
大相撲の現役力士・若戸桜が急逝って、ほんとなの?



死因は外陰部壊死性筋膜炎なんだって
ニュースを見たけど、病名は聞きなれなくて気になります。
原因となった病気「外陰部壊死性筋膜炎」は、命にかかわるほど進行が早いんだとか。
そこで、今回は大相撲現役力士・若戸桜が急逝した病気、外陰部壊死性筋膜炎について調べてまとめました。
- 若戸桜急逝の背景
- 外陰部壊死性筋膜炎とは
- 相撲界の過去の急逝例
若戸桜が急逝した背景と大相撲の衝撃


このエックスポストは、日本相撲協会が力士にSNSを禁止する前のものです。
_/_/_/
現役力士・若戸桜こと澤田 剛(さわだ つよし)さんの突然の訃報は、大相撲界に深い悲しみと衝撃をもたらしました。
33歳という若さでこの世を去った若戸桜。
彼の死をめぐる一連の流れや、周囲の反応からも、突然の出来事だったことがうかがえます。
ここからは、若戸桜という力士の人となりや急逝当日の状況、所属部屋のコメント、大相撲界の動揺などを詳しく見ていきましょう。
若戸桜とはどんな力士か
まだ名前を知ったばかりの方も多いかもしれません。
若戸桜(本名:澤田剛)は、福岡県北九州市出身の現役力士。
彼のプロフィールは次の通りです。
- 四股名:若戸桜(わかとざくら)
- 本 名:澤田 剛(さわだ つよし)
- 誕生日:1992年2月24日(33歳)
- 逝 去:2025年4月14日
- 出 身:福岡県北九州市
- 身長等:182cm / 140kg
- 部 屋:式秀部屋(茨城県龍ケ崎市)
- 初土俵:2007年3月
- 最高位:東序二段3枚目
- 戦 績:305勝430敗7休 / 735出(107場所)
若戸桜は、3月場所皆勤(西序二段52枚目)で、3勝4敗でした。
部屋関係者は、「ちょっと天然の愛されキャラ。兄弟子だけど腰が低く、慕われるタイプだった。急なことで、本当にびっくりしています」と話している。
引用元:日刊スポーツ
若戸桜、直近1年の戦績
- 2024年5月場所
- 西序二段45 2勝5敗
- 2024年7月場所
- 東序二段75 3勝4敗
- 2024年9月場所
- 東序二段83 4勝3敗
- 2024年11月場所
- 西序二段50 2勝5敗
- 2025年1月場所
- 東序二段86 4勝3敗
- 2025年3月場所
- 西序二段52 3勝4敗
今月(4月)の若戸桜は…
報道によると、若戸桜は春場所後、大阪から茨城県龍ケ崎市にある式秀部屋に戻ってからも稽古を続け、ごく最近に体調を崩し、入院をしていたとのこと。
そして、関係者によると、ここ数日の内に体調が急変したようです。
師匠の式秀親方(元前頭北桜)によると、場所後に茨城・龍ケ崎市の部屋に戻り、今月10日までは稽古も行っていた。持病だった痔(じ)に近い痛みを訴えた11日に病院に行ったところ、緊急手術することになったという。式秀親方は「1度は顔色も良くなった。先生には『この2、3日を乗り越えれば』と言われていたけど…。14日に容体が急変しました」と、無念そうに話した。
(中略)
引用元:Yahoo!ニュース / 日刊スポーツ
部屋関係者によると「兄弟子だけど腰が低く慕われるタイプだった」という。式秀親方は「手術を受ける前に『土俵で戦うつもりで戦ってこい』と言ったのが最後の言葉。『はい』と返事していたのですが…」と、声を絞り出して話した。手術後、会話できないまま訪れた、愛弟子との突然の別れを受け止め切れていない様子だった。
原因として報じられたのは「外陰部壊死性筋膜炎」。
極めて進行の早い感染症です。
★外陰部壊死性筋膜炎とは
引用元:Yahoo!ニュース / サンスポ
陰部や肛門周囲に急速に炎症が進行し、急激な悪化をたどる感染症。頻度は低いが、一度発症すると短時間で重篤な状態になるため、早期の治療開始が求められる。糖尿病などの持病がある人や免疫を抑える薬を使用している人に起きやすいとされる。
大相撲界やファンの反応など
若戸桜が急逝した翌日である4月15日は、東京・大田区総合体育館で大相撲の春巡業が行われていました。
訃報を受け、春巡業が開催されていた東京・大田区総合体育館では、朝稽古の開始前に横綱豊昇龍をはじめ巡業に参加する全関取が土俵周囲に集まり、約20秒間の黙祷(もくとう)を行った。
引用元:Yahoo!ニュース / サンスポ
境川巡業部長(元小結両国)によると、式秀部屋の三段目赤虎と序二段豪鬼神が豊昇龍の付け人として巡業に同行しており、前日に師匠の式秀親方(元幕内北桜)から部屋に戻してほしいと連絡があったという。同部長が「どこの(部屋の)子でも気の毒だから」と黙祷の場を設けた。
豊昇龍は「対戦したことはないが同じ力士、協会の仲間。本当に残念だ。体には気をつけなければいけない」と神妙な表情を浮かべた。
以下、ファンの想いをエックスからいくつかピックアップさせていただきます。
拙者の地元「北九州市」出身の力士でした。
— 玄海 松晤郎 (げんかい まつごろう) (@xydNaX1ngIGwMiz) April 15, 2025
先代の式秀(大潮)親方のお弟子さんでした。
前の「四股名」を地元若松に因んで「若戸大橋」でしたね。
本当に、残念です。
今は、ご冥福を祈るのみです。
若戸桜、まだ力士のSNSが大丈夫な時期のが残っているが、中卒入門の叩き上げ、ホンマ残念やね。若い力士の訃報はホンマキツイ。
— 大阪のじいちゃん。 (@UGGvaopCywaIusc) April 15, 2025
式秀親方も部屋立ち上げの時からの弟子やから、、、、
御遺族の皆様、式秀部屋の兄弟弟子、式秀親方に謹んでお悔やみ申し上げます。🙏 pic.twitter.com/XgiPAaK653
現役時代 同じホークスファンという事で部屋も違うのにいつも気にかけて下さり、怪我した時はわざわざ茨城からお見舞いに来てくれたり。支度部屋で会う度のホークスの話を熱く語ってくれた若戸桜さん。
— O.G(元 筑零扇) (@ohmra_dono) April 15, 2025
色々とお世話なりました。ゆっくり休んでください。
今度PayPayドームに連れていきます。 pic.twitter.com/5gkHp0S7vz
若戸桜さん。
— 最上桜 (@mogatyan_0703) April 15, 2025
ついこの前も大阪から帰って来てご飯に連れてってくれたのに…
いきなりすぎますよ。
18年間現役お疲れ様でした。
ゆっくり休んでください。
ご冥福をお祈りします。
これまでにも現役力士の急病死はありましたが、今回のケースはとくに急性かつ重篤な例でした。



