十両3枚目の宝富士(38歳)は、5月場所7日目現在、2勝5敗です。このままだと、5月場所の勝ち越しは難しく、番付も大きく落とす可能性大です。しかし…
筆者 TOPIOの勝手な予想ですが、5月場所後、もしくは、5月場所中に引退するのではないでしょうか。
現役力士に対して、場所中であるにも関わらず、大変失礼な発言でスミマセン。でも、書かせてください。
それは、伊勢ヶ濱部屋の事情があるからです。
この記事では、宝富士の引退と、伊勢ヶ濱の事情について勝手に語らせていただきます。
【部屋の事情1】伊勢ヶ濱親方の定年
伊勢ヶ濱親方(元横綱旭富士)は、2025年7月6日に65歳の定年を迎えます。そして、定年になる現・伊勢ヶ濱親方には3つの選択肢があります。
- 選択肢1:退職し、日本相撲協会から離れる。
- 選択肢2:再雇用制度を活用し、伊勢ヶ濱親方として日本相撲協会に残る。
- 選択肢3:再雇用制度を活用し、日本相撲協会に残るが、その際に、伊勢ヶ濱の名跡を交換する。
なお、いずれの選択肢の場合でも、元横綱旭富士が定年を迎えたあとは、伊勢ヶ濱部屋の師匠は元横綱旭富士以外の親方が継がなければなりません。
それが誰になるのか…。
巷間伝わってきているのは、「伊勢ヶ濱部屋を継ぐのは元横綱・照ノ富士というのが既定路線」ということなのですが…。
【部屋の事情2】照ノ富士親方が年寄名跡を取得できていない
元横綱・照ノ富士は、引退時に名跡取得が出来ていませでした。しかし、名跡取得ができていない、つまり、名跡襲名が出来ていない状態でも、横綱の場合は「横綱の四股名のまま親方として5年間、協会に残ることができる」のです。
それで、現在、元横綱・照ノ富士は「照ノ富士親方」として、伊勢ヶ濱部屋付き親方として、後進の指導をしています。
しかし、この暫定的で期限付きの親方のままでは、部屋の師匠になれません。つまり、照ノ富士親方が「5年間の暫定期間」を活用している間に、いずれかの年寄名跡を取得することが、「元横綱・照ノ富士が伊勢ヶ濱部屋を継ぐ大前提」となります。
ここで問題なのは、105しかない「名跡の空きが、ほぼほぼ無い」という事情です。
つまり、照ノ富士親方が「5年間の期限内」に、名跡を取得できる可能性は100%では無いということです。可能性としては、再雇用制度を活用している親方たちが退職した場合、それを取得するということになりますが、退職した親方がそれを照ノ富士親方に譲渡するかどうかは確実ではありません。
なお、「名跡の空きが、ほぼほぼ無い」という現状については、次の記事をご覧ください。

【部屋の事情3】4人の部屋付き親方には任せられない
2025年5月場所が現在行われていますが、今現在で、伊勢ヶ濱部屋には4人の部屋付き親方がいます。部屋付き親方ゼロのところもあるので、師匠以外に4人も指導者がいる伊勢ヶ濱部屋は、かなり良い環境だと言えます。
- 楯山親方(元前頭6・誉富士)
- 照ノ富士親方(元横綱・照ノ富士)
- 宮城野翔(元横綱・白鵬)※宮城野部屋から移籍
- 間垣喜翔(元前5・石浦、鳥取)※宮城野部屋から移籍
ところで、部屋の師匠ができる親方には決まりがあります。それは、次の条件を満たすことです。
- 相撲部屋を新設して師匠になるための条件(2006年9月28日より適用)。
- 【1-1】横綱もしくは大関経験者
- 【1-2】三役(関脇・小結)通算25場所以上
- 【1-3】幕内通算60場所以上(番付制限なし)
- 既存の相撲部屋継承者として承認された場合には、次のいずれかの条件に緩和される。
- 【2-1】幕内在位通算12場所以上
- 【2-2】十両以上(関取)在位を通算20場所以上、番付制限なし
今回は既存の部屋である伊勢ヶ濱部屋を継ぐ師匠に誰がなるかということなので、条件①ではなく、条件②が「師匠になるための資格条件」ということになります。
この条件②について、4人の部屋付き親方を検証します。
- 楯山親方(元前頭6・誉富士)
- 【2-2】を満たすので資格あり
- 照ノ富士親方(元横綱・照ノ富士)
- 【2-1】を満たすが、年寄名跡がないので今のままでは引き継げない
- 宮城野翔(元横綱・白鵬)※宮城野部屋から移籍
