
今、どの親方がどの年寄株を持っているのか?
——その疑問に、2025年最新版の一覧でズバリお答えします。



相撲ファンや制度に関心のあるあなたへ。
本記事では、現役親方が所有する年寄名跡の全貌に加え、貸借中の名跡や制度の仕組みまで詳しく解説。
年寄株制度の基本から、名跡ごとの所有者一覧、過去の変遷、そして取得や貸借の実態まで、相撲界の”裏側”をひも解いていきます。
制度の仕組みをしっかり理解したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
- 年寄株制度の基本と名跡の種類
- 現役親方と年寄株の対応一覧(2025年最新版)
- 貸借中の年寄株・空き名跡の現状と背景
- 年寄株の取得方法や名跡の移り変わり
年寄株って何?制度の基本からやさしく解説
「年寄株(としよりかぶ)」とは、日本相撲協会において親方になるために必要な名義(名跡)を指します。
これは単なる“肩書き”ではなく、協会に所属し続けるための“資格”のようなものであり、厳格なルールのもとで管理されています。
この名跡制度は江戸時代から続いており、引退後も相撲界に残りたい力士にとっては欠かせない存在です。現在は105の年寄株が存在し、それぞれに「◯◯親方」という名称が付けられています。
では、そもそもこの年寄株の持つ意味とは?そして、現役親方がどのように保有しているのかを見ていきましょう。
年寄名跡の役割とは?親方になるための“資格”
現役力士が引退後も相撲協会に残るためには、年寄名跡の取得が必須です。
この名跡を取得することで「親方」として部屋付きや部屋持ちとして活動できるようになります。ただし、名跡の数は105と限られており、取得の難しさが制度の特徴でもあります。
一例として、元横綱・稀勢の里(現在の二所ノ関親方)は引退後すぐに年寄株を取得し、自ら部屋を興す道を選びました。彼のように即座に親方となれるのは一部の例で、名跡を持たずに引退する力士も多いのが現状です。
一方、2025年1月場所で引退した元横綱・照ノ富士は、現在、照ノ富士親方として協会の仕事をしています。これは「横綱は引退後5年間・大関は3年間は年寄名跡がなくても年寄優遇として協会に残ることができる」というルールがあるからです。。言い換えると、元横綱・照ノ富士は引退までに年寄名跡を取得することができなかったということです。
ちなみに、外国人出身の力士は、引退までに日本国籍を取得しておくことが協会に年寄(親方)として残る前提条件となります。
この制度は、いわば「定員制の職員資格」。名跡を持たなければ、どれだけ名のある力士であっても協会に残れません。
なお、年寄襲名するための条件を引用で提示しますね。
日本国籍を有することと、現役時の成績が要件として求められる。現行の規定では、部屋の継承などについて複数の基準が設けられている。
現行の条件引用元:WikiPedia
- 相撲部屋を新設して師匠になるための条件。以下の条件のいずれかを満たすことが必要(2006年9月28日より適用)。
- 横綱もしくは大関経験者
- 三役(関脇・小結)通算25場所以上
- 幕内通算60場所以上(番付制限なし)
- 一般的な襲名の条件。新規部屋の師匠としての独立は認められない。以下の条件のいずれかを満たすことが必要(1998年5月1日より適用。後に変則的な特例を採用)。
2013年12月20日に「関取在位通算28場所以上なら、名跡の前保有者と師匠、保証人の親方の願書があれば、理事会でその是非を決定する」という規定を同年11月17日の理事会で追加していたことが相撲協会から発表され、関取在位期間については事実上2場所短縮された。この規定により名跡を襲名したのは2013年12月の11代君ヶ濱(寶千山幸勘)、2019年3月の13代秀ノ山(天鎧鵬貴由輝)である。この規定は寶千山の引退間際に追加されたことから、俗には「寶千山ルール」と呼ばれる。この制度は力士本人が条件を満たしても実際の承認は師匠の協会での力関係などに左右されると、一部報道で指摘されている。
