アニメ『ダンダダン』第1期×CreepyNutsの世界観を考察してみた!

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龍幸伸氏による漫画が原作のTVアニメ『ダンダダン』第1期が、2024年10月から12月にかけて放送され、世界中で大きな話題を呼びました。霊媒師の家系に生まれた女子高生・綾瀬桃(モモ)と、オカルトマニアの男子高校生・高倉健(オカルン)が、幽霊や宇宙人といった「理解を超越した圧倒的怪奇」に立ち向かうオカルティック青春物語です。

アニメーション制作をサイエンスSARUが手掛けたことで、そのハイクオリティな作画とダイナミックなアクション演出が高く評価されています。特にオープニングテーマ「オトノケ」(Creepy Nuts)は、作品の持つ爆発的なエネルギーとテーマ性を象徴しており、放送開始直後からSNSで「最強」と絶賛されました。

この記事では、『ダンダダン』第1期の魅力とストーリーを振り返りつつ、主題歌「オトノケ」が作品の世界観をどのように拡張しているのかを徹底的に考察していきます。

この記事でわかること
  • アニメ『ダンダダン』第1期のあらすじや見どころ
  • オープニングテーマ「オトノケ」が第1期において果たす役割
  • 『ダンダダン』とCreepy Nutsに共通するテーマ性
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目次

『ダンダダン 第1期』とは?基本情報と作品の全体像

作品(第1期)の基本情報

基本情報

  • 監  督:山代風我
  • 原  作:龍幸伸の同名漫画
  • 脚  本:瀬古浩司
    • シリーズ構成も
  • 制  作:サイエンスSARU
  • 話  数:全12話(シーズン1)
  • 声  優:若山詩音、花江夏樹、水樹奈々、佐倉綾音 ほか
  • 楽  曲:シーズン1
    • オープニング:Creepy Nuts「オトノケ」
    • エンディング:ずっと真夜中でいいのに。「TAIDADA」
  • 配  信:Netflix、Prime Video、U-NEXT

主な登場人物

  • モモ / 綾瀬 桃(あやせ もも)声 – 若山詩音
    • 霊媒師の祖母を持つギャル。
    • 俳優・高倉健の大ファン。
  • オカルン / 高倉 健(たかくら けん)声 – 花江夏樹
    • 友だちがいない宇宙オタクで怪異に取り憑かれた。
    • モモに「高倉健」の本名を使うことを封じられている。
  • 星子 /(せいこ)声 – 水樹奈々
    • 「ドドリア三太」こと、モモの祖母で霊媒師。
    • 異常なほど若い容姿だが、ばあちゃん。
  • アイラ / 白鳥 愛羅(しらとり あいら)声 – 佐倉綾音
    • オカルンの金玉を拾って、自信過剰がピーク化してる美少女。
  • ジジ / 円城寺 仁(えんじょうじ じん)声 – 石川界人
    • モモの幼なじみ。
  • 満次郎 /(まんじろう)声 – 吉野裕行
    • 星子の弟子で、ツチノコを祀る神社の神主。
  • ターボババア / 声 – 田中真弓
    • オカルンが最初に出会った妖怪。
    • 100キロババアなどの異称も持つ。

あらすじ

物語の主人公は二人。霊媒師の家系に生まれ「幽霊は信じるが宇宙人否定派」の女子高生、綾瀬桃(モモ)と、オカルトマニアで「宇宙人は信じるが幽霊否定派」の男子高校生、高倉健(オカルン)です。モモがいじめられっ子だったオカルンを助けたことをきっかけに交流が始まります。

互いの信じる超常現象の存在を証明するため、モモはUFOスポットへ、オカルンは心霊スポットへ別々に赴く勝負をすることになりますが、そこで二人は理解を超越した圧倒的怪奇に遭遇し、人生が一変。

モモは宇宙人(セルポ星人)との遭遇を機に、人や物体のオーラを掴んで動かす超能力を覚醒させ、オカルンは妖怪(ターボババア)に呪われたことで、その霊力を利用して妖怪じみた姿に変身できる力を得ます。

