以下、敬称略で記事を進めます。
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ドラマ『アンメット』、2024年6月24日(月)に最終回(第11話)を迎えます。
杉咲花主演の医療ドラマで、原作は漫画の『アンメット -ある脳外科医の日記-』。
原作は、雑誌『モーニング』に今も連載中で、コミックは5月22日現在、全15巻出ています!
ちなみに漫画の原作者は2人、大槻閑人が作画担当、子鹿が原案担当。
子鹿は元脳外科医なので、この物語の骨幹は、しっかりした医学知識で組み立てらているんですね。
さて、その人気コミックのドラマ化が、この記事で話題にする『アンメット』。
筆者 taoは、第1話から第10話まで、全て楽しみました。
その第1話から第10話、全てを通じて、一番気に気になった俳優が、この記事でスポットライトを当てる「若葉竜也」(わかばりゅうや)。
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そんなこんなで(笑)・・・
この記事では俳優・若葉竜也が演じる脳外科医・三瓶友治(さんぺいともはる)視点で、
- ドラマ7つの謎
について語ります!
この記事で語る7つの謎は次の通り。
かなりのネタバレもありますので、「これからドラマを初見で楽しもう」という方は、よく考えて読み進めてくださいね。
- ミヤビの記憶障害(三瓶が記憶障害を直す支援をする)
- ミヤビの主治医・大迫教授の謎(三瓶が大迫教授の隠し事を暴く)
- 三瓶とミヤビとの関わり(三瓶がどうしてミヤビと関わりを持とうとするのか)
- 三瓶が医師を目指した理由
- 三瓶と大迫教授の関わり
- 三瓶と川内の迫真の演技はどれ
- 三瓶を演じる若葉竜也の謎
ところで、ドラマタイトルにある「アンメット」、そして、ドラマ後半で現れるキーワード「ノーマンズランド」。
それら意味については、ラストの項目「まとめ」のなかで説明しますね。
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なお、ドラマ『アンメット』については、次の2つの記事も書いています。
ドラマ『アンメット』について
「7つの謎」に入る前に、まずは、ドラマ全体の説明です。
ドラマ概要
- ドラマタイトル:アンメット ある脳外科医の日記
- 原 作:『アンメット -ある脳外科医の日記-』
- 子鹿ゆずる(原作)〜元脳外科医
- 大槻閑人(漫画)
- 脚 本:篠崎絵里子
- 演 出:Yuki Saito、本橋圭太
- 出 演:杉咲花(主演)
- 若葉竜也、生田絵梨花、山谷花純、野呂佳代
- 千葉雄大、吉瀬美智子、井浦新、安井順平 他
- 楽 曲:YouTubeのMusic Videoにリンク
- オープニング:上野大樹「縫い目」
- エンディング:あいみょん「会いに行くのに」
- 放 送:2024年4月15日〜6月24日
- 月22:00-22:54、全11話
- 関西テレビ(フジテレビ系列)
- 公式サイトなど:
- ドラマ公式サイト:カンテレサイト
- 公式エックス:アンメット-ある脳外科医の日記-【公式】
- ドラマ視聴:
- TVer(直近回)、FOD(全話)、Netflix(全話)など
ところで、原作とドラマには、ある大きな違いがあります。それは・・・
- 原作の主人公は、脳外科医・三瓶
- ドラマの主人公は、脳外科医・川内ミヤビ
つまり、筆者 taoが注目する三瓶役・若葉竜也は主演ではありません。
しかし、若葉竜也は、川内ミヤビ役・杉咲花の主演と同等の準主演級の役どころ。
そのあたり、2人の主役たちのやりとりを楽しんでいただければと思います。
主な登場人物とキャスティング
【丘陵セントラル病院関係者】
- 川内 ミヤビ(かわうち みやび)-主人公
- 演・杉咲 花(すぎさき はな)
- 丘陵セントラル病院・脳外科医
- 2年前の事故で重度の記憶障害に
- 事故後の記憶は「その日、1日分」しか無い
- 三瓶 友治(さんぺい ともはる)
- 演・若葉 竜也(わかば りゅうや)
- 丘陵セントラル病院・脳外科医
- 「目の前の患者を救うことが第一優先」が信条
- 赴任後は、ミヤビ第一優先の行動をとる
- 津幡 玲子(つばた れいこ)
- 演・吉瀬 美智子(きちせ みちこ)
- 丘陵セントラル病院・看護師長兼医療安全室長
- 患者の安全を第一優先とする
- 鉄仮面で、誰に対しても叱り飛ばす怖い存在だが、飲むと激変?
