照ノ富士の戦績を振り返ります。
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2011年5月場所の前相撲で大相撲人生をスタートさせた照ノ富士(当時の四股名は若三勝)。
2013年9月場所に十両昇進、そして、2014年3月場所に新入幕。
2015年3月場所に初三役として関脇昇進。その場所で、13勝2敗の好成績。これは14勝1敗で優勝した横綱・白鵬に次ぐ白星。
そして、翌場所、横綱・白鵬、日馬富士を凌ぎ、12勝3敗で初優勝。このときの照ノ富士を見て、多くの相撲ファンがこう考えたことでしょう。
「取り口に多少強引なところがあるものの、照ノ富士が早晩、横綱に駆け上がるのは間違いない」と。
優勝の翌場所、2015年7月場所には大関昇進となり、11勝4敗、9月場所も12勝3敗と好成績だったが…。
実は、初日から11連勝をしていた2015年9月場所に転落の種があったのです…。
2015年9月13日目、対・稀勢の里戦が転落の基点!?
横綱・白鵬が怪我のため、早々に休場。そんななか、大関2場所目の照ノ富士は、初日から11連勝。
ファンは早くも、照ノ富士の2回目の優勝、そして、横綱昇進を夢見ていたのです。しかし…。
12日目、対・栃煌山戦に負け、翌・13日目、大関・稀勢の里に連敗を喫してしまいます。
しかも…
稀勢の里に負けたとき、「右膝の前十字靱帯損傷・外側半月板損傷などで1か月の加療を要する」と診断されるほどの大怪我を負ってしまったのです。
このとき痛めた右膝がもとで、照ノ富士から、それまで見えてきた「圧倒的な強さ」が消え失せます。
そして、右膝は言えることなく悪化し、2017年11月には大関陥落。2018年3月場所では十両陥落。
その後、4場所連続の全休を経て、2019年3月場所には、西序二段48という番付まで落ちてしまいます…。
前相撲から直近場所まで戦績を俯瞰
2011年5月場所の前相撲から、2020年7月場所の2度目の幕内優勝までの戦績を俯瞰して見ましょう。これです。
照ノ富士、年ごとに見る取組結果 | |||
---|---|---|---|
<2011年> | |||
場 所 | 番 付 | 勝-敗-休 | 摘 要 |
5月場所 | 前相撲 | ||
7月場所 | 東序ノ口3 | 5-2 | |
9月場所 | 西序二段59 | 6-1 | |
11月場所 | 東三段目93 | 7-0 | |
<2012年> | |||
場 所 | 番 付 | 勝-敗-休 | 摘 要 |
初場所 | 東幕下56 | 5-2 | |
3月場所 | 西幕下39 | 5-2 | |
5月場所 | 西幕下27 | 5-2 | |
7月場所 | 東幕下15 | 3-4 | |
9月場所 | 西幕下21 | 2-5 | |
11月場所 | 西幕下37 | 4-3 | |
<2013年> | |||
場 所 | 番 付 | 勝-敗-休 | 摘 要 |
初場所 | 西幕下31 | 5-2 | |
3月場所 | 西幕下20 | 5-2 | |
5月場所 | 西幕下10 | 6-1 | |
7月場所 | 東幕下4 | 6-1 | |
9月場所 | 西十両11 | 12-3 | 優勝 |
11月場所 | 東十両3 | 8-7 | |
<2014年> | |||
場 所 | 番 付 | 勝-敗-休 | 摘 要 |
初場所 | 西十両1 | 12-3 | |
3月場所 | 西前頭10 | 8-7 | |
5月場所 | 東前頭9 | 9-6 | |
7月場所 | 東前頭6 | 9-6 | |
9月場所 | 東前頭1 | 6-9 | |
11月場所 | 西前頭3 | 8-7 | |
<2015年> | |||
場 所 | 番 付 | 勝-敗-休 | 摘 要 |
初場所 | 東前頭2 | 8-7 | |
3月場所 | 東関脇 | 13-2 | |
5月場所 | 東関脇 | 12-3 | 幕内初優勝 |
7月場所 | 西大関2 | 11-4 | |
9月場所 | 東大関1 | 12-3 | |
11月場所 | 東大関1 | 9-6 | |
<2016年> | |||
場 所 | 番 付 | 勝-敗-休 | 摘 要 |
初場所 | 西大関1 | 3-3-9 | |
3月場所 | 西大関2 | 8-7 | |
