50年以上も月面着陸が無い理由?月の環境が人体に与える7大悪影響を解説!放射線、微小重力、寒暖差など

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人類が月面に実際に足を踏み入れた最後の記録は、1972年12月のアポロ17号です。現代では、人体に及ぼす有害な影響―宇宙放射線や微小重力などの影響―が大きな問題となり、十分な対策が見つかっていないため、再び月面着陸が実現していません。

以下、月面固有の環境要因が人体に与える悪影響を、具体例とともにご紹介します。

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この記事で分かること!
  • 月の環境が人体に与える7つの悪影響
目次

月面着陸の歴史と現状

人類初の月面着陸は、1969年7月20日にアメリカのNASAが行ったアポロ11号によるものです。

そして、人類が月面に着陸した最後の記録は、1972年12月のアポロ17号です。

アポロ計画は当時、莫大な費用と国際的な競争の中で実現されましたが、その後の予算削減や政策の転換により、有人月面探査は停止されました。

1972年以降、月面に実際に着陸したのはロボット探査機のみとなり、有人探査は50年以上も行われていません。

つまり、アポロ17号以降、人類は直接月面に足を踏み入れていないのです。それは前述の予算削減や政策転換も理由ではありますが、月の環境が人体に悪影響を与えるからです。

人類はその悪影響を回避する手立てがまだ十分ではないということです。

次に、その悪影響について、大きく7点を解説します。

月の環境が人体に与える7大悪影響は?

簡単にリスト形式で書きますね。

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宇宙放射線の影響

  • DNA損傷と癌リスク:
    • 宇宙放射線は、人体の細胞DNAに直接ダメージを与えます。これにより、皮膚癌や内臓の癌のリスクが増加し、長期的な遺伝子異常が健康問題を引き起こす可能性があります。
  • 循環器系・神経系への影響:
    • 放射線被曝は血管内皮細胞を傷つけ、動脈硬化や循環器疾患のリスクを高めます。また、神経細胞にも悪影響を及ぼし、認知機能の低下や神経障害が発生する恐れがあります。
    • 宇宙放射線は、人体のDNAに直接ダメージを与え、がんや循環器疾患、神経障害のリスクを高めます。放射線被曝による微細な細胞損傷は、帰還後も長期間にわたって健康障害を引き起こす恐れがあります。

微小重力の影響

  • 筋肉・骨量の低下:
    • 微小重力環境では、筋肉の使用が減少し、骨密度が低下するため、筋肉の萎縮や骨粗鬆症が進行します。これにより、帰還後もリハビリが必要となり、運動機能の低下が長期間残るリスクがあります。
  • 心肺機能の低下と体液再分配:
    • 重力がほとんどない環境では、体液の分布が変化し、血液が上半身に集中する傾向があります。これが心臓への負担を増し、心拍数や血圧調整の困難さを引き起こし、帰還後も循環器系の異常が持続する可能性があります。

月面ダスト(レゴリス)の影響

  • 呼吸器系への悪影響:
    • 月面ダストは非常に微細かつ鋭利な粒子で構成され、吸入されると肺の奥深くに侵入します。これが慢性的な炎症や塵肺症(Pneumoconiosis)を引き起こし、帰還後も肺機能の低下や呼吸障害が持続する恐れがあります。
  • 皮膚・眼の刺激:
    • レゴリスが皮膚に付着すると、擦過傷や炎症、アレルギー反応を誘発します。また、目に入ると角膜炎や結膜炎など、視覚に関する障害が生じる可能性があります。

極端な温度差の影響

  • 熱ストレスと冷傷:
    • 月面は昼間には約+120℃、夜間には約–150℃という激しい温度変動を示します。これにより、皮膚の火傷や凍傷、さらには細胞レベルでの熱ダメージが生じ、組織の劣化や再生不良が引き起こされます。
  • 循環器系への負担:
    • 急激な温度変化は血管の収縮と拡張を促し、心臓に過度の負荷をかけるほか、体温調節のためのエネルギー消費が大きくなり、帰還後も慢性的な疲労や循環器系の異常が残るリスクがあります。

強力な紫外線・電磁波曝露

  • 皮膚のダメージと癌リスク:
    • 大気が存在しない月面では、太陽からの有害な紫外線が直接人体に照射されます。これにより、皮膚のDNA損傷やシミ、早期老化が進行し、長期的には皮膚癌のリスクが増加します。
  • 眼の損傷:
    • 十分な保護がない場合、強い紫外線は角膜や網膜に深刻な損傷を与え、白内障や視力低下などの障害を引き起こす可能性があり、これらは帰還後も持続する恐れがあります。

