2025年10月19日深夜にBS朝日で放送された討論番組『激論!クロスファイア』において、司会を務めるジャーナリストの田原総一朗氏(91)が、高市早苗自民党総裁(64)に対して「あんな奴は死んでしまえと言えばいい」と発言し、大きな物議を醸しています。
この発言は、公の電波でなされた特定の政治家に対する人格攻撃として、放送直後からSNS上で「BPO案件(放送倫理・番組向上機構への通報案件)」「メディア永久追放すべき」といった厳しい批判が殺到しました。
ジャーナリストとして長年の功績を持つ田原氏のこの暴言に対し、放送局であるBS朝日が「厳重注意」で済ませた対応についても、世論からは「甘すぎる」「番組打ち切りを求める」といった疑問の声が上がっています。
言論の自由と公共放送の倫理の境界線が問われる中、なぜこのような事態が起きたのでしょうか。
- 田原総一朗氏の「死んでしまえ」発言の具体的な内容と、発言に至った背景。
- 発言を受けたBS朝日の処分内容と、世間からその妥当性に疑問が呈されている理由。
- SNSで「停波」まで議論された世間の反応と、この問題が提起する言論の自由と倫理の今後の見通し。
田原総一朗氏「暴言」の発言内容と放送経緯
まずは、田原総一朗氏の「その暴言」について確認しましょう。
何があったのか?問題となった発言の全文と文脈
問題となった発言は、2025年10月19日にBS朝日で放送された討論番組『激論!クロスファイア』での一幕です。番組では、自民党の高市早苗総裁が日本初の女性首相となることを前提に議論が交わされていました。
立憲民主党の辻元清美氏(65)と社民党の福島瑞穂氏(69)が、高市総裁が掲げる保守的な政策や、「ワークライフバランスを捨てる」発言、選択的夫婦別姓への反対姿勢などについて批判的な意見を述べていました。
この流れの中で、司会者の田原総一朗氏(91歳)から問題の発言が飛び出しました。
田原氏はまず、辻元氏、福島氏に「(高市氏に)反対すればいいじゃん」と提言しました。
そして、続けて衝撃的な言葉を発しました。
「あんな奴は死んでしまえと言えばいい」。
この発言は、田原氏がわずかに笑みを浮かべていた状態でなされたと報じられています。その場にいた野党議員たちも即座に反応し、福島瑞穂氏は「それは絶対に……」と強く制止し、辻元清美氏も「田原さん、そんな発言して高市さんと揉めてたでしょ前も」と叱責しました。
スタジオが騒然となる中、番組はCMに突入し、議論は中断されました。
発言の背景にあるテーマと番組の流れ
田原氏の発言の背景には、高市氏との間に23年以上にわたる深い対立が存在します。
- 2002年の「下品で無知」暴言事件:
- 2002年8月18日放送の『サンデープロジェクト』で、高市氏が戦争観について「セキュリティーのための戦争だったと思う」と述べた際、田原氏は高市氏を「下品で無知な人にバッジ付けて靖国のことを語ってもらいたくない」などと激しく罵倒しました。田原氏はこの件について翌週謝罪したものの、高市氏の歴史認識は再度批判しています。
- 2016年の「電波停止」問題での激突:
- 高市氏が総務大臣時代に「放送局が政治的公平性を欠く放送を繰り返した場合、電波停止を命じる可能性がある」と発言したことに対し、田原氏は他のジャーナリストと共に記者会見を開き、高市氏の発言を放送法の精神に著しく反するものとして厳しく批判しました。この時、田原氏は「言論の自由を守る」という立場でした。
今回の発言は、高市氏が日本初の女性首相となる直前という政治的緊張が高まるタイミングでなされました。田原氏が高市氏を快く思っていないという事実と、長年の因縁が暴言につながった可能性があります。
また、番組内では、田原氏が未実施の国政選挙の結果を前提に議論を進めようとするなど、進行が不安定な場面も見られました。
BS朝日の処分「厳重注意」は妥当だったのか
次に、田原総一朗氏の暴言に対するBS朝日の「厳重注意」した旨の発信について。
放送局の公式対応と説明内容を検証
BS朝日は、田原氏の発言を受け、田原氏に対して「厳重注意」という処分を下し、その旨を公表しました。