- 最高位が小結以上幕内在位通算20場所以上十両以上(関取)在位 通算30場所以上
- 既存の相撲部屋継承者として承認された場合には、次のいずれかの条件に緩和される。
この条件で名跡を取得した者は、2021年時点で11代宮城野(金親和憲)と21代春日山(濱錦竜郎)の2名である。なお、この資格者が後に師匠の座から退いても、引き続き相撲協会に年寄として残ることは可能である。
- 幕内在位通算12場所以上十両以上(関取)在位を通算20場所以上、番付制限なし
なお、この引用元のWikiPediaには、前述の基準で、名跡襲名(親方になること)の資格(襲名権)を持つ現役力士が2025年4月28日現在で、57人居ると明記されています。
このうち、すでに名跡を取得している者は4人だけ。
- 宝富士:桐山
- 新規部屋創設資格者
- 遠 藤:北陣
- 新規部屋創設資格者
- 北勝富士:大山
- 志摩ノ海:井筒
要するに、名跡襲名権を持つ現役力士のうち、53人は「名跡が無い!」のです。
何故なら、名跡数は105と限定されているからです。
年寄株の種類と保有スタイル(永久取得/借用)
年寄株の保有には大きく分けて2種類のスタイルがあります。
1つは「永久取得型」。これは名跡を完全に自分のものとして取得する方式で、多くの場合は現役時代に高い地位にいた力士や、財政的に余裕のある者が選択します。
もう1つが「借用型」。これは、他人名義の名跡を一時的に借りるスタイルで、正式には「借株」と呼ばれます。貸主は既に引退した元親方で、相手との信頼関係や条件によって貸借契約が成立します。
- 永久取得:自分の名義で所有
- 借 用:他者から一定期間借りる
- 名跡譲渡:売買または相続で移転可能
借株は一見便利に見えますが、貸し手が死亡した場合や名跡を返却しなければならなくなった際、現役親方は協会に残れなくなるリスクを抱えています。
例えば…
長く幕内で活躍してきた北勝富士(最高位:小結)ですが、次のような戦績で番付を大きく落としています。2025年5月場所は西幕下3枚目の番付ですが、初日から休場となっています。
- 2025年1月場所 東前頭14枚目 0勝0敗15休(全休!)
- 2025年3月場所 東十両8枚目 3勝12敗
- 2025年5月場所 西幕下3枚目 初日から休場
いよいよ引退なのかもしれません。
北勝富士は年寄名跡「大山」をすでに取得済ですが、他の親方の貸しています。なので、今回、年寄名跡襲名準備でしょう、その貸借を解消しました。
結果、「錦島」を襲名していた元前頭・翔天狼が「出来山」を襲名することになり、空いた「錦島」を襲名したのが「大山」親方だった元小結・千代鳳というような玉突き変更がありました。
相撲協会が管理する「名跡」とそのルール
年寄名跡は、日本相撲協会が厳格に管理しており、勝手に譲渡・売買することはできません。
譲渡の際は協会の承認が必要で、正当な審査を経て名跡の移動が認められます。特に売買に関しては、暗黙の了解で高額な金銭が動くこともあり「名跡ビジネス」として物議を醸す場面もあります。
また、名跡は1人1つまでと定められており、重複取得は不可能。取得者は名跡にちなんだ「○○親方」として登録され、公式行事や指導にもその名で登場します。
名跡の使用には協会規則が存在し、貸借契約の届け出、期限、譲渡条件などが定められています。このルールに違反した場合、親方資格の停止や協会からの除名もあり得るのです。



親方になるには「名跡」が絶対必要なんですね!
