2025年9月15日、秋場所(9月場所)二日目。幕の内の戦いは序盤戦から熱気に包まれました。
そして、ラスト三番。琴櫻、大の里、豊昇龍が揃って勝ち、横綱・大関の初日・二日目連勝達成です。
実は「横綱・大関に在位する者が全員出場し、初日・二日目と連覇すること」なんですが、なんと「9年ぶり」の快挙!?
正確に書くと「55場所ぶり」(感染症のため場所が行われなかった令和2年5月場所を除く)なんです。このあたりのことは、のちのち詳しく書きますね。
さて、横綱・大関が2連勝とする一方で、注目力士や若手力士も存在感を示す、すばらしい結果を残しています。
まだ、二日目が終わったばかりですが、三日目以降の取組と、その後の優勝争いが楽しみですね!
_/_/_/
なお、秋場所(9月場所)に対する「7つの期待」を併せて、本記事をお読みいただくと、今場所のポイントがよくわかるでしょう!
横綱・大関陣の二日目総括
まずは、上位陣、横綱・大関から振り返りましょう。
大関・琴櫻、連日の快勝
初日の阿炎で久しぶりに「強い琴櫻」を見ました。そして、二日目も「強い琴櫻」で伯桜鵬をで撃破で初日・二日と連勝です。ちなみに、琴櫻の初日・二日の連勝は、令和6年11月場所以来、5場所ぶりとなります。
さて、二日目の伯桜鵬戦。一見、立ち合いから伯桜鵬に押し込まれ、土俵際まで追い込まれた琴櫻が苦肉の引き落とで逆転勝利・・・のように見えますが、それは先場所までの「弱い琴櫻」。
先場所までの「弱い琴櫻」なら、あの大きな身体を活かしきれずに立ち合い負けして、あのまま伯桜鵬に土俵際まで持って行かれ寄り切りで負けていたでしょう。
しかし、今場所の琴櫻は「強い琴櫻」です。初日の阿炎戦同様、立ち合いから力強く圧をかけた結果、余裕で伯桜鵬の勢いを土俵際手前で受けとめて、そして、伯桜鵬の不用意すぎる勢いをもって引き落としとしたわけです。
まだ2番だけですが、今場所の琴櫻は、ひょっとして終盤まで優勝争いをするかもしれません。そして、優勝すれば、九州場所が彼にとって二回目の横綱昇進場所となります。
現在の二人横綱ですが、豊昇龍に少し物足りなさがありますので、三人横綱体制で初場所を迎えられたらいいですね。
横綱・大の里、安定感ある横綱相撲で2連勝
大の里、二日目の相手は40歳のベテラン玉鷲。
この2人、先々場所までは、大の里が3戦全勝と圧倒していました。しかし、先場所10日目、勝ち越しを狙う大の里という状況で対戦。なんと、大の里が玉鷲の突き落としを喰って、39歳に金星を献上してしまいました。振り返ってみると、先場所、大の里が優勝を逃したのは、この玉鷲戦が決定打となったのかもしれません。
さて、両者立ち合いで力強くぶつかりますが、立ち合いとほぼ同時に、大の里が右下手で玉鷲の前みつを掴みます。これがこの取組を左右しました。その後、玉鷲からのするどい喉輪攻撃があるも、この前みつがあるので大の里は十分に対処できました。
相手をよく見極めた取り口は「横綱らしい落ち着き」です。盤石の横綱相撲を見せ、館内を沸かせました。初日・二日目の2番を見る限り、大の里が終盤まで優勝争いをし、そして、優勝を成し遂げる第一候補であることは間違いなさそうです。
横綱・豊昇龍、またも辛勝
大の里同様、豊昇龍も初日・二日目と連勝です。しかし、同じ連勝でも、大の里とは大違いです。それは「横綱らしさ」がかけらも無いからです(←期待している分、少し辛辣に書きました!)。
初日の玉鷲戦は、土俵際で玉鷲の引き落としをあのまま喰っていてもおかしくない状況でした。渡し込みで豊昇龍の左手が玉鷲の右足に添えられていたので勝ちました。これを対応力が素晴らしいと評価する解説者もいるようですが、実質は、物言いギリギリで勝った一番でした。
そして、この日の高安戦。結果、勝ちはしましたが、立ち合いと同時に高安の左上手を許したのは不用意でした。確かに、左四つ得意の高安の左下手は防いだものの右上手でも十分に力のある高安。相手に勝ちのチャンスを与えてしまったと言っても言い過ぎではないでしょう。
それから、豊昇龍は、相手をにらみつければ勝てると思っているのでしょうか、立ち合いまでに異常に時間をかけすぎです。大関時代は「しょうがない所作だな」とみていましたが、横綱としては、いかんせん無様過ぎます。
そんなこんなで、豊昇龍の初日・二日目を振り返れば、横綱らしさは1mmも出ていない取り口でした。期待しているだけに残念です。このような辛勝を続けていると、序盤戦残る三番で2つくらい黒星を喰うかもしれません。
横綱・大関の初日&二日目連勝は快挙!?
