【速報2025年参院選・徹底分析】北村晴男氏、日本保守党から当選へ。法廷から国会へ—その経歴と役割!

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第27回参議院議員通常選挙は、日本の政治潮流における一つの分水嶺となる可能性を秘めています。本稿では、その象徴的な出来事として、著名な弁護士である北村晴男氏が、新興勢力「日本保守党」の比例代表候補として国政に議席を得るという、現実味を帯びてきたシナリオについて徹底的に分析します。

北村氏の当選は、単に野党の一議席が増えるという以上の意味を持ちます。それは、既存政党が見過ごしてきた有権者の声、特に保守層の深い渇望が具体的な形となって永田町に届けられることを意味します 1。彼の登場は、膠着した政治状況に風穴を開け、新たな議論を巻き起こす起爆剤となり得るのです。

この記事では、以下の4つの視点から、この政治現象を多角的に解き明かしていきます。

  1. 法廷での輝かしい実績から政治の世界へ。弁護士・北村晴男氏が歩んできた道のりと、その根底にある信念。
  2. 国会議員として、彼が具体的にどのような政策を推進し、いかなる役割を担うことが期待されるのか。
  3. 日本保守党が北村氏の議席に留まらず、比例代表で「2議席目」を獲得するという目標の現実性。
  4. なぜ今、有権者は北村氏と日本保守党という選択肢に惹かれるのか。その背景にある、既存政治への警鐘。

本稿を最後までお読みいただければ、北村晴男という人物、日本保守党という政党、そして日本の保守のあり方を再定義しかねないこの新しい潮流について、包括的な理解を得られることをお約束します。

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目次

第1章:法廷から永田町へ—弁護士・北村晴男の軌跡と信念

国政への挑戦を決意した北村晴男氏とは、一体どのような人物なのでしょうか。彼の弁護士としての経歴と、メディアを通じて形成されたパブリックイメージは、政治家としての彼のポテンシャルを理解する上で不可欠な要素です。

1-1. 不屈の精神:司法試験への挑戦と法律家としての原点

北村氏の経歴は、長野県更埴市(現・千曲市)に始まり、名門・長野県長野高等学校を経て、早稲田大学法学部に進学します 3。しかし、彼の道のりは決して平坦なものではありませんでした。法律家を志す者にとって最大の関門である司法試験に、彼は7度失敗します。それでも諦めることなく、学習塾を経営して生計を立てながら挑戦を続け、8回目にしてついに合格を勝ち取りました 5。この「七転び八起き」の物語は、彼の代名詞とも言える不屈の精神と粘り強さを象徴しており、多くの人々に共感と信頼を抱かせる源泉となっています。

彼が弁護士を目指すきっかけは、高校時代に報道で知った「恵庭事件」でした 5。さらに、彼の正義感の原点には、より個人的で切実な体験があります。中学2年生の時、所属していた野球部が学校側から納得のいく説明もなく一方的に廃部にされたのです。彼は卒業まで抗議を続けましたが、その声が聞き入れられることはありませんでした。この経験から、「理不尽な力には屈しない」という強固な信念が芽生えたと語っています 7。この個人的な原体験こそが、彼の法律家として、そしてこれからの政治家としての活動の根底に流れる情熱の源と言えるでしょう。

1-2. 弁護士としての実績と専門性

1989年に弁護士登録(司法修習41期)を果たすと、3年間の勤務弁護士経験を経て、1992年に独立し「北村法律事務所」を開設しました 3。事務所はその後、パートナー弁護士を迎え入れ、現在の「弁護士法人北村・加藤・佐野法律事務所」へと発展しています 9

彼の弁護士としての専門分野は、保険法、交通事故、医療過誤、債権回収といった一般民事であり、特に生命保険が絡む訴訟では極めて高い評価を得てきました 4。また、企業の社外取締役や破産管財人といった要職も歴任し、法廷の内外で豊富な実務経験を積んでいます 8。彼の事務所が取り扱う業務は、離婚・相続から刑事事件、不動産登記まで多岐にわたり、社会のあらゆる場面で発生する法的問題に対処してきた実績があります 12。テレビ番組では、国の責任が問われた「ハンセン病国家賠償訴訟」のような重大な裁判について解説するなど、個人の権利と国家のあり方というテーマにも深い関心を寄せてきました 13

