『とある芸能人が、元日に、病院でお亡くなりになっていたことが、1月11日に分かりました』というニュース報道がありました。
「⭕⭕さん、79歳で死去、享年80」
この記事を読んだ方が、「あれ?どういうこと?」との疑問を持つであろうことについて「ちょこっと解説」します。
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前述の通り、お亡くなりになった方の年齢を「79」としたり「80」としたりすることは良くあることです。
本記事では、この「79」と「80」の違いについて解き明かします。
「行年」と「享年」
まず、それぞれの呼称について。
先述した事例の「79」のことを「行年(ぎょうねん)」と言います。
そして、「80」のことを既に書いてありますが、「享年(きょうねん)」と言います。
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「行年」はお亡くなりになった方の年齢表現として一般的に使われているものの、「行年」という文言自体は、あまり知られてないのではないでしょうか。
一方、「享年」という文言は、時々、目にしたり、聞いたりはするものの、その実態はあまり知られてないのでは。
この「行年」と「享年」、読み方で書くと「ぎょうねん」と「きょうねん」ですから、「ぎ」と「き」が違うだけ。
つまり、「濁点の有る無し」の違いですね。
でも、意味するところは全く違うわけです。
実は、「行年」と「享年」の年齢差が「1歳」のこともあれば、「2歳」の時もあるのです!
悶々としたまま、次項へ(笑)。
亡くなった方の年齢の数え方
「行年」も「享年」も亡くなった方の年齢の数え方です。
まず、早々に解答を提示しますね。
- 「行年(ぎょうねん)」は、この世に生まれて何歳まで修行したかを意味するもので、「満年齢」で数えます。
- 「享年(きょうねん)」は、天から享(う)けた年数を意味するもので、「数え年」で数えます。
さて、ちょこっとがっかりしてしまうかもしれませんが、さらなる真実を(笑)。
「行年」も「享年」も、どちらも亡くなった方が存命していた歳月を表しているので、実質的な違いは無いのです。
場合によって「行年」を使わなければならない、「享年」を使わなければならないという特段の決まりは有りません。
位牌やお墓の表記も様々だそうです。
「享年」という文言は、古くから漢文で用いられていますが、「行年」の文言はいつ頃から使われているかは不明であるものの、江戸時代には、「享年」も「行年」も使われていたとのことです。
なお、昔、漢文で「享年」が使われていたときは「享年80」(80は正しくは漢字ですね・笑)、つまり「歳」の文字は無かったとか。
確かに亡くなった方の年齢で「享年80」と書いて「歳」を書かない場合がありますが、いまではそれほど細かく指摘されることなく「享年80歳」という表記もあるようです。
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要するに、いつなんどき「行年」を使っても、「享年」を使ってもいいんじゃね?
ということです。また、細かい表記にも、あまりこだわらなくてもいいのでは・・・ということです。
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しつこいけど、もう一度、違った表現で繰り返し。
亡くなった方の歳の数え方の違い。
「行年」(ぎょうねん)は、亡くなった日の「満年齢」で表記します。
「享年」(きょうねん)は、亡くなった日の「数え年」で表記します。
つまり、「行年」と「享年」を正しく理解するには、「満年齢」と「数え年」の違いを理解する必要がある訳です。
さらにしつこく言うと、特定の日が「満年齢」で何歳になるのか、「数え年」で何歳になるのかが理解できることがポイントです。
「行年」と「享年」数え方の具体説明
数え方の具体例です。
生まれた日から、その年の12月31日まで
「満年齢」は「0歳」。
「数え年」は「1歳」。
「生まれた年」を「1歳」と数えるのが「数え年」の特徴です。
この期間の数え方による年齢差は「1歳」です。
生まれた日の翌年1月1日から、誕生日の前日まで
「満年齢」は「0歳」。
「数え年」は「2歳」。
「生まれた年」を「1歳」として、以降、年を超えるごとに「1歳」を加算するのが「数え年」の特徴です。
この期間の年齢差は「2歳」となります。
生まれた日の翌年の誕生日から、その年の12月31日まで
「満年齢」は「1歳」。
「数え年」は「2歳」。
この期間の数え方による年齢差は「1歳」となります。
生まれた日の翌々年1月1日から、2回目の誕生日の前日まで
「満年齢」は「1歳」。
「数え年」は「3歳」。
この期間の数え方による年齢差は「2歳」となります。
以下、繰り返し、つまり・・・
以上の具体説明でおわかりいただけたと思います。
「満年齢」と「数え年」が同じになることはありません。
一方、「満年齢」と「数え年」の数え方による年齢差は「1歳」の場合と「2歳」の場合があります。
ごくごく単純に考えて、誕生日を起点として、
- その年の1月1日から誕生日前までは「2歳差」
- 誕生日以降、その年の12月31日までは「1歳差」
となります。
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「満年齢」と「数え年」の数え方は、ご理解いただけたでしょうか。
これが分かれば、「満年齢」を「行年」、「数え年」を「享年」と置き換えればOKです。
まとめ
この記事では、亡くなった方の年齢を表現する場合の「行年」と「享年」について「ちょこっと解説」させていただきました。
「行年」は「満年齢」、「享年」は「数え年」で表現します。
戦前は良くわかりませんが、戦後は、年齢を「数え年」で表現することは、ほとんどないですね。
公式の提出書類なども、年齢を書く場合は「満年齢」です。
なので、私たちにとって「数え年」は、とても分かりにくいのです。
「数え年」が分からないから「享年」も分からないということになります。
本記事が何かのお役立ちになれば、なによりです。
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