映画『あの人が消えた』の配信サブスク、パクリ問題と原作、口コミなど総まとめ

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2024年9月20日に劇場公開された映画『あの人が消えた』は、原作モノが多い商業映画において珍しい全編オリジナル脚本作品です。監督は、人気ドラマ『ブラッシュアップライフ』で演出を務めた実績を持つ水野格監督で、長編映画デビュー作です。

本作は、コロナ禍で大学中退を余儀なくされ配達員として働く青年、丸子夢久郎(まるこ むくろう / 高橋文哉)が主人公。

彼は、愛読するウェブ小説家・小宮千尋(こみや ちひろ / 北香那)が住むマンション「クレマチス多摩」を担当することになりました。そのマンションは「次々と人が消える」と噂されるマンションで、丸子夢久郎は、そのマンションを舞台に、住人の不審な行動や失踪疑惑に巻き込まれていきます。

この作品は、先読み不可能なミステリー・エンターテインメントで、ミステリーとドラマ、そして時折コミカルな描写が相まった独特の日常へと観客を誘います。

「そうきたか!」と手を打ちたくなる趣向と仕掛けが満載で、特に怒涛の後半30分からの圧巻のラスト10分は、観客の予想を裏切り続ける展開が待っています。このラストの顛末は、鑑賞後に人と大いに語り合いたくなる箇所だと評されています。

その斬新な構成ゆえに、インターネット上では、先行作品のアイデアとの類似点(パクリ・オマージュ)に関する議論も巻き起こっています。このラストのどんでん返しは、有名どんでん返し映画のトリックを練習問題のように捻り潰して痛快だったという声や、逆に有名サプライズ映画のアイデアの「モロパクリ!」だという厳しい意見もあります。

本記事では、この話題の映画の基本情報から、構成の巧みさ、そして気になる配信状況や関連する議論について、徹底的に解説します。

この記事でわかること
  • 映画『あの人が消えた』を観るために、配信サブスクで観られるかがわかります。
  • “パクリ・オマージュ”の口コミに関する情報や、作品の総合的な評価を知ることができます。
  • ネタバレなしのあらすじと、ジャンルから見る“怖さ”のタイプを把握できます。
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目次

映画『あの人が消えた』とは?

作品概要

  • 監  督:水野 格
  • 脚  本:水野 格
  • 公  開:2024年9月20日
  • 上映時間:104分
  • 主 題 歌:NAQT VANE「FALLOUT」
  • 出  演
    • 高橋 文哉(主演)、北 香那、坂井 真紀
    • 袴田 吉彦、金澤 美穂、菊地 凛子
    • 中村 倫也、染谷 将太、田中 圭、梅沢 富美男 ほか
  • 評  価
    • Filmarks 3.7点(5点満点)

主な登場人物

【八谷運輸の配達員】

  • 丸子 夢久郎(まるこ むくろう)/ 演・高橋文哉
    • 配達員4年目。小宮千尋のファン。
  • 荒川 渉(あらかわ わたる)/ 演・田中圭
    • 丸子の先輩社員。小説家志望。

【クレマチス多摩住民】★伏線ね

  • 巻坂 健太(まきさか けんた)/ 演・中村倫也
    • 201号室。ゴミ分別が不得意。
  • 流川 翼(るかわ つばさ)/ 演・金澤美穂
    • 203号室。
  • 小宮 千尋(こみや ちひろ)/ 演・北香那
    • 205号室。WEB小説家。
  • 長谷 部弘美(はせべ ひろみ)/ 演・坂井真紀
    • 301号室。詮索好きでおしゃべり。
  • 島崎 健吾(しまざき けんご)/ 演・染谷将太
    • 302号室。挙動不審な男。
  • 沼田 隆(ぬまた たかし)/ 演・袴田吉彦
    • 303号室。引っ越し先を探している。

【警視庁】

  • 寺田雅子(てらだ まさこ)/ 演・菊地凛子
    • ある事件を調べている公安の刑事。
    • 「作業」をやってるのかな?

