登山でスズメバチから身を守る!秋のアウトドア必携対策と緊急時の対処法

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登山で、冬・春を除いて注意したいのがスズメバチです。毎年、ハチ刺されによる痛ましい事故が報告されており、特にスズメバチはその獰猛な性質と強力な毒性から「クマよりも怖い」と感じる方も少なくありません。

スズメバチが最も攻撃的になるのは、巣の規模が最大になり、翌年の女王バチが誕生する大切な時期である夏から秋、特に9月から11月頃です。

今回は、安全に登山を楽しむために、スズメバチに遭遇しないための「防御策」、遭遇してしまった場合の「対応策」、そして万が一刺されてしまった場合の「応急処置」について、具体的な方法を詳しくご紹介します。

適切な知識と準備で、スズメバチの脅威から身を守り、快適な登山をしましょう。

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目次

第1章:スズメバチに刺されないための防御策

画像引用元:Pixabay

スズメバチとの接触を避けることが、被害を防ぐ最も重要な対策です。以下の点に注意して行動しましょう。

  • 明るい色の服装と肌の露出を防ぐ
    • スズメバチは黒い色に最も激しく反応し、攻撃的になる習性があります。これは天敵であるクマの色に似ているため、または動物の急所に多い色だからという説があります。
    • 登山時は、白、水色、ピンクなどの淡い色、または彩度の高い明るい色の服を着用することをおすすめします。
    • 黒い髪も攻撃の対象になりやすいため、白っぽい帽子で髪を隠し、長袖のウェアを着用して肌の露出をできるだけ少なくしましょう。
  • 強い匂いを避ける
    • スズメバチは匂いに敏感で、香水、化粧品、整髪料、ヘアスプレーなどの人工的な香りや甘い匂いに興奮する傾向があります。これらの使用は控えましょう。
    • 汗の匂いにも反応するため、こまめに汗を拭き、制汗剤は無香料のものを選びましょう。
    • 柔軟剤の甘い匂いにも寄ってくることがあるため、注意が必要です。
  • 登山道から外れない、むやみに木々を掴まない
    • 最も狂暴なオオスズメバチは主に土の中や木の根元に巣を作ることが多く、またキイロスズメバチやコガタスズメバチも樹洞や閉鎖空間に巣を作ることがあります。
    • 人の往来が多い登山道には巣が作られにくいため、むやみに登山道を外れて脇道に入ったり、木の根っこを掴んだりする行為は避けるべきです。
  • 食べ物や飲み物の管理
    • ジュースやお菓子などの食べ物にもスズメバチは寄ってきますので、放置しないように注意し、密閉できる容器に保管しましょう。
  • 巣に近づかない
    • 蜂の巣を見つけたら、速やかに距離を取ることが重要です。巣から10メートル以内は要注意、3メートル以内は非常に危険な領域とされています。
    • スズメバチが家の周りで飛んでいる場合、近くに巣を作っている可能性があるので注意が必要です。
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第2章:スズメバチに襲われてしまったときの対応策

万が一スズメバチに遭遇してしまった場合、刺激せずに冷静に対応することが大切です。

  • 刺激しない
    • ハチは大きな音や激しい動きに敏感で、攻撃されたと感じてしまいます。
    • 近くを飛んでいても、悲鳴を上げたり、手で払ったり、慌てて走って逃げたりするのは厳禁です。
  • 「木化け」でやり過ごす
    • もし1匹のハチが体のすぐ近くを飛び回ったり、体に止まったりするような場合は、「木化け」と呼ばれる方法を試しましょう。これは、まるで木になったように一切の体の動きを止めてじっとすることで、ハチの警戒心を解き、離れていくのを待つ方法です。
    • ハチを叩いたり潰したりすると、警戒フェロモンが噴出され、多数の仲間が一斉に襲いかかってくる可能性があるため、絶対に避けてください。
  • 静かに、ゆっくり離れる
    • 何匹ものスズメバチがしつこく旋回している場合、近くに巣がある可能性が高いです。この場合は、姿勢を低くして、ゆっくりと後ずさりし、ハチの警戒領域から静かに離れましょう
    • このとき、カチカチと顎を鳴らしたり、大きな羽音を立てて威嚇してくることがあります。これは攻撃開始の一歩手前の非常に危険な状態なので、特に注意が必要です。
  • 全力で逃げる
    • 威嚇を無視して近づいたり、その場にとどまったりして、複数のスズメバチによる本格的な攻撃が始まったら、ためらわずに全力で走ってその場を離れてください
    • 走る間は、両腕を振り回して刺される回数を少しでも減らす努力をすると良いでしょう。
    • 巣から100メートル以上離れると、ハチはもう追ってこないとされています。来た道を戻るのではなく、別のルートを選ぶのが無難です。
  • 迂回する
    • もし登山中にハチの巣を発見したら、可能であれば大きく迂回するルートを選ぶのが最も安全です。
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第3章:刺されてしまった場合の対応策