特殊な力を手にしたモモとオカルンは、迫りくる幽霊や宇宙人といった怪異に立ち向かい、共闘していきます。その過程で、彼らは仲間との絆を深め、怪異との熾烈なバトルだけでなく、高校生ならではの不器用で甘酸っぱいラブコメディ要素も交えながら、過酷な青春を走り抜けます。

第1期では、新たな仲間を加え、次なる大きな戦いの導入部分で幕を閉じます。

アニメ化された背景と原作との関係性

原作『ダンダダン』は、龍幸伸氏によって描かれ、集英社の『少年ジャンプ+』にて2021年4月6日から連載されている人気漫画です。連載開始以来、最新話の更新ごとに100万閲覧を突破し、『SPY×FAMILY』や『怪獣8号』と並ぶ同サービスの看板作品としての地位を確立しました。その人気から、2025年4月時点でコミックスの累計発行部数は1000万部を突破しています。

テレビアニメ化は2023年11月28日に発表され、第1期は2024年10月4日から12月20日まで、全12話構成で放送されました。

独自すぎるジャンル“超常×青春バトル”とは?

本作のジャンルは、アクション、ロマンティックコメディ、超常スリラー、オカルト、バトルといった多様な要素が混ざり合った「オカルティック怪奇バトル漫画」です。

物語の根幹にあるのは、正反対の信念を持つ二人の高校生、霊媒師の家系で「幽霊は信じるが宇宙人否定派」のモモ(綾瀬桃)と、「宇宙人は信じるが幽霊否定派」のオカルン(高倉健)の口論です。二人は互いの信じるものの存在を証明しようと、モモはUFOスポットへ、オカルンは心霊スポットへ向かいますが、そこでそれぞれセルポ星人ターボババアに遭遇し、人生が一変します。

モモはセルポ星人に拉致されたことで、人や物体のオーラを掴んで動かす超能力に目覚め、オカルンはターボババアに呪いをかけられたことで、その霊力を利用して妖怪じみた姿に変身できる力を手に入れます。

初見でも引き込まれる世界観とキャラ設計

アニメ第1期のクオリティは非常に高く、批評家レビューサイトRotten Tomatoesでは100%の承認評価を獲得しました。この映像美を支えるのが、アニメーション制作を担当したサイエンスSARUの卓越した技術力です。同社は『犬王』や『映像研には手を出すな!』などの名作を手掛けてきた実績を持ち、「デジタル技術と手描きアニメーションを巧みに融合」させた独特のビジュアルスタイルで、迫力あるバトルシーンと流れるような動きを実現しました。

また、登場する怪異の多くは、ターボババア(元ネタは「ターボおばあちゃん」の都市伝説)やセルポ星人(元ネタは「プロジェクト・セルポ」)のように、実在する都市伝説を元ネタにしており、この設定が作品の世界観にリアリティと怖さを加えています。

主要キャストには、モモ役に若山詩音、オカルン役に花江夏樹を起用。特に花江さんの演技は、原作ファンから「オカルンすぎる」と大絶賛され、キャラクターの魅力を最大限に引き出しています。

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ストーリー展開で振り返る『ダンダダン 第1期』

第1話から最終話までの超簡単な流れ

アニメ第1期は全12話で構成され、原作漫画の第1話から第34話の冒頭まで(コミックス第1巻から第5巻の前半)がアニメ化されました。

第1話「それって恋のはじまりじゃんよ」でモモとオカルンが出会い、それぞれセルポ星人、ターボババアとの遭遇を通じて特殊な力を得ます。

その後、第1期では、モモの自宅を襲撃したフラッドウッズモンスターとの戦闘や、ターボババアの呪いを巡る戦い(宇宙人・シルキー編)、そして終盤にかけてモモの幼馴染であるジジ(円城寺仁)の登場と、彼の実家を巡る「呪いの家編」の導入が描かれました。

見逃せない伏線と、クセになる演出の魅力

本作のバトルは、単なる能力のぶつかり合いではなく、モモの持つ揺るぎない胆力と機転の速さが勝敗を分けます。例えば、モモは相撲取りのような恰好のフラッドウッズモンスターに対して「地面に手をつかせれば負け」という相撲のルールを適用して弱点を突いたり、カニの姿をした地縛霊には「カニを茹でる」発想で熱湯を浴びせ、動きを鈍らせるなど、柔軟な発想で絶望的な状況を打開します。