1-3. メディアでの活躍と国民的知名度の確立

北村氏が単なる有能な弁護士に留まらず、国民的な存在となった最大の要因は、メディアにおける長年の活躍です。2002年から日本テレビ系列の人気番組『行列のできる法律相談所』(現・『行列のできる相談所』)にレギュラー出演し、その誠実で真摯な人柄と、法律問題を分かりやすく解説する姿で、お茶の間の絶大な支持を得ました 4

彼の活躍は同番組に留まらず、数多くのニュース番組や情報番組でコメンテーターを務め、社会問題に対する的確な分析で信頼される論客としての地位を確立しました 3。そして2021年、彼は新たな発信の場としてYouTubeチャンネル「弁護士北村晴男ちゃんねる」を開設します。このチャンネルは瞬く間に33万人以上の登録者を獲得し、従来のメディアのフィルターを通さずに、自身の考えや政策提言を直接国民に届ける強力なツールとなりました 5

北村晴男氏が政治の世界に足を踏み入れる際、彼は典型的な新人候補者とは一線を画しています。通常、新人候補は有権者に名前と顔を覚えてもらうことから始めなければならず、それには莫大な時間と資金、そして党組織の支援が不可欠です。しかし、北村氏はこのプロセスをほぼ完全に省略できるという、計り知れないアドバンテージを持っています。20年以上にわたる全国ネットのテレビ出演を通じて、彼の名前と「知的で誠実な法律専門家」というイメージは、すでに国民の間に深く浸透しているのです 4

この知名度は、単なるタレントとしての人気ではありません。それは彼の弁護士という職業と分かちがたく結びついており、「論理的」「公正」「知的」といった政治家に求められる資質を連想させます。この強力なブランドは、司法試験に8回目で合格したという苦労人の物語や 5、理不尽に立ち向かうという正義感の原体験 7 によって、さらに人間味と共感を帯びたものになっています。これにより、「卓越した専門家でありながら、庶民の感覚も理解できる人物」という、極めて魅力的な政治家像が完成しているのです。

日本保守党という新党にとって、これは戦略的に計り知れない価値を持ちます。党は候補者の知名度向上のための初期投資を大幅に削減できるだけでなく、北村氏が持つ「信頼性」という資産を党全体に波及させることができます。そして、彼が満を持して開設したYouTubeチャンネルは、テレビで培った広範な知名度を、日本保守党の具体的な政策への支持へと転換させるための、いわば「コンバージョン(転換)装置」として機能しています。彼の立候補は、メディアでの人格形成が選挙戦においていかに強力な武器となるかを示す、現代政治マーケティングの好例と言えるでしょう。

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第2章:国会に響く「正論」—北村議員に期待される具体的政策と役割

北村晴男氏が国政の場に立つ時、彼に求められるのは単なる知名度ではありません。弁護士としての深い知見と論理的思考力を武器に、具体的な政策課題でリーダーシップを発揮することが期待されています。特に、日本保守党が掲げる核心的な政策において、彼の役割は極めて重要となります。

2-1. 憲法改正の旗手として:第9条改正への断固たる意志

北村氏はかねてより、自身のYouTubeチャンネルなどで、自衛隊という実力組織が存在する現実と、「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」と定める憲法第9条第2項との間の矛盾を、法律家として厳しく指摘してきました 14。彼のこの問題意識は、日本保守党の最重要政策と完全に一致します。

日本保守党は、党の綱領において「日本国を守るに相応の国防力の保持、必要な強化、それを達するための日本国憲法改正を含む法整備を図る」と明記しています 15。その具体的な政策として、憲法9条第2項を削除し、自衛のための実力組織の保持を明確に規定することを掲げています 16。党は、周辺諸国からの軍事的脅威を前に、この課題を「待ったなし」「私たちの命、我が国の存立は危うい」と位置づけており、極めて強い危機感を表明しています 18

国会の憲法審査会や本会議の場で、この喫緊の課題を論理的かつ説得力をもって訴える上で、北村氏の法律家としての知見は比類なき武器となります。彼は、感情論や抽象的な理念論に陥りがちな憲法論議を、法解釈と国家の現実という土俵に引き戻し、改正の必要性を国民に分かりやすく提示する「旗手」としての役割を担うことになるでしょう。