- 星前 宏太(ほしまえ こうた)
- 演・千葉 雄大(ちば ゆうだい)
- 丘陵セントラル病院・救急部長
- 全科の治療知識に造詣が深い
- 特定の科にとどまらず、科を超えた働きが出来ることを目指している
- 森 陽南子(もり ひなこ)
- 演・山谷 花純(やまや かすみ)
- 丘陵セントラル病院・脳外科看護師
- ミヤビの同僚で、事故前からの大親友!
- 事故後「その日、1日の記憶だけ」のミヤビも、陽南子のことは覚えている!?
- 成増 貴子(なります たかこ)
- 演・野呂 佳代(のろ かよ)
- 丘陵セントラル病院・麻酔科医
- 原作では、学生時代「女帝」だった?
- 藤堂 利幸(とうどう としゆき)
- 演・安井 順平(やすい じゅんぺい)
- 丘陵セントラル病院・院長
- 看護師長・津幡とは何やら因縁が?
【関東医科大学関係者】
- 大迫 紘一(おおさこ こういち)
- 演・井浦 新(いうら あらた)
- 関東医科大学・脳外科教授
- ミヤビ幼少時からの知り合い
- ミヤビの事故からは、ミヤビの主治医
- 医療の発展で多くの人命を救うことが第一優先
- 綾野 楓(あやの かえで)
- 演・岡山 天音(おかやま あまね)
- 関東医科大学・脳外科医
- かつてのミヤビに告くって、玉砕?
- 実家の病院の窮状を救うため政略婚約中?
- 西島 麻衣(にしじま まい)
- 演・生田 絵梨花(いくた えりか)
- 関東医科大学・脳外科秘書
- 祖父の命令に従い、綾野楓と政略婚約
- 綾野楓にはツンデレな麻衣(?)
杉咲花の後押しで若葉竜也は出演決定!?
俳優・若葉竜也は、連続テレビドラマには出ない俳優らしい・・・。
そんな彼が、ドラマ『アンメット』に出演するに至ったのは、なんと、杉咲花の提案なんだとか!!
そのあたりのことを、引用させてもらいながら紹介しますね。
若葉が、地上波民放連続ドラマに本格的に出演することはほとんどなく、今回の出演は“レア”とも言え、放送前から映画ファンの間でも注目を集めていた。
引用元:modelinpress
そんな彼が、同作に出演したのは主演・杉咲の後押しがあったという。
杉咲とは、連続テレビ小説「おちょやん」、映画「市子」など多数の共演経験があり、制作記者会見では「杉咲さんから電話がかかってきて『やるよね?』ってプレッシャーをかけられたので、『じゃあやるか』って」と若葉が明かすと、杉咲も「役にぴったりだと思った。若葉さんしかいないと思ったので気付いたら電話していた」と電話で出演依頼したという裏話を語っていた。
あらすじ(ネタバレあり)
このドラマは、脳の障害を負ったその後にスポットライトを当てている医療ドラマです。
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丘陵セントラル病院の脳外科医・川内ミヤビ(杉咲花)。
彼女は、2年前、自ら運転する自動車事故で重傷を負う。
以降、「1日しか記憶保持できない身体」に。
つまり、重度の記憶障害になってしまいました。
事故後は、寝て起きると「前日まで記憶」は完全に無くなってしまう。
昨日あった出来事や出会った人々、そして、交わした会話など、翌朝、目覚めると、すべてが記憶から消えてしまっているのです。もちろん、前々日も、その前も・・・。
そのため、毎日、就寝前に「その日の出来事など」をノートに詳細に書き留めてから、寝ます。
目が覚めると「前日までの記憶がすっかり無いミヤビ」は、どういう行動をとるべきかという手順にすら見当がつきません。
記憶が無いということにすら記憶が無いのです。
そのための、ミヤビが開発した目覚めのルーチンワーク!?