ネタバレなし!簡単なあらすじ紹介

物語の主人公は、コロナ禍で大学中退を余儀なくされ、八谷運送の配達員として働く青年、丸子夢久郎(高橋文哉)です。彼の唯一の楽しみは、小説投稿サイトで日々更新される「コミヤチヒロ」の作品を読むことです。

丸子は、担当する配達先のマンション「クレマチス多摩」で、憧れの作家、小宮千尋(北香那)が住人であることに気づき、密かに憧れを抱きます。

しかし、丸子は、不気味な雰囲気の挙動不審な住人である302号室の島崎健吾(染谷将太)が、小宮の部屋のドアノブをこじ開けようとする姿や、室内に盗聴器のような機材を置いているのを目撃し、彼が小宮のストーカーではないかと疑いを深めます。丸子は、小説家志望の職場の先輩である荒川渉(田中圭)に相談しつつ、住人たちに聞き込みを開始します。

住人である沼田(袴田吉彦)や長谷部(坂井真紀)からは、「島崎の部屋で血だらけの女を見た」、「血痕が付いた服を着た姿を見た」という、とんでもない目撃情報を聞き、丸子は島崎を危険人物だと断定します。

小宮を守りたい一心で、丸子は彼女の部屋に単身侵入を試みますが、運悪く島崎と鉢合わせてしまいます。時を同じくして、世間を揺るがす大事件を追っていた警視庁がマンションに接近し、一触即発の緊張感が流れ始めるなか、事態は思わぬ方向へと突き進んでいくという、先読み不可能なストーリーです。

重すぎず、軽すぎない独特なトーンで、前半の不穏な空気から始まり、物語の視点や前提が何度もひっくり返る「先読み不可能」な展開が魅力です。

この映画怖いの?

本作のジャンルは「ミステリー・エンターテインメント」であり、ミステリー、ドラマ、コミカルな描写ライトホラー、そして終盤にはファンタジー要素まで含む「ジャンル横断のブレンド」だと評されています。

  • 導入のトーン
    • 序盤は、配達員の丸子(高橋文哉)が不審な住人たちへの疑念を深めるため、サスペンスや不穏さをもって展開します。噂のマンション「クレマチス多摩」には事故物件の影も示唆され、「血だらけの女」を見たという住人の証言もあり、ホラー的な余韻も残されています。
  • 中盤以降の展開
    • 中盤からは、小宮千尋(北香那)が語る潜入捜査のストーリーが笑えるバディものとしてコミカルに処理されたり、島崎(染谷将太)にかけられた嫌疑(血まみれのシャツなど)にコミカルな理由付けがされ、梅沢富美男などの小ネタも登場したりと、大胆な路線変更と軽やかな笑いが導入され、観客の肩の力を抜かせます。
  • 最終的な着地
    • この映画は「ずっと怖い」作品ではなく、驚きと可笑しみで押し切り、終盤はほのめかし程度のファンタジーに着地します。ラストは、ホラー的な寒気よりも、喪失と救済が同居する「ほろ苦さと救い」のある後味のよい幕引きだとされています。

全体としては「笑いと驚きで転がすミステリー・エンタメ」として設計されており、ミステリーが得意でなくても置いていかれにくいテンポの良さが魅力です。

筆者 taoの超個人的な意見…

はじまって30分はダルダルな感じ。主人公に対して、「おまえがそんなことする、フツー?」と何回も毒づいていました(^_^;) そして、33分くらいに、交番のおまわりさんから、あのマンションの秘密が明かされます。それからも主人公がマンション住民たちとのありえない会話を交わし続ける。おひおひ、「主人公ってストーカー気質あるんじゃね?」「宅配の配達員ってそんな時間ねえだろう!」「(主人公の行動に対し)それって犯罪的な行動だよな!」などとイライラしていました。しかし、50分あたりから、物語は急展開。その後の流れも「ものすごくおかしい」のですが。「あの世界の人たちが、そんなに自分のことベラベラ一般人にしゃべるかよ!」などと文句言い続けました。そして、60分あたりからは、いろいろと伏線回収。結局、なんだかんだと言いながら最後まで見ました。楽しめました、面白かったです(^o^)/

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主なVOD(映像サブスク)での配信状況

本記事公開日現在の主なドラマ・映画のサブスクにおける、映画『あの人が消えた』の取扱状況は次の通り。

  • 配信有り&追加料金無し
    • Prime Video、Hulu、FOD
  • 配信有り&レンタルで追加料金有り
    • U-NEXT、DMM TV、Rakuten TV、Lemino
  • 配信無し
    • Netflix
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原作はある?オリジナル?映画の背景を探る

映画『あの人が消えた』はパクリとかオマージュとか、度々話題になります。その真実を探ってみました。

原作小説・海外作品との関係性は?

