元横綱・白鵬(現・宮城野親方)。ブログ管理人 taoは、白鵬が一番大好きな関取でした。ちなみに、二番手は元横綱・稀勢の里。白鵬の連勝を止めた関取です。
ところで、横綱・白鵬の簡単な紹介については、こちらに書きましたので、よかったら読んでくださいね。
さて、本稿では、私がいくつか読んでいた白鵬関連本のうち、スポーツトレーナー内藤堅志氏が書いた『白鵬のメンタル』(講談社新書)について、書籍紹介させていただきます。
白鵬、覚醒&大活躍の源泉はどこに?〜本書の核
本書の内容をコンパクトに書くと、この項目タイトルの通りです。つまり・・・
- 白鵬が覚醒し、横綱に登りつめ、そして、横綱として大活躍し続ける源泉はどこにあるのか?
これだけだと分かりにくいので、スポーツトレーナーをしていた著者・内藤氏が宮城野部屋から招聘されて若い力士たちのトレーナーになった頃の話からさせていただきます。
それでは、内藤氏の言葉を書籍から引用させていただきます。
スポーツトレーナーをしていた私が、初めて白鵬に出会ったのは、いまから10年以上前、2002年にさかのぼります。
『白鵬のメンタル』P3〜5から引用
(中略)
当時、部屋には二人のモンゴル人力士がいましたが、期待をかけられていたのは一年先輩の龍皇のほう。実際、彼のほうが強く、白鵬はなかなか歯が立たない。もちろん、将来、彼が大横綱になるとは誰も思っていません。
(中略)
眼の前の少年ににわかに興味をおぼえた私は、「君はどうなりたいの?」と、軽い気持ちで質問をしたように思います。
「お父さんを超えたい」– 彼の返事は、私の予想を超えるものでした。
(中略)
親方も私も、そしてマスメディアも、当時、誰もまったく信じていなかった夢を白鵬はなぜ叶えられたのか? その源泉は、どこにあったのか?
(中略)
詳しくはこの本の中でたどっていきますが、一つの転機は、白鵬が幕内に昇進し、世間の注目を集めはじめた頃にあります。
素質だけで闘っていた彼の意識が変化し、「メンタル」を重視するゆおになった。そのメンタルを支える役割の一つを果たしたのが、私の専門とする「ストレスマネジメント」の手法です。
白鵬が入門当時から突然始まった辛い修行を耐え抜けたのは、モンゴル相撲の頂点に立つ偉大で大好きな父を超えたいという一点です。それがすべてのモチベーションでした。
しかし、どんなに強いモチベーションがあろうとも、眼前には辛すぎる毎日。それをどう乗り越え、さらにどうすれば前向きに取り組めるのか。
その核が内藤氏の専門である「ストレスマネジメント」なのです。
言葉を変えると、歴代1位の記録を数々叩き出した大横綱・白鵬の成功に秘密は「白鵬のメンタル」(書籍タイトル通り)にある・・・という訳です。
「流れ」によるストレスマネジメント
白鵬は、63連勝という、15日制以降歴代1位の記録を持っています。持っていますということは、64連勝を狙う戦いに破れたということ。
白鵬に土をつけたのは、当時、成長著しい若手・稀勢の里でした。
負けたとき、インタビューで白鵬が「これが負けということか」と吐露したことは有名な話。
かつて、69連勝をした双葉山が負けたとき、45連勝の大鵬が負けたとき、あるいは53連勝の千代の富士が負けたとき、双葉山も大鵬も千代の富士も、連勝ストップの反動が大きすぎた。
当然、白鵬にもその反動がやってくるハズなのです。それは、それまでの強い「流れ」がストップすること。
その「流れ」を如何に維持するか。それが強い関取に必要な点なのです。
内藤氏の書籍から、そのポイントを抜粋します。
大事なのが「流れ」なのです。
『白鵬のメンタル』P24〜25から引用
私はすぐに電話をかけ、彼に「明日は朝稽古は出ようよ」とアドバイスしました。
気が乗らなくても、朝きちんと起きて稽古にだけは出る–これは決して思いつきなどではなく、ましてただ経験論で語ったわけでもありません。後述しますが、すでに様々な分析を行うことで、彼にとって稽古することが「流れ」を作るうえで重油王な要因であると構造的にわかっていたからです。
(中略)
その効果もあってか、三日目以降も順調に白星を重ね、九州場所は14勝1敗で5場所連続、17度目の優勝を果たしました。また、前年に引き続き、年間86勝という最多勝記録も樹立しました。
頑張っても成果が出ない理由、あるいは、白鵬がメンタルを保っていられる理由が「流れ」なのです。
「流れ」の詳細については、書籍『白鵬のメンタル』をご一読ください♪
「流れ」のあとの展開は・・・
本稿は、書籍の紹介であり、解説ではありません。なので、書籍に興味をもっていただき、書籍を読んでいただくことが目的です。
なので、第1章で「流れ」を扱ったあとの展開について、目次風に紹介します。
- わずかな「心がけ」で人生が変わる(第2章)
- 才能がある人には共通する6つのポイントがある(第3章)
- 才能を開花させるには技術がある(第4章)
- 「弱い心」と向き合うための方法がある(第5章)
- 「運」と「流れ」には関係がある(第6章)
- 白鵬と著者・内藤氏の対談
- 白鵬の「心の稽古」
- 「流れ」は一つの宇宙
- 人生に「たまたま」はない
- 目に見えないものに支えられる etc.
まとめ
大横綱・白鵬に関連する書籍書籍紹介、第1弾。
『白鵬のメンタル』内藤堅志著(講談社新書)を紹介させていただきました。
本書の肝には、しっかり触れたつもりですが、肝心要はあまり書いていません。
気になる方は、ぜひ、お手にとって読んでいただければと思います。
なお、宮城野部屋を承継した13代宮城野親方である元横綱・白鵬。
今後は、大相撲を担う力士を育てることが白鵬の活躍となるわけです。
こちらのほうも期待大ですが、「白鵬のメンタル」がそれを成し遂げるのではないかと思う次第です。
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以下、私 taoが読んだ白鵬関連本を再掲しますね。
- 『勝ち抜く力』白鵬翔著(悟空出版)
- 幕内優勝最多三十三勝目を挙げたの白鵬の言葉
- われ未だ白鵬たりえず
- 幕内優勝最多三十三勝目を挙げたの白鵬の言葉
- 『相撲よ!』白鵬翔著(角川書店)
- 終章の結論は・・・
- 相撲は神事
- 終章の結論は・・・
- 『白鵬伝』朝田武蔵著(文藝春秋)
- 297日ぶりの黒星(対・稀勢の里戦)
- 茫然自失から
- 297日ぶりの黒星(対・稀勢の里戦)
- 『白鵬のメンタル』(講談社新書)
- スポーツトレーナーである著者の言葉
- 強さには理由があります。成功にも理由があります。しかし、それは決して盤石なものではなく、つねに弱さも含んでいます。大事なのは、誰もが持っている「弱さ」とどう向き合うか、たえず襲ってくる「ストレス」をいかにコントロールし、自分らしさを発揮しつづけるかです。
- スポーツトレーナーである著者の言葉
追記
2023年12月6日、アマゾンで本書『白鵬のメンタル』を調べました。
もう絶版になっているのか、中古しか入手できない模様です。以上。