2025年3月場所、惜しくも大の里に敗れ、またしても初優勝の夢が届かなかった高安。
優勝決定戦まで進んだその姿に、多くの相撲ファンが胸を打たれ、また期待したことでしょう。
また、優勝チャンスを逃した高安ですが、それでも私は、
- 今年中にもう一度、高安が優勝を狙えるチャンスが巡ってくる
と確信しています。
その理由について、書かせていただきますね!
高安が過去9回逃した優勝チャンスの履歴
5つの理由を語る前に、高安が過去9回逃した優勝チャンスをリストします。
ここでいう「優勝チャンス」とは、「優勝次点、もしくは優勝同点」の場合とします。
- 2013年1月場所、前頭7、12勝3敗 ❌️
- 優勝者、横綱・日馬富士、15勝
- 高安、本割で日馬富士との対戦無し
- 2018年1月場所、大関、12勝3敗 ❌️
- 優勝者、前頭3・栃ノ心、14勝1敗
- 高安は本割4日目で栃ノ心と対戦し黒星
- 2018年3月場所、大関、12勝3敗
- 優勝者、横綱・鶴竜、13勝2敗
- 高安は本割千秋楽で鶴竜と対戦し白星
- 2018年11月場所、大関、12勝3敗
- 優勝者、小結・貴景勝、13勝2敗
- 高安は本割14日目で貴景勝と対戦し白星
- 2022年3月場所、前頭7、12勝3敗(同点)
- 優勝者、関脇・若隆景、12勝3敗
- 高安は本割11日目で若隆景と対戦し白星
- 優勝決定戦で再び若隆景と対戦し黒星
- 2022年9月場所、前頭4、11勝4敗
- 優勝者、前頭3・玉鷲、13勝2敗
- 高安は本割千秋楽で玉鷲と対戦し黒星
- 2022年11月場所、前頭1、12勝3敗(同点)
- 優勝者、前頭9・阿炎、12勝3敗
- 高安は本割千秋楽で阿炎と対戦し黒星
- 優勝決定戦で再び阿炎と対戦し黒星
- 2024年3月場所、前頭8、11勝4敗 ❌️
- 優勝者、前頭17・尊富士、13勝2敗
- 高安は本割で尊富士との対戦無し
- 2025年3月場所、前頭4、12勝3敗(同点)
- 優勝者、大関・大の里、12勝3敗
- 高安は本割10日目に大の里と対戦し白星
- 優勝決定戦で再び大の里と対戦し黒星
うち、1番、2番、8番は結果としての優勝次点であり、自力優勝のチャンスはありませんでした。
よって、自力優勝の可能性があったという点で、実質的に優勝のチャンスが高安の手にあった場所は、6回です。
少し詳しくコメントしますね。
- 2018年3月場所、大関、12勝3敗
- 優勝者、横綱・鶴竜、13勝2敗
- 高安は本割千秋楽で鶴竜と対戦し白星
- 本割千秋楽で鶴竜に勝てば優勝決定戦は魁聖を含めた巴戦となるハズでした
- 2018年11月場所、大関、12勝3敗
- 優勝者、小結・貴景勝、13勝2敗
- 高安は本割14日目で貴景勝と対戦し白星
- 優勝争い先頭の貴景勝(12勝1敗)とその後につく高安(11勝2敗)が対戦し、高安が勝ち12勝の相星で先頭に並ぶ
- 千秋楽で高安が黒星、貴景勝が白星で決着
- 2022年3月場所、前頭7、12勝3敗(同点)
- 優勝者、関脇・若隆景、12勝3敗
- 高安は本割11日目で若隆景と対戦し白星となり、結果、本割同点に
- 優勝決定戦で勝てば初優勝でした
- 2022年9月場所、前頭4、11勝4敗
- 優勝者、前頭3・玉鷲、13勝2敗
- 高安は本割千秋楽で玉鷲と対戦し黒星
- 千秋楽で高安が玉鷲に勝てば、本割12勝同点で優勝決定戦となるハズでした
- 2022年11月場所、前頭1、12勝3敗(同点)
- 優勝者、前頭9・阿炎、12勝3敗
- 高安は本割千秋楽で阿炎と対戦し黒星
- 優勝決定戦で勝てば初優勝でした
- 2025年3月場所、前頭4、12勝3敗(同点)
- 優勝者、大関・大の里、12勝3敗
- 高安は本割10日目に大の里と対戦し白星
- 優勝決定戦で勝てば初優勝でした
これだけ自力優勝のチャンスを引き寄せる力があることだけでも、高安という関取は他者とくらべて「地力のある強い関取だ」と断言してもいいでしょう。
次の項目から、「2025年中に、高安が優勝のチャンスを引き寄せる5つの理由」を説明しますね。
その1、安定した実力と豊富な経験
高安は、長年にわたり幕内上位で安定した成績を残してきました。
大関を15場所務めた関取でもあり、地力は素晴らしいものがあります。
一方、2020年初場所から大関陥落したあと、ここ数年は怪我に悩まされながらも、毎場所力強い相撲を見せ、上位陣との取組でも互角以上に渡り合っています。
ところで、高安は2025年3場所で連続83場所幕内で活躍しています。
つまり…
- 豊富な優勝争いの経験、そして本割・決定戦を含むプレッシャーの中での戦い方を知っている点
は、高安の大きな武器です。
それらの経験がある限り、今年中に再度のチャンスを引き寄せる可能性は大です!