若さと元気があっても油断できないんですね…
外陰部壊死性筋膜炎の特徴とこわさ
若戸桜の死因として報じられた「外陰部壊死性筋膜炎」は、非常にまれでありながらも致死率の高い感染症です。
この病気は、ほんの数時間で重篤化し、治療が遅れると命を奪う危険性があります。
見た目は軽い皮膚トラブルに見えても、数時間単位で深部組織にまで感染が広がるのが特徴。
強烈な痛みと発熱が急速に現れるケースが多く、初動の判断が生死を左右します。
ここからは、この病気のしくみや初期症状、かかりやすい体質やリスクについて、詳しく見ていきましょう。
病気のしくみと進行
一見、ただの腫れだと思っていたら危険信号かもしれません。
外陰部壊死性筋膜炎は、体表のごく浅い傷口から細菌が侵入し、皮膚の下にある「筋膜」へと感染が広がる病気です。
細菌が筋膜や脂肪組織を破壊しながら増殖することで、猛烈な炎症と壊死(細胞の死)が進行します。
わずか1〜2日で感染が腹部や背中にまで広がることもあり、敗血症や多臓器不全で命を落とすケースも少なくありません。
初期に出やすい3つの症状
風邪かな?と思ったときが、すでに危険ラインかもしれません。
外陰部壊死性筋膜炎の初期症状として多く報告されているのは、以下の3つです。
- 局所の異常な痛み(見た目より強く感じる)
- 38度を超える高熱と悪寒
- 皮膚の赤みや腫れ、しこり感
特に「見た目より強い痛み」がこの病気の大きな特徴。痛みの程度と腫れの様子が釣り合わないと感じた場合、即受診が求められます。
なりやすい体の条件
健康な人でも油断は禁物ですが、特定の体質や生活習慣によってリスクが高まります。
外陰部壊死性筋膜炎になりやすい人の特徴として、以下の条件が挙げられます。
- 糖尿病と診断されている
- 免疫力が低下している(疲労・ストレス)
- 肥満体型または高BMI
- 外傷や切り傷がある
とくに糖尿病と肥満の組み合わせはハイリスク。
相撲力士という職業柄、体重管理や傷のケアの難しさもリスクを高める要因になりえます。
放置したときのリスク
「そのうち治る」と思っていたら、命を落とすこともあります。
この病気の怖いところは、症状が急激に悪化する点。
数時間~1日で壊死が進行し、敗血症やショック状態に陥ることがあります。
重症化した場合、治療には手術で壊死した組織を切除する「デブリードマン」や、全身管理のためのICU入院が必要になります。
助かったとしても、広範囲の切除で機能障害が残る可能性があり、早期の気づきと対応がとても重要です。