結論。本作は、水野格監督による完全オリジナル脚本の長編デビュー作です。

  • 原作小説
    • 映画公開に先立ち、古川春秋氏による小説版『あの人が消えた』が角川文庫から刊行されていますが、これは映画を原案としたノベライズ作品です。小説版には、「ラスト10ページで明かされる小説版オリジナルエンディング」という記述があり、映画とは異なる結末が用意されている可能性が示唆されています。
  • 海外作品との関係性
    • 本作はオリジナル脚本であるものの、物語の根幹となるアイデアについて、複数の海外有名映画との類似性が指摘されています。具体的には、『シックス・センス』や『ユージュアル・サスペクツ』といった、どんでん返しで知られる作品とのアイデアの共通性が挙げられています。監督自身も、1990年~2000年代のデヴィッド・フィンチャー作品や、『シャッター アイランド』、『メメント』、『プレステージ』など、思いがけない方向に話が進む展開の作品を好むと語っており、構成をいじる手法を参考にしていることを示唆しています。

脚本家や監督の過去作とのつながりはあるか

監督・脚本を務めた水野格氏は、2023年に国内外で数多くの賞を受賞したドラマ『ブラッシュアップライフ』で演出を担当したことで知られています。

本作の物語の構成やユーモアのセンスは、『ブラッシュアップライフ』の製作陣らしい(水野監督もその一人)と評されており、「前半に伏線を張り巡らせて、後半で回収する」という巧妙な構造や、「驚かせたいけど悲しませたくはない」という監督自身のこだわりが、本作のラストに影響を与えていると水野監督は回顧しています。

また、水野監督は過去にバラエティ番組『月曜から夜ふかし』のディレクターを担当しており、全国の風変わりな人々に話を聞く中で「人は見かけによらない、物事を見た目で判断しちゃいけない」と強く思うようになったことが、本作の「いくつかの段階に分けて印象が変わっていく作り」に影響していると語っています。

オマージュと呼ばれる理由は?

本作が「オマージュ」または「パクリ」と呼ばれる主な理由は、二つの大きな「どんでん返し(トリックの骨格)」が、映画史に残る有名作品のアイデアと類似しているためです。

しかし、映画を観た人からは、「有名どんでん返し映画のトリックが練習問題みたいに捻り潰されて痛快でした」というポジティブな評価や、「シックス・センス』から『ユージュアル・サスペクツ』。そして鮮やかな流れで劇中小説に落としこむ切れ味鋭い結末。素晴らしい!見事なオリジナル脚本」と絶賛する声もあります。

つまり、本作の構成は、古典的なアイデアを単に模倣するのではなく、現代的な設定(なろう系モチーフ、配達員視点)やユーモア、そして「創作が人を救う」という独自のテーマに接続させる「独自の表現」を加えて再構築している点が特徴であり、この「引用の巧妙さ」こそが、オマージュ論争を引き起こす要因となっています。

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“パクリ疑惑”の真相とは?(★ネタバレあり)

しつこく「パクリ疑惑」を探ります。ただし、重要なネタバレありです。知りたくないという方はブラウザを閉じてください。

なぜパクリと言われている?具体的な指摘まとめ

本作が「パクリ」と言われている主な理由は、物語の根幹を揺るがす二重のトリックが、先行作品のアイデアに酷似している点です。

具体的に指摘されているのは以下の点です。

  1. 「主人公の死」という視点反転トリック
    • 物語の最後に、主人公の丸子夢久郎(高橋文哉)が、事件に巻き込まれる前にすでに殺害されており、霊体(地縛霊)として行動していたことが判明します。
    • この「死んだ人間が自分は死んでいるとは思わず、事件を解決していく」というアイデアが、M・ナイト・シャマラン監督の傑作『シックス・センス』(1999)の「肝のアイデア」と「まるっきり同じ」であるという指摘があります。
    • さらに、主人公の名前「丸子夢久郎(まるこ・むくろう)」が、『シックス・センス』の主人公「マルコム・クロウ」を連想させる意図的なシグナルだと分析されています。
  2. 「即興の作り話」による暗号トリック
    • 作中、小宮千尋(北香那)が、島崎にナイフで脅されながらも、室内の本棚の著者名マグのロゴなどの文字情報を即座に拾い上げて頭文字をつなげ、「すべてうそ」という暗号を成立させるシーンがあります。
    • この「その場にある小道具や文字情報から即興で嘘の物語を組み立てる」という手口が、映画『ユージュアル・サスペクツ』のラストのオチをそのままなぞったものだと指摘されています。

