森永卓郎氏がライザップで糖尿病を克服?『モリタクの低糖質ダイエット』の3つの問題点!

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経済アナリストの森永卓郎氏が永眠。ご冥福をお祈りします。

2016年7月、森永卓郎氏は『モリタクの低糖質ダイエット』という本を出版しました。副題は「ぶっちぎりのデブが4カ月で19.9kg減!」というものです。

2014年に糖尿病を宣告された筆者 taoは、この本を即購入。糖尿病を宣告されてから、この「モリタク本」を読むまでのおよそ2年間で、筆者は主に医者が書いた糖尿病関係の書籍を50冊ほど読んでいました。そして、この「モリタク本」を読んで「内容は、なるほどと思い賛同する部分が多いものの、危ない本だな」と感じたのです。

森永卓郎氏の本は『ザイム真理教』を始め、いろいろ読んでいますが、それぞれ良い部分がたくさんあります。しかし、この『モリタクの低糖質ダイエット』には問題があります。とくに、この本を「単なるダイエット本」としてではなく、「糖尿病対策本」という視点として読む場合は、具体的には3つの問題点をあげることができます。

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  • 医師などの専門家の監修が明記されていないこと
  • ライザップの宣伝本のような内容であること
  • 糖尿病は完治できると誤解される内容であること

今回、森永卓郎氏のご逝去に伴い、様々な著作がフォーカスされると思いますが、この『モリタクの低糖質ダイエット』は、少し問題があります…ということを伝えるべく、この記事を書きました。

なお、この記事は、森永卓郎氏のこれまでの功績を否定するものではありません。また、減量のための森永卓郎氏の挑戦と結果を否定するものでもありません。著書『モリタクの低糖質ダイエット』を全面否定するものでもありません。さらに言えば、ライザップの手法やサポートを否定するものでもありません。

糖尿病患者の方々が、この著書『モリタクの低糖質ダイエット』を主治医への相談・指導などないままに実践することの危険性を主張すること、それがこの記事の主旨です。

この記事で分かること!
  • 医療専門家の監修のない糖尿病本の問題点
  • 特定企業者がベースの糖尿病本の問題点
  • 糖尿病は完治できると誤解を生む本の問題点

筆者 taoは医療従事者ではありません。医療の専門家ではありません。11年目になる糖尿病患者です。この記事を書くにあたっては、これまで筆者が読んできた医師が書いた50冊あまりの本を参考にしています。

記事の内容については、最終的に読者の判断とさせていただくようお願いいたします。

また、森永卓郎氏の著書『モリタクの低糖質ダイエット』を実践するにあたっては、あなたが糖尿病患者でない場合はあなたの判断で、また、あなたが糖尿病患者である場合は、あなたの主治医に事前に相談・アドバイスを受けてください。

目次

『モリタクの低糖質ダイエット』の概要



森永卓郎氏の著書『モリタクの低糖質ダイエット』について概要を紹介します。

同書は糖尿病予防・改善を目的に、ライザップの減量ノウハウをベースにした内容が特徴です。

ただし、注意が必要なポイントもあるようです。

それでは、この3つのポイントを詳しく見ていきましょう。

糖質制限ダイエット or 食事療法としての糖質制限?

糖質制限は、近年注目されているダイエット法の一つです。

森永氏は、ライザップの指導のもと、糖質摂取量を制限しながら体重を減らし、血糖値を安定させることを目指しました。糖尿病の症状が改善した背景には、体脂肪の減少が大きく影響しています。

一方、糖尿病の食事療法として糖質制限をすることについては、賛否両論があります。

糖尿病の食事療法としての糖質制限について、専門医の間で賛否両論が存在するのは事実です。

以下に、賛成論と反対論を主張している医師や専門家の意見を具体的にまとめます。

賛成論を主張する医師とその意見

  • 山田悟医師
    • 所属・背景: 北里研究所病院 糖尿病センター長
    • 主 張:
      • 山田医師は「ロカボ(ゆるやかな糖質制限)」を提唱し、糖尿病治療において糖質制限が有効であると述べています。一食あたりの糖質量を20~40gに抑えることを推奨し、極端な糖質制限ではなく、継続可能で楽しい食事療法を重視しています。
    • 理 由:
      • 血糖値の乱高下を防ぐことで、血管へのダメージや認知機能の低下を予防できる。
      • 極端な糖質制限は栄養不足や健康リスクを伴うため、適度な制限が重要。
      • 実際の臨床経験から、患者の満足度が高く、治療効果も確認されている。
  • 江部康二医師
    • 所属・背景: 高雄病院 名誉院長
    • 主 張:
      • 江部医師は日本で糖質制限食を広めた第一人者であり、「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」という著書を通じて糖質制限の有効性を訴えています。
    • 理 由:
      • 糖質制限は血糖値を安定させる最も効果的な方法であり、インスリンの使用量を減らせる可能性がある。
      • 長期的な研究や臨床データから、糖尿病患者の血糖コントロールにおいて糖質制限が有効であることが示されている。
  • 吉田光範医師
    • 所属・背景: 吉田内科クリニック 院長
    • 主 張:
      • 糖尿病の合併症予防のために糖質制限が重要であると述べています。
    • 理 由:
      • 血糖値の乱高下を防ぐことで、心血管疾患や腎疾患などのリスクを軽減できる。
      • カロリー制限よりも糖質制限の方が血糖値管理に直結する。

