※本記事は、2025年5月場所9日目が終わった段階で書いています。
2025年5月場所も9日目が終わり、優勝争いが見えてきました。
トップは5月場所で連続優勝し、場所後の横綱昇進を狙う、大関・大の里。初日から土つかずの9連勝。
それに1敗で続くのが平幕の2人。前頭7・伯桜鵬と前頭9・安青錦。とくに安青錦の強さには大相撲ファンは大注目です。
ただし、優勝争いとしては、横綱・豊昇龍、小結・若隆景が2敗で追従しており、まだ6日間を残しているなかでは、「大の里、あるいは安青錦が優勝しそう」とは言えない状況です。
ところで、四股名・安青錦の読み方ですが、「あおにしき」と読みます。
この記事では、成長著しい安青錦の成績、経歴、相撲歴などをまとめました。
ここだけの話ですが、筆者 TOPIOは、安青錦は来年には大関になっていると予想&期待しています!
安青錦の成績
安青錦の細かいプロフィールを示す前に、「今場所(2025年5月場所)の9日目までの成績」を示した上で、「前相撲から今場所までの成績」も示します。
今場所(2025年5月場所)の成績
安青錦にとって、今場所は入幕2場所目。前頭15枚目で迎えた初入幕の先場所、11勝4敗と好成績を残し、今場所の番付は前頭9枚目と大きくジャンプしています。
それでは、今場所9日目までの成績(8勝1敗)詳細を以下に示します。
⭕が勝ち、❌️が負けです。
なお、コメントはNHKの大相撲動画をもう一度じっくり見なおして、少しうざいくらいに細かく書きました(笑)。
- 初 日:❌️ 前頭8・金峰山(押し出し)
- 立ち会いから金峰山の長い手を活用したツッパリが激しく、安青錦は得意の頭を付ける態勢を取れず、約3秒で押し出されました。筆者 TOPIOは、安青錦には場所前から期待大だったので正直ショックな初日でした。
- 2日目:⭕ 前頭7・美ノ海(寄り切り)
- 安青錦立ち会い鋭く、しばし押し合いの後、得意の頭をつけた形になり、そのまま寄り切り。
- 3日目:⭕ 前頭8・阿武剋(寄り切り)
- 安青錦立ち会いからしばしつっぱりの後、頭を付けた形となり、その形を崩さず寄り切り。土俵際では小股掬いっぽい技もちら見せして、完勝。
- 4日目:⭕ 前頭10・明 生(上手出し投げ)
- 低く鋭い立ち会いをした安青錦、ツッパリ合いのなかでいつもの頭をつけた形はとれず。そして、ツッパリ攻防のさなか、明生の肩透かしに合い、土俵際で後ろ向きの態勢になり万事休す。しかし、土俵際で上手く回転し、素早く右で明生の上手をとり、そのまま上手出し投げ。土俵際逆転の動きと技が素晴らしい!
- 5日目:⭕ 前頭9・翠富士(内無双)
- 連敗続く翠富士ですが、角界随一の曲者です。低い翠富士に対して、同じように、そしていつものように低く立ち会いをした安青錦。しばしツッパリ合いが続きますが、立ち会いから5秒後くらいに翠富士が両差しに。それを安青錦は頭を付けた得意の態勢で凌ぎます。翠富士が肩透かしをするも頭を付けている安青錦は態勢を崩すことがありません。しばし攻防の後、内無双で安青錦の勝ち。技のキレが素晴らしい。
- 6日目:⭕ 前頭10・正 代(送り投げ)
- 立ち会い少しつっぱりをした安青錦、そしてすぐに得意の頭をつけた形で組み合います。そのまま安青錦が寄り切るかという瞬間、正代が土俵際を回り込み、取ったりで安青錦万事休す。大きく態勢を崩すも、なんとか抜群の足腰で凌いだ安青錦。その凌ぎの反動で今度は正代がバランスを崩します。その機を逃すことなく、すかさず土俵際まで追い込む安青錦。しかし、大関まで張った実力者正代、またしても土俵際で回転し残すも、間髪いれない送り投げで安青錦の勝ち。正代の土俵際マジックを2度も凌いだ安青錦の足腰は本物です。
- 7日目:⭕ 前頭11・遠 藤(押し出し)
- 立ち会い頭からガツンとあたった安青錦、いつもの頭をつけるようなほどに低い姿勢でしばし攻防するも、遠藤の押しに引いてしまい、そこを遠藤につけこまれ、遠藤に得意の左四つになられてしまい、一瞬土俵際に。しかし、そこから安青錦が怒濤の押しで押し出し。
- 8日目:⭕ 前頭6・翔 猿(送り出し)
- 小兵&曲者の翔猿に対し、安青錦はいつもの低い姿勢での立ち会い。頭がぶつかり合い「ごつん」と音が。その後、しばしツッパリの攻防。そして翔猿が態勢を崩したところで、すかさず安青錦が強烈な右ノド輪で攻め立てます。翔猿は弓なりになって土俵際でそれを凌ぎます。翔猿がそれを凌ぎ右に逃げたところを安青錦は間髪入れずに後ろ回しをとって、そのまま土俵際まで追い込んで送り出し。
- 9日目:⭕ 前頭5・千代翔馬(押し出し)
- いつものように低く頭からガツンと立ち会いをした安青錦。ツッパリ合いが続きますが、千代翔馬を徐々に追い込んだ安青錦が最後は余裕の押し出し。
ちなみに、前頭9の安青錦ですが、中日までの好成績につき10日目からは上位戦が組まれました。10日目の相手は、小結・若隆景です。好結果を期待しています!