【初心者向け】現役親方と名跡の対応一覧
現役親方がどの年寄名跡を保有しているのかを一覧で把握することで、相撲界の構造や動向が見えてきます。
とくに名跡と人物の対応関係、そして名跡の貸借状況や変更履歴は、相撲ファンにとって非常に興味深い情報です。
それでは、まずは最新の年寄株所有者一覧から確認していきましょう。誰がどの名跡を持っているかが一目でわかります。
年寄株所有者一覧(2025年最新版)|名跡別に一目でわかる
2025年現在の最新情報をもとに、現役親方が所有する名跡と対応人物を一覧で整理しました。
以下は一部抜粋ですが、名跡名・親方名・元力士名などを併記しており、初心者にもわかりやすい構成です。
以下、2025年5月現在で、名跡目を50音順に並べてあります。
1 | 浅香山 / あさかやま | 15代 | 魁皇 | 大関 | 2011年7月〜 | 浅香山部屋師匠 | 伊勢ヶ濱一門 日本相撲協会理事 |
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2 | 朝日山 / あさひやま | 19代 | 琴錦 | 関脇 | 2016年1月〜 | 朝日山部屋師匠 | 伊勢ヶ濱一門 | |
3 | 安治川 / あじがわ | 8代 | 安美錦 | 関脇 | 2019年7月〜 | 安治川部屋師匠 | 伊勢ヶ濱一門 | |
4 | 東関 / あづまぜき | 14代 | 高見盛 | 小結 | 2020年1月〜 | 八角部屋付き親方 | ||
5 | 荒磯 / あらいそ | 18代 | 琴勇輝 | 関脇 | 2023年7月〜 | 佐渡ヶ嶽部屋付き親方 | ||
6 | 荒汐 / あらしお | 8代 | 蒼国来 | 前頭2枚目 | 2020年3月〜 | 荒磯部屋師匠 | モンゴル | 時津風一門 |
7 | 雷 / いかづち | 17代 | 垣添 | 小結 | 2012年10月〜 | 雷部屋師匠 | 出羽海一門 | |
8 | 伊勢ヶ濱 / いせがはま | 9代 | 旭富士 | 横綱 | 2007年11月〜 | 伊勢ヶ濱部屋師匠 | 伊勢ヶ濱一門 日本相撲協会役員待遇委員 |
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9 | 伊勢ノ海 / いせのうみ | 12代 | 北勝鬨 | 前頭3枚目 | 2011年9月〜 | 伊勢ノ海部屋師匠 | 時津風一門 日本相撲協会理事 |
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10 | 井筒 / いづつ | 17代 | 明瀬山 | 前頭12枚目 | 2023年8月〜 | 木瀬部屋付き親方 | ☆一時的襲名 | |
11 | 稲川 / いながわ | 13代 | 普天王 | 小結 | 2011年5月〜 | 木瀬部屋付き親方 | ||
12 | 入間川 / いるまがわ | 16代 | 栃司 | 関脇 | 2023年4月〜 | 雷部屋付き親方 | ★再雇用 | |
13 | 岩友 / いわとも | 19代 | 碧山 | 関脇 | 2024年9月〜 | 春日野部屋付き親方 | ブルガリヤ | |
14 | 浦風 / うらかぜ | 17代 | 敷島 | 前頭筆頭 | 2013年1月〜 | 荒汐部屋付き親方 | ||
15 | 枝川 / えだがわ | 13代 | 蒼樹山 | 前頭筆頭 | 2003年11月〜 | 時津風部屋付き親方 | ||
16 | 追手風 / おってかぜ | 11代 | 大翔山 | 前頭2枚目 | 1998年2月〜 | 追手風部屋師匠 | 時津風一門 | |
17 | 阿武松 / おうのまつ | 13代 | 大道 | 前頭8枚目 | 2019年9月〜 | 阿武松部屋師匠 | 二所ノ関一門 | |
18 | 大島 / おおしま | 6代 | 旭天鵬 | 関脇 | 2022年2月〜 | 大島部屋師匠 | モンゴル | 4代の再襲名 伊勢ヶ濱一門 |
19 | 大嶽 / おおたけ | 17代 | 大竜 | 十両4枚目 | 2010年7月〜 | 大嶽部屋師匠 | 15代の再襲名 二所ノ関一門 |
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20 | 大鳴戸 / おおなると | 15代 | 出島 | 大関 | 2009年7月〜 | 藤島部屋付き親方 | ||