2-2. 「日本を守る」ための法整備:スパイ防止法と安全保障

日本の安全保障を揺るがす喫緊の課題として、日本保守党は「スパイ防止法」の制定と、専門的な諜報機関の設置を強く求めています 16。このような法制度は、その性質上、人権やプライバシーとのバランスが問われる極めて専門的かつ繊細な議論を必要とします。

この分野こそ、北村氏の弁護士としての経験が最も活かされる領域です。彼は、法案の起草段階から国会での審議に至るまで、その法的妥当性や実効性を担保するための中心的な役割を果たすことが期待されます。また、外国勢力による土地買収の規制強化や、能動的サイバー防御の法制化といった、現代的な安全保障上の脅威に対処するための法整備においても、彼の専門知識は不可欠です 16

さらに、党が掲げる海上保安庁法の改正(諸外国の沿岸警備隊と同等の権限付与)や、自衛隊法の改正(在外邦人救出の要件緩和)といった政策も、彼の主導のもとで具体的な法案として練り上げられていくことが予想されます 16

2-3. 経済政策のリアリスト:減税と持続的成長への道

北村氏は、選挙前の現金給付のような短期的な人気取り政策を「経済対策ではなく選挙対策だ」と厳しく批判し、将来の成長に繋がらない場当たり的な財政出動に警鐘を鳴らしてきました 19。彼のこの姿勢は、日本保守党が掲げる経済政策の根幹をなすものです。

彼が国会で強力に推進するとみられるのは、党の目玉政策である抜本的な減税策です。具体的には、

  • 食料品(酒類含む)の消費税率を恒久的にゼロにする 16
  • トリガー条項の凍結解除を含むガソリン税の減税 16
  • いわゆる「年収の壁」を解消し、勤労意欲を削がない形での所得税減税 16

といった、国民の可処分所得を直接的に増やすための大胆な改革です。その目的は、単なる景気刺激に留まりません。国民の負担を軽減することで、デフレマインドを払拭し、持続的な賃上げと消費拡大の好循環を生み出すこと。そして、それが最終的には年金制度の安定にも繋がるという、長期的な視点に基づいています。北村氏は、この経済再生への道筋を、リアリストの視点から力強く訴えていくでしょう 19

2-4. 国民への「翻訳者」:分かりやすい政治の発信

当選が確実となった際のインタビューで、北村氏は「より分かりやすく国民の皆さんに何が正しいんだ、何が日本のためになるんだということを発信できると思った」と立候補の動機を語っています 20。この言葉は、彼が自らに課す役割を端的に示しています。

永田町で交わされる議論は、専門用語や複雑な手続き論に終始しがちで、国民感覚から乖離してしまうことが少なくありません。北村氏は、テレビやYouTubeで培った卓越したコミュニケーション能力を活かし、複雑な法案や政策の争点を、誰にでも理解できる平易な言葉で解説する「翻訳者」としての役割を担うことが期待されます。彼の発信は、日本保守党の政策を国民に浸透させる上で、極めて重要な意味を持つことになるはずです。

日本保守党が掲げる政策には、食料品の消費税ゼロや憲法9条2項削除など、既存政党の枠組みから見れば急進的とも言えるものが含まれています 16。これらの政策は、反対勢力から「ポピュリズム(大衆迎合主義)だ」「非現実的だ」といったレッテルを貼られやすいという弱点を抱えています。ここで、北村晴男氏の存在が決定的な意味を持ちます。

彼の存在は、党の政策に「法的な正当性」と「知的な権威」という強力な裏付けを与えます。例えば、北村氏が憲法改正を訴える時、それは単なる政治家の主張ではなく、長年法と向き合ってきた専門家による「法解釈の提示」として有権者の耳に届きます 14。彼がスパイ防止法の必要性を説く時、そこには法律実務家としての重みが加わります。このように、彼の弁護士という肩書は、党の政策を単なるスローガンから、真剣に検討すべき具体的な法案へと昇華させる効果を持つのです。

この構造は、百田尚樹氏のような創設者が持つ強いイデオロギーや情熱的なメッセージと、北村氏が持つ法的な論理性と権威とが融合することを意味します 1。この「情熱」と「論理」の組み合わせこそが、日本保守党のユニークな強みです。それは、強いリーダーシップを求めつつも、政策には合理的な説明を求めるという、より幅広い保守層の心をつかむための巧みな戦略と言えます。北村氏は、党の急進的なエネルギーを、国会という公的な場で通用する「正論」へと変換する、いわば「法的正当化装置(リーガル・レジティマイザー)」としての役割を担っているのです。