真空環境の影響

  • 急激な減圧による内臓への影響:
    • 月面はほぼ真空状態です。もし宇宙服の機能に異常が生じ急激な減圧が発生すると、体内のガスが膨張して臓器や組織にダメージを与え、減圧症(エビュリズム)のリスクが高まります。
  • 体液の沸騰:
    • 真空環境では、体内の水分が通常の温度条件下でも沸騰し始める可能性があり、これが細胞破壊や組織の恒久的な損傷を引き起こす原因となります。こうした現象は急性のトラブルとして現れるだけでなく、微細な損傷が後に健康問題として残ることがあります。

微小隕石やスペースデブリの衝突リスク

  • 直接的な外傷と組織ダメージ:
    • 月面には高速で飛来する微小隕石や宇宙ごみが存在します。これらが直接人体に衝突すると、皮膚の切創や打撲、さらには深部組織にまで及ぶ損傷が生じる恐れがあります。特に、宇宙服が微細な衝撃によって損傷することで、急激な気密性の低下や体内への衝撃波が発生し、内臓損傷など生命に直結するリスクが高まります。
  • 慢性的な炎症と瘢痕形成のリスク:
    • 微小隕石やスペースデブリによる衝突は、直接的な大きな外傷だけでなく、体表面に小さな傷や擦過傷を繰り返し引き起こします。これらの微細なダメージが積み重なることで、慢性的な炎症反応や瘢痕組織の形成が進行し、帰還後も皮膚や軟部組織に持続的な炎症や機能低下、さらには感染症のリスク増加につながる可能性があります。

帰還後も続く健康被害!

月環境における人体への悪影響は、帰還後も続くと言われています。

  • 宇宙放射線による健康被害
    • 宇宙放射線は細胞のDNAに微細な損傷を与え、老化を促進します。
    • このダメージは皮膚癌や内臓癌のリスクを上昇させ、長期的な健康問題につながります。
  • 微小重力環境の影響
    • 微小重力下では筋肉量が急激に低下し、骨密度も減少します。
    • そのため、帰還後のリハビリテーションが必要になり、運動機能の低下が長期間残る可能性があります。
  • 月面ダスト(レゴリス)の影響
    • 鋭利なレゴリス粒子が呼吸器、皮膚、眼に付着し、慢性的な炎症やアレルギー反応、塵肺症を引き起こします。
    • 吸入された粒子や付着した微粒子は、帰還後も体内に残り、持続的な健康リスクとなります。
  • 極端な温度差の影響
    • 昼間は約+120℃、夜間は約–150℃という激しい温度変動により、皮膚の火傷や凍傷、細胞レベルでの熱ダメージが生じます。
    • 急激な温度変化は循環器系に過度な負担をかけ、内臓や血管に異常が生じ、後遺症として残る恐れがあります。
  • 強力な紫外線・電磁波曝露の影響
    • 大気がないため、太陽からの有害な紫外線や電磁波が直接体に当たり、皮膚や眼の損傷、早期老化を引き起こします。
    • これらの影響は帰還後も持続し、視力障害や皮膚の癌リスクの増加につながります。
  • 真空環境の影響
    • 月面はほぼ真空状態であり、急激な減圧により体内のガスが膨張し、細胞や組織にダメージを与えます。
    • この減圧現象は急性の症状だけでなく、微細な組織損傷として長期間健康に影響を及ぼす可能性があります。
  • 微小隕石やスペースデブリの衝突リスク
    • 高速で飛来する微小隕石や宇宙ごみは、皮膚に切創や打撲、場合によっては内臓損傷を引き起こす恐れがあります。
    • 繰り返しの微小衝撃は慢性的な炎症や瘢痕形成を促し、帰還後も長期的な健康問題として現れる可能性があります。

まとめ

月面環境は、宇宙放射線や微小重力に加えて、月面ダスト、極端な温度差、強力な紫外線・電磁波、真空環境、そして微小隕石の衝突リスクといった7つの要因が、人体に多大な悪影響を及ぼします。

そして、これらの問題点を回避するには十分ではなく、人類は、すでに50年以上も月面着陸をしないままとなっています。

これらのリスクは、宇宙滞在中だけでなく、地球帰還後も長期的な健康障害として現れるため、将来的な有人月面探査の実現には、これらの健康リスクを克服するための技術革新が不可欠です。

一方、月には希少資源がたくさんあるとも言われています。

また、地球に対して常に同じ面を向けている月。その裏側はまだまだ未知の世界です。

いずれこれらの悪影響を克服し、月をより活用する時代が訪れるのかもしれません。

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