移動式オービスまとめ!固定式との違いや警察視点のメリット・デメリット🚔

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「最近よく聞く『移動式オービス』って、どこにいるか分からなくて不安…」。

高速道路や幹線道路だけでなく、子供たちの通学路や生活道路(ゾーン30)など、これまで取り締まりが難しかった場所で、神出鬼没な「移動式オービス」の導入が全国で急増しています。従来の固定式オービスとは違い、その存在は小型で気づきにくく、対策が不十分だと「うっかり超過」でも高額な罰金や免停といった重いペナルティを受けるリスクが高まっています。

車での移動が多い会社員、営業職、カー趣味者の皆さん、運転時の安全対策やコストを重視するあなたにとって、この新しい取り締まりの実態を正確に理解することは、もはや必須の知識です。特に、最新型のレーザー式や、複数の周波数を使う新型MSSSのような探知が困難なタイプが広がる中、従来の対策だけでは全く歯が立ちません。

ご安心ください。この記事を最後まで読めば、移動式オービスに関する不安が解消され、自信を持って安全運転ができるようになります。

この記事でわかること(検索意図)は、以下の通りです。

  • 移動式オービスと固定式オービスの基本的な違い
  • 警察が移動式オービスを導入するメリットとデメリット(警察視点)
  • 移動式オービスで検挙される速度超過の具体的な目安
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目次

移動式オービスとは?固定式との違いをわかりやすく解説

そもそもオービスとは?自動速度取締り機の基本

オービスという名称は、もともとはボーイング社の速度取り締まり装置の商標ですが、現在では「自動車速度違反自動取締装置」全般の通称として広く使用されています。

オービスは、走行中の車の速度をセンサーで測定し、一定以上の速度超過を検知すると、カメラでナンバープレートと運転者を自動で撮影し、記録します。これにより、取り締まりの現場に警察官がいなくても、後日、車の所有者宛に「出頭通知書」が郵送され、違反手続きが進められる仕組みです。

オービスが設置される本来の目的は、違反者から罰金を取ることではなく、交通事故の抑止と安全の確保にあります。実際、固定式オービスが設置された路線では、平均速度や事故件数が大きく減少したというデータも存在します。速度違反は、令和元年~令和5年の交通死亡事故件数において常に最も高い割合(32.2%~42.3%)を占めており、速度抑止は命を守るための重要な対策なのです。

移動式オービスと固定式の仕組みの違い

速度違反自動取締装置は、設置方法や仕組みによって大きく3種類に分けられます。特に、近年増加している移動式は、従来の固定式とは多くの点で異なります。

  1. 固定式オービス(従来型)
    • 特徴: 昔から主要な幹線道路や高速道路に設置されている定番タイプです。道路の上や脇に金属ボックスとして固定されており、その装置は大型である。
    • 測定方式: レーダー波を使うレーダー式や、路面に埋め込んだセンサー(ループコイル)で速度を測るループコイル式が主流でした。
    • 予告看板: 倫理的配慮や、速度を抑制させる心理的効果を狙って、必ず「速度自動取締り路線」などの予告看板が手前1km〜3km程度のところに複数枚設置されます
    • 近年の動向: 多くの機種が耐用年数(13年)を超えており老朽化が進んでいることや、カーナビアプリなどで設置場所が知られるようになったことから、取締り件数が減少しており、撤去が進んでいます
  2. 移動式オービス(可搬式)
    • 特徴: 小型で軽量、持ち運びが容易であり、三脚に設置するなどして、場所を選ばず運用できます。最小限の人員(2名程度)で取締りが可能です。
    • 測定方式: 従来のレーダー波と異なるレーザー光で速度を測るレーザー式(LSM-300、LSM-310など)が主流です。また、MSSSのように複数の周波数帯を使い分ける新型レーダー式もあります。
    • 予告看板: 突発的な設置が多く看板を立てるのが難しいこと、また警察がウェブサイトやSNSで事前に運用を公表していることから、予告看板の設置義務はありません。ただし、都道府県警察によっては独自に警告看板を設置している場合もあります。
  3. 半固定式オービス(半可搬式)
    • 特徴: オービス本体は移動可能ですが、設置するための土台(ベース)は固定されているハイブリッド型です。人員の配置は不要で、トラックなどで本体を運搬し、複数の拠点間で機材を組み替えて運用できます。
    • 導入状況: 老朽化した固定式に代わり、高速道路を中心に導入が進められており、1基で複数拠点の取締りが可能なため、コストパフォーマンスが高いと評価されています。