万が一スズメバチに刺されてしまった場合は、迅速かつ適切な応急処置が必要です。

  • 巣から離れたところに逃げる
    • 刺された場合でも、まず第一に巣から100メートル以上離れた安全な場所まで移動することが最優先です。
  • 毒抜き
    • 刺された直後、10分以内が目安ですが、ポイズンリムーバーを使用して毒を吸引します。これはバキューム効果で毒を吸い出すもので、腫れや痛みを軽減する効果が期待できます。
    • ポイズンリムーバーがない場合や、頭部などバキュームが難しい場所を刺された場合は、刺された部位を爪で左右から圧迫し、毒を絞り出すことを試みましょう。
  • 水で洗浄
    • ハチの毒は水溶性なので、毒抜きをした後、流水で数分間、刺された箇所を洗い流すと効果的です。ペットボトルに穴を開けたキャップを装着して、勢いよく水を出し洗い流すのも良い方法です.
  • 軟膏の塗布
    • 炎症を抑えるために、抗ヒスタミン軟膏やステロイド軟膏を塗ります。ただし、刺されてすぐに塗ると、手の動きで毒を拡散させる可能性があるため、毒抜きと洗浄の後、腫れが出てきた部分に少量ずつ丁寧に塗り込みましょう。
  • 医療機関の受診
    • 応急処置を終えたら、速やかに下山し、医療機関を受診してください。
  • アナフィラキシーショックへの対応
    • もし刺された直後(30秒~数分以内)に、蕁麻疹、呼吸困難、めまい、意識障害などの全身症状が現れた場合、アナフィラキシーショックの可能性が考えられます。これは命に関わる非常に危険な状態です。
    • この場合は、ただちに救助要請を行い、救助を待つ間は、刺された人を仰向けに寝かせ、足を高くする楽な姿勢を取らせましょう。嘔吐の可能性があれば、吐瀉物が喉に詰まらないよう顔を横に向けます。
    • 過去にハチに刺された経験があり、アナフィラキシーショックを起こす可能性が高いと診断されている方は、医師から処方された**自己注射製剤「エピペン」**を必ず携帯し、使用方法を事前に確認しておきましょう。エピペンはアナフィラキシー症状発症時に、症状を軽減する救急治療薬として有効です。
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第4章:事前準備

安全な登山のために、事前に以下の準備をしておきましょう。

  • 携帯用ハチ・スズメバチ駆除殺虫剤「ハチノックS」の携帯
    • 襲ってくるハチから身を守るための携帯用スプレーです。ピレスロイド系の殺虫成分(d・d-T80-プラレトリン)を使用しており、ハチに素早い殺虫効果を発揮します。薬剤に触れたハチは数秒で苦悶し、攻撃を中止します。
    • 強力噴射で広範囲をカバーし、不意に襲われた時でも対応しやすいです。
    • 1本100ml入りで、約10秒間の連続噴射でなくなりますので、携帯する本数には注意が必要です。
  • ポイズンリムーバーの持参
    • 万が一刺された際の毒抜きに必須のアイテムです。
  • 応急処置キットの準備
    • 抗ヒスタミン軟膏やステロイド軟膏、水を流せるペットボトル(穴を開けたキャップがあると便利)などを用意しましょう。
  • 服装の準備
    • 前述の通り、明るい色の長袖ウェア、帽子、グローブなどで肌の露出を防ぎましょう。
  • ハチの巣駆除業者への相談
    • もし自宅周辺やよく訪れる場所にハチの巣がある場合は、春先など巣が小さいうちに専門の駆除業者に依頼することを検討しましょう。特にスズメバチの巣は個人で駆除するには大変危険が伴います。プログラントのような専門業者は、迅速な対応、ハチを逃がさない工夫、家屋への損傷防止、専門機材の使用、シーズン保証などのサービスを提供しています。
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第5章:登山におけるスズメバチに関する、よくあるQ&A