21 | 大山 / おおやま | 13代 | 千代鳳 | 小結 | 2022年11月〜 2025年5月 | 九重部屋付き親方 | ☆一時的襲名で20代鍋島に名跡変更済 大山の所有者は北勝富士 |
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22 | 尾車 / おぐるま | 9代 | 琴恵光 | 前頭4枚目 | 2024年5月〜 | 佐渡ヶ嶽部屋付き親方 | ||
23 | 押尾川 / おしおがわ | 22代 | 豪風 | 関脇 | 2019年1月〜 | 押尾川部屋師匠 | 二所ノ関一門 | |
24 | 音羽山 / おとわやま | 24代 | 鶴竜 | 横綱 | 2023年12月〜 | 音羽山部屋師匠 | モンゴル | 時津風一門 |
25 | 尾上 / おのえ | 17代 | 濱ノ嶋 | 小結 | 2004年5月〜 | 尾上部屋師匠 | 出羽海一門 | |
26 | 小野川 / おのがわ | 29代 | 北太樹 | 前頭2枚目 | 2018年1月〜 | 山響部屋付き親方 | ||
27 | 鏡山 / かがみやま | 8代 | 多賀竜 | 関脇 | 2023年2月〜 | 追手風部屋付き親方 | ★再雇用 | |
28 | 春日野 / かすがの | 11代 | 栃乃和歌 | 関脇 | 2003年3月〜 | 春日野部屋師匠 | 出羽海一門 日本相撲協会理事 |
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29 | 春日山 / かすがやま | 24代 | 勢 | 関脇 | 2021年6月〜 | 伊瀬ノ海部屋付き親方 | ||
30 | 片男波 / かたおなみ | 14代 | 玉春日 | 関脇 | 2010年2月〜 | 片男波部屋師匠 | 二所ノ関一門 | |
31 | 勝ノ浦 / かつのうら | 13代 | 起利錦 | 前頭2枚目 | 2012年2月〜 | 伊瀬ノ海部屋付き親方 | 日本相撲協会理事 | |
32 | 甲山 / かぶとやま | 10代 | 大碇 | 前頭11枚目 | 2005年5月〜 | 伊瀬ノ海部屋付き親方 | ||
33 | 北陣 / きたじん | 22代 | 天鎧鵬 | 前頭8枚目 | 2023年7月〜 | 尾上部屋付き親方 | ☆一時的襲名 | |
34 | 君ヶ濵 / きみがはま | 13代 | 隠岐の海 | 関脇 | 2023年1月〜 | 八角部屋付き親方 | ||
35 | 木瀬 / きせ | 11代 | 肥後ノ海 | 前頭筆頭 | 2002年11月〜 | 木瀬部屋師匠 | 出羽海一門 | |
36 | 清見潟 / きよみがた | 13代 | 栃煌山 | 関脇 | 2020年7月〜 | 春日野部屋付き親方 | ||
37 | 桐山 / きりやま | 21代 | 旭日松 | 前頭11枚目 | 2021年6月〜2024年7月 | ☆一時的襲名、19代振分に名跡変更後に退職 桐山の所有者は宝富士 |
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38 | 熊ヶ谷 / くまがたに | 17代 | 玉飛鳥 | 前頭9枚目 | 2018年4月〜 | 片男波部屋付き親方 | ||
39 | 粂川 / くめがわ | 13代 | 琴稲妻 | 小結 | 1999年7月〜 | 佐渡ヶ嶽部屋付き親方 | 日本相撲協会副理事 | |
40 | 九重 / ここのえ | 14代 | 千代大海 | 大関 | 2016年8月〜 | 九重部屋師匠 | 高砂一門 日本相撲協会役員待遇委員 |
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41 | 境川 / さかいがわ | 13代 | 両国 | 小結 | 2003年1月〜 | 境川部屋師匠 | 出羽海一門 日本相撲協会理事 |
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42 | 佐渡ヶ嶽 / さどがだけ | 13代 | 琴ノ若 | 関脇 | 2005年11月〜 | 佐渡ヶ嶽部屋師匠 | 二所ノ関一門 日本相撲協会理事 |