ところで、幕内力士の平均身長は約185cmと言われています。安青錦は182cmですから、平均からは少し低い。ただし、ほんの少しだけ。その安青錦ですが、取り口の特徴は、徹底して頭を付けること。そして、立ち会いで臆すること無く、頭からガツンと当たることでしょうか。
立ち会い頭で当たることが好きな力士はいないでしょうし、終始低めで頭を付けてくる安青錦。これに相手が攻めあぐねて、安青錦が勝つというパターンが多いです。それから、土俵際で見せる足腰の良さも素晴らしい。とにかく、徹底的に頭を付ける取り口は大好きです(個人的な感想でした・笑)。
前相撲から今場所9日目までの成績
- 2023年9月場所/前相撲
- 3勝0敗
- 2023年11月場所/西序ノ口14
- 7勝0敗・優勝
- 2024年1月場所/東序二段10
- 7勝0敗・優勝
- 2024年3月場所/東三段目18
- 6勝1敗
- 2024年5月場所/東幕下40
- 6勝1敗
- 2024年7月場所/西幕下17
- 6勝1敗
- 2024年9月場所/西幕下4
- 6勝1敗
- 2024年11月場所/東十両11
- 10勝5敗
- 2025年1月場所/西十両5
- 12勝3敗
- 2025年3月場所/東前頭15
- 11勝5敗
- 2025年5月場所/東前頭9
- 8勝1敗(9日目までの成績)
初土俵から所要7場所での関取昇進(十両昇進)を果たした安青錦。これは、年6場所制となった1958年以降では5位のスピード出世です。
そして、元関脇・安美錦が師匠として率いる安治川部屋からは創設以来初の関取の誕生です。なお、ウクライナ出身の力士としては、獅司に続いて2人目の関取となりました。
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次の項に進む前に、八角理事長と、安治川親方のコメントを引用しますね。
母国でのレスリング経験もあり、前傾姿勢を崩さずに下から攻める取り口に、八角理事長は「背筋が相当強くないと、あの相撲は取れない。力強さがあるから見てみたかった」と評す。
体重138キロと幕内では軽量だ。部屋では、小兵ながらも食い下がる相撲で「ピラニア」と呼ばれた元大関・旭国ら名力士の映像を見る。
これらのDVDなどを取りそろえているのは、師匠の安治川親方(元関脇・安美錦)だという。業師として名をはせた親方は「1回500円(で安青錦は見ている)。レンタルビデオ屋より高いけど」と冗談交じりに語る。そんな師匠の薫陶を受け、安青錦は存在感を日に日に増している。
引用元:Yahoo!ニュース / 毎日新聞
安青錦の経歴
まずは、安青錦の簡単プロフィールを。
- 四股名:安青錦新大(あおにしき あらた)
- 本 名:ヤブグシシン・ダニーロ
- 誕生日:2004年3月23日(21歳)
- 出身国:ウクライナ、ヴィーンヌィツャ州
- 身長等:182cm、138kg、血液型B型
- 所 属:安治川部屋(あじがわ)
- 安青錦は安治川部屋の部屋頭
- 得意技:右四つ、寄り
- 初土俵:2023年9月場所
- 入 幕:2025年3月場所
- 初土俵から数えて所要7場所
- 参考:大の里が初土俵から入幕まで所要4場所
- 優勝歴:
- 序ノ口(2023年11月場所)7勝0敗
- 前相撲の翌場所
- 序二段(2024年1月場所)7勝0敗
- 連続優勝
- 序ノ口(2023年11月場所)7勝0敗
安青錦の相撲歴
ウクライナ生まれの安青錦(以下、安青錦で通します)は、経緯は不明ですが7歳で相撲を始めました。そして、2019年の世界ジュニア選手権では3位となります。ジュニア選手権に出場するということは日本の角界と繋がりができるということでもあります。少年・安青錦のなかには「日本で相撲を取りたい」という夢が大きくなっていきました。