たった数時間の判断が、生死を分けるんですね…
過去にもあった大相撲界の急死
若戸桜の訃報は初めてではありません。大相撲界では、これまでにも現役力士の急死が起きてきました。
ここでは、過去に話題となった3つの事例を振り返ります。
龍興山 / 虚血性心不全
今日は大相撲力士の龍興山 没後35年の命日だぜ! pic.twitter.com/2Rz9w7ed0z
— ニッシー(ワッキー) (@wnisshiy) February 2, 2025
力士が命を落とす悲劇は、過去にも起きています。
1990年、幕内力士だった龍興山(りゅうこうざん)は、部屋で突然倒れ、わずか22歳という若さで虚血性心不全により、そのまま帰らぬ人となりました。
1990年1月場所後の同年2月2日の朝稽古後、部屋の廊下で突然意識を失って倒れた。部屋の力士や親方によって救急車で病院に運ばれたものの、手当ての甲斐もなく虚血性心不全によって急逝してしまった。22歳没。
引用元:Wikipedia
(中略)
本来ならば、番付編成会議後に亡くなった力士は翌場所の番付から四股名が消され、その位置は空き番付となるはずだったが、龍興山の場合は新入幕を果たした場所で勝ち越したことで、翌場所は自己最高位を更新する予定であったため、「せめて番付だけでも故郷(3月場所は大阪で行われる)に錦を飾らせたい」という9代出羽海や日本相撲協会の配慮で残されることになり、3月場所の新番付では自己最高位となる東前頭5枚目にその四股名が記載された。
龍興山は、最後に皆勤した1990年初場所の2つ前である1989年9月場所には十両優勝を果たしています。
病歴や持病の報告はなく、稽古熱心で将来を期待されていた人物でした。
- 四股名:龍興山(りゅうこうざん)
- 本 名:宮田 一人(みやた かずと)
- 誕生日:1967年6月23日
- 逝 去:1990年2月2日(35歳)
- 出 身:大阪府堺市
- 身長等:185cm / 160kg
- 部 屋:出羽海部屋
- 初土俵:1983年3月
- 最高位:前頭5枚目
- 戦 績:170勝109敗34休/279出(41場所)
- 優勝歴:
- 序ノ口(1984年11月場所)
- 十両(1989年9月場所)
響龍 / 急性呼吸不全
大相撲は危険と隣り合わせということを痛感させたのが、響龍の一件です。
大相撲境川部屋の三段目力士、響龍(ひびきりゅう)の天野光稀(あまの・みつき)さんが28日午後6時20分、急性呼吸不全のため東京都内の病院で死去した。日本相撲協会が29日、発表した。28歳だった。響龍さんは、春場所13日目の取組で頭部を強打。救急搬送されて入院中だった。
引用元:日刊スポーツ
- 四股名:響龍(ひびきりゅう)
- 本 名:天野 光稀(あまの みつき)
- 誕生日:1993年3月17日
- 逝 去:2021年4月28日(3歳)
- 出 身:山口県下関市
- 身長等:178cm / 138kg
- 部 屋:境川部屋
- 初土俵:2011年5月
- 最高位:三段目24枚目
- 戦 績:195勝206敗12休/401出(60場所)
勝武士 / 多臓器不全
勝武士(しょうぶし)は、新型コロナウイルス感染による多臓器不全で急逝しました。
2020年4月4日、38度台の発熱の症状が出始め、勝武士の師匠である9代高田川らが保健所に電話をかけたが話中状態が続いたため、近隣にある複数の病院に診療を依頼したが受け付けてもらえなかった。4月8日には血痰の症状があったため救急車を呼んだが、夜になるまで搬送先が決まらなかった。搬送先の東京都内の病院で受けた新型コロナウイルスの簡易検査の結果は陰性であったが、翌日症状が悪化し別の病院に転院した。4月10日にPCR検査で陽性と判明。同月19日に症状が悪化したため集中治療を受けていたが、5月13日0時30分、新型コロナウイルス感染症による多臓器不全のため東京都内の別の病院で死去した(満28歳没)。
引用元:Wikipedia
- 四股名:勝武士(しょうぶし)
- 本 名:大森 清孝(おおもり きよたか)
- 誕生日:1991年11月4日
- 逝 去:2020年5月13日(4歳)
- 出 身:山梨県甲府市
- 身長等:166cm / 111kg
- 部 屋:高田川部屋
- 初土俵:2007年3月
- 最高位:三段目11枚目
- 戦 績:260勝279敗7休/538出(79場所)



