2025年秋場所(9月場所)四日目の幕内レポです。
う〜ん、いきなり連勝が五人から二人に絞られてしまいました。
三日目の筆者 TOPIOのレポからは、「四連勝は横綱・大の里一人になっちゃうぞ」という勢いの書き方でしたが、ハズしをしてしまいました(反省)。
それでは、粛々と四日目レポ、スタートです。
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なお、次に示す秋場所(9月場所)に対する「7つの期待」を併せてお読みいただくと、今場所のポイントがよくわかると思います。
横綱・大関、四日目の総括
まずは、横綱・大関の四日目の振り返りから。
琴櫻、連敗せず!でも、同じ課題が…
この二人の仕切りを見て一番感じたこと、それは、「二人ともりっぱな身体だな」ということです。
日本相撲協会の公式HPによると、琴櫻は「189cm・179kg」、玉鷲は「189cm、181kg」。素晴らしい身体です。だからこそ、琴櫻には、近々でその上の番付を狙う意味でも、「恵まれた身体を活かしきった取り口で活躍してほしい」と思うわけです。
さて、四日目の玉鷲戦。結果としては、玉鷲が土俵外に吹っ飛んでいってしまったので、「琴櫻圧勝」と思われるかもしれませんが、明らかに辛勝、そして、「恵まれた身体を活かしきった取り口」ではありませんでした。
そう断言する理由は、立ち合いで琴櫻が負けていたからです。立ち合いで当たった瞬間、琴櫻は小さく一歩・二歩と下がっています。下がらざるを得ないほどに玉鷲の圧に負けていたのです。同じような体格とはいえ、40歳の玉鷲に27歳の琴櫻、しかも、これからもう一つ上の番付を狙う琴櫻が「圧負け」したのです。
40歳でもこの活躍ができる玉鷲から、琴櫻は学べることがあるのではないでしょうか…。
長い15日間のなかで辛勝の一つや二つがあるのは普通のことだと思います。残り、11日間のなかで、「立ち合いの圧では負けない強い琴櫻」を一番でも二番でもたくさん見られたらいいなと期待しています。
大の里、先場所に引き続き伯桜鵬に連敗!
まずは、今場所四日目の対戦動画。
次は、先場所八日目の対戦動画です。
大の里の悪い癖といいますか、直すべき課題は2つ。「毒まんじゅうを喰わないこと」、そして「土俵際で攻め急がないこと」です。
これを違う角度から分析すると、「立ち合いで自分(大の里)が思うような展開にいかなかった場合のBプランをしっかり練ること」でしょうか。
Bプランが毒まんじゅう(不用意な引き技)というケースが先場所の伯桜鵬戦です。あのりっぱな身体(192cm、187kg)でも、毒まんじゅうを喰ってしまうと高い確率で負けます。
ところで伯桜鵬は181cm、157kg。体格的には大の里が一回りは大きいのです。そんな相手の圧に負けてしまう結果としてのBプラン、毒まんじゅう。
では、なぜ、体格的には下の者に立ち合いの圧で負けてしまうのか。あれ、これってさっき琴櫻のところで書いたことと同じですね。
このあたり、相撲をやったことがないのでわかりませんが、深いテーマなのかもしれません。
次に、今場所の対戦について。先場所の反省が生きたのか、立ち合いは大の里が圧勝ちします。そのまま押し出し、寄り切りでも良かったのかもしれません。でも、大の里は右上手で組むことを選択します。
この右上手を取りに行くときに隙が出て、それを狙ってか伯桜鵬に土俵際まで追い込まれてしまいます。一見、毒まんじゅうみたいでしたが、あれは毒まんじゅうではないですね。
そして、その後、左上手を取りに行きますが、それを諦め伯桜鵬を土俵際まで攻め込み、ここで攻め急ぎが出てしまいます。攻め急いでの突き落とし・・・大の里の典型的な負けパターンの一つです。
先場所の負けを踏まえて、立ち合いでの圧勝ちをして、毒まんじゅうも喰わなかった(毒まんじゅうを喰う=不用意な引き技をすること)ことまでは、良い展開だったのかもしれません。
う〜ん、相撲って難しいですね。
直近の大きな課題は、五日目で連敗をしないことです。
豊昇龍、横綱・大関陣一抜けの四連勝!
阿炎って、序盤戦負けが込むことが多い関取です。でも、中盤から終盤に向けて白星を重ねて、いつのまにか勝ち越しているという場所が多いです。今場所もすでに三連敗。なのでフツーモードなのかもしれません。
それでも、この日の対戦、阿炎は何がしたかったのかあまりに中途半端でした。左に逃げて突き落としを狙ったのでしょうか。それにしては動きにスピードがなく、あれでは効果がないばかりか、あまりの遅さに、逆に豊昇龍に諸手で突かれてしまいます。豊昇龍の右手がしっかり阿炎の喉に食い込んでいます。
この取組では、豊昇龍は横綱らしさを出すチャンスもなかったです。それでも、立ち合いで阿炎をよく見て瞬時に、諸手突きをするのは、流石です。もしかしたら、これが豊昇龍の「横綱らしさ」なのでしょうか。「らしさ」はいろんなパターンがあっても良いと考えれば、それもあるのかも・・・と思った次第です。
四日目注目取組の結果など
次に、三日目レポで書いた「四日目注目取組」の結果です。注目力士を「左(太文字&斜文字)」にして振り返ります。
四日目が終わって、四連勝は、横綱・豊昇龍と関脇・霧島の二関取のみとなりました。
- 前頭17・日翔志(負け) vs 前頭16・友 風
- 日翔志、叩き込みで四連敗。初日出ず。
- 前頭10・大栄翔(負け) vs 前頭9・翠富士
- 大栄翔、足が全くでず、三敗目。
- 前頭9・藤ノ川(勝ち) vs 前頭8・金峰山
- 藤ノ川、大きな金峰山を驚きの突き倒しで初日!