また、制作のサイエンスSARUは、カメラがキャラクターの表情に長く留まる「日常的なアクション」や、後の展開を予兆させる「リードシーン」といった、微妙な感情の動きを視覚的に伝える独自の手法を採用し、ラブコメ要素とバトルの間のテンポを絶妙に調整しています。

最終話で提示された“続きが気になる仕掛け”

アニメ第1期の最終話(第12話)は、原作の第33話〜34話の冒頭にあたる「呪いの家編」のクライマックスで幕を閉じました。具体的には、モモの幼馴染であるジジ(円城寺仁)が登場し、彼の抱える問題や、温泉旅行が始まる直前の重要な転換点が描かれています。

この構成は、原作のストーリー展開における重要な節目、すなわち「ジジの呪い編」の序章だけを見せる形で終了しており、視聴者に強い「続きが見たい」という期待感を残しました。第2期では、この第34話の続きから、ジジの体に潜む“ある存在”の秘密や、バモラや坂田金太といった新キャラクターの登場とともに、物語が本格的に展開していきます。

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主題歌「オトノケ」が果たす音楽的な役割

Creepy Nutsが起用された理由とは?

第1期のオープニングテーマ「オトノケ」は、HIP HOPユニットCreepy Nutsが担当しました。彼らが起用された背景には、作品の持つ「爆発力とスピード感」と、楽曲が持つエネルギーが合致したことが挙げられます。

DJ松永氏は、この楽曲を制作した際に「この世界に無い曲作ったぞ」という強い手応えを感じたとコメントしており、R-指定氏は、怪異や霊が「痛みや悲しみに共鳴して結び付く」という作品の解釈が、自身の考える音楽の作り手と聴き手の関係に似ていると感じ、作詞に臨んだと語っています。

アニメのテーマを言語化した“歌詞”の力

「オトノケ」は、作品タイトルをそのまま取り込んだ曲調で、幽霊や宇宙人といった怪異に立ち向かうモモやオカルンのセンチメンタルな恋心、そして大切なものを守るために戦い走り抜く様を音楽に詰め込んでおり、アニメのテーマを言語化しています。

また、エンディングテーマは、ずっと真夜中でいいのに。の「TAIDADA」が担当しました。作詞・作曲のACAね氏は、モモとオカルンの心の機微に着目して楽曲を制作したと述べており、主題歌全体が、単なる戦闘シーンを彩るだけでなく、主人公たちの内面的な成長に寄り添う役割を果たしています。

疾走感と余韻が交錯するOP演出の妙

「オトノケ」は、その疾走感あふれる曲調で、アニメのダイナミックなアクションシーンと完璧に同期し、視聴者に大きなインパクトを与えました。

第1話の放送時間帯には、主題歌と作画のクオリティが相まって、SNSのトレンド1位を獲得するなど、楽曲の持つ話題性と映像のクオリティが相乗効果を生み出し、作品の成功に大きく貢献しました。Creepy Nutsが持つ音楽性は、重厚なバトルシーンに「絶妙な軽妙さ」を加え、視聴者に希望とエンターテインメント性を強く感じさせることに成功しています。

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『ダンダダン』とCreepy Nutsが交差した理由

両者に共通する“アウトロー×本質”の視点

作者の龍幸伸氏は、怪異について「元々人間だったし、なりたくてなったわけじゃない」として、「悪者って感じじゃない」という視点で描いています。そして、「エンターテインメントなので、読んだ人に絶対に希望というものをちゃんと見せて終わらせたい」という強い信念を持っており、これが作品の根底に流れる優しさにつながっています。

この、一見ホラーやアウトローなテーマを扱いながらも、その奥にある「本質」「希望」を深く掘り下げていく姿勢は、Creepy NutsがHIP HOPを通して表現する、既存の枠に囚われない視点と共鳴します。両者のクリエイティブは、表層的な情報ではなく、キャラクターや現実の「マジ感」(実在感やリアリティ)を追求するという点で共通しています。