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43 | 佐ノ山 / さのやま | 25代 | 千代の国 | 前頭筆頭 | 2023年7月〜 | 九重部屋付き親方 | ||
44 | 式秀 / しきひで (式守秀五郎) | 10代 | 北桜 | 前頭9枚目 | 2013年1月〜 | 式秀部屋師匠 | 出羽海一門 | |
45 | 錏山 / しころやま | 21代 | 豊真将 | 小結 | 2024年2月〜 | 錣山部屋師匠 | 二所ノ関一門 | |
46 | 芝田山 / しばたやま | 12代 | 大乃国 | 横綱 | 1993年3月〜 | 芝田山部屋師匠 | 二所ノ関一門 日本相撲協会理事 |
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47 | 白玉 / しらたま | 16代 | 琴椿 | 前頭3枚目 | 2005年8月〜 | 佐渡ヶ嶽部屋付き親方 | 日本相撲協会役員待遇委員 | |
48 | 不知火 / しらぬい | 12代 | 若荒雄 | 小結 | 2014年9月〜 | 阿武松部屋付き親方 | ||
49 | 陣幕 / じんまく | 19代 | 富士乃真 | 前頭筆頭 | 1998年2月〜 | 八角部屋付き親方 | ||
50 | 関ノ戸 / せきのと | 18代 | 岩木山 | 小結 | 2010年9月〜 | 境川部屋付き親方 | ||
51 | 千田川 / せんだがわ | 21代 | 徳勝龍 | 前頭2枚目 | 2023年9月〜 | 錦戸部屋付き親方 | ☆一時的襲名 | |
52 | 高崎 / たかさき | 16代 | 金開山 | 前頭6枚目 | 2014年4月〜 | 出羽海部屋付き親方 | ||
53 | 高砂 / たかさご | 8代 | 朝赤龍 | 関脇 | 2020年11月〜 | 高砂部屋師匠 | 高砂一門 | |
54 | 高島 / たかしま | 13代 | 高望山 | 関脇 | 2022年8月〜 | 追手風部屋付き親方 | ★再雇用 | |
55 | 高田川 / たかだがわ | 9代 | 安芸乃島 | 関脇 | 2009年8月〜 | 高田川部屋師匠 | 二所ノ関一門 日本相撲協会理事 |
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56 | 武隈 / たけくま | 14代 | 豪栄道 | 大関 | 2020年1月〜 | 武隈部屋師匠 | 出羽海一門 | |
57 | 竹縄 / たけなわ | 24代 | 栃乃洋 | 関脇 | 2012年1月〜 | 春日野部屋付き親方 | ||
58 | 田子ノ浦 / たごのうら | 16代 | 隆の鶴 | 前頭8枚目 | 2013年12月〜 | 田子ノ浦部屋師匠 | 二所ノ関一門 | |
59 | 立田川 / たつたがわ | 20代 | 寶千山 | 前頭14枚目 | 2024年5月〜 | 境川部屋付き親方 | ☆一時的襲名 | |
60 | 立田山 / たつたやま | 12代 | 薩洲洋 | 前頭筆頭 | 2022年6月〜 | 追手風部屋付き親方 | ★再雇用 | |
61 | 立浪 / たつなみ | 7代 | 旭豊 | 小結 | 1999年2月〜 | 立浪部屋師匠 | 出羽海一門 | |
62 | 立川 / たてかわ | 13代 | 土佐ノ海 | 関脇 | 2010年12月〜 | 伊勢ノ海部屋付き親方 | ||
63 | 楯山 / たてやま | 17代 | 誉富士 | 前頭6枚目 | 2019年9月〜 | 伊勢ヶ濱部屋付き親方 | ||
64 | 谷川 / たにがわ | 13代 | 北勝力 | 関脇 | 2011年5月〜 | 九重部屋付き親方 | ||
65 | 玉垣 / たまがき | 18代 | 智ノ花 | 小結 | 2006年3月〜 | 大島部屋付き親方 | ||
66 | 玉ノ井 / たまのい | 14代 | 栃東 | 大関 | 2009年9月〜 | 玉ノ井部屋師匠 | 出羽海一門 | |
67 | 千賀ノ浦 / ちがのうら | 22代 | 里山 | 前頭12枚目 | 2021年4月〜 | 尾上部屋付き親方 | ||
68 | 出来山 / できやま | 18代 | 翔天狼 | 前頭2枚目 | 2025年5月〜 | 藤島部屋付き親方 | モンゴル | ☆一時的襲名 |