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第3章:日本保守党の躍進と「比例2議席目」の現実味

北村晴男氏個人の当選は、その高い知名度から極めて確実視されています。しかし、日本保守党が目指すのは、単なる「北村議席」の獲得に留まりません。比例代表で「2議席目」を獲得できるかどうかは、同党が単なる一過性のブームで終わるのか、それとも持続可能な政治勢力へと成長できるのかを占う重要な試金石となります。

3-1. 参議院・比例代表制度の仕組み

その現実味を探る前に、まず参議院の比例代表選挙の仕組みを理解しておく必要があります。現在採用されているのは「非拘束名簿式比例代表制」です 21。有権者は、投票用紙に「政党名」または「候補者個人名」のいずれかを記入して投票します 23

開票後、まず各政党が獲得した「政党名票」と、その党に所属する全候補者が獲得した「個人名票」を合算し、党としての総得票数を算出します。この総得票数に応じて、「ドント式」という計算方法で各党の議席数が配分されます 21。そして、各党に割り当てられた議席は、その党内で個人名票を多く獲得した候補者の順に与えられていきます 25

この仕組みが意味するのは、北村氏のような著名な候補者が多くの個人票を集めることは、党全体の議席獲得に大きく貢献する一方で、2人目の候補者が当選するためには、党全体の総得票数を極めて高い水準にまで押し上げる必要があるということです。

3-2. 議席獲得に必要な票数の分析

では、具体的にどれくらいの票数が必要なのでしょうか。直近の国政選挙である第50回衆議院議員選挙で、日本保守党は比例代表で約114万票を獲得し、政党要件を満たしました 26。これは、参議院選挙においても1議席を獲得するには十分な基礎票があることを示唆しています。

過去の参議院選挙を参考にすると、2013年の選挙では、社民党が約125万票で比例1議席を獲得しています 27。この数字からも、日本保守党の「1議席目」はほぼ確実なラインにあると言えます。

問題は「2議席目」です。当選ラインは、その年の総投票数や各党の得票状況によって変動しますが、一般的に1議席獲得に必要な票数の2倍では足りず、それ以上の票数が必要となります。過去の例から推計すると、2議席目を安定的に獲得するためには、総得票数で250万票から350万票程度が目安となる可能性があります。これは、衆院選での実績から倍以上の票を積み増す必要があることを意味し、決して容易な目標ではありませんが、党の勢いを考えれば決して非現実的な数字とも言い切れません。

3-3. 躍進を支える要因:支持層と成長の可能性

この大きな飛躍を可能にするかもしれない要因は、いくつか存在します。

第一に、党の熱心な支持基盤です。日本保守党は結党からわずかな期間で、X(旧Twitter)のフォロワー数が日本の政党で最多となり、公式党員数も6万6千人を突破するなど、驚異的なスピードで組織を拡大しています 2。これは、ネット空間を中心に活動する、極めてエンゲージメントの高い支持層の存在を示しています。

第二に、支持層の属性です。各種調査によれば、党の支持は50代から60代の男性に特に強いとされていますが 28、一部の調査では若年層にも一定の支持が広がっていることが示唆されています 31。この中心的な支持層は、投票率が高いことで知られており、安定した得票が見込めます。

第三に、支持の源泉です。日本保守党の支持者は、自民党の近年の政策、特にイデオロギー的な立ち位置に不満を持つ層や、既存の保守系野党(例:参政党)の支持層から流入していると分析されています 2。自民党の支持率が歴史的な低水準で推移し 33、政治全体への不信感が渦巻く中、「明確な保守」を掲げる日本保守党は、行き場を失った有権者にとって魅力的な受け皿となっているのです。

参議院比例代表選挙において、著名な候補者を擁立した新党が1議席を獲得することは、それほど珍しいことではありません。非拘束名簿式という制度は、個人の人気が党の議席に直結しやすいため、北村氏のような人物がいれば、それだけで100万票を超える個人名票を集め、議席を確保することは十分に可能です 26