どこで使われる?導入背景と設置場所の特徴

移動式オービスが急速に普及している背景には、「子供の命を交通事故から守る」という強い目的があります。

2019年6月に関係閣僚会議で「未就学児等及び高齢運転者の交通安全緊急対策」が決定され、道路幅員が狭く、ガードレール等もない生活道路でも活用できる可搬式速度違反自動取締装置を全国的に整備し、適切な取締りを行うこととされました。

特に、令和3年6月には千葉県八街市で小学生の列にトラックが衝突し死傷者が出る重大事故が発生するなど、通学路や生活道路の安全確保が喫緊の課題となっています。

移動式オービスが主に設置される場所は以下の通りです。

  • ゾーン30(生活道路): 歩行者や自転車の安全を守るため、エリア全体で最高速度30km/hに規制されている区域です。従来のネズミ捕りでは、違反車両を停止させるスペースがないため取締りが困難でしたが、小型の移動式オービスにより可能になりました。
  • 通学路、住宅街: スピードを出しすぎた車による死亡事故が多発しているエリア。
  • 渋滞を回避するための抜け道: 交通量の多い幹線道路を避けるための生活道路に流入する通過交通を抑制する目的もあります。
  • 夜間や早朝: 警察官の街頭活動が手薄になる時間帯でも、無人で取り締まりを行うことができます。

2023年7月現在では全ての都道府県で導入が確認されており、長野県や千葉県など多くの地域で入札結果や運用開始の報道が確認されています。警察庁は、令和9年度までに全国のゾーン30の整備数(約4,000箇所)で毎月2回、朝夕で取締りを実施する想定で、全体で200式が必要と試算し、整備完了を目指しています。

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移動式オービスのメリット・デメリットを警察視点で分析

警察にとっての移動式オービスの4つの利点

移動式オービスは、従来の速度取締り(定置式、追尾式、固定式オービス)が抱えていた課題を解決し、交通事故抑止に貢献する強力なツールとして期待されています。

警察にとっての主な利点は以下の4点です。

  1. 人員配置の最小化(コスト削減)
    • 従来の定置式取締り(ネズミ捕り)は、速度測定、違反確認、停止、取り調べのために相当数の警察官の動員が必要でした。
    • 可搬式オービスは、装置の管理のみであれば最小限の動員(2名程度)で足りるため、人件費を含めたコストを大幅に削減し、その人員を他の取締りに振り向けることが可能です。
  2. 機動性の向上と設置場所の多様化
    • 小型で持ち運びが容易なため、違反車両を停止させる場所の確保が困難な通学路、生活道路、ゾーン30など、従来の取締りが難しかった狭い道路でも設置が可能です。
    • 半固定式オービスの場合、1基の撮影部を複数の拠点(土台)で運用できるため、取締り場所をランダムに変更でき、取締りの効果を高めることができます。
  3. 取締り時間の制約解消
    • 警察官の街頭活動が手薄になる深夜や早朝の時間帯でも、無人または少人数での自動取締りが可能となり、時間的な制約が解消されます。
  4. 安全性の確保と交通流の維持
    • オービスは違反車両を現場で停止させないため、高速で走行する車両を停止させる際に生じる警察官の受傷事故の危険性が低いです。
    • また、交通流を阻害することなく取締りができます。

一方で課題も?デメリット・運用上の問題点

移動式オービスの運用には、効率化が進む一方で、主に事後処理と費用面でいくつかの課題があります。

主な課題は以下の通りです。

  1. 高額な導入コスト
    • 可搬式オービスの販売価格は1台あたり約1000万〜2000万円と非常に高価です。都道府県警にとっては、導入費用や要員の確保が大きな負担となることがあります。
  2. 事後捜査による事務負担
    • オービスは現場で違反者を検挙しないため、後日、車の所有者(名義人)から違反当時の運転者を特定するための事後捜査(出頭要請)が必要になります。
    • 従来のフィルム式からデジタルカメラによる画像伝送に移行した結果、膨大な量の違反画像が転送されるようになりました。警察の事務処理能力が追いつかず、大多数の違反画像が捜査すら行われず見逃されているという問題も生じています。
    • 違反者がマスクなどで顔を隠していたり、出頭要請を無視したりする場合も警察の負担となり、捜査が困難な違反は処理されずに時効を迎えてしまう例も少なくありません。
  3. 測定精度の信頼性(議論の存在)
    • 過去にはレーダー式オービス(Hシステム)の計測誤差が裁判で争われた事例があり、この世に100%正確な測定器は存在しないという物理学者の証言も公開されています。
    • 特に、主流となっているレーザー式の移動式オービスについては、その測定方法や測定精度が公に明らかにされていないことに対し、メディアが疑問を呈している状況もあります。