登山におけるスズメバチに関する、よくあるQ&Aをまとめました。

  1. Q1: スズメバチが最も活動的になる時期はいつですか?
    • A1: スズメバチは夏から秋にかけて活発に活動し、特に9月から11月頃が最も攻撃的になる危険な時期です。この時期は働きバチの数が最盛期を迎え、翌年の女王バチが誕生する大切な期間であるため、巣を守ろうとより攻撃的になります。
  2. Q2: なぜスズメバチは黒い色に攻撃的なのですか?
    • A2: 諸説ありますが、スズメバチの天敵であるクマが黒色であるため、または動物の急所に黒色が多いため、黒色を危険な色と認識していると考えられています。そのため、登山時には黒い服や持ち物は避けるべきです.
  3. Q3: スズメバチに刺されると必ずアナフィラキシーショックを起こしますか?
    • A3: 必ずしも起こすわけではありませんが、刺される回数が増えるほど症状が重くなる傾向があります。アナフィラキシーショックは通常、2回目以降の刺されで発生する可能性が高いとされています。初めての刺されで起こることは極めて稀ですが、万が一に備えることは重要です。
  4. Q4: スズメバチはどのような場所に巣を作ることが多いですか?
    • A4: スズメバチの種類によって異なりますが、オオスズメバチは主に土中、樹洞、倒木に巣を作ります。キイロスズメバチやコガタスズメバチは、樹木の枝や民家の軒下にも巣を作ります。また、キイロスズメバチは初夏まで屋根裏などの閉鎖空間に巣を作り、働きバチが増えると軒下などの目立つ場所へ引っ越しをする習性があります。
  5. Q5: アシナガバチやミツバチの巣とスズメバチの巣の見分け方は?
    • A5: スズメバチの巣は、作り始めは徳利を逆さにしたような形をしており、完成するとマーブル模様のボール状になります。一方、アシナガバチの巣は、幼虫を育てる六角形の穴が外に露出しており、シャワーヘッドのような形をしています。ミツバチの巣は、平らな複数の板状のものが垂れ下がったような形で、六角形の穴が綺麗に並んでいるのが見えます。スズメバチの巣は危険性が高いため、遠巻きに観察するだけに留め、近寄らないようにしましょう.
  6. Q6: 1度刺されたらもう登山に行けませんか?
    • A6: 1度刺された経験がある方は、次回刺された際にアナフィラキシーショックを起こすリスクが高まるため、必ず病院でスズメバチ毒に対するアレルギー抗体検査を受けることを推奨します。陽性反応が出た場合は、医師の指導のもとエピペンを携帯するなどの対策を講じれば、引き続き登山を楽しむことができます。同行者にもそのことを伝えておきましょう。
  7. Q7: 携帯用スプレー「ハチノックS」はどれくらい効果がありますか?
    • A7: ハチノックSはピレスロイド系の殺虫成分で蜂に素早い殺虫効果があり、薬剤に触れた蜂は数秒で苦悶し攻撃を中止するとされています。1本100ml入りで、約10秒間の連続噴射が可能です。ただし、スズメバチは大群で攻撃してくることがあるため、噴射しながらできるだけ早く現場から離れることが推奨されています。
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まとめ

登山におけるスズメバチ対策は、その活動が活発になる夏から秋にかけて特に重要です。

防御策を徹底し、万が一の遭遇や刺傷に備えて適切な応急処置の知識と道具を準備しておくことで、危険を大幅に減らすことができます。

スズメバチは不用意に刺激しない限り、攻撃してくることは稀ですが、巣の近くでは特に注意が必要です。

冷静な判断と迅速な行動が、あなたの安全を守ります。

この記事で紹介した対策を参考に、美しい秋の自然を安全に満喫し、快適な登山を楽しんでください。

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