5月場所 | 西大関2 | 2-13 | |
7月場所 | 西大関2 | 8-7 | |
9終場所 | 西大関1 | 4-11 | |
11月場所 | 西大関2 | 8-7 | |
<2017年> | |||
初場所 | 東大関2 | ||
3月場所 | 西大関1 | ||
5月場所 | 東大関1 | ||
7月場所 | 東大関1 | ||
9終場所 | 東大関2 | ||
11月場所 | 東関脇2 | ||
<2018年> | |||
場 所 | 番 付 | 勝-敗-休 | 摘 要 |
初場所 | 東前頭10 | 0-8-7 | |
3月場所 | 西十両5 | 6-9 | |
5月場所 | 東十両8 | 0-9-6 | |
7月場所 | 東幕下6 | 0-0-7 | 休場 |
9終場所 | 東幕下47 | 0-0-7 | 休場 |
11月場所 | 西三段目27 | 0-0-7 | 休場 |
<2019年> | |||
場 所 | 番 付 | 勝-敗-休 | 摘 要 |
初場所 | 西三段目88 | 0-0-7 | 休場 |
3月場所 | 西序二段48 | 7-0 | |
5月場所 | 東三段目49 | 6-1 | |
7月場所 | 東幕下59 | 6-1 | |
9月場所 | 東幕下27 | 6-1 | |
11月場所 | 西幕下10 | 7-0 | 優勝 |
<2020年> | |||
場 所 | 番 付 | 勝-敗-休 | 摘 要 |
初場所 | 西十両13 | 13-2 | 優勝 |
3月場所 | 東十両3 | 10-5 | |
5月場所 | 開催中止 | 中止 | |
7月場所 | 東前頭17 | 12-3 | 幕内優勝(2度目) |
場所ごとの対戦詳細
次に、場所ごとの対戦詳細を見てみましょう。
以下の表をスマホで見るとき、スマホを横にすると文字が大きくなり、見やすくなります。
照ノ富士の今後の活躍について
2020年7月場所の復活優勝は、ある意味、「ラッキーだった」と言えるのかもしれません。
7月場所は…
怪我は全快していない(もともと膝は全快しないのかもしれません)にも関わらず、照ノ富士が怪我をケアしながらやれば、幕内平幕下位よりは断然強いということを証明したわけです。
照ノ富士は12日目までは、平幕中位以下の取組ばかりでした。
照ノ富士が優勝に関わるということが濃厚になった、13日目以降、ようやく優勝が絡む力士との対戦が組まれたわけです。
なので、言い方は適切ではないかもしれませんが、「12日目までは、比較的容易に白星を重ねることができた」のです。
さて、ラストの3日間。
照ノ富士は、朝乃山、御嶽海に圧勝しています。これは、いまでも上位に太刀打ちする力があるということです。
ただし、膝という爆弾を抱えているので、それを考慮すると、もとの大関までに復活して活躍…というのは難しいかもしれません。
いずれにしても、来場所、前頭2〜3枚目になるであろう、つまり、上位戦が必須となる番付となるわけですから、来場所の戦いこそが真価を問われることになります。
来場所、膝をケアしながらでも勝ち越せば、三役復帰(小結、関脇)での活躍は可能だと考えます。
なお、9月場所の幕内番付予想については、こちらの記事をどうぞ。
↓ ↓ ↓ ↓
大相撲2020年9月場所、幕内番付予想(たもつ版)
まとめ
※Image quote source is pixabay.
今回は、照ノ富士の2回目の幕内優勝を祝い、過去の戦績を調べてみました。1場所1場所の詳細を見ていくと、とくに、大関昇進以降の「言葉では表せない照ノ富士の苦労・努力」が垣間見られるような気がしています。
どん底まで突き落とされた(?)男が、コツコツと努力を重ね、燦然と復活。
照ノ富士の2回目の幕内優勝は、苦節を味わっている人々の希望となったかもしれません。
そういう意味では、今後ますますの照ノ富士の活躍を望んでいます。
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本記事執筆者:たもつ
最終更新日時:2020-08-04 06:05:05
記事投稿日時:2020-08-04 06:03:22
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