一部の観客からは「作った人の神経が理解できない」「これをオリジナルと言えるのだろうか?」といった厳しい意見が上がっています。

制作側のコメントや意図を深掘り

水野格監督の本作は「完全オリジナル脚本」です。

映画製作者のコメントや、日本の著作権法の考え方から、この論争を読み解くことができます。

  1. 水野監督の創作意図:
    • 水野監督は、自身の創作の背景として、クリストファー・ノーラン監督の初期作『メメント』『プレステージ』のように「時間軸や構成をいじってあえてちょっと複雑にするような手法は『あの人が消えた』を作るうえで参考にした」と語っており、古典的なトリック構造を現代的な視点で再構築する意図があったことが推測されます。また、監督は「驚かせたいけど悲しませたくはない」というこだわりから、独自のラスト(成仏から物語世界への転生)にたどり着いたと回顧しています。
  2. 法的な観点:
    • アイデアと表現の区別 日本の著作権法の考え方では、著作権侵害が成立するには、表現上の本質的な特徴の同一性が維持されている必要があります。「思想、感情若しくはアイデア、事実若しくは事件など表現それ自体でない部分」は保護の対象とはなりません。 裁判例でも、アイデアの段階は保護されず、具体的な表現において創作的な特徴の同一性が認められた場合にのみ翻案権侵害が成立するとされています。 本作で指摘されている「主人公が死んでいる」という構造や「即興で作り話をする」という手法(トリックの骨格)は、法的には「アイデア」の範疇に属すると解釈される可能性が高く、これを土台にしつつ、現代のコロナ禍や「小説家になろう」といった現代的な設定、笑える伏線、そして「成仏から物語転生」という独自の終幕によって、新たな表現を創作していると見なすことができます。

結論として、本作は映画史における古典的な「発明」を土台としつつ、水野監督独自の「驚きと可笑しみ」のブレンドと「創作が人を救う」というテーマへ接続させることで、「オリジナル脚本の妙味を堪能した」と評価されています。

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口コミ・評価まとめ:観る前に知っておきたいリアルな声

怖さ・演出・ストーリー展開の評価

本作は、観客の予想をことごとく裏切る「先読み不可能」な展開が最大の特徴です。

  • 構成・展開
    • 「台本を読んだ時は、予想を裏切られていくのがことごとく面白かった」と主演の高橋文哉が語るほど、展開の面白さが評価されています。
    • 物語は前半の不穏な雰囲気から始まり、中盤で急転しコメディ要素が入り、「えぇーー!」「うわぁ〜」「いやぁーー」と、観客が感情を揺さぶられた末に、ラストで「あーーー、そうなるか」と腑に落ちる展開が待っています。
    • 「二転三転して観客の予想を裏切り続け」、「三転四転、五転六転…転びすぎて目が廻る」など、怒涛の展開に翻弄されたという声が多くあります。
  • 伏線・回収
    • 「頭文字トリックや小道具を活かした爽快な伏線回収」が見どころの一つです。
    • 観客は、見過ごしていた重要なシーンやセリフ、Tシャツの英文、住人の名前の秘密などに「あらゆるところにヒントが隠されていた」と気づかされ、再鑑賞を推奨する声が多くあります。
  • 怖さのトーン
    • 「最初、ずっと薄気味悪い雰囲気でホラー系の作品かと思いつつ、急にコメディ!?」に変わるため、飽きずに楽しめたという感想があります。
    • 「ホラーの寒気をメタな救済譚へ反転させる」、「ほろ苦さと救い」のある後味のよい幕引きだと評されています。

SNS・レビューサイトでの評判を抜粋

  • 肯定的意見(抜粋)
    • 「予想を裏切られていくのがことごとく面白かった」、「兎に角面白い!騙されたと思って観てご覧。そして見事に騙される」、「素晴らしい!見事なオリジナル脚本」、「有名どんでん返し映画のトリックが練習問題みたいに捻り潰されて痛快でした」
  • 否定的意見(抜粋)
    • 「『シックスセンス』のパクリと言ったら言い過ぎだが…」、「某有名サプライズ犯罪映画のどんでん返しのアイディアのモロパクリ!」、「違和感のせいで『仕掛け』が楽しめず、過去作へのオマージュも二番煎じにしか思えない」、「なにこれ!!!なんで私2日続けてクソみたいな邦画観なきゃならないの?酷すぎ。まじで時間の無駄。」
  • 主人公の行動について(抜粋)
    • 「冒頭から、職務規定違反、軽犯罪法ぎりぎりのことばかりしていて、引く」、「顔が良かろうと怖いよ、あれは」

