テレビ局の衰退はGMSの道を辿る?不動産事業化・専門性喪失・ネット対応失敗の共通点を探る

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テレビ局の衰退が叫ばれる昨今、その構造を紐解くと、かつて日本の小売業界を席巻したGMS(総合スーパー)の衰退と驚くほど似通っていることが見えてきます。

GMSは「ワンストップショッピング」(一箇所で何でも揃う便利なお店)をコンセプトとして一時代を築きいてきました。

しかし、時代の変化に対応できず、専門性の欠如やネット対応の遅れが原因で衰退しました。

要するに、消費者ニーズや消費者行動の変化に、ビジネスモデルの進化・発展が追いつかなかったということです。

同様に、テレビ局も「不動産事業化」「専門性の喪失」「ネット対応の失敗」という「視聴者ニーズや視聴者行動の変化に対応できない」という3つの要因が絡み合い、かつての栄光を失いつつあります。

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この記事では、テレビ局の衰退の理由を明らかにし、それがGMSの衰退とどのように共通しているのかについて、簡単にまとめました!

この記事で分かること!
  • テレビ局の収益構造が「不動産事業化」している現状
  • テレビ局が抱える「専門性の喪失」の問題
  • ネット対応の遅れがテレビ局に与える影響

この記事をご理解いただくためにも、次の記事をおすすめします。

目次

不動産事業化:テレビ局の収益構造の変化

かつてテレビ局の収益の柱は、広告収入でした。しかし、視聴率の低下や広告主のネット広告へのシフトにより、広告収入は減少傾向にあります。その結果、テレビ局は不動産事業やライツ事業(映像販売や配信収入)に依存する構造へと変化しました。

  • 不動産事業への依存
    テレビ局は、保有する土地や建物を活用した不動産事業で収益を補填しています。例えば、フジテレビや日本テレビは、オフィスビルや商業施設の運営を通じて収益を上げています[5][6]。これは、GMSが店舗の賃貸収益に依存する「不動産事業化」と同様の構造です。
  • メディア事業の収益性低下
    テレビ局の本来の主軸である番組制作や放送事業は、収益性が低下しています。広告収入の減少に加え、制作費の高騰や視聴率の低迷が影響しています[14][20]。

このように、テレビ局は「不動産事業化」によって短期的な収益を確保していますが、本来のメディア事業の競争力を失いつつあります。

ホリエモンは、YouTubeなどで「テレビ局の広告一本足打法は(ビジネスモデルとして)ダメ」と主張しています。

メディア事業会社としては、不動産収益におんぶに抱っこ状態から抜け出し、しかも、「広告一本足打法」を解消する必要があるわけです。

専門性の喪失:外注依存とコンテンツ力の低下

テレビ局の番組制作は、ほとんどが外部の制作会社に依存しています。

極論で言うと、自分たちの力で自分たちのコンテンツを作る力がない、放棄しているということです。

この構造は、GMSが「何でも揃う」ことを追求するあまり、GMS内に「ユニクロ」などの大型専門テナントを集めて、不動産事業的になった結果、各分野での専門性を失った状況と似ています。

  • 外注依存の問題
    テレビ局は自社での番組制作能力を縮小し、制作会社に依存する形となっています。その結果、番組の質が画一化し、視聴者にとって魅力的なコンテンツが減少しています[2][5]。
  • チャレンジ精神の欠如
    テレビ局は視聴率至上主義から「マネタイズ至上主義」へと変化し、新しい挑戦を避ける傾向があります[5]。これは、GMSが専門店の台頭に対抗するための革新を怠った状況と重なります。
  • 視聴者ニーズへの対応不足
    若年層を中心にテレビ離れが進む中、視聴者の多様なニーズに応える柔軟性が欠けています[13]。

専門性を失ったテレビ局は、視聴者にとって「見たい番組がない」と感じられる存在になりつつあります。

これは、GMSが「欲しいものがない」と揶揄された状況と同じです。

セグメントされた視聴者にとって「観たいコンテンツがない」ということです。

現在、デジタルコンテンツの世界では、Netflix独走状態で、フジテレビなどはNetflixと契約をして、フジテレビコンテンツの一部をNetflixで流すようになっています。

これは、フジテレビのコンテンツ創出力を1mmも進展させません。

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ネット対応の失敗:デジタル時代への適応不足

インターネットの普及により、視聴者のメディア消費行動は大きく変化しました。

しかし、テレビ局はこの変化に対応しきれていません。

  • ネット配信の遅れ
    テレビ局はオンデマンド配信サービスを展開していますが、NetflixやYouTubeといった競合に比べて使い勝手やコンテンツの充実度で劣っています[6][9]。
  • デジタル広告への対応不足
    広告主がネット広告にシフトする中、テレビ局はデジタル広告市場での存在感を確立できていません[14][20]。
  • 視聴者データの活用不足
    ネット配信サービスが視聴者データを活用してパーソナライズされた体験を提供する一方で、テレビ局は視聴者データの収集・活用が進んでいません[7]。

これらの問題は、GMSがネット通販の台頭に対応できず、顧客を奪われた状況と酷似しています。

まとめ:テレビ局とGMSの共通点と未来

テレビ局の衰退は、GMSの衰退と驚くほど似ています。「不動産事業化」「専門性の喪失」「ネット対応の失敗」という3つの要因が、両者の衰退を招いています。

GMSは、専門店やネット通販の台頭により市場での地位を失いました。同様に、テレビ局もネット配信サービスやSNSといった新しいメディアの台頭に押され、かつての影響力を失いつつあります。

テレビ局がこの状況を打破するためには、以下のような取り組みが必要です。

  • メディア事業の専門性を取り戻し、視聴者にとって魅力的なコンテンツを提供する
  • ネット配信やデジタル広告への対応を強化し、新しい収益モデルを構築する
  • 視聴者データを活用し、パーソナライズされた体験を提供する

テレビ局がこのまま変革を怠れば、GMSと同様に「時代遅れの存在」として淘汰される可能性が高いでしょう。今こそ、テレビ局は自らの役割を見直し、時代に即した進化を遂げるべき時です。

ところで、新聞業界においても、この記事でまとめた「GMS衰退の法則」が合致します。

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