ブログ管理人「ShiGe☆」(しげ)です。
当記事は、2021年5月16日(日)に更新・追記しています。
5月16日現在、大相撲5月場所が両国国技館で行われています。
中日(8日目)が終わって、全勝は大関・照ノ富士ただ1人。追う次点も1敗の大関・貴景勝ただ1人。
実は、照ノ富士は、早くも4日目から単独トップ状態です。
つまり、せっかく4大関体制になったのに、しかも、横綱不在(白鵬休場)な場所なのに、照ノ富士以外の3大関が不甲斐ない。特に、大関・正代、大関・朝乃山。
この4大関について、芝田山親方(元横綱・大乃国)がインタビューで次のように語っています。
――照ノ富士関とほかの3大関には、どんな違いが見られますか。
https://news.yahoo.co.jp/byline/iizukasaki/20210514-00237739/
「照ノ富士は、大関からさらに次の席に飛躍しようという心境であり、自分の言葉でもそう宣言しています。でも、ほかの3人の大関は、いまの自分の席をいかに守るかという感覚しかない。その違いが出ています。相撲内容は、照ノ富士だって、すべての取組で得意の右四つになれているわけではないけれど、相撲に力強さがあります。それと、相手が誰であっても、腰が引けるような取り口ではありません。まだまだ優勝戦線はこれからなので、ほかの3人はここからどう巻き返していくかが重要です
さて、このような状況の下、光明も見えてきました。つまり、先場所(2021年3月場所)に続き、照ノ富士の優勝。
それが実現されれば、横綱・白鵬が出場するであろう7月場所において、照ノ富士が連続優勝することで、9月場所には「横綱・照ノ富士」の誕生です。
そして、この流れに<悔しさを爆発させることができれば>、横綱・貴景勝も実現するかもしれません。
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このようなことから、奇跡の復活を遂げた照ノ富士の戦いの記録を公開します。
照ノ富士暗転、きっかけは…
2011年5月場所の前相撲で大相撲人生をスタートさせた照ノ富士(当時の四股名は若三勝)。
2013年9月場所に十両昇進、そして、2014年3月場所に新入幕。
2015年3月場所に初三役として関脇昇進。その場所で、13勝2敗の好成績。これは14勝1敗で優勝した横綱・白鵬に次ぐ戦績。
そして、翌場所、横綱・白鵬、日馬富士を凌ぎ、12勝3敗で初優勝。このときの照ノ富士を見て、多くの相撲ファンがこう考えたことでしょう。
「取り口に多少強引なところがあるものの、輝御藤が早晩、横綱に駆け上がるのは間違いない」と。
優勝の翌場所、2015年7月場所には大関昇進となり、11勝4敗。翌9月場所も12勝3敗と好成績でした。
実は、初日から11連勝をしていた2015年9月場所に、その後の転落の種があったのです…。
2015年9月13日目、対・稀勢の里戦
2015年9月場所は、横綱・白鵬が怪我のため、早々に休場。そんななか、大関2場所目の照ノ富士は、初日から11連勝と絶好調。
ファンは早くも、照ノ富士の2回目の優勝、そして、横綱昇進を夢見ていたのです。しかし…。
12日目、対・栃煌山戦に負け、翌・13日目、大関・稀勢の里にも負けて、連敗。
しかも…
稀勢の里に負けたとき、「右膝の前十字靱帯損傷・外側半月板損傷などで1か月の加療を要する」と診断されるほどの大怪我を負ってしまったのです。
このとき痛めた右膝がもとで、照ノ富士から、「素人目にも明らかな圧倒的な強さ」が消え失せます。
そして、右膝は癒えることなく悪化し、2017年11月には大関陥落。2018年年3月場所では十両陥落。
その後、4場所連続の全休を経て、2019年3月場所には、西序二段48という番付まで落ちてしまいます…。