国や自治体が増やす背景にある「本音」

国や自治体が移動式オービスの整備を急ぐ背景にあるのは、単なる取り締まりの効率化ではなく、「交通事故による死傷者を減らす」という、第11次交通安全基本計画(令和7年までに交通事故死者数を2,000人以下とする目標)達成に向けた明確な目標です。

  • 生活道路の危険性解消:
    • 全交通事故発生件数が減少傾向にある一方、車道幅員5.5m未満の生活道路での事故発生率は横ばいで推移しています。この狭い道路における歩行中・自転車乗用中の死傷者の割合は、幅員5.5m以上の道路の約1.8倍にもなります。
  • 「未就学児等及び高齢運転者の交通安全緊急対策」の推進:
    • 子供の通行が多い生活道路等において速度規制の実効性を確保するため、道路幅員が狭い場所でも活用できる可搬式オービスの全国的な整備が指示されました。三重県警察でも「子どもを守る緊急通学路対策事業」として、移動オービスによる交通指導取締りの強化を予算化しています。
  • 費用対効果の改善:
    • 半固定式オービスのように、従来の固定式に比べ1拠点あたりのコストを大幅に削減できる新型装置の導入は、老朽化が進む既存設備の更新と安全対策の両立を図る上で、理にかなった政策とされています。
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何キロで捕まる?速度超過の基準と検挙ライン

オービスが光る速度は正式には公表されていませんが、これまでの運用状況や判例から、一般的な目安と移動式オービス特有の基準が推定されています。

一般道と高速道路で異なる取り締まりライン

オービスは、主に一発で免許停止となるような悪質性の高い違反(非反則行為)を対象として作動すると考えられています。

従来の固定式オービスが光る目安は、以下の通りです。

  • 一般道路: 制限速度を30km/h以上超過した場合。
  • 高速道路: 制限速度を40km/h以上超過した場合。

この基準は、違反点数が6点以上となり、青切符(反則金)ではなく、赤切符(刑事罰)の対象となる水準です。オービスが光った場合、10万円以下の罰金などの刑事処分が科される可能性が高いです。

実際の検挙事例から見る「セーフ」と「アウト」の境界

最も注意すべきは、生活道路などに設置される移動式オービスです。

移動式オービス、特に可搬式オービスが設置される「ゾーン30」などの生活道路は、歩行者や自転車との接触リスクが非常に高く、わずかな速度超過でも重大な事故につながる危険性があります。

そのため、移動式オービスの取締り基準は、従来のオービスよりも厳しく設定される傾向があります。

  • 移動式オービスの目安: 制限速度の低い生活道路では、15km/h程度の超過でも測定・検知されるケースがあると考えられています。
  • 実際の事例: 実際に愛知県では、速度超過15km/hの車が移動式オービスにより検挙された事例が報告されています。

このように、移動式オービスは、従来の「赤切符(刑事罰)のライン」よりも低い速度超過(青切符相当)でも、場所によっては検挙される可能性があるという認識を持つ必要があります。

【速度超過別の罰則と違反点数(普通車の場合)】

  • 一般道路
    • 超過速度 15km未満: 反則金 9,000円 / 違反点数 1点
    • 超過速度 15km以上20km未満: 反則金 12,000円 / 違反点数 1点
    • 超過速度 20km以上25km未満: 反則金 15,000円 / 違反点数 2点
    • 超過速度 25km以上30km未満: 反則金 18,000円 / 違反点数 3点
    • 超過速度 30km以上50km未満: 刑事罰(10万円以下の罰金など) / 違反点数 6点(免停)
    • 超過速度 50km以上: 刑事罰(10万円以下の罰金など) / 違反点数 12点(免停または免許取消)
  • 高速道路
    • 超過速度 25km以上40km未満: 違反点数 3点
      • 30km以上35km未満: 反則金 25,000円
      • 35km以上40km未満: 反則金 35,000円
    • 超過速度 40km以上50km未満: 刑事罰(10万円以下の罰金など) / 違反点数 6点(免停)
    • 超過速度 50km以上: 刑事罰(10万円以下の罰金など) / 違反点数 12点(免停または免許取消)