少年・安青錦は相撲と並行してレスリングもやっていました。そして、17歳のとき(相撲世界ジュニア選手権3位から2年後)には、ウクライナの国内のレスリング大会110kg級で優勝を果たします。現在の安青錦の足腰の良さには、レスリングと相撲の融合の結果ですね。その後、ウクライナの国立大学に合格。安青錦は文武両道です。
しかし、母国ウクライナはロシアの軍事侵攻があり大変な状態になってしまいました。安青錦は、相撲を続けたいという気持ちがあり、戦時下から逃れる形で来日しました。2022年4月です。
安青錦は、2019年の世界ジュニア選手権で知り合った関西大学相撲部主将の自宅に居候しました。そして、そのつてで、関西大学や報徳学園・中学校/高等学校の相撲部の練習に参加。そして、報徳学園の相撲部監督が安青錦を安治川親方に紹介。
安青錦は2022年12月に安治川部屋の研修生となり、2023年7月場所前に正式入門の上新弟子検査を受検し、興行ビザ取得を待ったのち、同年9月場所で初土俵という流れになりました。
そのあとの成績については、前項で記した通りです。
2019年の世界ジュニア選手権に安青錦が出場しなければ、また3位という成績をあげなければ、日本との繋がりはできなかったわけです。
それにしても、安青錦を居候させるという関西大学相撲部主将のご家族の太っ腹も素敵過ぎます。
また、そんな居候の安青錦を練習に参加させることを許す関西大学相撲部、報徳学園相撲部も素敵です。
安青錦の5月場所とその後を予想する
本記事を書いている現在、つまり5月場所9日目が終わった現在、前頭9・安青錦は8勝1敗と勝ち越し、前頭7・伯桜鵬とともに、優勝争い次点につけています。
安青錦は中日(8日目)までの好成績の結果、10日目からは上位戦いが組まれました。残り6日間は上位で揉まれますが、それでも3勝3敗の五分で終われば、先場所に引き続き11勝4敗という好成績を残せます。
そのため、幕内3場所目となる7月場所には、上位陣との総当たりとなる前頭3枚目くらいまでに番付をあげるでしょう。すなわち、安青錦にとって来場所こそが正念場。そこで、いかに早く三役まで上がれるか。
将来を期待されて平幕上位になったもののあえなく打ち果てるというパターンはたくさんあります。その壁をどうつき崩すか。立ち会い低い姿勢で頭かからガツンとあたり、そして、立ち会い後のツッパリも鋭く、組めば低い姿勢で頭をつけるという形は、上位陣にも十分に太刀打ちできる「勝ちパターン」です。
また、レスリングで培った土俵際で見せる足腰の強さや俊敏さは、取りこぼしの少ない一因となっています。
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以下、筆者 TOPIOの勝手な予想・妄想です。
7月場所で前頭3枚目くらいまでの番付を実現した安青錦は、上位陣の壁をものともせず連続の2桁勝利を収め、9月場所には新三役、11月場所には関脇昇進している可能性が大だと考えています。
そして、2026年早々に大関昇進挑戦を果たし、新大関誕生。さらに、琴櫻よりも早く、横綱昇進を果たすかもしれません。
今場所、5月場所は、大の里の連続優勝と場所後の横綱昇進に話題が集中していますが、将来の角界を担うであろう安青錦からも目が離せません。
まとめ:今年一番の成長株かも!
大型化している角界の力士たちのなかでは、どちらかというと小兵の部類にはいる安青錦。
しかし、初土俵以来の成績はめざましいものがあり、入幕2場所目の5月場所でも大活躍中です。
今後、この安青錦の動静から目が離せません。
ということで、安青錦について改めて、入門前の相撲歴、今場所の成績、初土俵以来の成績、今後の期待などをまとめてみました。
引用させていただいたポストのラストのものにも書いてありますが、あと20kgぐらい大きくなったらがけ者になるかも(笑)。
いずれにしても、将来の角界を担う人材として応援し続けます!
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