大相撲ファンの多くは、十両陥落の時点以前から「照ノ富士の大相撲人生は終わった」と感じていたことでしょう。
陥落、そして復活
2017年11月に大関から関脇となった照ノ富士、2018年7月場所には幕下まで陥落。膝の怪我と2型糖尿病と闘っていた照ノ富士は、同年7月場所を含め4連続の休場。
闘える体調に戻り、再始動した2019年3月場所、リスタートの番付は「西序二段48枚目」。ここから「今のような大関復活&再度横綱を狙える勢い」までになると考えていた大相撲ファン&大相撲関係者は「本人と親方以外はゼロ」だったのでは…。
以下、奇跡の大復活を果たし、そして、次世代を担う横綱も待望される逸材、逸ノ城に全戦績を俯瞰してみましょう。
前相撲から直近場所まで全戦績
2011年5月場所・前相撲から、2021年3月場所・2度目の幕内優勝までの場所毎の戦績を俯瞰して見ましょう。これです。
なお、下記表「照ノ富士、年ごとに見る取組結果」の「場所」のところにはリンクを貼っています。クリックすると、それぞれの場所の全日の戦績(決まり手、対戦相手など)部分に飛びます。
照ノ富士、年ごとに見る取組結果 | |||
---|---|---|---|
<2011年> | |||
場 所 | 番 付 | 勝-敗-休 | 摘 要 |
5月場所 | 前相撲 | ||
7月場所 | 東序ノ口3 | 5-2 | |
9月場所 | 西序二段59 | 6-1 | |
11月場所 | 東三段目93 | 7-0 | |
<2012年> | |||
場 所 | 番 付 | 勝-敗-休 | 摘 要 |
初場所 | 東幕下56 | 5-2 | |
3月場所 | 西幕下39 | 5-2 | |
5月場所 | 西幕下27 | 5-2 | |
7月場所 | 東幕下15 | 3-4 | |
9月場所 | 西幕下21 | 2-5 | |
11月場所 | 西幕下37 | 4-3 | |
<2013年> | |||
場 所 | 番 付 | 勝-敗-休 | 摘 要 |
初場所 | 西幕下31 | 5-2 | |
3月場所 | 西幕下20 | 5-2 | |
5月場所 | 西幕下10 | 6-1 | |
7月場所 | 東幕下4 | 6-1 | |
9月場所 | 西十両11 | 12-3 | 優勝 |
11月場所 | 東十両3 | 8-7 | |
<2014年> | |||
場 所 | 番 付 | 勝-敗-休 | 摘 要 |
初場所 | 西十両1 | 12-3 | |
3月場所 | 西前頭10 | 8-7 | |
5月場所 | 東前頭9 | 9-6 | |
7月場所 | 東前頭6 | 9-6 | |
9月場所 | 東前頭1 | 6-9 | |
11月場所 | 西前頭3 | 8-7 | |
<2015年> | |||
場 所 | 番 付 | 勝-敗-休 | 摘 要 |
初場所 | 東前頭2 | 8-7 | |
3月場所 | 東関脇 | 13-2 | |
5月場所 | 東関脇 | 12-3 | 幕内初優勝 |
7月場所 | 西大関2 | 11-4 | |
9月場所 | 東大関1 | 12-3 | |
11月場所 | 東大関1 | 9-6 | |
<2016年> | |||
場 所 | 番 付 | 勝-敗-休 | 摘 要 |
初場所 | 西大関1 | 3-3-9 | |
3月場所 | 西大関2 | 8-7 | |
5月場所 | 西大関2 | 2-13 | |
7月場所 | 西大関2 | 8-7 | |
9終場所 | 西大関1 | 4-11 | |
11月場所 | 西大関2 | 8-7 | |
<2017年> | |||
初場所 | 東大関2 | ||
3月場所 | 西大関1 | ||
5月場所 | 東大関1 | ||
7月場所 | 東大関1 | ||
9終場所 | 東大関2 | ||
11月場所 | 東関脇2 | ||
<2018年> | |||