スマホのアラームで目覚めます。そして、スマホを手に取ると、そこには「日記を読め」的なメモが貼ってあります。机にあるノートには、「これを読め」的なメモ。そのメモに従って、ノートを1ページ目から、前日書いたものまで全てに目を通します。
そのノートには、自分が事故にあって重度の記憶障害になってしまったことから始まり、前日のことまで細かく書いてあります。
ミヤビが出会う人物については、写真や似顔絵で、その人物像を書き残してあり、それらもミヤビは出勤前にすべて目を通し、「その日の記憶のはじまり」に加えます。
ミヤビは勤務先の丘陵セントラル病院に向かいます。数々の同僚と会いますが、基本、ミヤビは彼ら彼女らのことを覚えていません。
しかし、主だった人たちについては、今朝、目を通した「ノート」で、「今日の記憶」に記録していました。
そこで、割とスムーズに、同僚たちと会話を進められるのです。
そうやって、毎日毎日、「前日までの記憶ノート」を読んで、「記憶の補充」をして生活をしています。
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さて、事故前は執刀医として活躍する脳外科医だったヤビ。事故後は、さすがに脳外科医としての仕事は出来ず、脳外科の看護助手として働いていました。
そんな丘陵セントラル病院に、海外で学んだ経験もある優秀な脳外科医が赴任しました。
頭ボサボサで、一見医者らしからぬ風体の青年・三瓶友治(若葉竜也)。
三瓶は、ミヤビを観察していて、「重度の記憶障害の彼女でも医療行為に復帰できる」と確信した上で、彼女の復帰を支援する行動をとります。
やがて、三瓶のサポートのもと、ミヤビは執刀医をこなせるまでになります。
しかし、ミヤビの記憶障害は直っていません。相変わらず、「記憶ノート」頼りな状況は変わっていません。
一方、三瓶は、ミヤビの記憶障害の原因に疑問を持ち、「記憶障害を持つミヤビの主治医である関東医大病院脳外科教授・大迫紘一(井浦新)がやってきた治療行為自体」を疑うようになります。
三瓶は、いろんな障害を乗り越えて、ミヤビの記憶障害の原因を追及し続けました。
ところで、少しずつ前日の記憶の断片を思い出すほどに回復傾向が見えてきたミヤビ。
しかし、無理が重なったのか、記憶の錯誤が現れるようになってきて…。
ここからは、思いっきり中略・・・
第10話のラストでは、夜間の病院にて、三瓶と星前(千葉雄大)の眼前でミヤビが倒れてしまうのです。
いよいよ、ミヤビの命の灯火も終わりか?・・・というとこで最終の第11話になります。
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第10話までのあらすじは以上です。
以降は、本題。冒頭でも書きました、準主役である脳外科医・三瓶友治とそれを演じる若葉竜也にスポットライトを当てて、「ドラマ7つの謎」を解き明かします。
しつこいですが、ネタバレ厳重注意です!