ちなみに、2025年3月場所、高安は上位陣を「ほぼ総なめ」にしました。
- 6日目、関脇・大栄翔を突き出して白星
- 8日目、横綱・豊昇龍を押し倒して白星
- 9日目、大関・琴櫻を下手出し投げで白星
- 10日目、大関・大の里を寄り切りして白星
- 11日目、小結・霧島に押し出されて黒星
- 12日目、関脇・王鵬を押し出しして白星
- 千秋楽、小結・阿炎を上手出し投げで白星
すさまじい強さです。
35歳・高安、これが直近の地力です。
その2、若手上位陣の不安定さを突けるチャンス
大相撲界では、豊昇龍や大の里、尊富士や安青錦らを筆頭に若手の台頭が著しい一方、彼らは、まだまだ星の波が大きいのが現実です。
連続して安定した成績を出せる力士は限られており、上位陣が潰し合う展開になったときこそ、
- 経験と安定感を備えた高安に流れが来る可能性あり!
です。
例えば、朝青龍や白鵬が活躍していた時期には、平幕力士が優勝を勝ち取るチャンスは極めて少ないのですが、今は、そういう圧倒的な強者がいません。
しかも、若手にはまだまだ安定度がない、それが2025年。
そんなときだからこそ、2025年は高安の初優勝にとって、またとないチャンスなのです。
その3、怪我との向き合い方が上手くなっている
さきほども書きましたが、高安は3月場所で連続83場所、幕内で活躍しています。
しかも、今年2月で満35歳となり、いつのまにかベテラン力士となってしまいました。
一方、ベテラン(=年齢の高い関取)は、それがデメリットかというと、そうでもないのです。
大相撲はとてつもなく身体をいじめる(?)戦いです。
大相撲に怪我はつきもの、ましてや、ベテランとなると満身創痍で戦っているのです。
それでも、
- ベテランで活躍できる理由は「怪我との付き合い方」が抜群に上手いから
です。
例えば、3月場所で言えば、40歳・玉鷲は10勝5敗という抜群の戦績を残しました。
37歳・佐田の海も9勝5敗。
ベテランで活躍するには理由がある、それが「怪我との上手い付き合い方」ができるということです。
言葉を変えると、「ベテランなりの身体のケアや調整の巧さ」ですね。
高安も怪我による休場があります。
それでも、3月場所のような優勝争いができるということは「怪我との付き合い方が上手い」からなのです。
「身体のケアや調整の巧さ」がある高安だからこそ、2025年にチャンスは再び到来することでしょう。
万全の状態で迎える場所があれば、そのときこそ本当のチャンスです。
その4、メンタルの成熟が支える勝負強さ
幾度となく優勝争いを経験し、あと一歩で涙をのんできた高安。
その悔しさが糧となり、今ではメンタルの強さも一流です。
どれだけプレッシャーのかかる場面でも崩れない粘り強さは、まさに“勝負師”の証。
今年もまた、土俵際の粘りで星を重ねていくことでしょう。
普通なら、「今度もダメだったか・・・」と落ち込んでしまっても不思議ではありません。
でも、高安には「いつかは出来るハズ」という思いがあるし、それを間近で見ていたのです。
兄弟子の稀勢の里。
稀勢の里は大関になってから何回も優勝次点を経験してきました。
その数、12回。
そして、とうとう13回目で優勝を果たし、「優勝と新横綱昇進」をWで勝ち取ります。
それを間近で見てきた高安ですから「自分でも出来る!」と確信していることでしょう。
高安のメンタルは、そんなに簡単に崩れないのです。
それだからこそ、3月場所が物凄く悔しかったからこそ、悔しければ悔しいほどに、2025年にチャンスがあると見ています。
その5、ファンの熱い声援と相撲界の期待
大相撲の力士たちは、ファンからとつてウも無い力をもらうようです。
ところで、高安ほど、ファンから「優勝させてあげたい」と言われる力士はいないかもしれません。
長いキャリア、幾度もの挑戦、その誠実な取り組みに多くの人が心を動かされています。
つまり、ベテラン高安を応援するファンはたくさんいます。
そんなファンたちは、密かに高安の初優勝を願っています。
そんなファンたちから高安は確実に力をもらっています。
- ファンにとっても、大相撲界にとっても高安の優勝は希望の象徴
なのです。
その空気が満ちあふれている2025年は、再びチャンス到来があると信じています。
妄想、2025年、高安に再びチャンス到来する流れは…
以下、高安の「いちファン」としての妄想です(笑)。
5月場所、高安は前頭筆頭(筆者 TOPIOの予想に基づく)です。
つまり、中日までに上位陣総当たりとなります。
調整巧者の高安であっても、初日から連日の上位は簡単ではなく、中日段階で黒星先行になるでしょう。
結果、5月場所は少し大きな負け越しとなり、番付は前頭4から同7まで落ちるでしょう。
すると、7月場所がチャンスとなります。
要するに、序盤・中盤の10日間で白星を重ねられる可能性が高いのです。
そして、終盤戦には「いつのまにか高安が優勝争いに絡んでいる」という状態が出来ているでしょう。
あとは、終盤戦1つ1つで、「引き」などの悪手を出さずに、白星を重ね続けることで、初優勝成就といった次第です。
結びに:夢はまだ終わらない
何度でも、立ち上がる。
それが、高安の魅力であり、相撲というスポーツの醍醐味でもあります。
今年こそ、悲願の初優勝を。
その瞬間を見届ける準備を、私たちはしておきましょう。
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