場 所 | 番 付 | 勝-敗-休 | 摘 要 |
初場所 | 東前頭10 | 0-8-7 | |
3月場所 | 西十両5 | 6-9 | |
5月場所 | 東十両8 | 0-9-6 | |
7月場所 | 東幕下6 | 0-0-7 | 休場 |
9終場所 | 東幕下47 | 0-0-7 | 休場 |
11月場所 | 西三段目27 | 0-0-7 | 休場 |
<2019年> | |||
場 所 | 番 付 | 勝-敗-休 | 摘 要 |
初場所 | 西三段目88 | 0-0-7 | 休場 |
3月場所 | 西序二段48 | 7-0 | |
5月場所 | 東三段目49 | 6-1 | |
7月場所 | 東幕下59 | 6-1 | |
9月場所 | 東幕下27 | 6-1 | |
11月場所 | 西幕下10 | 7-0 | 優勝 |
<2020年> | |||
場 所 | 番 付 | 勝-敗-休 | 摘 要 |
初場所 | 西十両13 | 13-2 | 優勝 |
3月場所 | 東十両3 | 10-5 | |
5月場所 | 開催中止 | 中止 | |
7月場所 | 東前頭17 | 12-3 | 幕内優勝(2度目) |
9月場所 | 東前頭1 | 8-5-2 | |
11月場所 | 東小結 | 13-2 | |
<2021年> | |||
場 所 | 番 付 | 勝-敗-休 | 摘 要 |
1月場所 | 東小結 | 13-2 | |
3月場所 | 東関脇 | 12-3 | 幕内優勝(3度目) |
場所ごとの対戦詳細
次に、場所ごとの対戦詳細を見てみましょう。
以下の表をスマホで見るとき、スマホを横にすると文字が大きくなり、見やすくなります。
照ノ富士の今後の活躍について
2020年7月場所の復活優勝は、ある意味、「ラッキーだった」と言えるのかもしれません。
7月場所は…
怪我は全快していない(もともと膝は全快しないのかもしれません)にも関わらず、照ノ富士が怪我をケアしながらやれば、幕内平幕下位よりは断然強いということを証明したわけです。
照ノ富士は12日目までは、平幕中位以下の取組ばかりでした。
照ノ富士が優勝に関わるということが濃厚になった、13日目以降、ようやく優勝が絡む力士との対戦が組まれたわけです。
なので、言い方は適切ではないかもしれませんが、「12日目までは、比較的容易に白星を重ねることができた」のです。
さて、ラストの3日間。
照ノ富士は、朝乃山、御嶽海に圧勝しています。これは、いまでも上位に太刀打ちする力があるということです。
ただし、膝という爆弾を抱えているので、それを考慮すると、もとの大関までに復活して活躍…というのは難しいかもしれません…と私は2020年7月場所が終わったとき考えました。しかし…
2015年のときの初優勝のときと、2017年の2度目のときでは、照ノ富士の心境がまるで違ったようです。
力任せではない「うまい相撲」が備わったのです。
なので、2021年3月の3度目の優勝は、フロックではなく、照ノ富士の実力がそのまま出たもの。
そして、「序二段から必ず大関に復活する」という思いを実現した今、照ノ富士の照準は「さらに上」を目指していることは間違いありません。
初優勝時よりも格段に澄み切ったような心持ちで…。
まとめ

大関・照ノ富士の軌跡の復活劇と全戦績についてお伝えしました。
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どん底まで突き落とされた(?)男が、コツコツと努力を重ね、信じられないような復活劇を成し遂げ、さらなる上昇を目指す。
相撲ファンだけでなく、多くの人々に照ノ富士の復活劇は勇気を与えてくれるものとなりました。
そして、いま、頂点を目指し奮闘している姿にも、私たちは感動を覚えます。
次世代の大相撲を担う人材として、活躍を期待しています。