謎1〜ミヤビの記憶障害の謎
川内ミヤビ(演・杉咲花)の記憶障害ですが、ミヤビが記憶障害に至った事故とその背景などについては、ドラマの回を重ねる毎に、徐々に明らかになっていきます。
少し(かなり?)のネタバレですが、事故とその背景はこういうものです。
ミヤビがとあるところで、ある重要な会話を、偶然に立ち聞きすることになってしまい、そこから逃げ出したミヤビが、自分の車を自ら運転し、やがて自損事故を起こす・・・という展開。
ミヤビが目覚めたとき、そこは関東医科大学の病院で、目の前には、同大学の脳外科教授・大迫紘一(井浦新)がいました。
ミヤビは重度の記憶障害を負っていました。
このときから、大迫教授は、ミヤビの主治医となり、彼女のケアを続けています。
ミヤビと大迫教授は、ミヤビの母の病気がきっかけで、事故前から深い交流がありました・・・。
ミヤビにとって、いや、川内家にとって、大迫教授は神様だったのです・・・。
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ところで、ここで書く「第1〜ミヤビの記憶障害の謎」は、そういう事故の背景のことではありません。
事故前のミヤビは執刀医として活躍する脳外科医ですが、事故後は重度の記憶障害になります。
そうなると、当然、脳外科医としての仕事はできず、ミヤビは脳外科の看護師助手をしていました。
そんな丘陵セントラル病院に優秀な若き脳外科医が赴任。
彼の名は、三瓶友治(若葉竜也)。
三瓶は、ミヤビをつぶさに観察し、ある結論に至ります。
重度の記憶障害を負っているミヤビだが、脳外科医として復帰できると。
そんななか・・・三瓶は、ミヤビが重度の記憶障害になったことに疑問を持つようになります。
三瓶は、ミヤビの脳のCTをとり、そこに記憶障害に至る原因が認められないことを突き止めます。
つまり、ミヤビの記憶障害は直接的な脳の障害ではなく、彼女の主治医である大迫教授が何かしら行った結果ではないのか・・・と疑うのです。
三瓶は、いろいろな手を使って、ミヤビの事故後の診療経緯を探ろうとしますが、大迫教授側の壁は厚く、真相にたどり着けそうにありません。
ミヤビの重度の記憶障害の本当の謎にたどり着くには、第10話まで待たなければなりません。
それは・・・ここでは書きません、是非、第10話を見てください。
ヒントを一つ、それは「ノーマンズランド」。
謎2〜ミヤビの主治医・大迫教授の謎
丘陵セントラル病院脳外科医・川内ミヤビ(杉咲花)と関東医科大学脳外科教授・大迫紘一(井浦新)は、事故前から深い関係性がありました。
ミヤビは大迫教授をとても尊敬し、信頼しています。
彼女が脳外科医を目指したのも、大迫教授の影響です。
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ミヤビが幼少のころ、父母とともに農作業の手伝いをしていました。
そこで突然、母が倒れます。脳溢血。
緊急入院・緊急手術、それを執刀してくれたのが大迫。
母は今でも元気で、川内一家は、それこそ神様のように大迫を祭っているのです。
神棚をつくって、大迫の写真に毎日、手を合わせている川内家(笑)。
ミヤビにとって、神様に等しい大迫教授ですから、事故後、主治医として担当してくれている大迫教授の治療には、ミヤビは全面的に信頼しています。
しかし、ドラマが展開し、三瓶が大迫教授の治療に疑問を持つようになるなかで、「大迫教授には別の顔がある」と視聴者は確信する訳です。
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果たして、大迫教授は悪事を展開する人物なのかと視聴者も迷いますが、そもそも三瓶と比べると、医療の優先度が違うことがわかります。
重度の記憶障害を持つミヤビの脳外科医復帰を全面的に支援している三瓶脳外科医は、「目の前にいる患者の治療を第一優先に考える」という信条で行動しています。
三瓶にとっての、今の第一優先はミヤビなのです。
一方、大迫教授は、医療の発展と未来を考え、目の前の患者の治療よりも、場合によっては医療の発展につながることを選択しを優先するという考えの持ち主。
大迫にとって、もちろんミヤビは大切な存在ですが、それ以上に医学の発展を優先するのです。
二者択一思考でいうと、かなり真反対な二人。
だから、大迫教授の行動の謎は、企みの心から発するというより、優先順位の葛藤から起きると表現したほうが適切かもしれません。
大迫教授が完全に悪にはそまらず、そして、大迫がミヤビに対して行ってきたことに何も恥じることは無いと、三瓶たちにわかるのは、終盤です。