しかし、「2議席目」の獲得は、全く異なる次元の課題です。これは、北村氏一人の人気だけでは達成できません。2議席目を獲得するためには、有権者が「北村晴男」という個人名だけでなく、「日本保守党」という政党名で投票するか、あるいは北村氏以外の候補者の個人名で投票するという行動を、相当数積み重ねる必要があります。

したがって、2議席目をめぐる戦いは、日本保守党という存在そのものの真価が問われる選挙となります。それは、この党が単なる「北村晴男ファンクラブ」や、一部のカリスマ的人物の人気に依存した一過性の集団なのか、それとも、党が掲げる綱領や政策そのものが有権者の幅広い支持を得て、持続可能な政治運動へと発展できるのかを測る「バロメーター」なのです。

もし日本保守党が2議席を獲得すれば、それは百田氏、有本氏、そして北村氏といったリーダーたちの個人的な魅力を、党という「組織」へのブランド・ロイヤルティへと転換させることに成功した証となります。それは自民党をはじめとする既存政党に対し、右派のイデオロギーに根差した不満が、もはや無視できない、複数の議席を獲得しうる政治勢力であることを明確に示す強力なメッセージとなるでしょう。逆に、2議席目にわずかに届かなかった場合、それは党のメッセージが一定の支持を得つつも、その成長には限界がある可能性を示唆することになります。

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第4章:既存政党への警鐘—なぜ有権者は北村氏と日本保守党を選んだのか

北村晴男氏と日本保守党の躍進は、単なる新党の登場という現象に留まりません。それは、日本の政治、特に保守政治の現状に対する有権者からの痛烈な「ノー」の意思表示であり、既存政党、とりわけ自民党への警鐘です。

4-1. 「壊れゆく日本」への危機感:JCP結党の背景

日本保守党の結党宣言や代表である百田尚樹氏のメッセージには、「日本が内外から壊されようとしている」という強烈な危機感が貫かれています 1。この「壊れゆく日本」という認識こそが、党の存在意義の根幹をなしています。

彼らが問題視するのは、野放図な移民政策や、日本の伝統的な価値観を揺るがすとされるLGBT理解増進法の成立など、国の文化やアイデンティティが内側から損なわれているという事態です 1。特に、LGBT理解増進法をめぐる政府・自民党の対応は、党結成の直接的な引き金となりました 2

この危機感は、外交・安全保障分野にも及びます。拉致問題が進展せず、周辺国からの軍事的脅威が高まる中で、国を守るための断固たる意志が政治に欠けているという苛立ちがあります 1。さらに、30年間も賃金が上がらない経済の停滞も「壊れゆく日本」の象徴と捉えられており、国民の将来への希望を奪っていると訴えています 1

4-2. LDPとの政策的対立軸:明確な選択肢の提示

日本保守党が支持を拡大している最大の理由は、最大与党である自由民主党(LDP)との政策的な違いを明確に打ち出している点にあります。以下の表は、主要な政策分野における両党のスタンスの違いをまとめたものです。

政策分野日本保守党 の主張自由民主党 の現状・傾向
憲法9条2項を削除し、自衛隊の存在を明記する憲法改正を断行 169条1項・2項を維持しつつ自衛隊を追記する「加憲」案を議論するも、議論は停滞 35
税制食料品の消費税ゼロ、ガソリン税減税など、国民の可処分所得を増やすための抜本的な減税 16防衛費増額の財源として増税を議論。減税には慎重な姿勢
移民・外国人政策入管法厳格化、特定技能2号の見直し、外国人向けの独立した健康保険制度の創設など、厳格な管理を主張 2労働力不足を背景に、特定技能制度の拡大など、外国人材の受け入れを推進
LGBT理解増進法児童への教育に関する条文削除など、法の改正を要求。党結成の直接的なきっかけ 1「全ての国民が安心して生活することができることとなるよう、留意する」との条文を加え、党内対立の末に成立させた

この表が示すように、日本保守党は、自民党が党内対立や世論への配慮から曖昧にしてきた、あるいはリベラル寄りに舵を切ったと見なされている政策課題に対し、ためらうことなく「保守本流」とも言える明確な対案を提示しています。憲法改正への断固たる姿勢、国民負担を軽減する大胆な減税、そして国のあり方を問う移民政策や価値観の問題。これらは、従来の自民党支持者の一部が「物足りない」「裏切られた」と感じていた核心部分であり、日本保守党は彼らにとって待望の「明確な選択肢」となっているのです。