【ケース1】「横綱・大関の在位者全員が出場し、かつ、揃って初日・二日目と連勝」したのは、実に、平成28年5月場所以来。1場所、感染症で場所が無かったのを考慮すると、「55場所ぶり」となります。
一方、【ケース2】「休場者は除き、出場した横綱・大関全員が揃って初日・二日目と連勝」したのは、令和6年11月場所以来なので、「5場所ぶり」となります。【ケース2】
ところで、今場所は横綱・大関は総勢3人。この3人の勝率が仮に60%だとすると、3人が初日・二日目と揃って連勝する確率は・・・
- 0.363 で、約 4.67%
【ケース2】すなわち令和6年11月の場合、休場した横綱・照ノ富士を除き、豊昇龍・琴櫻・大の里の3大関が出場。この3人が初日・二日目と連勝する確率は、同じく 4.67%となります。
つまり、休場者を除いての連勝を考慮した場合、今場所の連勝と、令和6年11月場所の連勝は、同じくらいの難しさだったということです。
さて、次に【ケース1】すなわち令和28年5月場所の場合の難しさを考えてみます。
この場所、なんと3横綱・4大関という体制でした。横綱・大関の休場者なし。そして、この7人が初日・二日目と連勝したのです。
この確率、これも仮に勝率を一律 60%として計算すると、なんと、0.078%となります。「約1,274回に1回のレベル」の難しさです。
ちなみに、平成28年5月場所の番付は次の通り。
(東) (西)
白 鵬 横綱 鶴 竜
日馬富士 横綱
稀勢の里 大関 豪栄道
琴奨菊 大関 照ノ富士
この場所、白鵬が15連勝で優勝。稀勢の里が13勝2敗で次点でした。
この大関・照ノ富士は怪我をして序二段まで陥落する前の一度目の大関のときです。
充実した上位陣ですね。
_/_/_/
ところで、今場所、豊昇龍・大の里・琴櫻が、初日・二日目・三日目と3連勝する確率は、勝率を60%と仮定すると、約1%。100回に1回という確率ですね。
ぜひ、3連勝が見たいです!
初日レポで書いた二日目注目取組の結果
次に、初日レポで書いた「二日目注目取組」の結果です。先述した、横綱・大関戦は除く9番です。
なお、注目力士を「左(太文字&斜文字)」に書いています。
- 前頭17・日翔志(負け) vs 十両1・欧勝海
- 小手投げで十両筆頭・欧勝海に負けました。
- 新入幕の初白星は三日目以降にお預けです。
- 前頭10・大栄翔(負け) vs 前頭11・正 代
- 送り出しで曲者・正代に負けました。
- 前頭9・藤ノ川(負け) vs 前頭10・美ノ海
- 寄り切りで美ノ海に負けました。
- 前頭8・宇 良(勝ち) vs 前頭9・翠富士
- がっぷり四つのまま寄り倒しで翠富士に勝ちました。
- 少し長い相撲でしたが、トリッキーさもなく見応えがありました。
- 前頭7・隆の勝(負け) vs 前頭6・阿武剋
- 押し出しで阿武剋に負けました。
- 前頭6・草 野(負け) vs 前頭5・一山本
- 押し出しで一山本に負けました。
- 初日・二日と元気がないのが心配です。
- 前頭5・琴勝峰(勝ち) vs 前頭4・平戸海
- 突き落としで平戸海に勝ちました。
- 先場所同様の活躍を期待していので、連敗しなくて一安心です。
- 小 結・安青錦(勝ち) vs 前頭3・熱海富士
- 寄り切りで熱海富士に勝ちました。
- 安青錦の必勝パターン(相手の胸に頭を着ける)での勝ちです。
- 立ち合いから圧力をかけ、自分の型に持ち込む修正力を示しました。
- 関 脇・若隆景(勝ち) vs 前頭2・王 鵬
- 寄り切りで王鵬に勝ちました。
- 大関昇進を狙う今場所、立て直しの一勝です。
三日目注目取組と見どころ
次に、三日目注目の取組です。
「横綱・大関の初日&二日目連勝は快挙!?」のところでも書きましたが、横綱・大関陣揃っての3連勝が見たいですね。確率1%、100回に1度の奇跡が起きるか!?