よくある誤解と都市伝説の真相

オービスに関する都市伝説や誤解は、最新の機器や判例によってほとんどが否定されています。

  • 誤解①「光っても通知が来なければ大丈夫」
    • 真相: オービスが光ったということは、速度違反を検知され、証拠写真が撮影されたことを意味します。通知が届かないケースもありますが、警察は全ての違反を検挙しきれない現状から、追跡捜査の対象を絞っているためです。通知は通常、数日~1ヶ月程度で車の所有者に届きます。通知が来なければ幸運だっただけであり、基本的には99%逃げられません
  • 誤解②「予告看板がない取り締まりは違法だ」
    • 真相: 固定式オービスの予告看板は、法令で設置が定められているわけではなく、交通指導のためのものです。特に移動式オービスの場合、ウェブやSNSで事前告知が行われていることが多いため、予告看板がなくても取り締まりは有効とされます。
  • 誤解③「斜めに走ったり、追い越し車両に隠れたりすれば大丈夫」
    • 真相: 過去のループコイル式オービスでは、追い越し車両が映り込むことで誤測定の可能性が否定できないとして無罪となった判例(大阪高判平成4年9月9日)もありますが、現在の最新型オービスは車線ごとに正確に計測できます。意図的に車線を斜めに走行しても、逃れるのはほぼ不可能です。ただし、裁判で争う場合は、違反者側が「追い抜いた車両」の存在を立証する必要があります。
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運転リスクを減らすためにできること

神出鬼没の移動式オービスから身を守り、安全で快適なドライブを実現するためには、最新の技術を活用しつつ、運転習慣そのものを見直すことが最も効果的です。

オービス対策アプリ・探知機の有効性は?

スマホアプリとレーダー探知機は、仕組みと効果が全く異なります。

  • スマホアプリ(GPS警告):
    • 仕組み: GPSに登録された「過去の」固定設置ポイント情報を基に通知。
    • 限界: 日々設置場所が変わる移動式オービスについては、過去の情報しか通知されないため、リアルタイムの脅威には全く歯が立ちません
  • レーダー探知機(リアルタイム受信):
    • 仕組み: オービスが実際に発する「レーダー波」や「レーザー光」を直接受信して警告する。
    • 有効性: 現代の交通事情において、移動式オービスに対応できる必須アイテムです。

最新の移動式オービスに対応するための絶対条件

「レーダー探知機なら何でもいい」というわけではありません。最新の移動式オービス(レーザー式・MSSS)に対応するための絶対条件は以下の3つです。

  1. 「GPS」「レーダー」「レーザー」の3機能すべてに対応
    • 固定式オービスはGPSで対応。
    • 移動式オービス(レーダー式)はレーダー受信で対応。
    • 移動式オービス(レーザー式)はレーザー受信で対応。
    • これらすべてを網羅したモデルを選ぶことが絶対条件です。
  2. 新型オービスMSSSを見抜く「新Kバンド対応」が必須
    • 最新の新型可搬式オービス「MSSS」は、従来の探知機では受信できない「新Kバンド」という特殊な周波数帯を使う可能性があるため、製品仕様に「新Kバンド対応」と明記されたモデルを選びましょう。
  3. トンネルや高架下でも安心な「高精度な自車位置測位能力」
    • GPSだけでなく、「みちびき」「グロナス」など5種類以上の衛星システムに対応していること。
    • Gセンサー、ジャイロセンサーに加え、一般道と高速道路の区別を正確に行う気圧センサーなど3つ以上のセンサーを搭載していることが理想的です。

快適なドライブをサポートする便利機能

性能だけでなく、「使いやすさ」も重要な選択ポイントです。

  • 無線LAN対応でGPSデータを自動更新: 新しいオービスは日々設置されるため、GPSデータを常に最新に保つことが非常に重要です。自宅のWi-Fiなどを登録しておけば、エンジンをかけるだけで自動的にデータを更新してくれる「無線LAN対応」モデルがおすすめです。
  • 警告表示の見やすさ: 瞬時に情報を把握するため、地図上にオービスの位置が表示されるフルマップ表示や、警告時にLEDが光ったり赤枠で強調されたりする機能があるモデルが快適です。
  • 誤報キャンセル機能: 自動ドアなどに反応する誤報のストレスを減らすため、誤報が多い場所を自動で記憶し警告をキャンセルする「レーダー自動オフ機能」がユピテル製品などに搭載されています。