反対論を主張する医師とその意見

  • 津田医師
    • 所属・背景: 糖尿病治療に関する研究者
    • 主 張:
      • 糖質制限は「まだ研究的な食事療法」であり、長期的な安全性や効果については十分なエビデンスがないと指摘しています。
    • 理 由:
      • 極端な糖質制限は低栄養やビタミン不足を引き起こす可能性がある。
      • 欧米の糖尿病治療食のエネルギー比率の変遷を考慮すると、糖質制限が唯一の解決策ではない。
  • 山村聡医師
    • 所属・背景: Clinic Le GINZA 銀座有楽町内科 院長
    • 主 張:
      • 糖質制限を誤った方法で行うと、かえって健康リスクが高まると警告しています。
    • 理 由:
      • 自己流の糖質制限は低血糖や栄養バランスの崩れを引き起こす可能性がある。
      • 特に高齢者や痩せ型の糖尿病患者には不向きである。
  • 一部の日本糖尿病学会の専門医
    • 主 張:
      • 糖質制限は短期的な効果はあるものの、長期的な健康への影響が不明であるため慎重に行うべきとしています。
    • 理 由:
      • 糖質制限が脂質異常症や動脈硬化を悪化させる可能性がある。
      • 日本人の食文化において主食を完全に排除することは現実的でない[5][15]。

賛否両論の背景とまとめ

糖質制限に対する意見の分かれ目は、以下の点に集約されます。

  • エビデンスの解釈:
    • 賛成派は糖質制限の短期的な血糖値改善効果を重視し、反対派は長期的な安全性や栄養バランスの問題を懸念しています。
  • 患者の個別性:
    • 賛成派は糖質制限が患者の生活の質を向上させると主張する一方、反対派は高齢者や特定の体質の患者にはリスクが高いと指摘しています。
  • 文化的要因:
    • 日本人の食文化における主食の重要性が、糖質制限の実践を難しくしているという意見もあります。

糖質制限を行う際は、医師や管理栄養士と相談し、個々の体質や生活スタイルに合った方法を選ぶことが重要です。

医療専門家の監修明記が無い!

本書に記載されているダイエット方法は、医療専門家の監修が明記されていません。

そのため、読者が糖尿病治療の延長として内容を受け止めると、リスクを伴う可能性があります。

糖尿病は個人の体調や病状に応じた治療が必要であり、一般化された方法でのアプローチは危険が伴う可能性があります、

ライザップサポートの減量プログラムが本には無い!

ライザップの減量プログラムは、個別指導を通じて糖質制限をサポートする内容です。

森永氏もこのプログラムの指導を受けて効果を実感したとされています。

ただし、このプログラムは料金が高額であり、全ての人が気軽に始められるわけではありません。

この「高額」ということですが、筆者 taoもライザップをいろいろ調べましたが、得られるサポートと結果の効果から考えると妥当な金額だと感じています。現役糖尿病患者の私も、経済的余裕があればライザップを利用したいとさえ思っています。

つまり…
1000円ちょっとの本で、ライザップの手法の肝が開示されるハズがありません。また、ライザップを利用する際の一番のポイントである「専門家からのサポートがない」点も見逃してはいけないポイントです。

にゃあ子

糖尿病改善を目指すなら、まずは糖尿病専門医に相談してみましょう。

医療専門家の監修のない糖尿病本の問題点

医療専門家の監修がない書籍には、再現性や安全性に関する課題があります。

これらの問題を一つずつ詳しく解説していきます。

再現性が担保されない

一般の読者が実践しても、必ずしも同じ結果が得られるわけではありません。

特に糖尿病の治療においては、患者ごとに適切な治療法が異なるため、本書の内容をそのまま鵜呑みにすることは避けるべきです。

仮に、この本の内容を実践すると決めた場合、あなたの主治医である糖尿病専門医に相談の上、実施すべきです。なぜなら、あなたの糖尿病の状態を一番理解してくれている第三者は、その主治医だからです。

誤った方法で実践してしまう可能性

書籍の情報に基づいて誤った方法で糖質制限を実践する人もいます。

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特に、栄養バランスが崩れた食生活を続けると、糖尿病以外の健康リスクが高まる可能性があります。

「糖質制限」をダイエットではなく、糖尿病対策として実践する場合のリスクを避けるためにも、前項同様に、事前にあなたの主治医である糖尿病専門医に相談の上、実践しましょう。