69 | 出羽海 / でわのうみ | 11代 | 小城ノ花 | 前頭2枚目 | 2014年2月〜 | 出羽海部屋師匠 | 出羽海一門 日本相撲協会理事 |
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70 | 時津風 / ときつかぜ | 17代 | 土佐豊 | 前頭筆頭 | 2021年2月〜 | 時津風部屋師匠 | 時津風一門 | |
71 | 常磐山 / ときわやま | 17代 | 隆三杉 | 小結 | 2020年11月〜 | 常磐山部屋師匠 | 15代の再襲名 | |
72 | 友綱 / ともづな | 13代 | 魁聖 | 関脇 | 2022年8月〜 | 浅香山部屋付き親方 | ブラジル | |
73 | 中川 / なかがわ | 15代 | 旭里 | 前頭14枚目 | 2004年8月〜 | 時津風部屋付き親方 | ||
74 | 中立 / なかだち | 14代 | 小城錦 | 小結 | 2004年1月〜 | 出羽海付き親方 | 日本相撲協会役員待遇委員 | |
75 | 中村 / なかむら | 13代 | 嘉風 | 関脇 | 2019年9月〜 | 中村部屋師匠 | 二所ノ関一門 | |
76 | 鳴戸 / なると | 15代 | 琴欧州 | 大関 | 2015年2月〜 | 鳴戸部屋師匠 | ブルガリヤ | 二所ノ関一門 |
77 | 西岩 / にしいわ | 12代 | 若の里 | 関脇 | 2015年9月〜 | 西岩部屋師匠 | 二所ノ関一門 | |
78 | 錦島 / にしきじま | 20代 | 千代鳳 | 小結 | 2025年5月〜 | 九重部屋付き親方 | ☆一時的襲名 | |
79 | 錦戸 / にしきど | 10代 | 水戸泉 | 関脇 | 2000年9月〜 | 錦戸部屋師匠 | 高砂一門 日本相撲協会役員待遇委員 |
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80 | 二所ノ関 / にしょのせき | 13代 | 稀勢の里 | 横綱 | 2021年12月〜 | 二所ノ関部屋師匠 | 二所ノ関一門 | |
81 | 二十山 / はたちやま | 15代 | 栃乃花 | 小結 | 2008年1月〜 | 春日野部屋付き親方 | 出羽海一門 | |
82 | 八角 / はっかく | 8代 | 北勝海 | 横綱 | 1993年9月〜 | 八角部屋師匠 | 高砂一門 日本相撲協会理事長 |
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83 | 花籠 / はなかご | 15代 | 太寿山 | 関脇 | 2024年4月〜 | 高田川部屋付き親方 | ★再雇用 | |
84 | 放駒 / はなれごま | 18代 | 玉乃島 | 関脇 | 2013年5月〜 | 放駒部屋師匠 | 二所ノ関一門 | |
85 | 浜風 / はまかぜ | 18代 | 五城楼 | 前頭3枚目 | 2006年11月〜 | 佐渡ヶ嶽部屋付き親方 | ||
86 | 秀ノ山 / ひでのやま | 14代 | 琴奨菊 | 大関 | 2020年11月〜 | 秀ノ山部屋師匠 | 二所ノ関一門 | |
87 | 富士ヶ根 / ふじがね | 9代 | 大善 | 小結 | 2003年3月〜 | 春日野部屋付き親方 | ||
88 | 藤島 / ふじしま | 18代 | 武双山 | 大関 | 2004年11月〜 | 藤島部屋師匠 | 出羽海一門 日本相撲協会副理事 |
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89 | 二子山 / ふたごやま | 14代 | 雅山 | 大関 | 2013年3月〜 | 二子山部屋師匠 | 出羽海一門 | |
90 | 振分 / ふりわけ | 20代 | 妙義龍 | 関脇 | 2024年9月〜 | 境川部屋付き親方 | ||
91 | 間垣 / まがき | 23代 | 石浦 | 前頭5枚目 | 2023年6月〜 | 伊勢ヶ濱部屋付き親方 | ||
92 | 松ヶ根 / まつがね | 10代 | 玉力道 | 前頭8枚目 | 2014年12月〜 | 放駒部屋付き親方 | ||
93 | 待乳山 / まつちやま | 13代 | 武州山 | 前頭3枚目 | 2021年5月〜 | 藤島部屋付き親方 | ||