見えない場所でのリスクを下げる3つの習慣

高性能な探知機を使うにしても、最も効果的な防衛策は、常にどこでも撮影される可能性があるという認識を持つこと、つまり日頃の運転習慣そのものを見直すことです。

  1. 制限速度+5km/h以内を徹底する
    • スピード違反の多くは「うっかり超過」です。生活道路(30km/h制限など)は体感速度が遅く感じられ違反しやすいため、周囲の流れに惑わされず、標識の速度+5km/h以内を目安に意識的に速度を抑制して走りましょう。
  2. 自治体や警察の公開情報を確認する
    • 移動式オービスの運用情報は、多くの県警がホームページやSNSを通じて「この地域で可搬式オービスを使います」と事前に公表しています。走行前に、各都道府県警の公開取締り情報をチェックする習慣をつけましょう。
  3. ドライブレコーダーで走行証拠を確保する
    • ドライブレコーダーは、あおり運転や事故の証拠を残すだけでなく、万が一オービスに撮影された際に、走行速度や位置情報などの証拠映像を後から確認できるため、冤罪防止や状況確認に非常に役立ちます。

「知らなかった」では済まされない法律知識

万が一、オービスが光ってしまった場合、その後どのように手続きが進むのかを知っておくことは重要です。オービスでの取り締まりは、現場で違反切符を切られるネズミ捕りとは異なり、後日呼び出しによる「事後捜査」となります。

オービスが光った後の一般的な手続きの流れは以下の通りです。

  1. 出頭通知書が届く:
    • 撮影から通常、数日~1ヶ月程度で、車の所有者(名義人)の自宅に通知書が郵送されます。
  2. 警察署へ出頭する:
    • 通知書に記載された日時に指定の警察署に出頭します。ここで、オービスで撮影された写真を見せられ、事実確認と本人確認(サイン)が行われます。
  3. 簡易裁判所へ出廷する:
    • 赤切符の違反(一般道30km/h超、高速道40km/h超)の場合、後日「出廷通知書」が届きます。簡易裁判所にて略式裁判により罰金の金額が決定され、通常、その場で罰金(最高10万円)を納めて手続きが完了します。この罰金刑が科されると前科がつきます。
  4. 行政処分(免停手続き):
    • 罰金とは別に、違反点数(6点以上)に基づいて、警察署で免許停止(免停)の手続きを行います。
    • 免停処分者講習を受講すれば、費用はかかりますが、停止期間を短縮することが可能です。

【違反時の適切な心構え】

オービスのフラッシュを目撃しても、驚いて急ブレーキを踏むのは厳禁です。急ブレーキは後続車との追突事故を引き起こす可能性があるため、何よりも安全運転を維持することが最優先です。一度光ってしまった違反データは減速しても消去されません。焦らず、穏やかに法定速度以下に減速しましょう。