- 前頭17・日翔志 vs 前頭18・獅 司
- 過去対戦:日翔志の-勝-敗
- 新入幕の初白星を期待
- 前頭10・大栄翔 vs 前頭8・金峰山
- 過去対戦:大栄翔の-勝-敗
- 大栄翔には9日目の勝ち越しを期待
- 前頭9・藤ノ川 vs 前頭8・宇 良
- 過去対戦:藤ノ川の-勝-敗
- 入幕2場所目の初白星を期待
- 前頭6・草 野 vs 前頭6・阿武剋
- 過去対戦:草野の-勝-敗
- 入幕2場所目の初白星を期待
- 前頭7・隆の勝 vs 前頭5・一山本
- 過去対戦:隆の勝の-勝-敗
- 隆の勝、目指せ、関脇復帰(過去、関脇4場所在位)!
- 前頭5・琴勝峰 vs 前頭3・豪ノ山
- 過去対戦:琴勝峰の-勝-敗
- 九州場所の三役入りを目指せ!
- 小 結・高 安 vs 前頭2・王 鵬
- 過去対戦:高安の-勝-敗
- 高安、まずは白星だね
- 関 脇・若隆景 vs 前頭1・玉 鷲
- 過去対戦:若隆景の-勝-敗
- 12勝に向かってばく進せよ!
- 小 結・安青錦 vs 大 関・琴 櫻
- 過去対戦:安青錦の-勝-敗
- 目指せ11勝!
- 横 綱・豊昇龍 vs 前頭2・伯桜鵬
- 過去対戦:豊昇龍の-勝-敗
- 横綱らしい取り口で勝て!
- 横 綱・大の里 vs 前頭1・阿 炎
- 過去対戦:大の里の-勝-敗
- 横綱優勝一番乗りを期待!
大相撲秋場所に関するFAQ(二日目版)
Q1. 二日目の観客数は?
A1. 初日同様「満員御礼」。両国国技館の定員(約11,000人)の9割以上、約1万人の観客が入場したと推測されます。
Q2. 横綱・大関が揃って連勝したのはいつ以来?
A2. 直近では珍しいケース。前述しましたが、平成28年5月場所以来です。
Q3. 新横綱・大の里の課題は?
A3. 立ち合いからの圧力は十分。ただ、後半戦に向けてスタミナ面が試されます。
Q4. 琴櫻は優勝争いに加われる?
A4. 二日間の内容は大関らしい相撲そのもの。この調子なら再び優勝争いの主役になる可能性は大。
Q5. 豊昇龍の相撲内容は?
A5. 2連勝ながら危ない場面が多く「辛勝続き」。内容改善が今後の鍵。
Q6. 若手で注目すべき力士は?
A6. 安青錦。修正力を見せ、二日目で大きく評価を上げました。
Q7. 新入幕・日翔志はどうだった?
A7. 二日連続で黒星スタート。三日目以降で初白星を挙げられるかが焦点です。
まとめ
二日目は、新横綱・大の里と大関・琴櫻がともに連勝を飾り、上位陣が順調な立ち上がりを見せました。
一方で、若手力士が互いにしのぎを削り、序盤から場所を大いに盛り上げています。
秋場所はまだ始まったばかりですが、序盤から優勝争いの構図が見え隠れし始めました。三日目以降も横綱・大関の安定感、若手の躍動、そして新入幕の挑戦から目が離せません。
メタディスクリプション(全角100字)
秋場所二日目は大の里と琴櫻が連勝、豊昇龍も辛勝で上位陣は安泰。安青錦が修正力で初白星を挙げ、若手も躍動した熱戦を徹底レビュー!
URL用英語スラッグ
aki-basho-day2-review
👉 この完全版、WordPressにそのままコピペできる形式になっていますが、見出しをSWELLブロック用コードに整形したバージョンも出しましょうか?
コメント