4-3. 政治不信の受け皿として

近年の政治資金問題などで高まった政治不信も、日本保守党への追い風となっています。同党は、国会議員の歳費を一般国民の給与水準まで引き下げることや、政治の世襲に繋がると批判される資金管理団体の「世襲」禁止を公約に掲げています 16

これは、既得権益化した永田町の「常識」を打ち破ろうとする姿勢の表れです。自らを腐敗したシステムと戦うアウトサイダーと位置づけることで、特定の支持政党を持たず、既存のあらゆる政党に失望している無党派層や政治不信層の受け皿となることを目指しています。北村氏のような、政治家としての「しがらみ」がないクリーンなイメージを持つ人物が旗印となることで、このメッセージはより一層の説得力を持つことになるでしょう。

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まとめ

本稿で分析してきたように、弁護士・北村晴男氏が2025年の参議院選挙で当選を果たすというシナリオは、単なる一著名人の政界進出以上の、重層的な意味合いを持っています。

それは第一に、理不尽に屈しないという信念を胸に、司法試験への挑戦や法廷での活動を通じて不屈の精神を証明してきた一人の法律家の、人生の軌跡の帰結です(第1章)。国政の場において彼は、その知見と発信力を最大限に活かし、日本保守党が掲げる憲法改正、安全保障法制の強化、そして国民生活に直結する抜本的な減税といった核心的政策の、強力な推進役となることが期待されます(第2章)。

第二に、この動きは日本保守党という新たな政治勢力の将来性を占うものです。党は熱心な支持基盤と既存政治への不満を追い風に、驚異的な成長を遂げてきました。北村氏の当選は確実視される中で、比例代表で「2議席目」を獲得できるかどうかが、同党が一過性の現象から持続可能な政党へと脱皮できるかを測る、決定的な指標となるでしょう(第3章)。

そして最も重要なのは、北村氏と日本保守党の台頭が、日本の既存政治、特に自民党に対して突きつけている厳しい現実です。それは、国家のアイデンティティ、安全保障、経済政策といった根幹的なテーマにおいて、現状の政治に満足できない保守層の深い渇望と不満が存在することを、明確に可視化しました(第4章)。

北村氏が国会に議席を得ることで、国家の将来像をめぐる議論に、妥協を許さない新たな声が加わることは間違いありません。この声が、支持者たちが望む変革の触媒となるのか、あるいは少数意見として埋没していくのか。その行方は、今後の日本政治を展望する上で、最も注目すべき物語の一つとなるでしょう。

