AGI(汎用人工知能)について – 中学生でもわかる完全ガイド!

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近年、AI(Artificial Intelligence = 人工知能)の技術がものすごいスピードで進化しています。

結果、まるでSF((Science Fiction = 科学空想)のような世界が、現実になりつつあります。

今回は、そんなAIにより実現されるSF世界をさらに加速させる新技術、「AGI(Artificial General Intelligence = 人工汎用知能)」について、解説していきます!

今のAIとAGIは何が違うのか、AGIが実現したら私たちの生活はどう変わるのか、一緒に見ていきましょう!

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目次

AGIってなに?未来を動かす凄いAI!

AI(人工知能)という言葉は、きっと耳にしたことがあることでしょう。例えば、囲碁や将棋、チェスといったボードゲームでプロの選手に勝つAIや、自動運転で車を運転するAIなど、私たちの身の回りには、すでにたくさんのAIが活躍しています。

最近では、スマホ用のAIアプリなどもありますので、すでに多くの方がAIを使っているハズです。

でも、今みなさんが使ったり聞いたりしているAIと、今回、この記事でお話しする「AGI」は、実は大きく違います。

「AGI(えーじーあい)」とは、「Artificial General Intelligence」の略で、日本語では「汎用(はんよう)人工知能」と呼ばれています。

この「汎用」という言葉が、AGIの大きなポイントです。

AGIは、まるで人間のように、色々な種類の課題を理解して、自分で考えて解決できるAIのこと。つまり、人間が学習できることなら、どんなことでも人間と同じように学習できる、最強のAIと言えるでしょう。自分でどんどん勉強して、成長していくAIなんです。

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今活躍しているAIとAGI、何が違う?

今、私たちの周りで活躍しているAIは、ほとんどが「特化型AI」と呼ばれるものです。これは、特定のタスク(課題)をこなすことに特化しているAIのことです。

例えば、2017年に囲碁の世界チャンピオンに勝ったAI「アルファ碁(AlphaGo)」は、囲碁を打つことにかけては世界最強ですが、もし「写真に写っているものが何か判断して!」と命令しても、それはできません。

なぜなら、アルファ碁は囲碁しか勉強していないからです。写真の内容を判断したり、新聞記事をテーマごとに分けたりすることもできません。このように、特定の分野では人間を超える能力を持っていても、それ以外のことはできないのが特化型AIの特徴です。これを「弱いAI」と呼ぶこともあります。

一方で、AGIは「強いAI」に分類されます。AGIは、囲碁を打つことも、絵を描くことも、人間とのおしゃべりも、なんでもできるようになります。まるで人間の脳のように、様々な分野の専門知識を持っていて、これまでに経験したことのない状況でも、自分で考えて柔軟に対応する能力を持っているんです。

まとめると、現在ひろく使われているAIは「特定の分野のスペシャリスト」ですが、これから現れるAGIは「なんでもこなせるゼネラリスト」、つまり「人間と同じか、それ以上に賢い存在」なんです。

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AGIが実現すると、どんなことができるようになるの?

AGIが実現する未来では、私たちの生活が大きく変わると言われています。

AGIは、たくさんの計算をものすごい速さで行うことができ、人間と同じように色々な情報を使って考えることができるようになるので、想像もつかないようなことができるようになるでしょう。

例えば、次のようなことが期待されています。

  • 医療の分野
    • AGIが、病気の診断(しんだん)や、患者さん一人ひとりに合った治療(ちりょう)の計画を立ててくれたり、新しい薬を開発するのを助けてくれたりします。もしかしたら、ロボットが患者さんの診断や治療を単独で行うようになるかもしれません。
  • 教育の分野
    • 生徒一人ひとりの得意なことや苦手なことを瞬時に理解して、その人にぴったりの勉強方法や課題を教えてくれるようになります。まるで自分だけの家庭教師が、いつでもどこでも教えてくれるようになるイメージです。
  • 研究の分野
    • 科学者や研究者が集める膨大なデータを正確に分析したり、新しい理論(考え方)を提案したり、効率的な実験の計画を立てたりできます。これまで人間には難しかった科学的な発見が、AGIによって劇的に加速するかもしれません。
  • クリエイティブな分野
    • 文章を書いたり、音楽を作ったり、絵を描いたり、人間がするようなクリエイティブな活動も、AGIが人間以上のクオリティでできるようになります。

AGIは、ただ情報を教えてくれるだけでなく、将来はロボットと協力して、実際に料理を作ったり、物を運んだりといった「物理的な作業」もできるようになると期待されています。まさに、私たちの多様なニーズに応えられるようになるでしょう。

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AGIを実現するには何が必要?

