「1マイル4分の壁」とは何? そこにある真実「常識は迷信」!?

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2017年9月9日、とうとう日本人が初めて「100m10秒の壁」を破りました。桐生祥秀(きりゅうよしひで)選手です。

このとき、思い出したのが「陸上における大きな壁」と言われていた「1マイル4分の壁」を破ったロジャー・バニスターのこと。

そこには、心理的な壁の不可思議さがありました。

その心理の壁を知ることで、あなたも「それはできるわけがない」という壁を乗り越えることができるかもしれません。

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  • 本記事は、当ドメインで、2017年9月10日(最終更新日、2021年4月4日)に公開したものをリライトしたものです。筆者は、リライト前と同じであり、当サイト管理人です。
目次

「1マイル4分の壁」とは?

1マイル(およそ 1.6km)のレースは、世界選手権などの実施種目ではありません。それは世界選手権なおは「メートル法」を採用しているからです。

しかし、実質的に「ヤード・ポンド法」を採用しているアメリカなどでは、とても根強い人気のあるレース競技。

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ここで、1マイルレースの世界記録の歴史を振り返ります。

1923年、フィンランドのパーヴォ・ヌミル選手が、4分10秒3で、世界新記録を打ち立てました。

その記録は、わずか「2秒」更新の記録でしたが、当時は、驚愕すべき大記録だったのです。

というのも、それまでの記録は 37年間も破られることがなかったからです。

しかし、37年ぶりに更新された記録は、当時の選手たちにマイナスに影響してしまいました。

つまり、

「1マイル4分を着ることは人間としては不可能」

という常識が世界に流布・蔓延してしまったからです。

結果、「1マイル4分の壁」(別名、brick wall〜れんがの壁)と言われた大きな壁は、当時、エベレスト登頂や南極点到達よりも難しいと考えられていたのです。

さらに、これに挑戦すると人は死に至ると考えられていました。

常識にとらわれない医学生が登場!?

「1マイルレース」記録更新については全世界的に閉塞感のある当時、ここに常識にとらわれない医学生が登場します。

イギリス国籍で、オックスフォード大学医学部で学ぶロジャー・バニスター選手です。

彼は当時としては珍しく、トレーニングに科学的な手法を持ち込んで、自分のコンディションを科学分析をしました。

そして、1954年5月のレースで、ロジャー・バニスター選手は、2人のチームメイトをペースメーカーにして、3分59秒4の世界新記録を打ち立てました。

31年ぶりの新記録、しかも、人類には到底、乗り越えることができないとされていた壁を乗り越えたのです。

ちなみに、ロジャー・バニスター選手は、その後、医者としても輝かしい貢献をして、1975年には無いと爵位を授与します。

氏は、2018年3月3日、88歳で永眠しました。


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次の動画は、ロジャー・バニスターの世界新記録樹立のレースの模様です。

出典チャンネル:Phil Dourado

不思議なのはロジャー新記録(壁超え)のあと!?

「1マイル4分の壁」を破った話が面白いのは、その後日談です。

1923年にパーヴォ・ヌルミ選手がたったの「2秒」を更新するのに37年。
 
そして、1954年にロジャー・バニスターが「1マイル4分の壁」を切るまで、パーヴォ・ヌルミ選手から31年もかかってしまったわけです。
 
それくらい「1マイル4分の壁」は超難しい課題、人間業では乗り越えることができかねるとされていた課題だったわけです。
 
それが科学的手法を導入した医学生が、いとも簡単(?)に乗り越えてしまった。
 
このロジャー・バニスターの新記録は、世界中に蔓延していた「1マイル4分」という心理的な壁をぶち壊したのです。  
 
一端、心理的な壁が壊れると、その影響はもの凄いものがありました。

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  • ロジャー・バニスターの大記録から、46日後にはバニスターのライバル、ジョン・ランディが3分58秒という新記録を出しました。
  • バニスター記録のあと1年後までに、ランディを含め、なんと23人の選手が「1マイル4分の壁」を打ち破ったのです。

世界中に流布・蔓延されていた心理的な壁の強さ、一方、それが壊れたときに理協力を物語る、とても不思議な逸話だと思いませんか?

まとめ

少し回りくどかったかもしれません。

「常識にとらわれない大切さ」

言葉を変えると、

「限界を示すその常識は迷信かもしれない」

ということです。

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話は変わって、日本の「100m10秒の壁」ですが、桐生選手の壁超えのあと、たくさんの日本人が9秒台を達成することを期待していましたが、このリライト記事公開日現在、小池選手、山縣選手の2人だけです。

桐生選手の壁突破後、日本人以外で9秒台を達成したのは、のべ30人もいます。

このあたりも、「限界を示すその常識は迷信かもしれない」ということの不可思議な部分です。

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