評価が分かれるポイントと“観るべき人”の特徴

本作の評価が分かれる最大のポイントは、「どんでん返しのアイデア」の既視感と、主人公の丸子(高橋文哉)が取る「越境行動」の倫理観です。

  1. トリックの既視感
    • 有名映画のオチを知っている観客ほど「パクリ」「二番煎じ」と感じやすい傾向があります。一方で、そのアイデアが現代的なテーマや構成で再構築されている点(成仏→物語への転生)に面白さを見出す観客もいます。
  2. 主人公の行動
    • 丸子の「覗き込み/聞き込みの連鎖」や「室内への侵入」といった“踏み込み行動”は、観客に「倫理的違和感」を抱かせる要素として意図的に配置されています。この行動を「作劇上の誇張」として受け止められるかどうか、リアリティの不足に引っかかるかで、評価が分かれます。

この映画を観るべき人は…

  • どんでん返し映画が好きで、古典的なトリックがどのように現代的に捻られるかを楽しみたい人。
  • ミステリーの厳密さよりも、エンタメの勢いと回収の気持ちよさを優先できる人。
  • 水野格監督の『ブラッシュアップライフ』で示されたような、ユーモアと構成の妙味を楽しめる人。
  • 高橋文哉田中圭染谷将太といった俳優陣の、テクニカルで難易度の高い演技を見たい人。
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映画『あの人が消えた』に関するFAQ(★ネタバレあり)

本文と重複しない内容で、映画『あの人が消えた』に関するFAQをまとめました。

  1. Q1: 主人公・丸子夢久郎を演じた高橋文哉さんは、役作りでどのような工夫をしましたか?
    • A1: 丸子役を演じるにあたり、高橋文哉さんは、街の配達員の方々の様子を観察し、荷物を届ける時以外の仕分けや積み込み、運転といった動線の中に「人間性」が浮かび上がるように、適度な脱力感や、疲れていてもダッシュで階段を駆け上がる姿など、細かな表情や所作のグラデーションを意識しました。
  2. Q2: 荒川(田中圭)が着ていたTシャツに伏線があるというのは本当ですか?
    • A2: はい、荒川が着ていたTシャツには伏線が張られていたことが、特典映像で明らかにされています。これは、丸子の運命や状態(死→霊→異世界)をさりげなく予告する役割を果たしています。田中圭は、衣装さんがTシャツが見えるようにパーカーを広げていた状況を振り返っています。
  3. Q3: 監督はなぜ、主人公を「配達員」という設定にしたのですか?
    • A3: 水野監督はコロナ禍の自粛生活中に、同じマンションの配達員が毎回同じ人だと気づき、「このマンションの住人のことを一番知っているのは配達員なのでは?」という発想からプロットの糸口を得ました。この設定は、配達員が各戸へ「反復アクセス」できる特異な立場を利用し、断片情報の収集と誤読を通じてミステリーを駆動させるための「情報収集エンジン」として機能しています。
  4. Q4: 登場人物の名前の頭文字が暗号になっているというのは、どのように並んでいるのですか?
    • A4: マンションの住人の姓(巻坂/流川/小宮/長谷部/島崎/沼田)を部屋番号の順などに並べると、頭文字が「ま、る、こ、は、し、ぬ、つまり「丸子は死ぬ」となるという仕掛けが隠されています。
  5. Q5: 小宮千尋役の北香那さんと、挙動不審な島崎役の染谷将太さんの演技で難しい点は何でしたか?
    • A5: 水野監督によると、二人とも「テクニカル的にとても難しい役どころ」であり、彼らの巧みな演技やさじ加減によって、映画のトーンやジャンルまで変わってしまうほどの表現力が求められました。特に染谷将太は、観客を欺くように「怪しすぎる人物」を演じつつ、後半では「ボケ役」の面白さも発揮しています。
  6. Q6: 映画のキャッチコピーにある「あの人が消えた」の本当の意味は、何ですか?
    • A6: タイトルは二重の意味を持っています。第一に、主人公である丸子夢久郎が島崎に殺害され、未練を果たして成仏した(現世から消失した)こと。第二に、エンドロールで示唆される、丸子が小宮の小説『スパイ転生』の世界へ主人公として転生したこと(物語に残った)こと、この「喪失と救済」の両方を指しています。
  7. Q7: ロケ地はどこで撮影されましたか?
    • A7: 物語の舞台となるマンション「クレマチス多摩」は、神奈川県横浜市南区にある民泊施設「平楽園」で撮影されました。この建物で撮影のほとんどが行われたため、一般の方もロケ地に泊まることが可能です。また、小宮と島崎が話す喫茶店は「喫茶TAKEYA」(横浜市中区)で撮影されました。
  8. Q8: 中盤以降、なぜ住人たちは丸子に視線を合わせないのですか?
    • A8: 丸子がすでに殺されており、霊体(地縛霊)となっていたため、他の登場人物は丸子の姿が見えていませんでした。そのため、荒川(田中圭)が丸子と話す時も「丸子から聞いていたので」と過去形で語るなど、視線の不一致や言葉のズレが、後半のトリックの伏線となっています。
  9. Q9: 劇中の登場人物の中で、シークレットゲストはいましたか?
    • A9: はい、201号室の住人である巻坂健太役で中村倫也さんがシークレットゲストとして出演しています。水野監督によると、巻坂は実体験から生まれたキャラクターだそうです。
  10. Q10: 映画の後半はコメディになるとのことですが、なぜ「梅沢富美男」という名前が出てくるのですか?
    • A10: 物語の中盤で、小宮千尋が公安の潜入捜査官だと嘘をつく即興の作り話をする際、テロリストの潜伏捜査の上司として菊地凛子演じる寺田が登場し、小宮が落としたメモに書かれた数字に電話をかけると梅沢富美男に繋がったという、笑える小ネタとして登場します。この公安設定自体が後に「すべてうそ」と明かされます。
  11. Q11: 高橋文哉さんと田中圭さんは、共演時にどのようなエピソードがありますか?
    • A11: 二人は『先生を消す方程式。』(2020年)以来、4年ぶり2度目の共演でした。田中圭さんは、高橋文哉の主演作で共演できることを嬉しく思い、以前ジムで会った際に高橋が「憧れの圭さんみたいな体になりたくて通っているんです」と答えたことが共演を決めた大きな決め手の一つになったと語っています。