またしても、詳細は書きませんが、これもキーワードは「ノーマンズランド」。
謎3〜三瓶とミヤビの関わりの謎
元・脳外科医で脳外科看護師助手をしているミヤビは、新しく赴任してきた脳外科医・三瓶に対する院内の案内係に任命されました。
そうやって、ミヤビと三瓶の関わりはスタートするのですが、三瓶は、「初めまして!」以上に、なぜかミヤビに執着しています。
ドラマの割と早い段階でそれは明らかになってきます。
ミヤビは重度の記憶障害ですから、三瓶との記憶はありません。
しかし、二人は過去、婚約していました。
細かいいきさつはドラマ中盤以降の展開のなかで明らかになります。
海外で行われた学会で、ミヤビと三瓶は出会い、そして、婚約にまで発展していたわけです。
そして、ミヤビの事故。
三瓶はミヤビの重度の記憶障害を直すべく、海外で実力を磨き、そして、ミヤビの元に舞い戻ったのです。
三瓶は、丘陵セントラル病院赴任の当初から、「ミヤビの重度の記憶障害の原因をつかんで、それを直す」ことを目的として来たという訳です。
その厚い想いに従って、ミヤビの脳外科医復帰を後押しし、復帰後も執刀のサポートをします。また、継続的にミヤビの障害の原因を探り続けます。
ミヤビは三瓶の厚いサポートもあり、そして、彼女のもう一つの病気のことなども明らかになり、徐々に回復傾向に向かいます。
しかし、その回復は直線的ではなく、良くなりつつあると思ったら、記憶の混濁があるなど、一進一退。
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さあ、もうすぐミヤビの記憶障害の真実がわかるだろうと希望を持っていた三瓶ですが、またしても、重大な壁にぶつかってしまいました。それが・・・
「ノーマンズランド」
三瓶は「ノーマンズランド」を克服すべく、ある訓練を繰り返します。
それは5mmしかない血管を2分以内で縫合するというもの。
これが実現できない限り、「ノーマンズランド」は克服できません。
大迫教授はどう頑張っても10分。三瓶は、7分45秒が壁でした。
そんなとき、三瓶の目の前で、ミヤビが倒れてしまいます・・・。
謎4〜三瓶が医師を目指した理由の謎
この医療ドラマ「アンメット」を見る限り、医者にはそれぞれ医者を目指したそれなりの動機・きっかけがあるようです。
人目を気にしない風体や言質山盛りの脳外科医・三瓶ですが、彼には障害を持つ兄がいました。
兄は障害者施設に入ることになるのですが、結局、若くして旅たつことになりました。
このとき、三瓶のなかに障害者に対する思いが芽生え、そして、それが医師を目指すきっかけになり、今に続いているということです。
そして、それは「目の前の患者を第一優先に考える」という三瓶の信条を生み出すことになります。
このあたりのことは、「謎6〜三瓶と川内の迫真のやりとりの謎」のなかで少し触れます。
謎5〜三瓶と大迫教授の関わりの謎
関東医科大学脳外科教授・大迫紘一が、まだ教授になる前。
大迫の元で働く若き医師のなかに、三瓶友治がいました。
このエピソードはドラマ中盤以降で明かされますがが、三瓶は子供の患者を受け持っていました。彼女は、寝たきりで意識が無いという状態。
しかし、看病に寄り添う母親が、娘には意識があると主張するのです。
母親の主張を無視しようとする教授たちを前にして、大迫と三瓶は、病室にてある実験をします。
寝たきりで意識が無いその子に語りかけて、脳波の変化を測定しようとしたのです。
果たして、語りかけると脳波に変化がありました。
これにより、未承認の治療を施すことで、筋肉に良い方向で作用し、結果、彼女は意識を戻すことができると。
三瓶は、教授に未承認の治療を懇願するも、教授は首を縦に振りません。
三瓶は、教授や大迫に無断で、未承認の治療をしてしまいます。
その結果、その子は意識を取り戻し、「お母さん」と言葉を発するまでになったのです。
残念ながら、1週間ほどで、彼女は他界。
これがもとで、三瓶は、関東医科大学を離れることになります。
この一連のエピソードのなかで明らかだったことがひとつ。
「目の前の患者第一優先」の三瓶。一方、大迫は「大義のため、目の前の患者優先はしない」ではなく、その時はまだ「目の前の患者最優先」に近い信条だったように感じます。
ただし、大学病院の様々な政治軋轢(?)のなかで、徐々にその信条に変化が起きたのだろうと推測します。
大学病院では、あるいは、医学界のなかでは、力(地位や学術的功績)を持たないと、発言力がない。発言力がなければ自分の夢も実現できない・・・。