94 | 陸奥 / みちのく | 9代 | 霧島 | 大関 | 2024年4月〜 | 音羽山部屋付き親方 | ★再雇用 | |
95 | 湊 / みなと | 23代 | 湊富士 | 前頭2枚目 | 2010年7月〜 | 湊部屋師匠 | 二所ノ関一門 | |
96 | 湊川 / みなとがわ | 14代 | 貴景勝 | 大関 | 2024年9月〜 | 常磐山部屋付き親方 | ||
97 | 峰崎 / みねざき | 7代 | 三杉磯 | 前頭2枚目 | 2021年5月〜 | 芝田山部屋付き親方 | ★再雇用 | |
98 | 三保ヶ関 / みほがせき | 12代 | 栃栄 | 前頭筆頭 | 2014年8月〜 | 春日野部屋付き親方 | ||
99 | 宮城野 / みやぎの | 13代 | 白鵬 | 横綱 | 2022年7月〜 | 伊勢ヶ濱部屋付き親方 | ||
100 | 武蔵川 / むさしがわ | 15代 | 武蔵丸 | 横綱 | 2013年2月〜 | 武蔵川部屋師匠 | アメリカ | 出羽海一門 |
101 | 山科 / やましな | 15代 | 豊響 | 前頭2枚目 | 2021年6月〜 | 境川部屋付き親方 | ||
102 | 山響 / やまひびき | 20代 | 巌雄 | 前頭筆頭 | 2006年12月〜 | 山響部屋師匠 | 出羽海一門 | |
103 | 山分 / やまわけ | 14代 | 武雄山 | 前頭筆頭 | 2010年9月〜 | 藤島部屋付き親方 | ||
104 | 若藤 / わかふじ | 15代 | 皇司 | 前頭4枚目 | 2009年3月〜 | 木瀬部屋付き親方 | ||
105 | 若松 / わかまつ | 15代 | 朝乃若 | 前頭筆頭 | 2005年4月〜 | 高砂部屋付き親方 | 日本相撲協会副理事 |
なお、借り株の場合は「☆暫定襲名」と備考欄に書きました。
貸借中の年寄株とは?空き名跡・借用状況も解説
すべての年寄株が現在「所有」されているわけではなく、実際には多くが貸借契約のもと運用されています。
名跡を一時的に借りている「借株親方」は、正式な所有者ではないため将来的に返却の必要があります。この制度は若手親方の登用やバランス維持にも役立っている一方で、不安定な立場であるのも事実です。
- 現在の貸借名跡数:6
- 井筒(志摩ノ海が所有)
- 錦島(2023年11月に死去した18代錦島の長岡末弘の遺族が所有)
- 北陣(遠藤が所有)
- 千田川(20代千田川の玉城順[元闘牙]が所有)
- 立田川(19代立田川だった豊真将が21代錣山を継承襲名したため、名跡は現在日本相撲協会が管理)
- 出来山(15代出来山だった元関脇・出羽の花の野村双一が所有)
- 前述の資料から明らかに貸借名跡だと思われるのはこの6つですが、潜伏した貸借名跡がまだあるかもしれません。
- 空き名跡(現在未使用):2
- 桐山(宝富士所有)、大山(北勝富士所有)
- 明らかに明いているのはこの2つの名跡でが、宝富士と北勝富士の引退に伴い、それぞれこの名跡を襲名すると思われるため、実質的な空きに勘定するのは無理があります。あくまでも未使用という意味です。
- 桐山(宝富士所有)、大山(北勝富士所有)
空き名跡は必ずしも“誰でも取得できる”ものではなく、元の所有者の承諾や協会の審査が必須です。したがって、名跡取得を希望する親方は常に動向を注視しています。
なお、65歳の定年以降も70歳まで再雇用できる制度が導入され、2025年5月現在、7人おり、それも年寄名跡が不足する一因にはなっています。再雇用がダメとか悪いという意味ではありません!
- 再雇用者
- 入間川、鏡山、高島、立田山、花籠、陸奥、峰崎
過去に変更があった名跡とその経緯
年寄株は代替わりや譲渡によって名義が変わることもあり、それに伴って親方名も変更されます。
たとえば、元若乃花の花田氏は当初「藤島親方」として活動していましたが、後に「二子山親方」に名跡を変更しました。このように、名跡の交代にはそれぞれのストーリーが存在します。
- 藤島→二子山:花田氏、親方名変更
- 佐渡ヶ嶽→境川:一門の調整による譲渡
- 間垣→芝田山:元大乃国、名跡復帰
名跡の変更は相撲界の力学を反映する象徴的な出来事です。名跡の背後には代々の歴史や人間関係が絡んでおり、相撲の深さを感じられる一面でもあります。



名跡のリストを見ると、親方のつながりが見えてきますね!