BS朝日はオリコンニュースの取材に対し、「一部不適切な内容があったため厳重注意」したとコメントしています。番組制作側は放送後、公式ウェブサイトで謝罪文を掲載し、次週放送の冒頭で司会者から簡単な補足説明と謝罪コメントが加えられたとされています。
再発防止策として、生放送時の発言管理強化、出演者への放送倫理研修の追加、社会的影響の大きいテーマでの事前リスク共有などが実施されたとしています。
『激論!クロスファイア』はBS朝日で2010年4月3日から放送されており、田原氏は司会(進行役)を務めています。討論番組の司会者は、メディアの「対話の場」を創る「秩序の管理者」であるべきですが、田原氏の言動は、その役割を放棄した「感情の衝動」に言葉を委ねた行為だと批判されています。
問題の発言は、編集されずにそのまま全国に放送された後、番組がCMに入って中断されました。
ところで、『激論!クロスファイア』(BS朝日)が生番組か、編集番組かという点については、次のような情報があります。
- 『激論!クロスファイア』(BS朝日)は、基本的には事前収録された番組ですが、生放送で放送される回もあるとされています。したがって、通常は編集番組ですが、特定の回では生放送形式が採用される場合もあります。
これが編集番組だったとすれば、この不適切発言をそのまま放送したことは大問題です。一方、これが生番組だったとすれば、CM後に、番組からの謝罪があってしかるべきだったでしょう。
いずれにしても、田原総一朗氏の暴言を放送したことについて、視聴者からは公共の電波に対する責任を問う声が上がっています。
「これで済むのか?」ネット上の疑問と批判
BS朝日の「厳重注意」という処分に対し、SNS上では「甘すぎる」「隠蔽疑惑」といった強い疑問の声が集中しました。
視聴者からは以下のような厳しい批判が寄せられています。
- 《厳重注意だけ?とんでもない発言したのに?甘すぎるでしょ?番組打ち切りしろよ!》
- 《これで何回目?》《何を今さら》 (田原氏が過去にも反省を繰り返しながら暴言を繰り返していることへの反応)
- 《確実に田原総一郎は引退すべきだと思う。社会人として許されない》
- 《もうこの人を地上波で流すのは限界かもね、考えと時代が追いついていない》
- 《言って良いことと悪いことの区別付かんならさっさと引退しろ》
視聴者の不満は、田原氏が91歳という高齢であることを理由とした「甘い処分」が、「老害」批判を助長し、番組の公正性を損ねているという点に集まっています。
「停波論」まで飛び火した世間の声とその波紋
偏向報道を繰り返すテレビ局に対して、その怒りは積もり積もったものがあります…。
SNSで広がった反応と主な論点
放送直後、SNSでは田原氏への批判が殺到し、「BPO案件」「メディア永久追放すべき」といったキーワードがトレンド入りしました。
最も深刻な論点の一つとして、発言が「テロ行為の扇動にも繋がりかねない」という懸念が挙げられました。
登山家の野口健氏は、田原氏の発言を「人様に『死ね!』と表現しているに等しい」「テロを容認しているかの発言に唖然」と投稿し、126万回超えのインプレッションを記録しています。また、野口氏は「仮に氏が司会者としてその発言をしたのならば局そのものの責任も問われるのではないか」と、放送局の姿勢にまで疑問を呈しました。
さらに、田原氏が過去に国民民主党の玉木雄一郎代表に「うるさい!黙れ!」と怒鳴った事例や、ひろゆき氏に「バカヤロー!黙れ!」と激昂した事例など、近年の暴言の繰り返しから、「長年の功績があるからこそ、晩節を汚す前に引退すべき」という「潮時」論が強まっています。
過去の類似事例と比較する視点
田原氏の「死んでしまえ」発言は、過去の類似炎上事例、特に2024年8月にタレントのフワちゃんがやす子さんに対して同様の趣旨の言葉をリポストし、大炎上して芸能活動休止を発表した事例と比較され、批判が集中しました。
SNS上では、《フワちゃんがダメで、 田原総一郎がokなのはおかしい》といった意見が寄せられ、「同じワードでフワちゃんが追放されたのだから、田原氏もこれで終わりか」と、“前例”を指摘する声が相次ぎました。