- 【2-1】を満たすが、移籍事情等を考慮すると引継ぎ対象にはならない
- 間垣喜翔(元前5・石浦、鳥取)※宮城野部屋から移籍
- 【2-1】を満たすが、移籍事情等を考慮すると引継ぎ対象にはならない
つまり、いろいろな事情を勘案すると、現状の4人の部屋付き親方で、元横綱・旭富士定年に伴い、すぐに部屋を引き継ぐことができる者は楯山親方のみということになります。
しかし、継ぐのは自分ではないと楯山親方は固辞しているとか。
つまり、現状の4人の部屋付き親方では、ワンポイントであっても部屋を継ぐことはできないのです。
ちなみに、ワンポイントであっても、部屋を継ぐ場合は、再雇用で残る元横綱・旭富士と名跡交換をすることになります。
まとめると…
今の伊勢ヶ濱部屋にとって後継者問題は、かなりナーバスで、大変な問題なのです。
「照ノ富士が5年間の特例を使って現役名で協会に残った後、再雇用された伊勢ヶ濱親方から年寄名跡の譲渡を受けることは可能だが、そうなると伊勢ヶ濱親方の70歳で退職するまでは部屋をワンポイントで継承する親方がいないといけない。だが、部屋付き親方の楯山親方(元前頭・誉富士)は“自分は顔じゃない”と固辞している。
伊勢ヶ濱部屋には預かりという形だが、元横綱・白鵬の宮城野親方もいるわけで、そこで師匠をやりたいと名乗り出る親方はいないのではないか。あとは伊勢ヶ濱親方に再雇用を諦めてもらい、参与として支払われる5年間の給与を支払うシナリオもあるが、定年後も影響力を持ち続けたい伊勢ヶ濱一親方としては飲めない話でしょうね」(二所ノ関一門関係者)
引用元:ニュースポストセブン
照ノ富士親方が伊勢ヶ濱親方(師匠)になるロードマップ
以下は、筆者 TOPIOが勝手に考えた「照ノ富士親方が伊勢ヶ濱部屋親方(師匠)になるためのロードマップ」です。異論反論は受け付けません(^_^;;
- 現・伊勢ヶ濱親方の定年(2025年7月)前に、宝富士が引退し、すでに取得済の桐山を襲名する
- 伊勢ヶ濱と桐山を名跡交換し、元関脇・宝富士が伊勢ヶ濱を襲名し、伊勢ヶ濱部屋の師匠となる
- 照ノ富士親方は、「5年間の期限」内に年寄名跡を取得する(暫定的にその名跡を「A」と呼称)
- 元関脇・宝富士の伊勢ヶ濱と、元横綱・照ノ富士の「A」を名跡交換し、伊勢ヶ濱となった元横綱・照ノ富士が伊勢ヶ濱部屋を継承し、師匠となる
- 「A」となった元関脇・宝富士は、新規に部屋を興す
- 元関脇・宝富士は、前述の新規部屋を興す条件の【1-3】を満たしています
ここで、年寄名跡数の空きが圧倒的に足りないという事情は前述した通りで、この記事で扱った伊勢ヶ濱部屋後継問題の一番のネックは③です。
つまり、照ノ富士親方が「5年間という期限内」に、年寄名跡を取得できるかどうか。
現状では、簡単ではないとしか言いようがないですが、それでも、これまでそんな状況を何とか乗り越えてきた親方はたくさんいますので、筆者 TOPIOは、なんとかなるのでは…と楽観しています。
引退した者たちは、みんな年寄名跡の取得で苦労している、でもなんとかなる・・・という実例です。
直近のことでいうと、2021年3場所で引退した元横綱・鶴竜は、引退当初、年寄名跡がなく規定に基づき「鶴竜親方」として部屋付き親方として後進の指導をしていました。
その後、鶴竜親方は、2023年12月に、音羽山の年寄名跡を取得。そして、襲名と同時に音羽山部屋を新設しました。なお、音羽山部屋の名称は78年ぶりの復活となり、モンゴル出身年寄による部屋新設は史上初となりました。
まとめ
この記事では、現伊勢ヶ濱親方が7月に定年を迎えるので、伊勢ヶ濱の後継者が誰になるのかということを、筆者 TOPIOが勝手に推測を交え書かせていただきました。
その流れのなかで、現役力士の宝富士が引退するということを勝手に書いてしまいました(ごめんなさい!)。
しかも、宝富士の引退だけでなく、照ノ富士親方が伊勢ヶ濱部屋を継ぎ師匠となるロードマップまで勝手に書いてしまいました(^_^;;
まぁ、そんなこともあるかな・・・という程度にお許しください。
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