AGIがこんなにすごい力を持っていることがわかったけれど、それを現実にするためには、いくつかの課題をクリアする必要があります。特に大切なのは、大きく分けて「コンピューターの進化」と「アルゴリズムの進化」の二つの点です。

コンピューターの進化

これから実現するAGIは、人間のように柔軟に考えるために、ものすごくたくさんの計算を高速で行う必要があります。そのためには、コンピューターの性能がもっともっと上がらなくてはいけません。

これまでコンピューターの性能は「ムーアの法則」という法則に従って、約1年半ごとに2倍になるという驚異的なスピードで進化してきました。でも、今のコンピューターの部品は、すでに原子(げんし)レベルの小ささになっていて、これ以上小さくするのが難しくなってきています。

そこで期待されているのが、「量子(りょうし)コンピューター」という、まったく新しい仕組みのコンピューターです。

量子コンピューターは、これまでのコンピューターとは比べ物にならない速さで計算ができると言われています。

例えば、たくさんの道を試してゴールを見つける問題も、量子コンピューターならすべての道を同時に考えて、一瞬で正解を見つけられると考えられています。

量子コンピューターが本格的に使えるようになるのは2030年代と言われていますが、これがAGIに必要な膨大な計算量をまかなうカギとなります。

アルゴリズムの進化

アルゴリズムというのは、AIが問題を解決するための「手順」や「考え方」のことです。AGIを実現するためには、「マルチモーダル」というアルゴリズムがとても重要です。

マルチモーダルとは、AIがテキスト(文章)、画像、音声など、複数の種類のデータを同時に理解し、処理できる能力のことです。

例えば、OpenAI社が開発した画像生成AI「DALL-E 2(ダリツー)」は、人間が入力した文章から、その文章に合った画像を自動で作ることができます。これは、文章と画像という違う種類のデータをAIが関連付けて理解しているからできることなんです。

人間は、文章や画像、音声だけでなく、味や匂い、温度など、もっとたくさんの種類の情報を処理して生活していますよね。

AGIが人間のように賢くなるためには、もっともっとマルチモーダル化を進めて、たくさんの種類のデータを同時に、柔軟に扱えるようになる必要があります。

人間が幸せになるための仕組みが必要?

これらの技術的な課題をクリアするだけでなく、AGIが社会に広まっていくためには、「AIが人間を幸せにするための仕組み」もとても大切だと言われています。

例えば、自動運転車が事故を起こしそうになった時、誰の命を優先すべきか、AIはどう判断すればいいのか、といった「倫理的(りんりてき)な問題」を一つ一つ解決していく必要があります。

AIが人類にとって良い方向に使われるように、ルールや法律を作っていくことが、AGI実現のために重要な条件となります。

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AGIはいつ誕生するの?

ここまでAGIがどんなにすごいか、そしてその実現のために何が必要かを見てきました。では、実際にAGIはいつ頃完成するのでしょうか?

アメリカの未来学者であるレイ・カーツワイルさんは、AGIが誕生し、人類よりも賢くなる時期を2029年だと予測しています。ちょっと意外に感じるかもしれませんが、これまでの技術の進化のスピードを考えると、この予測は的外れではないと言われています。

技術の進化は、最初はゆっくりでも、いったん新しい技術が生まれると、その技術を使ってさらに次の技術が早く開発されるというように、どんどん加速していく特徴があります。これをレイ・カーツワイルさんは「収穫加速の法則」と名付けました。

例えば、人間が二足歩行(にそくほこう)を始めてから火を扱えるようになるまでには何万年もかかっていますが、印刷技術が発明されてからコンピューターのディスプレイが一般的になるまでには2000年もかかっていません。このように、歴史を振り返ると、重要な発明は現代に近づくにつれてどんどん増えているんです。