炎上研究の観点から見ると、今回の問題は、不適切な言動が発端となる「被批判型」の炎上に分類され、個人への攻撃は時に過剰な社会的制裁へと発展しやすいという特徴があります。
田原氏の発言は、ジャーナリズムの論理的な「怒り」の境界を超え、「呪詛の位相」へと転化していると批判されており、その社会的影響力の大きさから、「過剰な制裁」に該当するとの批判が集中しています。
メディアの自由と責任:どこに線を引くべきか
偏向報道や嘘を垂れ流す大手メディに、どこまで矜恃と責任を求められるだろうか…。
表現の自由 vs 放送倫理:視聴者の視点から考える
日本国憲法で言論の自由は保障されていますが、公共の電波を利用する放送事業者には、放送法に基づき高い倫理観と責任が求められます。
ジャーナリストの「怒り」は論理の鋭さを増す燃料となることがありますが、「死んでしまえ」という言葉は、政策論争を超えた人格攻撃であり、討論という論理的なやりとりの場においては相応しい対応ではありません。このような極端な表現は、言論の自由の範囲を超え、公共空間を脅かす暴力に変わると指摘されています。
視聴者の視点からは、田原氏のような著名なジャーナリストの発言は、社会的な議論を歪める可能性を孕んでおり、その影響力を自覚した慎重な言葉選びが求められます。
BPOガイドラインでも、出演者による人権侵害や不適切表現は厳しく規制されており、田原氏は過去にもBPOから放送倫理上の問題を指摘されたことがあります。
今回の件から見える課題と今後の注目点
今回の事件は、個人の問題にとどまらず、日本社会の言論構造の「老化現象」を浮き彫りにしています。言論が「権力監視」という使命から逸脱し、「感情発散」や「断定と罵倒」へと変質しているという構造的な課題です。
今後の課題と注目点は以下の通りです。
- 放送局のガバナンスと倫理規定:
- 田原氏の91歳という高齢による進行の不安定さや、時代や価値観の変化を捉えにくいという世代間ギャップのリスクを、放送局がどのように管理し、倫理規定を強化するかが問われています。
- BPO審議の可能性:
- 視聴者からBPOへの審議を求める声が急速に高まっており、特定の政治家に対する明確な攻撃的発言は過去の事例を上回る重大性があると指摘されているため、BPOが審議に進むかどうかが、放送業界の自主規制の試金石となります。
- 言論人の「潮時」論:
- 田原氏は日本の討論文化を築いた功績がありますが、暴言の繰り返しにより、「長年の功績に敬意を払うからこそ、晩節を汚さないうちに次の世代に道を譲るべきだ」という「世代交代」の議論が、メディアと世論の間で活発化しています。
暴論を吐く田原総一朗氏に関するFAQ
暴論を吐き問題になっている田原総一朗氏に関するFAQをまとめました。
- Q1: 田原総一朗氏の年齢と現在の活動は?
- A1. 田原総一朗氏は1934年4月15日生まれの91歳(2025年時点)で、現在もジャーナリストとして『激論!クロスファイア』(BS朝日)の司会を続けています。
- Q2. 高市早苗氏が批判を受けていた具体的な政策は?
- A1. 野党議員は、高市氏の総裁選直後の「ワークライフバランスを捨てる」発言や、靖国神社参拝問題、選択的夫婦別姓への反対姿勢を批判していました。
- Q3. 田原氏のジャーナリストとしての功績は?
- A3. テレビ朝日系『朝まで生テレビ!』(1987年~)や『サンデープロジェクト』(1989~2010年)の司会を務め、政治とメディアを結ぶ日本の討論文化を築いた功労者として知られています。
- Q4. 今回の発言が「テロ容認」と批判されたのはなぜですか?
- A4. 登山家の野口健氏などから、「意見が合わない人に向かって『死んでしまえ』と表現しているに等しい」として、テロ行為を容認・扇動しているかのような危険な発言だと指摘されました。
- Q5. BS朝日は発言をどのように放送したのですか?
- A5. 発言は収録中に飛び出し、直後にCMに突入しましたが、編集でカットされることなく、そのまま全国に放送された可能性があります(当日の番組が、生放送か収録番組かは現在、情報収集中です)。
- Q6. 田原氏はなぜ自ら「全身全霊」で議論すると主張するのですか?