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移動式オービスに関するFAQ

ここでは、移動式オービスに関するよくある疑問に答えます。

  • Q1: 移動式オービスの「MSSS」って何?従来の探知機で対応できる?
    • A1: MSSS(エムスリーエス)は、スウェーデン製の新型可搬式オービスです。複数の周波数帯(新Kバンド)を使い分けてレーダー波を発するため、従来の探知機では探知が困難です。MSSSを探知できる可能性を高めるには、「新Kバンド対応」と明記された最新モデルを選ぶことが極めて重要になります。
  • Q2: 移動式オービスに警告看板がなくても問題ないの?
    • A2: はい、法的に問題ありません。従来の固定式オービスのような予告看板の設置義務はありません。警察はウェブサイトやSNSなどで事前に運用を公表していることが多い上、路肩などに設置する定置式の取り締まりは「一見して取締りを行っていると分かる」という認識が警察内にあるためです。
  • Q3: オービスに撮られてから通知が届くまで、どれくらいかかる?
    • A3: オービスに検知されてから、通常は数日~1カ月程度で、車の所有者宛に「出頭通知書」が郵送されます。データの解析・特定作業に時間がかかるため、通知を待つしかありません。
  • Q4: オービスが光ったとき、色は赤色なの?白色なの?
    • A4: オービスの光は、運転者に撮影されたことを自覚させるため、基本的には強く明るい光です。色は一般に赤色が多いと言われますが、一部の小型可搬式オービスなどでは白色に光る機種もあります。
  • Q5: スマホのオービス警告アプリとレーダー探知機、何が違うの?
    • A5: スマホアプリはGPSに登録された過去の設置場所データに頼るため、設置場所が変動する移動式オービスには対応できません。一方、レーダー探知機はオービスが発するレーダー波やレーザー光をリアルタイムで直接受信できるため、移動式オービス対策には必須です。
  • Q6: 固定式オービスの撤去が進んでいるのは本当?
    • A6: はい、事実です。固定式オービスは老朽化や耐用年数(13年)超えの問題、高コストなどの理由から全国で撤去が進められています。その代わりに、機動性とコストパフォーマンスに優れる移動式や半固定式オービスへの切り替えが進められています。
  • Q7: オービスに撮られた後、罰金を払えば前科はつかない?
    • A7: 違反速度によります。一般道で30km/h以上超過、高速道路で40km/h以上超過の赤切符の場合、罰金刑が科され前科がつきます。比較的軽微な違反で反則金(青切符)を納める場合は、刑事責任は問われず、前科はつきません。
  • Q8: レーダー探知機はどのメーカーがおすすめ?
    • A8: 総合力を求めるなら、フルマップ表示や独自機能の「レーダー自動オフ機能」を持つ「ユピテル」。コストパフォーマンスを重視するなら、GPSデータが無料で更新できる「セルスター」。警告音の静かさを最優先するなら「ブリッツ」がおすすめです。
  • Q9: 移動式オービスはなぜ「ゾーン30」に設置されるの?
    • A9: ゾーン30は、歩行者や自転車の安全を守るための生活道路区域であり、道幅が狭く、従来の取締り(ネズミ捕り)が不可能でした。移動式オービスは小型で少人数での運用が可能なため、生活道路での重大事故防止という警察の目的を果たすために、最も適しているからです。
  • Q10: オービスに撮られた後、出頭要請を無視したらどうなる?
    • A10: 出頭要請を無視すると、状況が悪化し、何度も通知が送付され、最終的には警察が捜査を行い、悪質な長期未出頭者と判断されれば逮捕状が請求される可能性もあります。通知が届いたら、指定された日時に速やかに応じることが重要です。
  • Q11: 移動式オービスは、警察官が近くにいることが多い?
    • A11: 可搬式オービスは、いたずらや盗難、強風による転倒を防ぐため、設置場所には通常1〜2名の警察官が待機している(有人運用)ことが一般的です。ただし、半可搬式オービスのように、重量のある台座に乗せて無人で運用される機種も存在します。
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まとめ

固定式オービスの老朽化と撤去が進む一方で、小型で神出鬼没な移動式オービスが、特に生活道路や通学路である「ゾーン30」を中心に全国で急速に普及しています。この流れは、子供や高齢者など交通弱者の命を守るため、速度違反による重大事故を抑止するという国の明確な方針に基づいています。

従来のオービスが「見通しの良い幹線道路で、大幅な速度超過者(赤切符ライン)を捕まえる」装置だったのに対し、移動式オービスは「狭い生活道路で、従来の取り締まりでは見逃されていた『うっかり超過』(青切符ライン)を含む違反」に対しても牙をむく可能性があります。特に、一般道で30km/h、高速道路で40km/hの超過が刑事罰(罰金・免停)の目安ですが、移動式オービスでは15km/h程度の超過でも検知されるという認識が必要です。

現代のドライブにおいて、移動式オービスへの対策は必須です。スマホアプリのように過去のGPSデータに頼るのではなく、オービスが発するレーザー光やレーダー波をリアルタイムで探知できるレーダー探知機の導入が推奨されます。特に、新型オービスMSSSに対応する「新Kバンド対応」や、レーザー受信機能、高精度な自車位置測位能力を持つ最新モデルを選ぶことが重要です。

しかし、最も確実で効果的な防衛策は、アイテムに頼るのではなく、日頃から制限速度を意識的に遵守する安全運転に尽きます。移動式オービスは事故多発地帯に設置されています。その存在を「取り締まりの脅威」ではなく、「速度を意識し、安全運転を見直すきっかけ」と捉え、心にゆとりを持った運転を心がけることが、自分自身や大切な人の命を守る最大の防衛策となるでしょう。

この記事のポイントは以下の通りです。

  • 固定式オービスの撤去が進み、小型で神出鬼没な移動式オービスが生活道路やゾーン30で急増している。
  • 移動式オービスはレーザー式やMSSSなど新型が主流で、従来の探知機では検知が困難である。
  • 一般道で30km/h超過、高速道路で40km/h超過が赤切符(罰金・免停)の目安だが、移動式オービスは15km/h程度の超過でも光ることがある。
  • 対策としては、「GPS/レーダー/レーザー」対応かつ「新Kバンド対応」の最新レーダー探知機を選ぶことが必須である。
  • 最も確実な防衛策は、制限速度を意識的に守る安全運転を日頃から徹底することである。
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