- 前頭7・隆の勝(勝ち) vs 前頭8・宇 良
- 隆の勝、三連勝の宇良を圧倒で三勝目。
- 前頭6・草 野(勝ち) vs 前頭7・欧勝馬
- 草野、欧勝馬を圧倒し二勝目。
- 小 結・安青錦(負け) vs 前頭2・王 鵬
- 安青錦、良い体勢になるも王鵬の小手投げで一回転!
- 小 結・高 安(負け) vs 関 脇・若隆景
- 高安、万全の体制を取られて初日出ず。
- 関 脇・霧 島(勝ち) vs 前頭3・豪ノ山
- 霧島、不用意な豪ノ山の低さを見逃さず左上手の出し投げで四連勝!
- 大 関・琴 櫻(勝ち) vs 前頭1・玉 鷲
- 琴櫻、立ち合い負けするも玉鷲の自滅で辛勝。
- 横 綱・大の里(負け) vs 前頭2・伯桜鵬
- 大の里、土俵際の攻め急ぎで黒星。
- 横 綱・豊昇龍(勝ち) vs 前頭1・阿 炎
- 豊昇龍、阿炎の隙をせめて四連勝。
五日目注目取組と見どころ
次に、五日目注目の取組です。全勝の横綱二人を、他の力士が止められるかに注目です。
注目力士を「左(太文字&斜文字)」にしています。
- 前頭17・日翔志 vs 前頭16・錦 木
- 過去対戦、日翔志の1勝0敗
- 日翔志の初日に期待!
- 前頭10・大栄翔 vs 前頭10・美ノ海
- 過去対戦、大栄翔の0勝3敗
- 大栄翔の復調&2勝目に期待!
- 前頭9・藤ノ川 vs 前頭9・翠富士
- 過去対戦、藤ノ川の1勝0敗
- 藤ノ川の2勝目に期待!
- 前頭7・隆の勝 vs 前頭7・欧勝馬
- 過去対戦、隆の勝の1勝0敗
- 隆の勝の4勝目に期待!
- 前頭6・草 野 vs 前頭8・宇 良
- 過去対戦、草野の1勝0敗
- 草野の復調と3勝目に期待!
- 前頭5・琴勝峰 vs 前頭5・一山本
- 過去対戦、琴勝峰の5勝6敗
- 琴勝峰の復調と3勝目に期待!
- 前頭2・伯桜鵬 vs 前頭4・平戸海
- 過去対戦、伯桜鵬の2勝1敗
- 伯桜鵬の3勝目に期待!
- 小 結・高 安 vs 前頭1・玉 鷲
- 過去対戦、高安の21勝20敗
- 高安の初日に期待!
- 小 結・安青錦 vs 関 脇・霧 島
- 過去対戦、安青錦の1勝0敗
- 安青錦の3勝目に期待!
- 関 脇・若隆景 vs 前頭1・阿 炎
- 過去対戦、若隆景の4勝7敗
- 若隆景の復調と3勝目に期待!
- 大 関・琴 櫻 vs 前頭3・豪ノ山
- 過去対戦、琴櫻の7勝1敗
- 強い琴櫻と4勝目に期待!
- 横 綱・豊昇龍 vs 前頭3・熱海富士
- 過去対戦、豊昇龍の3勝5敗
- 強い横綱の体現と5連勝に期待!
- 横 綱・大の里 vs 前頭2・王 鵬
- 過去対戦、大の里の4勝3敗
- 大の里、連敗を回避し4勝目に期待!
十両の勝ちっぱなし
四日目が終わって、十両の四連勝勝ちっぱなしは、3人です。
- 十両4・三田 23歳
- 二子山部屋で十両三場所目。
- 先場所は11勝4敗で十両優勝。
- 今場所2桁をあげれば、間違いなく来場所新入幕となります
- 十両8・荒篤山(こうとくざん)31歳
- 荒汐部屋で十両二場所目。
- 新十両先場所は10勝5敗
- 十両11・朝白龍(あさはくりゅう)26歳
- 高砂部屋の新十両、モンゴル出身、拓殖大学卒
- 2015年に豊昇龍、欧勝馬とともに来日
- 豊昇龍と欧勝馬はレスリング部に所属
- 一方、朝白龍は相撲部に所属
- 高校卒業後は各界入りを希望するも果たせず、拓殖大学進学
まとめ
四日目は、横綱・大の里が先場所に引き続き、伯桜鵬に連敗してしまいました。
一方、横綱らしい相撲を出せないままの豊昇龍は四連勝となりました。
また、関脇・霧島も四連勝で、幕内で先頭を行くのは、この豊昇龍と霧島となりました。
豊昇龍と大の里、どちらが先に「横綱での優勝」を実現するか、面白い展開になってきました。
また、大関昇進については、若隆景が2勝2敗と残りの対戦相手を考えると厳しい状況になってきました。
一方、霧島がこのまま優勝争いで突っ走ると、場所後の再大関昇進も実現しそうです。
若隆景の今後の頑張りようによっては、若隆景と霧島の同時大関昇進の可能性もあります。
残り11日間の戦い、目が離せません!
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