- A6. 田原氏は「偉くなりたいと思っていない」ため、言いたいことが言えなくなる組織内の出世や重役への誘いを全て固辞してきたと述べており、「空気を読まない」積極的なMCスタイルで丁々発止の討論を演出してきた実績があります。
- Q7. 過去にBPOが田原氏の発言を問題視した事例は?
- A7. 2009年の拉致問題に関する発言で、BPOの放送人権委員会から、根拠を示すことなく断定した点は不適切であり、テレビ朝日の謝罪放送も「的確に伝わるものではなかった」として放送倫理上の問題があったと判断されたことがあります。
- Q8. 田原氏はテレビ局の姿勢についてどう考えていますか?
- A8. 田原氏は「いかに視聴率を上げるかが自分の役割だ。『いい番組なら視聴率が悪くてもいい』というのは、絶対に通用しない」と述べ、視聴率至上主義を公言しています。
- Q9. 田原氏は他の番組でも暴言を吐いていますか?
- A9. 2023年10月には『朝まで生テレビ!』で国民民主党・玉木雄一郎代表に対し「うるさい!黙れ!」と怒鳴りつけ、2024年7月には『Abema Prime』の特番で実業家のひろゆき氏に「違うよ!バカヤロー!黙れ!」と激昂しています。
- Q10. 討論番組における司会の「非対称性」とは?
- A10. 「司会者」という立場の非対称性とは、司会者はパネリストに対して議論の進行や中断の権限を持つため、その立場を利用した暴言は放送が持つ公共性を二重に踏みにじる行為であると指摘されています。
- Q11. 高市総裁は日本初の女性首相ですか?
- A11. 高市早苗氏は2025年10月4日に自民党総裁に選出され、日本初の女性首相となる見通しでした(発言当時は首相就任前)。
- Q12. 田原総一朗氏はまともな評論家ですか?
- A12. 過去、田原総一朗氏は「バカヤロー」などの暴言をいろいろな番組で起こしています。何かあると感情的な言動をする、それを繰り返すことを考慮すると、偏りなく、公平・冷静にj物事を論じるという観点では、田原総一朗氏は「まともな評論家」とは言いにくい方だと言えます。
- Q13. 過去暴言を繰り返し、ご高齢の田原総一朗氏を番組に起用し続ける理由は何ですか?
- A13. 謎です。偏向報道をし続ける大手マスコミ同様に謎です。
まとめ
- 田原氏は高市氏に対し「あんな奴は死んでしまえと言えばいい」と生放送中に発言した。
- 発言の背景には2002年の「下品で無知」発言以来の23年にわたる因縁がある。
- BS朝日は田原氏を「厳重注意」としたが、世間からは「甘い処分」と批判が集中した。
- SNSでは「BPO案件」「メディア永久追放」を求める声が相次いだ。
- 田原氏の発言は、言論の自由と公共性のバランスを欠く人格攻撃として問題視されている。
2025年10月19日放送のBS朝日『激論!クロスファイア』で、司会を務めるジャーナリストの田原総一朗氏(91歳)が、高市早苗総裁に対し「あんな奴は死んでしまえと言えばいい」と発言し、世間に大きな衝撃を与えました。この暴言は、高市氏との23年にわたる政治的・個人的な因縁が背景にあり、田原氏が過去に守ろうとした「言論の自由」の原則と矛盾する人格攻撃として批判されています。
放送後、SNSでは「BPO案件」「メディア永久追放」といった厳しい声が殺到し、特に登山家の野口健氏などからはテロを煽動しかねない危険な発言だと指摘されました。世論は、この発言を「不適切な言動」による炎上(被批判型)と捉え、タレントのフワちゃんの活動休止事例と比較し、公共の電波で同様の暴言が許されるのかという点で、放送倫理の厳格な適用を求めています。
これに対し、番組を放送したBS朝日は田原氏を「厳重注意」とする対応を取りましたが、視聴者からは「甘すぎる」との批判が集中し、放送局の責任と倫理観の欠如が問われる事態となりました。この問題は、個人の失言に留まらず、ジャーナリズムが「権力監視」から「感情発散」へと変質しているという言論空間の「老化現象」を象徴しています。今後、BPOの審議の行方や、91歳のベテラン言論人の「潮時」論が、日本のメディアと討論文化の未来に影響を与える注目点となります。
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