを読むあなたにしっかりとイメージしていただきたいというための参考情報です。

「墓じまい」を迫られる状況を勘案すると、「墓じまい」したあとの選択肢として、別のお寺に新しい墓を作ったりすることは考えにくい場合が多いかもしれません。

費用の内訳について

この記事で扱う墓じまいの費用は、「墓石撤去費（撤去・処分・整地）」「お布施（閉眼供養料、開眼供養料）」「離檀料」「行政手続料」「納骨の選択肢に掛かる費用」です。

それぞれ、「費用項目の内容」を、もう少し説明しますね。

墓石撤去費

墓石撤去費とは、墓石の解体および廃棄処分、墓地を更地化してお墓の管理者に返還する一連の作業に掛かる費用です。

これについては専門業者に頼むしかありませんが、1㎡あたりの平均費用は10〜15万円が相場とされています。

当然、地域や施工方法、墓地の状況などによっては、費用が高額になる可能性があります。

墓石の撤去・処分の費用に関する注意点は次のようなことがあります。

• お墓の大きさや立地条件、墓地の状況などによって料金が変動
• 解体された石材、鉄筋、コンクリートガラ、残土などは、それぞれ分別した上での処分を要する
• 墓石を処分するには、都道府県に許可された業者による正式な手続きが必要
• 信頼できる業者を選ぶには、産業廃棄物収集運搬業の許可を得ているか確認したり、マニフェストを発行してくれるかを確認する

なお、どの専門業者に頼むかという点については、事前にお寺と交渉が必要になる場合がありますが、事前に、しっかりと見積もりを取りましょう。

お布施（閉眼供養料・開眼費用）

故人の霊が宿ったお墓を元に戻す際に、僧侶が読経供養をします。

これが「閉眼供養」で、僧侶に渡すお布施の用意が必要となります。また…

「墓じまい」で受け取った遺骨を一般的な墓などに納骨（改葬といいます）ときにも、僧侶が読経供養をします。

これが「開眼供養」で、これも僧侶に渡すお布施の用意が必要となります。

これらのお布施の金額ですが、相場は3〜5万円と言われています。

また、戒名の格によって、この供養料が変わる場合もあるかもしれません。

直接、お寺に閉眼供養料や開眼供養料を問い合わせることをお薦めします。

離檀料

お寺に檀家としてお墓を管理してもらっていた場合に、檀家を抜ける（離檀する）ことに伴う、謝礼的な費用です。

相場は、5〜20万円とされていますが、お寺や地域によって異なります。

離檀料は、お寺との話し合いで決まるため、事前にしっかりと確認しておくことが重要です。

行政手続料

今のお墓に埋葬されている遺骨を、証明する書類で、埋葬証明書は法律で提出義務が課せられています。

現在のお墓の管理者に依頼すると発行してもらえます。

管理者や自治体によって異なりますが、300〜1500円程度です。

納骨の選択肢に掛かる費用

納骨の選択肢については、５つ挙げさせていただきました。

それぞれ簡単に内容説明します。

墓じまいの費用が変動する要因

墓じまいの費用は、さまざまな要因によって大きく変動します。

• お墓の立地：山間部や遠方にあると費用が高くなる
• 墓石の大きさ：大型の墓石ほど撤去費用が高額
• お寺の規定：離檀料の有無や額は寺院ごとに異なる

これらのポイントを踏まえて、事前にお寺や石材業者と相談すると、予算を適切に抑えることができます。

そもそも墓じまいとは？基本知識と流れを解説

さて、墓じまいに掛かる費用を説明しましたが、ここで「そもそも論」です。

墓じまいとは何か・・・について、簡単に説明しますね。

墓じまいとは、先祖代々のお墓を撤去し、遺骨を別の場所へ移す手続きのことを指します。

近年、管理負担の軽減や後継者不在を理由に墓じまいを選ぶ人が増えています。

墓じまいを進める際には、必要な手続きや流れを理解しておくことが重要です。準備を怠るとトラブルにつながることもあります。

• 墓じまいの意味と目的
• 墓じまいの一般的な流れ
• 墓じまいを決める前に考えるべきこと

これらのポイントを押さえておけば、スムーズに墓じまいを進めることができます。

それでは、まず墓じまいの意味と目的について見ていきましょう。

墓じまいの意味と目的

そもそも墓じまいとは、どのような意味を持つのでしょうか？

墓じまいとは、管理が難しくなったお墓を撤去し、遺骨を新たな供養先へ移すことを指します。

近年、少子化や核家族化の影響で、お墓を継承する人がいないケースが増えています。

墓じまいを行う目的には、以下のようなものがあります。

• お墓の維持・管理の負担を減らすため
• 後継者がいないため、お墓を整理するため
• よりアクセスしやすい場所へ移転するため
• 永代供養墓などに改葬し、家族の負担を減らすため

こうした理由から、墓じまいを検討する家庭が増えています。

墓じまいの一般的な流れ

墓じまいは、いくつかの手順を踏んで進める必要があります。

事前に流れを把握し、スムーズに進める準備をしましょう。

以下、墓じまい後に改葬することを前提にポイントを列挙します。

• 親族の同意を得る（兄弟や親族と話し合いをする）
• お寺や墓地管理者に相談（墓じまいの意向を伝える）
• 改葬先を決める（新たな納骨先を選ぶ）
• 改葬許可証を取得（自治体の手続きが必要）
• 閉眼供養を行う（僧侶に依頼し、お墓を閉じる儀式を行う）
• 墓石の撤去・更地化（業者に依頼し、墓地を原状回復する）