大柄な体と過酷な稽古…だからこそ、体調の小さなサインも見逃せないですね
外陰部壊死性筋膜炎の早期発見のポイント
命を守るために最も重要なのは、「早く気づくこと」です。
外陰部壊死性筋膜炎は、早期に治療すれば完治の可能性が高まります。
しかし、発見が遅れるとわずか1日で命を落とす危険がある病気です。
日々のちょっとした違和感を見逃さないためには、普段からの「自分の体との向き合い方」がカギになります。
この章では、今日からできる健康チェックの習慣や、受診の目安となる症状、異変に気づくコツを紹介します。
日ごろの体調管理が大切
病気になってからでは、手遅れになることもあります。
とくに感染症は、免疫力の低下や慢性疲労が引き金になることが多いため、日々の体調管理が非常に重要です。
睡眠、栄養、ストレス管理といった基本的な生活習慣が、感染を防ぐ最初の防御壁になります。
また、持病(糖尿病・高血圧など)がある方は、定期的な通院と血液検査で悪化を防ぐことが予防にもつながります。
大相撲における健康管理態勢がどうなっているのか気になるところです。
すぐ病院に行くべきサイン
「この程度なら様子見でいいか」…それが命取りです。
次のような症状が出た場合、迷わず医療機関を受診しましょう。
- 局所の強い痛みや腫れ(皮膚の色が変化)
- 急激な高熱(38度以上)と悪寒
- 倦怠感や呼吸の乱れ、意識がぼんやりする
これらはすでに全身に感染が広がりつつある兆候。
できれば感染症科や救急外来のある病院へ行き、早期の処置を受けましょう。
体の変化に気づくために
「体からのサイン」に気づけるかどうかが、明暗を分けます。
日常的に、自分の体調の“基準”を知っておくことが大切です。
朝の体温、脈拍、便の状態、肌の色や張りなど、「自分にとってのいつも通り」を把握しておくことで、異変を察知しやすくなります。
たとえば、ちょっとした湿疹や痛みでも、いつもと違う感覚があればメモを取り、数時間おきに変化を観察する習慣をつけると良いでしょう。



「なんか変だな」が命を守る第一歩かもしれませんね
まとめ
今回は、大相撲・若戸桜の急逝と外陰部壊死性筋膜炎について調べてまとめました。
- 現役力士の急死に迫る
- 外陰部壊死性筋膜炎の実態
- 相撲界の過去の悲劇も紹介
若戸桜さんの急逝は相撲界に大きな衝撃を与えました。病気の進行の早さや、見逃しがちな初期症状についても解説しました。
また、過去に起きた力士の急逝例からも、力士たちの健康管理を大相撲会で見直すことが必要かもしれません。



若戸桜さんのこと、残念ですが、これを機に力士たちの健康管理が改善されることを期待しています。
大切な命を守るためにも、私たちも、ちょっとした体調変化にも目を向けましょう。
コメント