参照情報

  1. 【公式】日本保守党|日本を豊かに、強く。
    https://hoshuto.jp/
  2. 日本保守党- 维基百科,自由的百科全书
    https://zh.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BF%9D%E5%AE%88%E5%85%9A
  3. 北村 晴男 先生 【社会】 – プロフィール | 世界一受けたい授業
    https://www.ntv.co.jp/sekaju/profile/kitamuraharuo.html
  4. 北村晴男 | 講師情報 – 講演会インフォ
    https://kouenkai.info/lecturer/2020/
  5. 北村晴男 – Wikipedia
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E6%9D%91%E6%99%B4%E7%94%B7
  6. 「北村 晴男」の記事一覧 | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
    https://president.jp/list/author/%E5%8C%97%E6%9D%91%20%E6%99%B4%E7%94%B7
  7. 「湯船で聞いた“勤勉な父の苦労話”」弁護士 北村晴男さん【インタビュー前編】~日々摘花 第36回
    https://www.famille-kazokusou.com/magazine/column/645
  8. 理不尽な力には屈しない。 信念を貫き通せる道を自ら拓いた – リクルートワークス研究所
    https://www.works-i.com/works/item/w109-career.pdf
  9. 弁護士・社会保険労務士紹介
    https://bengoshi-kitamura.jp/category/1180859.html
  10. 北村弁護士に学ぶ、本音を導く話術と交渉術のコツ – セレブリックス
    https://www.eigyoh.com/column/jsc2023-203
  11. 北村 晴男 – 日本保守党|日本を豊かに、強く。
    https://hoshuto.jp/candidate/kitamura/
  12. 取扱業務内容 – 弁護士法人 北村・加藤・佐野 法律事務所
    https://bengoshi-kitamura.jp/category/1180860.html
  13. 2019年4月29日の放送|TBSテレビ:1番だけが知っている
    https://www.tbs.co.jp/ichibandakega_shitteiru/archive/20190429.html
  14. 【参院選2025・政策を問う】〈憲法改正〉石破茂首 – YouTube
    https://www.youtube.com/watch?v=jt2J_rFou04
  15. 党規約と綱領 – 日本保守党|日本を豊かに、強く。
    https://hoshuto.jp/regulation/
  16. 日本保守党の重点政 策項目
    https://partsa.nikkei.com/parts/ds/sanin2025/pdf/hoshu.pdf
  17. 日本保守党の重点政策項目
    https://hoshuto.jp/policy/
  18. 憲法記念日に寄せて – 日本保守党|日本を豊かに、強く。
    https://hoshuto.jp/2025/05/03/constitution/
  19. 今夜07/18(金)22時~「たまき生配信」ライブチャットを開催! – YouTube
    https://www.youtube.com/watch?v=aEowhAlqml4
  20. 「より分かりやすく国民の皆さんに」比例 保守・北村晴男氏が当選【参院選2025】 – ニュース|KBC九州朝日放送
    https://kbc.co.jp/news/detail.php?id=202507202333_0005&cat=politics&date=0
  21. 参議院比例代表選出議員選挙の仕組みについて – 石川県
    https://www.pref.ishikawa.lg.jp/senkan/sangihirei.html
  22. 参議院議員の定数削減 非拘束名簿式比例代表制 – 総務省
    https://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/news/senkyo/san_kaisei/pdf/senkyo_p4.pdf
  23. 【わかりやすく解説】参議院選挙の仕組みとは?ドント方式の計算方法や3年ごとに半数改選の理由! – – スペースシップアース
    https://spaceshipearth.jp/houseofcouncilors-sikumi/
  24. 比例代表制のしくみ – あすなろ学習室
    https://gakusyu.shizuoka-c.ed.jp/society/chu/citizen/seiji/02_4_hireidaihyou.htm
  25. 【参院選】候補者は172人!「比例代表」ってなに? メ~テレ担当記者と政治ジャーナリスト青山和弘さんが解説 – YouTube
    https://www.youtube.com/watch?v=yO-oTPLDCRQ
  26. 国政政党「日本保守党」の設立について
    https://hoshuto.jp/2024/11/05/kokusei-seito/
  27. 政党要件ギリギリの政党が候補者10人擁立する理由
    https://seijiyama.jp/article/news/nws20160621.html
  28. 日本保守党をどう思う?支持政党別・年齢別に期待値を詳細分析!参政党支持者とのかぶりはどれくらい?選挙ドットコムちゃんねるまとめ
    https://go2senkyo.com/articles/2023/10/24/88426.html
  29. 機関誌 日本保守党 通信 3 〈全国版)
    https://www.mizunoue.info/ishin-press/ishin-press-image/hoshubira2024.10-3.pdf
  30. 【業界初?】日本保守党への期待値調査!参政党と支持者がかぶる可能性は?支持政党別・年齢別に詳細分析!|第240回 選挙ドットコムちゃんねる #2 – YouTube
    https://www.youtube.com/watch?v=2hgE8Bf-g4I&pp=0gcJCfwAo7VqN5tD
  31. 【参院選“最新予測”投開票日直前の情勢は?】自公過半数割れの可能性は8~9割|参政党が中高年と若者に刺さるワケ|チームみらい、再生の道、NHK党の議席獲得可能性は?|ネット選挙は第2フェーズだ – YouTube
    https://www.youtube.com/watch?v=SKtTemgah_0
  32. 比例、支持層の自民離れ進む 公明は手堅くまとめ最高水準
    https://www.47news.jp/12891167.html
  33. 世論調査 – 日本テレビ
    https://www.ntv.co.jp/yoron/
  34. 世論調査|報道ステーション|テレビ朝日
    https://www.tv-asahi.co.jp/hst2020/poll/202411/
  35. 【ショート版】自衛隊や自衛の措置を憲法に書き加えても何も変わらないって本当?|日弁連| – YouTube
    https://www.youtube.com/watch?v=TAM5P3Ruxgw
  36. 首相、改憲2020年施行目指す 「9条に自衛隊明記」ビデオで決意表明 – YouTube
    https://www.youtube.com/watch?v=uuG_jPNUrlA
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