まとめ(★ネタバレあり)

この記事のポイント
  • 映画は水野格監督の完全オリジナル脚本だが、トリックのアイデアは先行有名作品との類似性が指摘されている。
  • タイトルの「消えた人」は、思いを果たして成仏し、その後小説の世界へ転生した主人公・丸子夢久郎を指している。
  • 物語はミステリー、コメディ、ファンタジーが混在する「ジャンル横断」の構成で、後半の怒涛のどんでん返しが魅力である。
  • 現時点では、主要サブスクリプションサービスでの具体的な配信開始日や料金体系はソースに含まれていないため、確認が必要である。
  • マンションの住人名には「まるこはしぬ」という頭文字トリックが仕込まれている。

映画『あの人が消えた』は、水野格監督による完全オリジナル脚本の長編デビュー作であり、2024年9月20日に公開されたミステリー・エンターテインメントです。コロナ禍の配達員という現代的な視点を入り口に、「次々と人が消える」という噂のマンション「クレマチス多摩」で起こる謎を追う物語です。

本作の魅力は、前半の不穏なサスペンスから一転、中盤でコミカルな要素を挟みつつ、「主人公が実は死んでいた」という古典的な視点反転トリック、そして「物語への転生」という独自のファンタジーな結末へ着地する三段ロケットのようなトリッキーな構成にあります。主演の高橋文哉や先輩役の田中圭、怪しい住人役の染谷将太ら、実力派キャスト陣の演技が観客を巧妙に欺きます。

特に「シックス・センス」「ユージュアル・サスペクツ」といった有名作のトリックとの類似性が話題を呼びましたが、これは「アイデア」を土台に、「創作が現実を救う」という現代的なテーマに昇華させた、「捻り潰されて痛快」だと評される作り手の創意工夫だと評価されています。

鑑賞の際は、劇中至る所に仕掛けられた頭文字トリックTシャツの英文といった「笑える伏線」に注目し、一度目は流れに身を任せ、二度目は仕掛けの美しさを確認するために「伏線回収」を狙うのがおすすめです。

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