謎6〜三瓶と川内の迫真のやりとりの謎
最終話の放送は、6月24日なので、この記事を書いている段階では、まだ見ていません。
筆者 taoは、これまで第1話から第10話までを何回か見ました。
そのなかで、一番感動した場面が「第9話のラスト5分ほど」の場面です。
聞くところによれば、この第9話は、これまで助監督をしていた方が、監督として撮ったとか。そういう意味では、若干他の回とはテイストが違います。
そして、その違いを一番感じるのが、この「ラスト5分」。
場面は、夜間、まだ仕事をしているミヤビと川内。
2人は、たわいない話から始まり、それぞれの過去を話し始めます。
この2人のやりとりが、ドラマを超えた感じで展開され、目を離せません。
ドラマというより2人だけの舞台のような感じ・・・。
やがて、三瓶が涙ながらに自らの兄のことなどを話し終わり、2人はそれぞれ椅子に座ったまま抱き合います。
しばしの時間が流れ、ミヤビのほうから離れます。
そのときには、ミヤビの顔はあの感動の顔から豹変。
そして、ミヤビの口から漏れた衝撃の一言。
「ごめんなさい、どなたですか…」
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一見、快方に向かうミヤビですが、その記憶障害は深刻で、やはり「ノーマンズランド」を克服しない限り、元には戻らないのだ・・・ということを強く暗示するエピソードです。
そして、本ドラマのなかでも一番感動する場面でもあります。
謎7〜三瓶を演じる若葉竜也の謎
ドラマ『アンメット』の主役は脳外科医の川内ミヤビ。
彼女を演じるのが主演・杉咲花。
杉咲花の演技には、引き込まれます。
三瓶脳外科医を演じる準主演である若葉竜也は、共演者・杉咲花について、あるインタビューでこう話しています。
―主演の杉咲花さんとは『おちょやん』や映画『市子』など多数の作品で共演している間柄。若葉さんにとってどんな存在ですか?
引用元:with digital
若葉 杉咲さんのことは信頼していますし、同時に、すごく恐ろしい相手でもあります。生半可な気持ちでは対峙できないし、緊張するのですが、それがないと仕事をする意味がないような気もして。今回、慣れない連続ドラマに出演することを決めたのは、主演が杉咲さんだったことも理由のひとつです。
―実際に撮影現場で杉咲さんの“凄み”を感じる瞬間とは?
若葉 全部を見透かされるんですよね。自分の中でセリフを咀嚼できていなかったり、気持ちがちゃんと動いていなかったり、小手先の演技でごまかしたりしていると、全部バレる。呼吸ひとつで察知されてしまうので、一瞬も油断できません。
共演者同士で尊敬し合えるって素敵なことです。
ところで、筆者 taoは、ドラマ『アンメット』を第1話から、三瓶を演じる若葉竜也に夢中になりました。
一見医者らしからぬ特異な風体だけでなく、その言質や言い回し。
これって、単に台本通りの演技を超えた、何か、若葉竜也の本心からにじみ出ているものを感じたからです。
そこで、若葉竜也について、あれこれ調べて、たどり着いたのが、前に掲げた引用元「with digital」のインタビュー記事。
このなかで、若葉竜也を理解する上で、「これだ!」と思うところを、いくつか引用させていただきますね。
まずは、インタビュー冒頭の編集者が書いた紹介文。
2016年の映画『葛城事件』で、無差別殺人事件を引き起こした犯人を演じ注目を集めた若葉竜也。まばたきの回数や息づかい、後ろ姿の佇まいからも心情が伝わってくるような生々しい演技が魅力で、数々の名作映画で実力を示してきた俳優だ。
引用元:with digital
“リアル”を追求して“嘘”を嫌う姿勢は、取材の受け答えからも窺える。どんな場面でも自分の気持ちを率直に語るため「媚びない」「尖っている」と思われがちだが、本人は人間として自然体で生きようとしているだけだ。
研ぎ澄まされたプロ意識で、現在はドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』に心血を注いでいる。「これまでは意図的に避けていた」と語る連続ドラマに出演することを決めた理由とは? 仕事との向き合い方について、たっぷりと語ってもらった。
筆者 taoが、ドラマ『アンメット』から受けた若葉竜也の印象にドンピシャリです。
次に、若葉竜也の作品との関わりについて、少し長いですが引用します。
―台本の打ち合わせで、若葉さんはどんな視点で意見を伝えることが多いですか?