これまでのAIの発展は、人間が努力してきた結果ですが、もしAGIが人間よりも賢くなり、AGI自身が新しいAGIを開発できるようになれば、その成長速度はものすごいものになるでしょう。まさに「収穫加速の法則」がAIの分野で現実のものとなり、AGIの実現がさらに早まる可能性があります。[5]

また、ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長も、2023年10月にAGIが「10年以内に実現する」と発言しており、世界中の専門家や企業がAGIの開発に力を入れています。

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AGIの考えられるメリット・デメリット、そして問題

AGIの実現は、私たちの社会に大きな変化をもたらします。その影響を正しく理解するために、メリットとデメリット、そして解決すべき問題について詳しく見ていきましょう。

AGIのメリット

  1. 生産性の飛躍的向上
    • AGIは24時間365日働き続けることができ、疲れることもありません。これにより、人間が行っていた多くの作業が自動化され、社会全体の生産性が大幅に向上します。
  2. 科学技術の急速な発展
    • AGIは人間よりもはるかに高速で大量のデータを処理できるため、新薬の開発、気候変動の解決策、宇宙探査など、これまで人間には困難だった分野で革新的な発見が期待できます。
  3. 個別最適化されたサービス
    • 教育や医療の分野では、一人ひとりの特性やニーズに合わせたオーダーメイドのサービスが提供できるようになります。
  4. 危険な作業からの解放
    • 災害救助、宇宙探査、深海調査など、人間にとって危険な作業をAGIが代行することで、人命を守ることができます。

AGIのデメリット

  1. 大規模な雇用の喪失
    • AGIが多くの職種を代替することで、大量の失業者が発生する可能性があります。特に単純作業だけでなく、知的労働も影響を受けるため、社会全体の雇用構造が根本的に変わる恐れがあります。
  2. 経済格差の拡大
    • AGIを所有・活用できる企業や個人と、そうでない人々との間で、経済格差がさらに広がる可能性があります。
  3. 人間の能力の退化
    • AGIに多くを依存することで、人間の思考力や創造力、問題解決能力が衰える可能性があります。
  4. プライバシーと監視の問題:AGIが高度な分析能力を持つことで、個人のプライバシーが侵害されたり、過度な監視社会になったりする危険性があります。

解決すべき問題

  1. 制御とアライメント問題
    • AGIが人間の価値観や目標と一致した行動を取り続けるための仕組みづくりが必要です。AGIが人間の意図と異なる目標を設定してしまった場合、取り返しのつかない事態になる可能性があります。
  2. 倫理的判断の基準
    • 生命に関わる判断や社会的な価値観に関する決定を、AGIがどのような基準で行うべきかを明確にする必要があります。
  3. セキュリティの確保
    • AGIが悪意のある者によってハッキングされたり、悪用されたりしないための強固なセキュリティシステムが必要です。
  4. 国際的な規制と協力
    • AGI開発における国際的なルールや安全基準を設け、各国が協力して安全なAGI開発を進める枠組みが必要です。
  5. 社会保障制度の再構築
    • AGIによって職を失う人々を支援するための新しい社会保障制度や、ベーシックインカムなどの検討が必要です。

これらの問題に対して、技術者だけでなく、政治家、法律家、哲学者、そして私たち一般市民も含めた社会全体で議論し、解決策を見つけていくことが重要です。

まとめ

AGI(汎用人工知能)は、人間のように様々なことを理解し、学習し、解決できる、未来のAIの姿です。現在のAIとは異なり、人間と同じように幅広い知識とスキルを持ち、自ら判断して行動できるようになります。

AGIが実現すれば、医療、教育、科学研究、クリエイティブな分野など、あらゆる場所で私たちの生活を大きく変え、より豊かにしてくれるでしょう。しかし、同時に雇用の喪失、経済格差の拡大、制御の困難さなど、深刻な課題も抱えています。

そのためにはコンピューターのさらなる進化や、AIが様々なデータを理解できる「マルチモーダル」なアルゴリズムの発展、そしてAGIが人間を幸せにするための倫理的な仕組みづくりがとても大切になります。

AGIがいつ誕生するかはまだはっきりとは言えませんが、多くの専門家が「そう遠くない未来」と予測しています。AGIの時代が来る準備を、私たち一人ひとりが今から考えていくことが重要です。AGIは、これからの社会の新しい常識になっていくかもしれません。

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