ヒップホップ×アニメという異文化融合の成功例

Creepy NutsはHIP HOPユニットですが、「オトノケ」が『ダンダダン』のオープニングテーマとして大成功を収めたことは、ヒップホップとアニメという一見異なるジャンル間の異文化融合の成功例となりました。

この融合が成功した背景には、楽曲が単に流行を追うだけでなく、R-指定氏がコメントしたように、作品のテーマや構造を深く理解し、それに共鳴した表現を行った点にあります。この成功はCreepy Nuts自身の活動にも波及し、国内外での認知度を大幅に高めています。

「オトノケ」が作品理解を拡張する理由

「オトノケ」が作品理解を拡張するのは、それがモモやオカルンの心理状態を代弁する歌でもあるからです。

R-指定氏が言及した「痛みや悲しみに共鳴して結び付く」という怪異の解釈は、戦闘や冒険を通して、モモとオカルンが友情や恋愛感情、そして仲間との絆を深めていくという、物語の核心的な要素と深く結びついています。リスナーは「オトノケ」を聴くことで、超常バトルという派手な側面だけでなく、その裏側にある登場人物たちの繊細で不器用な青春模様を再認識し、作品の多層的な魅力をより深く理解することができるのです。

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『ダンダダン』第1期に関するFAQ

アニメ『ダンダダン』第1期に関する、よくあるQ&Aをまとめました。

  1. Q1: アニメ第1期の制作会社はどこですか?
    • A1: アニメーション制作は、高い作画クオリティで知られるサイエンスSARUです。同社は『犬王』や『映像研には手を出すな!』といった実績を持つ実力派スタジオです。
  2. Q2: 第1期は何話構成で、いつ放送されましたか?
    • A2: 全12話構成で、2024年10月4日から12月20日まで毎日放送・TBS系列『スーパーアニメイズムTURBO』枠で放送されました。
  3. Q3: 原作漫画は現在何巻まで発売されていますか?
    • A3: 2025年10月3日現在、コミックスは既刊21巻まで発売されています。
  4. Q4: アニメの海外での評価はどうですか?
    • A4: 批評家レビューサイトRotten Tomatoesで100%の承認評価を獲得し、Netflixの週間グローバルTOP10(非英語シリーズ)でも第2位にランクインするなど、非常に高い評価を受けています。
  5. Q5: アニメ第1話でモモが遭遇した宇宙人は?
    • A5: セルポ星人です。彼らは雄しかいない種族で、地球人の生殖機能を研究するためにモモを誘拐しようとしました。
  6. Q6: アニメ第1話でオカルンが遭遇した妖怪は?
    • A6: ターボババアです。かけっこで負けると呪われる近代妖怪で、動転して逃げたオカルンのイチモツ(金玉)を奪います。
  7. Q7: 原作漫画は「次にくるマンガ大賞」で何位でしたか?
    • A7: 次にくるマンガ大賞2021のWebマンガ部門で『怪獣8号』に次ぐ第2位を獲得しています。
  8. Q8: アニメ第2期はいつ放送されましたか?
    • A8: 第2期は2025年7月4日から放送されました。
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まとめ文

アニメ『ダンダダン』第1期は、オカルト、バトル、ラブコメといった複数のジャンルが、制作会社サイエンスSARUの卓越した作画と、山代風我監督の手腕により、高次元で融合した作品です。国内外での高い評価は、そのビジュアルのインパクトと、モモとオカルンの不器用ながらも真っ直ぐな青春模様が視聴者の心を掴んだ結果と言えます。

Creepy Nutsによるオープニングテーマ「オトノケ」は、作品の持つ疾走感と、怪異たちが抱える「痛みや悲しみ」という根底のテーマを音楽的に表現し、アニメの魅力をさらに深めました。

第1期は原作の第5巻途中、第34話冒頭にあたる「ジジの呪い編」の導入で幕を閉じ、第2期以降のバモラ坂田金太などの新キャラクターの登場、そしてモモとオカルンの運命の恋の行方に、大きな期待が寄せられています。超常と青春が交差するこのユニークな物語は、今後も目が離せません。

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