引用元:with digital
若葉 通常、台本は1人の作家さんが書くので、どうしてもその人の口癖が全体にちりばめられてしまうんですよね。それは仕方がないことです。
ただ、違う人間である2人が喋っているのに、同じ言い回しや語尾を使っているのはおかしいですよね。また、どんな作品でもあり得ることですが、状況を分かりやすくするために説明的なセリフの応酬になってしまうこともあります。
そういう不自然な部分をなるべく排除するために、一字一句、みんなでベストを探っている感覚です。役者を単なるプレイヤーと考えたら、『黙って芝居しろよ』という意見も出てくるかもしれません。
メディアの前でニコニコすることだけを求められた時代もあったと思います。でも、本当の意味でチームが一丸となり、血の通った作品を作るためには、画面に映らない部分でも役者が深く関わっていくべきではないかと。
すごく効率が悪いやり方かもしれませんが、僕としては、それが業界のベーシックになったらいいなと思っています。
引用ばかりになってしまいましたが、筆者 taoが伝えたいことばかりなので、言葉を違えること無く伝えることにしました。
この若葉竜也の俳優としての信条を理解したうえで、もう一度、ドラマ『アンメット』を楽しんでいただければと思います。
まとめ
ドラマ『アンメット』を見て、早々に脳外科医・三瓶友治を演じる俳優・若葉竜也に釘付け。
そこで、若葉竜也を軸に、ドラマ『アンメット』を紹介する記事を書きました。
若葉竜也を軸にした記事なのですが、あえて「若葉竜也プロフィール」は載せていません。
これについては、別の若葉竜也関連記事を書いたら、その時に載せますね。
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★「アンメット」の意味
アンメットは「unmet」。グーグル翻訳で調べてみたら「満たされていない」という意味と出ました。
これについては、ORICON NEWSにわかりやすい記事がありましたので、まるごと引用させていただきますね。
ドラマタイトルの『アンメット』は、直訳すると「満たされない」という意味。第6話の回想シーンで、三瓶がろうそくを見ながら「できた影に光を当てても、また新しい影ができて、満たされない人が生まれてしまう。どうすればくまなく照らして、アンメットをなくせるのか。その答えを探しています」と語り、ミヤビが「こうすると影が消えます」と示していた。
引用元:ORICON NEWS
また、米田孝プロデューサーは制作にあたり「人や社会は光の当たる場所に目を奪われ、その光によってできた影を見過ごしてしまいがち。影の部分で満たされなさを感じる人たちにいかに寄り添い、共生していくか。この原作のテーマに深く共鳴し、おこがましいようですが少しでもその影を希望の光で照らせたら。このドラマにそんな思いを込めています」とコメント。
原作の子鹿ゆずる氏は「僕が育ってきた昭和の日本社会では、重度の障害を抱えた人は施設などに入れて保護することを良しとしてきました。実は、僕の兄にも重度の障害があり当時は施設入所するしかなかったのですが、入所の際の兄の悲しみを目の当たりにし、母も僕もずっと罪悪感を感じて生きてきました。『アンメット』は、そんな僕の経験が原点になっているんです」と伝えている。
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★「ノーマンズランド」の意味
これも、「アンメット」同様、間違えて伝えてはいけないので、引用しますね。
脳の奥深くにある頭蓋底は、重要な神経組織や血管が多く、これらを少しでも損傷してしまうと重度の合併症や死を招く可能性があることから、ノーマンズ・ランドと言われていた。現在は技術の進歩により外科的治療が可能になったが、頭蓋底腫瘍の切除手術は依然として最高難易度であると言われている。
引用元:Wikipedia
本記事は以上です。
ここまでお読みいただき、心より感謝いたします。
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