糖尿病は完治できると誤解させてしまう可能性

糖尿病に「完治」は存在せず、寛解状態を維持することが目標です。

森永氏のケースを見て「糖尿病が治る」と誤解してしまう読者がいるかもしれません。

本書ではその点の説明が不足しているため、読者の期待を不適切に煽る恐れがあります。

後述しますが、糖尿病は今の医療技術では完治できないので、寛解状態後に、その状態をいかにキープし続けるかがポイントとなります。

つまり、あなたの主治医との二人三脚が続くのです。

にゃあ子

糖尿病に関する正しい理解が必要ですね。

特定企業者がベースの糖尿病本の問題点

糖尿病改善に特化した本でありながら、特定企業のサービスを推奨する構成には注意が必要です。

繰り返しますが、本項はライザップの手法やサポートを否定するものではありません。

端的にいうと、1000円ちょっとの本にライザップ同様の効果を求めてはいけないということです。

これら2つのポイントを具体的に解説します。

ライザップを利用するコスト

ライザップは効果的な減量プログラムを万全のサポート体制で提供する一方で、費用が非常に高額です。逆にいうと、きちんとサポートを受ければ効果抜群の方法といえるでしょう。その効果には相応のコストがかかるということです。

そのため、すべての人が利用できるわけではなく、本書を読んでもプログラムを実践できない層が多い可能性があります。

本質的な部分が隠されている

書籍内で紹介されている内容は、糖質制限や運動の効果についても解説されていますが、本質的な改善方法に触れているわけではありません。

きちんとしたサポートなら6桁のコストが当然かかるものが、1000円ちょっとの本ですべてを開示するハズがありません。つまり、ライザップの手法は正しいものの、1000円ちょっとの著作では開示できない「本筋の手法」がたくさんあるのです。

また、糖尿病治療においては医師や栄養士の指導が不可欠ですが、これらのサポートに触れていない点は読者に誤解を与える可能性があります。

にゃあ子

長期的な健康管理を考えると慎重な視点が必要ですね。

糖尿病は完治できるとの誤解を生む本の問題点

糖尿病改善を目指す際、「完治」という言葉が持つ誤解には注意が必要です。

これら3つのポイントを詳しく見ていきましょう。

糖尿病は完治せず、寛解あるのみ

糖尿病は基本的に「完治」はしません。

一時的に血糖値が安定しても、再発するリスクは常に存在します。そのため、治療や生活改善を継続的に行う必要があります。これを理解しないと、結果的に悪化させる可能性があるのです。

寛解後の在り方が重要なのに

糖尿病の寛解後、患者がどのように健康管理を行うべきかについての具体的な解説が不足しています。

例えば、食生活や運動習慣の見直しを怠ると、すぐに症状が再発するリスクがあります。本書にはこのような長期的な視点が欠けているように見えます。

糖尿病は減量しておしまいではない!

糖尿病治療は、体重を減らしただけで終わりではありません。

減量は治療の一環に過ぎず、その後も適切な栄養管理や運動が不可欠です。本書ではこの点についての具体例や指導が不足しているため、読者にとって参考にならない場合があります。

実は、森永卓郎氏は、ライザップの手法とサポートで約20kgの減量を実現し、糖尿病と判定する指標が著しく改善しました。そして、重要なことはそのあとです。

森永氏はその後、リバウンドすることなく、糖尿病と判定する指標は良い範囲で推移してたそうです。

つまり、適性な食事療法、運動療法をずっと維持し続けてきたということです。

著書『モリタクの低糖質ダイエット』だけでは、この肝心の「改善後」が少しも伝わりません。

森永卓郎氏が実践した「その後」が重要なのです。

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森永卓郎氏が20kgのダイエットに成功し、糖尿病が寛解状態になったあとのことなどについては、次の記事、東洋経済のインタビュー記事も参考になるかもしれません。

にゃあ子

糖尿病との付き合い方は一生続くものですね。

まとめ

森永卓郎氏がガンで他界。ご冥福をお祈りします。

森永卓郎氏は、闘病&激ヤセで大変な時機にも、『ザイム真理教』を始めた著作やネット登場で、自説を広めてきたその姿勢には頭がさがる思いです。

筆者も森永氏の『ザイム真理教』はじめ何冊かを読み込み、また、YouTube動画なども拝聴してきました。「すべてが昰」とは言いませんが、「なるほど!」と参考になる主張も多く、個人的には素晴らしい人だと感じています。

ところで、氏の他界に伴い、これまでの氏の著作が色々とフォーカスされると思います。糖尿病宣告時の状態が森永卓郎氏が糖尿病を宣告された状態と酷似していた筆者 taoは、氏が2016年に出した著作『モリタクの低糖質ダイエット』を直ぐに読みました。

当時、私自身「糖質制限」で糖尿病が寛解状態にあったので、賛同する内容も多かったのですが、一方、この本だけで実践するには問題だなと感じたのです。

そこで、今回、このような『モリタクの低糖質ダイエット』の問題点を指摘する記事を書きました。

内容を全面否定しているのではありません。賛同する内容は多々あります。また、ライザップも否定していません。お金に余裕があれば、ライザップのサポートを受けてみたいと思うほどです。

いずれにしても、この『モリタクの低糖質ダイエット』で誤解を生みそうな問題点を3つに絞って記事を書きました。

あなたが糖尿病患者で、定期的に主治医の治療・指導を受けているなら、『モリタクの低糖質ダイエット』を実践する前に、主治医に相談することを強くお薦めします。実践する上での注意点をことこまかに指導してくれるものと思います。

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