これらのステップを順番に進めることで、墓じまいを円滑に完了できます。

墓じまいを決める前に考えるべきこと

墓じまいを決断する前に、いくつかの重要なポイントを考慮する必要があります。

これも改葬を前提にリストしました。

• 親族間の合意：兄弟や親族と十分に話し合う
• 離檀料の有無：お寺に事前に確認し、費用を把握する
• 遺骨の行き先：新しい納骨先や供養方法を決める
• 補助金や助成金：自治体の支援制度を活用できるか調査する

このような点を事前に考えておくと、墓じまいをスムーズに進めることができます。

墓じまいの費用を抑える3つの方法

墓じまいにはまとまった費用がかかりますが、工夫次第でコストを抑えることが可能です。無駄な出費を避けるために、以下の3つの方法を活用しましょう。

• 業者選びで費用を抑えるコツ
• 公営霊園や永代供養を活用する
• 補助金や助成金を利用する

これらの方法を取り入れれば、負担を軽減しながらスムーズに墓じまいを進められます。

それでは、具体的な節約方法を詳しく見ていきましょう。

業者選びで費用を抑えるコツ

墓じまいの費用を節約するには、適切な業者選びが重要です。

• 複数の業者から見積もりを取る：最低でも3社以上の見積もりを比較する
• 地元の石材店を活用する：地域密着型の業者は料金が比較的安い
• パッケージプランを利用する：撤去費用や供養がセットになったプランを検討する

適切な業者を選ぶことで、無駄な出費を抑えることができます。

公営霊園や永代供養を活用する

お墓の移転先を選ぶ際に、公営霊園や永代供養墓を利用すると費用を抑えられます。

• 公営霊園：自治体が運営しているため、民間霊園よりも使用料が安い
• 永代供養墓：管理費不要で、お寺や霊園が供養を続けてくれる
• 合祀墓（ごうしぼ）：他の遺骨と一緒に埋葬されるため、費用が大幅に抑えられる

「お墓の管理を後世に残したくない」という人には、永代供養墓がおすすめです。

補助金や助成金を利用する

自治体によっては、墓じまいに関する補助金や助成金を提供していることがあります。

• 自治体の公式サイトをチェック：地域ごとに補助金制度が異なる
• 補助の対象を確認：墓石撤去費用や改葬費用の一部が支給されるケースも
• 事前申請が必要：補助金は申請前に工事を始めると適用されないことが多い

ただし、現状では、助成を実施している自治体は少ないようです。

次の記事を参照ください。

お寺との離檀交渉の進め方と注意点

墓じまいをする際、お寺との「離檀交渉」は避けて通れません。スムーズに進めるためのポイントを押さえておきましょう。

お寺によっては離檀料が必要な場合や、交渉の仕方によってトラブルに発展するケースもあります。

• 離檀交渉を始めるタイミング
• 円満に交渉するためのポイント
• トラブルを避けるための注意点

離檀交渉は慎重に進めることが重要です。それでは、まず交渉を始めるタイミングについて見ていきましょう。

離檀交渉を始めるタイミング

離檀交渉は、墓じまいの計画を立てたら早めに進めるのがベストです。

• 墓じまいの6ヶ月～1年前：親族と相談し、お寺に連絡する
• 離檀を正式に伝える：できるだけ直接お寺を訪問し、誠意をもって説明する
• お布施や離檀料を確認：必要な費用を事前に把握する

特に、離檀料の有無や金額についてはお寺によって異なりますので、事前に確認しましょう。

円満に交渉するためのポイント

離檀交渉は、お寺との関係を考えながら慎重に進めることが大切です。

• 感謝の気持ちを伝える：これまでのお世話に対して丁寧にお礼を述べる
• 穏やかに話す：強引な態度はトラブルの元。誠意を持って話す
• 閉眼供養を依頼する：お寺で供養を行い、円満にお墓を閉じる
• 第三者に相談する：交渉が難航した場合、専門家（行政書士など）に相談する

離檀料についても、法外な金額を請求された場合は冷静に対応しましょう。

トラブルを避けるための注意点

離檀交渉では、トラブルが発生することもあります。事前にリスクを把握しておきましょう。

• 高額な離檀料を請求される：相場は3万～20万円。明確な根拠がない場合は確認を
• 遺骨の引き渡しを拒否される：お寺が不当に拒否する場合、法律相談を検討
• 契約内容を事前に確認：墓地の利用契約に「離檀料」の記載があるかチェック
• 無理に交渉を進めない：難しい場合は、行政書士や弁護士に相談する

万が一、離檀料を支払うまで遺骨を渡してもらえないなどの問題が発生した場合は、法的な対応も視野に入れましょう。

墓じまいに関するお薦め本です。

まとめ

今回は、墓じまいにかかる費用の相場や内訳、お寺との交渉ポイントを紹介しました！

墓じまいには、撤去費用や離檀料などのさまざまな費用がかかりますが、業者選びの際の相見積もりやお寺との交渉をしっかりやることで、コストを抑えられます。

とくに、お寺との離檀交渉では、感謝の気持ちを伝えながら話を進めることが円満な解決につながります。

また、「墓じまい」で受領した遺骨をどうするかという「納骨の選択肢」によって、墓じまいに掛かる費用総額が大きく変わることも説明しました。

あなたが今、「墓じまい」を考えている状況や、これからどうしたいのかということを考えて、「墓じまい」を計画してください。

この記事が少しばかりでもお役に立てれば幸いです。

スムーズに進めるためにも、事前準備をしっかり行い、負担を減らす方法を検討しましょう。