年寄株の取得と貸借の仕組みを知ろう
年寄株は限られた枠しか存在しないため、その取得方法や貸借の仕組みには独自のルールと慣例があります。
特に、引退直後の力士がどのように親方としての道を歩むのかは、多くの相撲ファンにとって興味の尽きないテーマでしょう。
それではまず、親方になるために必要な条件と年寄株取得の流れを見ていきましょう。
年寄株を取得するには?条件と流れを解説
年寄株の取得には、日本相撲協会が定めるいくつかの基準があります。
現役力士として一定の実績(幕内在位・関取経験など)を残し、協会員としてふさわしいと認められる必要があります。さらに、取得時には協会の承認が不可欠で、名跡所有者からの譲渡または貸与が前提となります。
- 関取経験(幕下以上)
- 協会の承認を得る
- 名跡の譲渡者または貸与者を確保
具体的な流れとしては、引退 → 候補名跡の選定 → 貸借/譲渡の交渉 → 協会への届け出 → 審査 → 承認という手続きが一般的です。
借名跡で活動する親方の背景と制度
名跡を「借りて」活動している親方は、実は非常に多いです。
名跡取得には数千万円規模の資金が必要になるため、引退直後の力士がすぐに購入できるケースはごくわずか。そこで、先輩親方やOBから名跡を一時的に借りる“借株”という制度が機能しています。
借株期間中は正式な親方として活動できますが、契約期間の制限や貸主の事情(死去、引退、復帰)により、返却や変更を求められるケースもあります。
- 例1:借株で部屋付き親方として活動
- 例2:部屋持ちを目指しつつ借株継続
- 例3:借株期限満了で協会退職
制度としては非常に実用的で、後進育成や相撲界の人材循環にも貢献していますが、親方本人にとっては不安定さがつきまとう制度でもあります。
売買・貸借の実例と名跡相場の現状
年寄株は「売買禁止」とされていますが、実際には高額な金銭のやりとりが行われているのが実情です。
表向きには「譲渡」や「相続」として処理されますが、その背景には5000万〜1億円規模の売買が暗黙のうちに存在しているとされ、スポーツ紙でもたびたび報道されてきました。
一例として、某親方が取得した名跡は、元の所有者から約8000万円で譲渡されたと噂されており、これが名跡の“相場感”を象徴するものとなっています。
- 貸借:年間200〜400万円前後が相場
- 譲渡:5000万〜1億円
- 相続:家系・血縁関係による無償もあり
年寄株は相撲界における“ライセンス”であると同時に、財産としての性格も持っています。そのため、引退後のキャリア形成にも大きく関わってくるのです。



名跡って、ただの名前じゃなくて資産なんだなあ
年寄株の今後と相撲界の展望
年寄株制度は、伝統と現代的な課題のはざまで大きな転換点を迎えつつあります。
制度の透明性、若手親方の登用、そして将来の相撲界を見据えた改革の必要性が、業界内外から強く求められています。
ここでは、制度が今どのように変わろうとしているのか、そして今後どんな展開が予想されるのかを探っていきます。
制度改革の動きと透明化への期待
年寄株に関しては、これまで「不透明な売買」や「世襲の温床」などの批判が根強くありました。
これを受けて、日本相撲協会も一定のルール整備を進めており、近年では「取得理由の公開」や「貸借届出の厳格化」などが実施されています。
とはいえ、依然として売買の実態は非公開で、資金力のある者に有利な構造は変わっていません。今後は、協会がさらに踏み込んだ改革を進められるかがカギとなるでしょう。
名跡の“見える化”によって、若手の機会均等やファンの信頼回復につながる可能性があります。
空き名跡の増減と若手親方への影響
2020年代に入り、空き名跡の数は逼迫傾向にあります。
横綱が引退する際に苦労する事例が散見されます。
前述しましたが、定年後の再雇用がこの逼迫に拍車を掛けています。
- 空き名跡:2025年5月現在、実質的にはゼロ?
- 貸借から所有への移行例も増加中
ただし、空きがあっても資金や人脈がなければ取得できないという現実があり、本質的な改革には至っていません。
相撲ファンが注目すべき「名跡の今後」
名跡は相撲界の「顔」とも言える制度です。
今後は、デジタル化による情報開示の充実や、名跡制度自体の見直しが求められる場面も出てくるでしょう。ファンとしては、ただのリストではなく、その裏にある人間模様やドラマにも注目していきたいところです。
名跡の移り変わりは、時代の流れと相撲界の変化を象徴しています。その行方に目を向けることで、より深く相撲という文化を理解できるはずです。



名跡の未来、相撲界の未来とつながってますね!
まとめ|年寄株の制度と所有者一覧を通して見える相撲界の今
年寄株制度の基礎から、現役親方の名跡一覧、貸借状況、そして取得方法まで、本記事では幅広く解説しました。
- 年寄株制度の基本と種類を図解つきで理解
- 2025年最新版・名跡別の所有者一覧と貸借状況
- 取得条件・貸借制度・相場までのリアルな情報
単なる一覧だけでなく、年寄株という制度の背後にある歴史と文化も見えてきたのではないでしょうか。



知識が深まると、相撲観戦の見方もグッと広がります。
これからも相撲界の仕組みや制度を丁寧に解説していきますので、ぜひ他の記事もご覧ください!
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